すっかり秋の匂いがしてきました。源平桃が実をつけているのですが、日に日にサイズが大きくなってきています。食べられないこともないそうですが、花桃のためあまり美味しくはないそうです。
さて、今回は「思わずブラウザブックマークしてしまうホームページやブログ」と題しまして、近所のお店から店舗としての理想的な経営方法を盗み見したことをホームページやブログへのアクセスと合わせて考えてみたいと思います。
SEOで自然検索からのアクセスを確保するということも、最初の出会いとしては大切ですが、例えばブログ運営などであれば、本来目指すべきものはブラウザブックマークされるほどのサイトにまで完成度を高めることではないでしょうか。
それほどのヘビーユーザーを獲得していくことのできるクオリティにホームページの質を高めていくことは、結果的にSEOにもつながり、検索結果リストでの露出頻度も高まっていくと考えることができます。
理想的なお店
京都では創業100年程度では老舗とは言えないという文化がありますが、一つの見方としては、流行に左右されず安定的に収益を上げる事業こそ理想的な事業だと考えることができます。
幼稚園児くらいの時から家族で何度も訪れている飲食店が何軒もあります。
物心ついてから数え切れないほど行っているのですが、ふと考えてみると、これはものすごいことです。
我が家から生み出したトータルの売上額もすごい額だと思いますが、数十年、ほとんど集客に手間もお金もかけずにずっとお店が続いていて、知らぬ間にお孫さんまで大きくなっていらっしゃるという歴史を考えると、この構造はもっとも理想的なお店の形ではないかと考えました。
「F1層を狙え」ということは広告業界が発しているのでは?
そこで、売上を上げようと思ったら「F1層を狙え」ということが囁かれることがあります。F1層とは、20歳から34歳までの女性を指します。
しかし、この言葉は元々広告業界などで用いられていた言葉です。
よくよく考えてみると、「F1層を狙え」ということは広告業界のニーズがF1層を対象とした事業にあるだけで、様々な経営形態を考えると、この言葉は全く当てはまらないということになりそうです。
なぜなら、先ほど触れた数十年続いている飲食店さんは、広告を一切必要とせず、客層も比較的高年齢層で男性比重が高いものの、数十年安定的に収益を上げていらっしゃるからです。
消費需要は高いものの、ニーズが移り変わる層を対象とした場合は、広告が必要になります。
しかし、いつものお店では、広告の必要性はほとんど感じられません。
「F1層を狙え」という言葉の奥には、「F1層を狙ってもらわないと広告の需要が少なくなる」ということがあるのではないでしょうか?
Directのリピーターが最高のアクセス
いつもはコーポレートサイト(企業ホームページ)についてお伝えすることが多いですが、今回はブログや情報サイトなどの方が関連性が高いかもしれません。ブログに類似するものとして企業ホームページ内のオウンドメディア運営にも関連しています。
先ほどの店舗のことを考えると、何かの集客方法に依存せず、リピーターの方が安定してアクセスしてくれるサイトが最も理想的な形ではないでしょうか?
ホームページのアクセス経路には、自然検索、参照、ソーシャル、広告などがありますが、最も理想的なアクセスは、ブラウザブックマークによる直接的なアクセスです。特にブログなどでは、非常に重要なアクセスです。
ブラウザブックマーク
ブラウザブックマークのきっかけとなるホームページやブログへの最初のアクセスは、自然検索やソーシャルを活用する必要がありますが、安定的なホームページへのアクセスにはリピーターの確保が最も理想的です。
リンクなども一つの投票行為としては目安にはなりますが、「優れたウェブサイト」を考える上で本当に一番指針となるのは「ブラウザブックマーク」ではないでしょうか?
企業のホームページでも、見込み客層が競合との十分に吟味するために比較対象を並べるときは、おそらくブラウザブックマークを利用するでしょう。
特定のアクセス方法に依存しない
先ほどお伝えしたとおり、ホームページのアクセス経路には様々な種類があります。
その中で一つの方法、一つの経路に依存することは最も危険です。
これはお店の例で言えば、店舗集客をフリーペーパーへの広告出稿に依存していた場合、広告をやめた途端に来店数が激減するということは、店舗運営にあたって相当危険です。
なぜなら、フリーペーパー自体の需要、つまり購読者数などの変化に依存するからです。
これは、ホームページへの集客にも同じことがいえます。
SNSの流行
Google、Yahoo!などのウェブ検索は、規模が大きいためマス媒体と考えてもよいほどの規模ですが、SNSなどは、そのSNS自体に流行り廃りがあります。
ある時期に爆発的に人気を誇っていた雑誌が廃刊になることはよくあります。
その人気の時期は非常に広告効果の高いものとして扱うことができますが、その媒体自体の流行が去ったとき、また別の方法を探す必要が出てきます。
SNSは歴史も浅いですが、流れとしては流行があるため、ある時期が去ると一気に実質ユーザー数が減ることがあるため、この構造と近いものがあると考えることができます。
SEOも絶対的な安定はない
また、ユーザー数が多く、SNSのように実質ユーザー数の変動によるリスクはあまりないものの、ウェブ検索の利用におけるSEOによるホームページの集客も、ある程度の安定性はあっても絶対的な安定はありません。
その安定が保証されない原因はいくつかありますが、大きな要因としては検索アルゴリズム変更による順位変動と、競合サイトの品質向上による相対的な順位下落です。
SEOによるホームページへのアクセスは、単発的なチラシ広告に対しての「看板」のような固定性がありますが、その効果も絶対的ではありません。ユーザーが多く検索する検索クエリの変動なども、変動要因となりますので、絶対的な安定はありません。
ホームページへの新規アクセスにはいずれかの方法を
どんなお店でも、まずは一度来店してもらわないと、その後の「リピーター」になりません。このことから新規オープンのお店などは広告を利用する必要があることは当然ですが、「広告に依存する」ということよりも、リピーター確保の方が明らかにリスクが軽減されます。
ホームページのアクセスも、最初の入口は、自然検索やSNS、ウェブ広告の利用、そしてウェブ以外での告知などが必要になります。
しかし、一度見てそれっきり、という状態になるのであれば、それはもしかするとホームページ自体に問題があるのかもしれません。
そして、その「一度のチャンス」もない状態は、最も避けるべき状態です。
ホームページへの集客は、ひとつのアクセス方法に偏ることなく、各アクセス経路のどれにも依存することなく、様々な方面からホームページへのアクセスを集める必要があります。
最高の「リピーター確保」は高品質なコンテンツ
ブログや情報サイトであった場合、本来はリピーター確保が最優先されるべき課題であると考えることができます。
メールマガジンの登録やソーシャルボタンの設置など、ホームページやブログへのリピーターを確保するための様々な施策がありますが、最も良いリピーター確保の方法は、高品質なコンテンツを作り上げることです。
小手先の小技では多少のリピーター確保にはつながるかもしれませんが、少し女々しさが残ります。
「何度でも読みたい」
「また新しい記事が出たら読みたい」
自然にそう思ってもらうことができたなら、おそらく小手先の小技を使わなくても、その場でブラウザブックマークしてもらえるでしょう。
ガッカリさせると「ここはダメだ」と判断される
また、個人的にはある検索キーワードで検索して表示されるリストの中で、特定のドメインの場合は必ずスルーするということがあります。
これは、お店でも同じではないでしょうか?
価格相応の満足感を得られると思って来店してみると、かなりイマイチだったとしましょう。
そうなると、そのお店が「秋の味覚フェア」などの広告を出していたとしても、スルーするはずです。
ドメイン単位で判断している人はそれほどいないかもしれませんが、ブログなどへアクセスしてみて、タイトルロゴなどを見て「ああ、このサイトに一回釣られた」と思えば、0秒で直帰することもあるでしょう。
ユーザーをガッカリさせた分だけ、アクセス数や直帰率、滞在時間に影響を与えます。それは自業自得です。
リピーターがつかないことも当然ですが、自然検索からの流入やソーシャルからの流入も減少するでしょう。
個人的には、本を選ぶときにも著者で判断することがよくあります。
滞在時間の長さは最高のエール
一般的にPV数やUU数(ユニークユーザー数)がもてはやされていますが、確かにそれはわかりやすい数値ではあるものの、ブログであれば個人的には、いかに熱狂的なリピーターが多く、滞在時間が長いかが、そのサイトの本当の品質を表していると考えています。
なぜなら、今まで出会った本当に良質なサイトは、毎日毎日、コンテンツを隅から隅まで読んだ記憶があるからです。
本当に好きなサイトはブラウザブックマークするはずです。
思わず何十年も通い続けてしまうお店のように、とまではいきませんが、まさに「お気に入り」としてすぐにアクセスできるようにブラウザブックマークするでしょう。
あなたが思わずブラウザブックマークしてしまうサイトはどんなサイトですか?
検索リストもそんな素晴らしいサイトで溢れかえりますように。
(初回投稿日 2016年9月26日)