第一章 第十九話|霧深き夜に見た繊月


「なあ、一平。新しいホームページから、やたらと営業メールとか迷惑メールが来るんだが、これ、どうにかならないか?」

オンライン会議で、俺は早速、新たな悩みを一平にぶつけた。せっかく作ったホームページから、大事な問い合わせが埋もれてしまうのは困る。

一平は、俺の言葉を聞いて、少し驚いたような顔をした。

「ほう、もうそんなに来るようになったか。それは、サイトが注目されだしている証でもあるんだぜ。予想よりも早く注目されているな。健太、良かったじゃないか」

一平の言葉に、俺は面食らった。迷惑メールが、サイトが注目されている証?そんな風に考えたこともなかった。

「そうなのか……。でも、これじゃ本当に大事な問い合わせを見落としてしまいそうで」

「分かってる。対策はできる。問い合わせフォームに、画像認証(reCAPTCHA)なんかを導入すれば、機械的なスパムメールはかなり減らせるはずだ。俺の方で設定しておくから、心配するな」

一平の言葉に、俺は安堵した。さすがプロは違う。

「そして、健太。せっかくいいホームページができたんだ。Instagramと並行して、コンテンツ配信も本格的にやっていこう」

「コンテンツ配信、か。ブログとか、そういうやつか?」

「その通りだ。お前が日頃の仕事で培った知識や経験を、文字にして発信するんだ。例えば、『知っておきたい!家の壁にひびが入ったらどうする?』とか、『冬場の水回りトラブルを防ぐには?』とか、お客さんが知りたい情報を分かりやすく提供する。そうすれば、検索エンジンから直接お客さんが訪れるようになるし、お前自身の専門性や信頼性も高まる」

一平の言葉に、俺は納得した。LPで客を呼び込み、WordPressサイトでさらに詳しい情報を提供し、Instagramで日々の暮らしに役立つ情報を発信する。それぞれの役割が、少しずつ見えてきた気がした。

「でも、ちゃんと客が来てくれてるかとか、何を見てくれてるかとか、どうやって分かるんだ?」

俺の問いに、一平はパソコンの画面を共有した。

「いい質問だ。そのために使うのが、Google Analytics(グーグルアナリティクス)とSearch Console(サーチコンソール)だ。Analyticsは、誰が、どこから、どんなページを見て、どれくらいの時間滞在したか、といった訪問者の行動が分かる。Search Consoleは、どんなキーワードで検索されて、お前のサイトが検索結果のどこに表示されたか、などが分かるんだ」

一平は、それぞれのツールの画面を簡単に操作しながら、概要を教えてくれた。難しそうではあったが、一平が分かりやすく説明してくれるので、少しずつ理解できた。

「最初は難しいかもしれないが、これを自分で見られるようになれば、お前自身でPDCAサイクルを回せるようになる。つまり、何が効果があって、何がダメだったのかを分析して、次の改善に活かせるようになるってことだ」

一平の言葉に、俺は感銘を受けた。ただホームページを作るだけでなく、その後の運用まで見据えている。そして、それを俺自身にできるように導いてくれているのだ。

「分かった、一平。やってみるよ。これで、もっと客が呼べるようになるってことだな!」

俺は、新たな知識を得て、Web集客への意欲をさらに燃え上がらせた。

迷惑メール対策も、コンテンツ配信も、Google AnalyticsもSearch Consoleも、全ては俺の工務店を立て直すための重要なピースだ。

まだまだ道は険しいが、一平という心強い相棒がいる。俺は、このWeb集客の戦いを、必ず勝ち抜いてみせる。

第一章 第十八話|霧深き夜に見た繊月

霧深き夜に見た繊月 ― 小さな会社の起死回生 低予算からのWeb集客戦略(目次)


著者・監修 : 株式会社ファンフェアファンファーレ

2012年創業の京都のWeb制作会社 ホームページ制作やSEO、Web集客・Webマーケティングをメインテーマにお届け。SEOやAI活用、Web以外の集客何でも来いです。中小零細企業を中心に「きちんとしたホームページ集客」を考えて、ホームページ制作や様々なWeb集客戦略を提案しています。 ホームページ制作に限ると、のべ制作数は160社(少ないって?それはそれだけ1社あたりのWeb集客施策や修正に集中してるからさ)

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