管理権限のない無料ホームページや制作者不在サイトの削除依頼の法的問題と調査手順


ホームページ(ウェブサイト)を閉鎖・削除する際の技術的な手順や削除後に検索結果へ残ってしまう場合の非表示対応、また社内の担当者が退職して管理情報がわからなくなった場合の探し方については、すでに弊社の別ページにて詳しく解説しています。

しかしながら、実際の業務のなかでホームページ削除に関するお問い合わせをいただく際、それらの手順だけではどうしても解決できない「本当に情報が全くわからずお手上げになっているケース」に直面することがあります。当時の契約情報が皆無である場合や、外部の制作者にすべてを任せていて連絡が途絶えてしまった場合などがこれに該当します。

こうしたケースは、ホームページ制作における技術的な問題ではなく、契約名義やアクセス権限といった法的な問題へと性質が変わります。

今回は、管理権限が一切ないホームページ(ウェブサイト)の削除においてなぜ第三者による直接の削除代行がお取り扱いできないのかという法的な背景と、URLから管理元を割り出して削除への道筋を立てる調査手順、さらにGoogle検索結果からの個人情報削除リクエストについて詳しく解説していきます。

目次

管理情報が完全に不明でホームページが削除できない実務上のケース

管理情報が完全に不明でホームページが削除できない実務上のケース

ホームページ(ウェブサイト)をインターネット上から完全に消去するためには、ホームページのデータが置かれているサーバーへ接続するか、利用しているサービスの管理画面へログインして削除・解約の手続きを行う必要があります。しかし、実務の現場に寄せられるご相談のなかには、社内のどこを探しても手掛かりが存在せず、通常のルートでは手出しができない状態に陥っているケースが見受けられます。

無料ホームページサービスやプロバイダ付属サービスで情報が全くわからない場合

一つ目の代表的な事例は、創業時や数年以上前に、無料のホームページ作成サービスやオフィス等で契約していたインターネット回線(プロバイダ)の付帯サービスを利用してホームページを公開していたケースです。

無料サービスは毎月の請求書や契約更新の案内書類が郵送されないことが多く、当時の担当者が退職してしまうと、どのサービスを使って作ったのかすら社内記録に残っていないことがあります。さらに、ログインIDやパスワードの再発行に必要となる当時の登録メールアドレス自体がすでに廃止されていたり、プロバイダを乗り換えて昔の契約情報が失われていたりすると、運営元に対して「自社のホームページである」と証明する手段が極めて乏しくなり、削除手続きが暗礁に乗り上げてしまいます。

制作したフリーランス名義の会社サイトがあるサーバーを解約したいが音信不通の場合

二つ目の事例であり、実務上もっとも深刻なトラブルになりやすいのが、「制作したフリーランス名義の 会社サイトがあるサーバーを解約したい」というご相談です。

知人や個人のフリーランス、あるいは小規模な制作事業者にホームページ制作を発注した際、契約の手間を省くといった理由から、レンタルサーバーや独自ドメインの契約をすべて制作者個人の名義で行っているケースが少なからず存在します。制作者と円滑に連絡が取れている期間は何も問題が起きませんが、制作者が廃業したり連絡先を変更したりして音信不通になると、発注者である事業者側はホームページのデータを管理する術を完全に失います。

特にレンタルサーバーは、月々の利用料金を安く抑えるために、36ヶ月(3年)などの長期契約で一括払いされていることが珍しくありません。たとえば、ホームページを公開してから1年後に事業の廃止や店舗の閉鎖が決まり、速やかにホームページを削除したいと考えたとしても、契約名義人である制作者と音信不通になっているため解約の手続きが取れません。その結果、残りの2年間はサーバーの契約期間が満了するまでホームページがインターネット上で稼働し続けてしまうという、非常に厄介な事態が発生します。

管理権限がないホームページの削除が技術ではなく法的問題になる理由

管理権限がないホームページの削除が技術ではなく法的問題になる理由

ご自身や自社でどうにもできなくなった際、専門の知識を持つWeb制作会社に依頼すれば、技術的なアプローチでホームページを消去してもらえるのではないかと考えてお問い合わせをいただくことがあります。しかし、管理権限やログイン情報がない状態でのホームページ削除は、技術力の問題ではなく、契約および法律上の問題となります。

サーバーやドメインの契約名義人にしか解約やデータ削除の権限がない

レンタルサーバーや独自ドメインの利用契約は、あくまで「サーバー会社(またはドメイン管理会社)と契約を結んだ名義人」との間で成立しています。たとえ公開されているホームページの中に、貴社の正式な法人名や代表者名、住所、電話番号が明記されていたとしても、サーバーの契約名義が外部のフリーランス個人になっている場合、サーバー会社から見れば貴社は「契約当事者ではない第三者」という位置づけになります。

そのため、ホームページに掲載されている当事者からサーバー会社へ直接連絡し、「制作したフリーランス名義の 会社サイトがあるサーバーを解約したい」「事業を廃止したのでデータを消してほしい」と要望を伝えても、契約者本人からの正式な申請ではないため、契約約款や個人情報保護の観点から、そのまま解約やログイン情報の開示に応じてもらうことは原則としてできません。

第三者のWeb制作会社による強制削除や解約代行がお取り扱いできない理由

こうした法的な権利関係があるため、弊社のような第三者のWeb制作会社に対して「ログイン情報が全くわからないホームページを消してほしい」「音信不通の制作者が借りているサーバーのホームページを削除してほしい」とご依頼をいただいても、直接の削除作業や解約代行としてはお取り扱いできないケースとなります。

正規のログインIDやパスワードを持たない外部の人間が、管理画面やサーバーのセキュリティを無理に突破してデータを消去しようとすれば、不正アクセス禁止法に違反する犯罪行為にあたります。また、契約名義人ではない者が名義人になりすまして解約手続きを行うことも法的に許されません。

お問い合わせをいただく皆様が本当に困り果ててご相談をくださっていることは重々承知していますが、法的なコンプライアンスを遵守する以上、管理権限のないホームページを第三者の制作会社が強制的に削除することは不可能であるという点を、あらかじめご理解いただく必要があります。

お手上げ状態から削除の道筋を立てるためのドメイン・サーバー調査

お手上げ状態から削除の道筋を立てるためのドメイン・サーバー調査

直接的な削除作業を外部の制作会社に代行してもらうことはできませんが、だからといって数年間も放置するしかないわけではありません。現在公開されているホームページのURL(アドレス)さえ分かっていれば、インターネット上に公開されている技術情報を調査することで、「どこのサーバー会社やサービスでそのホームページが動いているのか」を特定し、解決に向けた正当な道筋を立てることが可能です。

Whois情報やDNSレコードからサーバー会社とドメイン管理会社を特定する

インターネット上で閲覧できるすべてのホームページには、ドメインの登録情報を記録した「Whois情報」や、通信をどのサーバーへ繋ぐかを指定する「DNSレコード(ネームサーバー情報)」、そしてサーバーの所在を示す「IPアドレス」が存在します。

より専門的には、対象となるホームページのURLをもとにこれらのネットワーク情報を照会・解析することで、現在どのドメイン管理会社でドメインが維持されており、どこのレンタルサーバー会社や無料ホームページサービス上でデータが公開されているのかを正確に割り出すことができます。プロバイダが提供している古いホームページスペースであっても、URLの構造やIPアドレスの割当情報から、管理元となる通信事業者を特定することが可能です。

特定した管理会社に対して当事者から事情を説明し削除を相談する手順

調査によってホームページが稼働しているサーバー会社や運営サービスが判明すれば、ホームページに掲載されている法人や個人(当事者)から、その管理会社の窓口へ直接事情を説明して相談する道が開けます。

このとき、単なる「ログイン情報の紛失」としてサポート窓口に問い合わせると、前述の通り「契約者本人以外には対応できない」と断られてしまいます。そうではなく、「ホームページ制作者と完全に音信不通になっており、すでに廃止した事業のホームページが放置されて営業上の不利益や個人情報の流出状態が続いている」といった具体的な事情をまとめ、法人の履歴事項全部証明書(登記簿謄本)や廃業届の控え、代表者の本人確認書類などを添えて、各サーバー会社の権利侵害窓口や法務関連の相談窓口へ申し立てを行います。

プロバイダ責任制限法に基づく送信防止措置(削除の申し出)や、各サービスの利用規約における例外規定などに基づき、契約者本人と連絡が取れない正当な事由が認められれば、非公開化に向けた手続きを案内してもらえる可能性があります。どこの会社が管理しているかすら分からない状態から脱却し、正規の窓口へ相談を持ちかけることが解決への第一歩となります。

ホームページ削除に向けた窓口特定の調査サポート(有償)のご案内

Whois情報やネームサーバー、IPアドレスの調査は、誰でも閲覧できる公開情報に基づいていますが、英語の専門用語やネットワークの知識が必要となるため、普段ホームページの管理に関わっていない方がご自身で正確な管理会社と問い合わせ窓口を見つけ出すのは難しいかもしれません。

弊社では通常、ホームページの修正や更新、リニューアルのご依頼をいただく際には、こうしたドメインやサーバーの事前調査を無償で実施しています。一方で、修正等のご依頼ではなく「情報不明や制作者との音信不通によりホームページが削除できないため、どこに問い合わせればよいかの道筋を立てる調査だけをお願いしたい」という場合には、有償(税別3,000円程度)の調査サポートとして対応しています。

削除したいホームページのURLをお知らせいただければ、現在利用されているサーバー会社やドメイン管理会社、ホームページ作成サービスを特定し、当事者様ご自身で削除の相談を進めていただくための連絡先窓口や現状の調査結果をおまとめしてご報告いたします。直接の削除代行はお受けできませんが、何から手をつければよいか分からない状態を整理したい場合は、弊社の調査サポートをご検討ください。

ホームページ自体を消せない場合のGoogle検索結果からの削除リクエスト

ホームページ自体を消せない場合のGoogle検索結果からの削除リクエスト

サーバー会社への申し立てに時間がかかる場合や契約名義の問題がどうしても解消されずホームページ自体の削除に至らない場合、実生活や事業において最も大きな支障となるのが「Googleなどで検索した際に、廃止した事業のホームページが表示され続けてしまうこと」です。こうした状況における現実的な対策として、Googleの検索結果から該当ページを非表示にするための削除リクエストを行う方法が挙げられます。

事業廃止後も電話番号などが残り営業電話がかかり続ける実害への対策

小規模な法人や個人事業において、事業を廃止した後も、当時ホームページに掲載していた電話番号(個人の携帯電話や自宅兼事務所の固定電話など)や住所を、個人としてそのまま継続利用しているケースは少なくありません。

この状態で、制作者と音信不通のままサーバーが稼働し続け、検索結果に古いホームページが表示され続けると、すでに事業を行っていないにもかかわらず、ホームページを見た業者から営業電話がひっきりなしにかかってきたり、廃業を知らない方から問い合わせが入ったりするなどの実害が生じます。サーバー上のホームページ自体を今すぐ消すことができなくても、Googleの検索結果からそのページが表示されないようになれば、第三者の目に触れる機会を大幅に減らし、日々の生活や業務への悪影響を抑えることができます。

ホームページの管理権限がなくても申請できるGoogleへの削除リクエストの概要と注意点

弊社の別ページ「ホームページを削除したのに検索結果に残っている場合の非表示対応」では、すでにサーバーからデータを消去した後に、Google Search Console(サーチコンソール)という管理者向けツールを使って検索結果から早期に消す手順を解説しています。しかし、今回のようにサーバーやホームページの管理権限が一切ないケースでは、Search Consoleを使用することができません。

このように管理権限を持たない状態であっても、ご自身の電話番号や住所、メールアドレスといった個人情報が検索結果に残ることで明確な不利益が生じている場合、Googleに対して検索結果からの削除(非表示)を直接リクエストできる窓口が用意されています。

具体的には、個人の連絡先情報などが意図せず公開され続けており削除を求めたい場合、Googleの公式ヘルプページである「Google 検索から個人情報を削除する」の案内ページから、削除リクエストの手続きを進めることができます。また、法的な権利侵害や法律上の理由に基づいて削除を申し立てる場合には、「法的な理由でコンテンツを報告する(Legal ヘルプセンター)」からリクエストを作成することが可能です。

申請フォームでは、ホームページの管理者に連絡を取ったかどうかを確認する項目がありますが、制作者と音信不通で連絡が不可能である事情や、事業廃止後に個人の電話番号等が残り続けて実害が出ている状況を具体的に記載し、当事者であることの証明とともに送信します。

ただし、この手続きはGoogleの定めるポリシーや法的な基準に照らし合わせて審査が行われるため、リクエストを送れば確実に検索結果から削除されるという保証があるわけではありません。また、仮に検索結果から非表示になったとしても、大元のサーバー上にあるホームページのデータ自体が消えるわけではないため、先述したサーバー会社への相談とあわせて検討すべき対策となります。

社内に管理情報が残っている可能性がある場合の確認手順とまとめ

社内に管理情報が残っている可能性がある場合の確認手順とまとめ

ホームページ(ウェブサイト)の削除に関する問題は、現在の契約名義がどうなっているか、そして社内に少しでも手掛かりが残っていないかによって、取るべき対応が大きく変わってきます。最後に、完全に手詰まりと判断する前の確認事項と関連情報について整理します。

ログイン情報や契約書類が社内のどこかに残っている可能性がある場合

もし「制作会社やフリーランスと連絡は取れないが、毎年のサーバー代やドメイン代は自社の口座やクレジットカードからサーバー会社へ直接支払っている」「前任の担当者が退職しただけで、契約自体は自社名義になっているはず」という状況であれば、法的な壁に阻まれることなく、サーバー会社の正規の手続きによってログイン情報を再取得できる可能性が高いと考えられます。

社内でサーバー情報を探す方法や、担当者が不在になった際の具体的な復旧アプローチについては、「Web担当者がいなくなりホームページの情報がわからない場合の対処法」にて詳しく解説していますので、まずは自社名義での契約記録や引き継ぎ資料がないかをご確認ください。

また、そうした確認を通じて無事にサーバーや管理画面のログイン情報が見つかり、通常の作業としてホームページ全体や一部ページの削除を行える状態になった場合の具体的な手順については、「公開中のホームページの削除や一部ページの削除」をご参照ください。

ホームページの削除や管理元の特定でお困りの際のご相談について

ホームページ(ウェブサイト)は、新しく立ち上げる時よりも、事業の整理や廃止に伴って閉鎖・削除しようとする時の方が、契約名義や管理権限の不備によるトラブルが表面化しやすくなります。

すでに制作したフリーランス等と音信不通になっており、利用している無料サービスやサーバー会社の名前すら分からずお困りの場合は、URLから管理元や問い合わせ窓口を割り出す弊社の調査サポート(有償)をご活用いただけます。

第三者による直接の削除代行は法的な理由からお取り扱いできませんが、現在置かれている状況を正確に把握し、削除に向けた現実的な一歩を踏み出すためのサポートとしてお役立てください。

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著者・監修 : 株式会社ファンフェアファンファーレ

2012年創業、京都のWeb制作・マーケティング会社。過去には公的機関(滋賀県産業支援プラザ等)での専門家登壇実績も有し、SEO対策、次世代のAI検索最適化(LLMO・AIO)、コンテンツマーケティングなど「事業の収益(ROI)に直結するノウハウ」を発信しています。 弊社では、証券外務員やFP(ファイナンシャルプランナー)といった金融・財務の有資格者の知見を事業に組み込み、単なるIT視点ではなく「確実な事業投資としてのWebマーケティング」を厳格に設計しています。そのため、「納品をゴールとした単発の制作請負」は行わず、新規制作数を170社超に限定。一方で、他社制作サイトの複雑なエラー修正・SEO改修(720件以上)や、公開後の継続的なサイト改良・マーケティング支援(現在も17社と中長期契約中)に圧倒的なリソースを集中しています。 表面的なデザインではなく、中小企業が競争を勝ち抜くための「本質的な集客の仕組み」をお届けします。 (執筆・監修:株式会社ファンフェアファンファーレ 代表取締役 桝井 晶平)

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