有料WordPressテーマ購入による自社サイト運用の不足点

有料WordPressテーマ購入による自社サイト運用の不足点   Recently updated !


近年では有料WordPressテーマを購入して自社サイト運用をされるケースも増えているようです。そのことについて「Web制作会社としてピンチなのではないか?」ということを経営者仲間などからご質問されることがありますが、「結局、ボロ勝ちです」というのが答えです。

どちらかというと総合的なWebマーケティング、Web集客の方がサービスの主となるため、制作業務自体の受注低下はさほど問題ではありません。

言い方は悪いですが、むしろ自社運営サイトはサイトの企画・設計が甘く、サイトのコンテンツの質やSEOが中途半端になりやすいため「低品質サイト」になりやすい傾向にあります。

そうなると各業界の競合サイトの質が低品質であるため、結局、弊社顧客が低予算でWebマーケティング上での効果を得やすいということになってます。

「自社でWordPressテーマを使ってホームページ公開をするのとWeb制作会社にWordPressサイト制作を依頼するのとどっちが良いのだろう?」

「自社で有料WordPressテーマ使ったサイトを作るのとWeb制作会社にWordPressサイト制作を作成してもらう場合には一体どんな違いがあるのだろう?」

という疑問をお持ちの方もいると思います。

また、

「有料WordPressテーマを購入して自社でサイト運用するから、Web制作会社に依頼することはないよ」

という考えをお持ちの方もいるでしょう。

企業が自社でレンタルサーバーを契約し、WordPressをインストールして有料WordPressテーマで企業ホームページを制作する」ということ自体には問題がありません。ただ、それ以外のところに問題が生じやすいということです。

「Web制作会社に依頼すること無く安上がりにホームページを公開できた」と思うのはご自由に。

それはその通りですが、ホームページの費用対効果を考えると、「費用は安くても効果がゼロ」なら、少ない費用すら無駄になるという事実があります。

ここではWordPressテーマ購入による自社サイト運用の不足点について触れていこうと思います。

WordPressテーマ購入による企業サイト自社制作の是非

WordPressテーマ購入による企業サイト自社制作の是非

元々ホームページというものは、個性がそのまま反映された方が良く、必要な分だけの情報をどんどん発信していけるに越したことはありません。

そうした点で考えるとWordPressテーマ購入による自社サイト制作というもの自体は、何も問題はありません。

しかしながらいくつかの不足点があります。大きく分けると次のようなものになります。

  1. ホームページ企画・設計
  2. 実際のSEOやアクセス獲得
  3. 実際のWordPressの運用・保守管理
  4. WordPressサイト改良への足踏み

中心となるのは、ホームページ企画・設計の甘さにより低品質サイトになりやすいという点です。

それに加え、SEO機能があっても本当に最適化するような運用がされているかどうかというような点もあります。

またそれらに関連して、「安価なWordPressテーマを利用してホームページを作ること」に気を取られ、アクセス獲得の面に無頓着になりやすいという点もあります。

さらにWordPress本体やプラグイン、phpのバージョンによる互換性エラー発生時の対応やバックアップ・復元等の問題もあります。

バージョンアップ関連の対策や外部からの攻撃に対するWordPressのセキュリティも関係してきます。また、時に「phpバージョンアップに伴う部分的な機能の停止」への対応も必要になってきます。

ホームページ企画・設計

ホームページ企画・設計

WordPressテーマ購入による自社サイト制作・運営で一番最初に問題になるのが、ホームページの企画・設計(この場合は、サイトプログラム面ではなく、文系的な情報体系です)や完成物に対する目標値のようなものになります。

ゴールを「ひとまずホームページを所有すること」とするのならば、WordPressでなくても良いですし、有料WordPressテーマを購入しなくてもできます。

「売上が上がるWebデザイン」「洗練されたWebデザイン」というのは良いのですが、仮にそのWebデザインの概念が、いわゆるハイセンスなビジュアル的なものを指すのであれば、それはホームページ利用の目的から少しズレていると言わざるを得ません。

ホームページの集客効果から導いた費用対効果を意識しているか?

ホームページの集客効果から導いた費用対効果を意識しているか?

企業サイト(コーポレートサイト)は、ホームページからのお問い合わせを獲得するためにホームページ制作やコンテンツ配信を行う必要があります。

そうでなければ、ホームページ制作にかけた費用や労力の割に結果が伴わないということが起こり得ます。

確かにWebデザイン性の向上は、売上向上に少しは貢献するかもしれません。

しかし、見た目の綺麗なホームページを作れば、いきなり「ホームページ経由でお問い合わせが来る」「売上が向上する」といったことはありません。

「ある程度のWebデザインのサイトができたこと」で満足しがちで企画・設計がおろそかに

「ある程度のWebデザインのサイトができたこと」で満足しがちで企画・設計がおろそかに

WordPressテーマ購入によって自社サイト制作・運営を行う場合、ある程度のWebデザインのサイトができたことで満足しがちになり、こうした「ホームページからのお問い合わせ獲得」に対して意識が向きにくくなります。

そのためホームページの企画・設計が甘くなりがちです。

企画・設計がおろそかになり、結果「低品質サイト」になりがちになるということになります。

有料WordPressテーマを利用したWordPressサイト制作においても、外観としてのWebデザインにだけ強いというのは問題であり、社会全体の経済活動の仕組み、企業経営、マーケティングを考えた上で、Web特有のWebマーケティングを把握しサイト制作・運営をする必要があります。

その上で企画設計を含めたWebデザインを手がけることが理想的です。

実際のSEOやアクセス獲得

実際のSEOやアクセス獲得

自社WordPressサイトがWebマーケティングの道具として機能するためには、もちろん、アクセス、ユーザーとの接点確保もひとつの重要な要素となります。

その中の一つの方法としてSEO(検索エンジン最適化)があります。

有料WordPressテーマにはある程度のSEO設定項目があり、プラグインを利用せずともSEOの面で工夫を施しやすい面があります。これはメリットと言えるでしょう。

最初からある程度内部SEOを施しやすいホームページ設計である場合は、ホームページの改良、SEOの改良にあたって労力を最小限にしていくことができます。

しかしながらこれら機能が十分に設定されているか、運用されているかというところ、本当に最適化されているのかというところには疑問が残ります。

単一ページのSEO設定だけでなくサイト全体のSEOも視野に入れる

単一ページのSEO設定だけでなくサイト全体のSEOも視野に入れる

本当に効果を得ようと意図する場合、単一ページのSEO設定だけでなくサイト全体のSEOも視野に入れる必要があります。

「そのページの最適化」、「サイト全体の最適化」というものに加え、その手前段階でどのようなユーザーを呼び込むのか、そのために注力するキーワードやコンテンツテーマは何か、というところも宙に浮いているような気がします。

これは、先の「ホームページ企画・設計」につながります。

実際のWordPressの運用・保守管理

実際のWordPressの運用・保守管理

さて、次に有料WordPressテーマ購入による自社サイト運用の不足点として、実際のWordPressの運用・保守管理について少しだけ触れてみようと思います。

WordPressはphpとデータベースを利用したCMSであり、サーバー側のphpバージョンなどの影響も受けます。利用プラグインとphpバージョンの互換性問題などにより、突然WordPressが動作を停止することがあります。

また、世界的なCMSであり、ハッキング等の攻撃を受けやすいという面もあります。サイト内容が改ざんされたり、スパムの踏み台にされたりといったリスクがあります。

これらの対策に各種バージョンアップやセキュリティ対策が必要になりますが、そうした時にデータベースを含めたフルバックアップが必要になります。また、実際の「バックアップからの復元」も重要です。

WordPressの保守管理 バックアップと復元で対応する

WordPressテーマ購入による自社サイト運用の場合は、こうした点が曖昧にされている場合があります。

通常運営には問題がありませんが、サーバー会社によっては知らぬ間にphpバージョンアップを行う場合があり、突然原因不明がのようにWordPressサイトが動作停止する場合があります。

こうした面に対してある程度の対策は必要です。

WordPressサイト改良への足踏み

WordPressサイト改良への足踏み

さらに、有料WordPressテーマ購入による自社サイト運用において、費用の面からWordPressサイト改良への足踏みが起こることがあります。

より良いホームページにカスタマイズしようとした際に、カスタマイズ費用を高額に感じてしまうというようなケースです。

有料WordPressテーマといっても費用は1万円、2万円と数万円程度ですが、カスタマイズとなるとその数倍の費用が必要になる場合があります。

ただ、有料テーマはあくまで「作ったものを大量に販売するため、開発費用を販売数で割ることができる」という当たり前の構造があります。

そのサイトのためだけにカスタマイズするとなると、そのような安価な費用で対応できるわけがありません。

安価なWordPressテーマ購入費用が基準となりカスタマイズ費用を高額に感じてしまう

安価なWordPressテーマ購入費用が基準となりカスタマイズ費用を高額に感じてしまう

構造としてはその様になっていますが、感覚的に「テーマ本体に2万円だった費用が、少しのカスタマイズで8万円」と言われると、足踏みしてしまうという心理的な要素があります。

それはそれで構いません。費用をどのように配分するかということは自由です。

しかしながら問題があるとすると、「ホームページ運用自体の費用感覚が安見積もりすぎるのではないか」と言う点があります。

「ホームページの完成、公開」を目的として、「効果」の部分を曖昧にすると、安上がりな費用の方に目が行って、結局本当に欲しい効果、つまり集客効果などを得られなくなるということに繋がりやすくなります。

有料テーマの設定でそれらしいWordPressサイトが完成したときの印象

有料テーマの設定でそれらしいWordPressサイトが完成したときの印象

WordPressテーマの設定、カスタマイザー設定等々で、それらしいWordPressサイトが完成すると、「プロに頼むこと無く自力でできた」とか「Web制作業者になれるのではないか」という感想を持つ人もいます。

それはそれで良いですが、残念ながらテーマの設定で叶った程度のことは、「同じような有料WordPressテーマを使う人にもすぐできる」という優位性のなさがあります。

つまり、「簡単にできることは、ある程度の人たちにも簡単にできるので差がつかない」ということです。

そうした外観の設定等の部分については、今後もさらに楽に、そして多機能になっていくでしょう。

問題はそんなところにはありません。

有料WordPressテーマを設定した程度で満足し、全体の文系的な企画設計、コンテンツ設計が曖昧になる方が危険です。

有料テーマWordPressサイトで溢れると「結局、ボロ勝ちです」

有料テーマWordPressサイトで溢れると「結局、ボロ勝ちです」

結局Webマーケティングで効果を得ようと思うとある程度の費用か労力が必要になります(もちろん業界的、地域的な競合サイトのレベルによります)。

有料WordPressテーマ購入による自社サイト制作、運営で初期費用が安上がりになる、ということは良いですが、そこが基準となり、Webマーティング、Web集客の効果が出るレベルにまでホームページを育て上げられなくなると、結局「安物買いの銭失い」になりかねません。

「無料ホームページではない」

ということから、多少の安堵があるのかもしれません。

しかしはっきり言っておくと、その程度ならば無料ホームページでもできます。

ということは、ある意味で無料ホームページの方がまだマシかもしれません。

ただ、本音としては、言い方は悪いですが周りの環境がそうなっていってくれる方が、「競合、つまりライバルが弱い」ということになっていきます。SEOの面でも検索順位上位を獲得しやすくなります。

ある程度の予算をかけられた上で、Web制作会社がしっかり企画して作ったサイトで溢れる方が、競合性は強まります。そうなるとこちらも相応の対応が必要になります。

こうしたことから有料テーマWordPressサイトで溢れるとWebマーケティングにおいて「結局、ボロ勝ちです」という結果になります。

有料WordPressテーマを使った自社サイトの不足点を埋めるもの

有料WordPressテーマを使った自社サイトの不足点を埋めるもの

再掲になりますが、有料WordPressテーマを使った自社サイトの不足点としては、ホームページ企画・設計、SEOやアクセス獲得、WordPressの運用・保守管理、WordPressサイト改良への足踏みといった点が挙げられます。

最後のWordPressサイト改良への足踏みといった点は、ある程度WordPressサイトが成熟してきた時に浮かび上がってくる問題であり、費用に対する感覚的問題となるので、WordPressサイト公開からしばらくはさほど問題になりません。

WordPressの運用・保守管理に関しても、ある程度の期間が経過し、WordPress本体、プラグインやphpバージョン等様々なバージョンの更新が必要になってきた時に浮かび上がってくる問題です。

ではひとまずの不足点として重視すべきところはどこかという部分を考えてみると、やはり「ホームページ企画・設計」と「SEOやアクセス獲得」という点に絞られてきます。

「自分たちが考えられる限界までは考えてWordPressサイトをデザインし、ページを配置したのだから十分だ」という感想と実際のWeb集客効果が出る程度のレベルにはギャップがある可能性があります。

それを測る基準は単純です。フィードバックをとるということです。

実際に「メールフォームからの問い合わせをはじめとしたWeb集客効果が出ているのか?」という点を見れば理想と現実のギャップが埋まっていないということになります。

「有料WordPressテーマを使って自社サイト制作、公開を行ってみたものの、実際にどのような結果が出ているのか」というところを見れば、不足があるかないかは明白となります。

「問い合わせ獲得を意図しているのではなく、ひとまずWordPressサイトで会社案内をすることが目的である」

というふうに考えるのは自由です。そうであれば、それで目的は達成できたということになります。

ただ、弊社としてはWordPressサイトに限らず、ホームページというものがそうした会社案内程度の機能しか持たないという印象のままで扱われるのを少し残念に思います。

「有料WordPressテーマを使って自社サイト制作をせず、Web制作会社に制作依頼すべきだ」ということでもありません。

Web集客、Webマーケティング効果という機能をきちんと果たせるのであれば、そうした点にこだわりはありません。

そのためといっては何ですが、ホームページの企画・設計やSEOはWebコンサルティングで、WordPressの運用・保守管理は保守管理サービス・WordPress(ワードプレス)の復旧・復元・エラー修正で対応しています。また、WordPressサイトの改良は、WordPressカスタマイズや一般のホームページ修正サービスで対応しています。

Web集客効果が出ないことに対してはホームページの企画・設計やSEOに関するWebコンサルティングによって、SEOを含めたホームページの再企画・再設計を行うことで不足点を埋めることができると考えています。

そして必要であればWordPressの保守管理やカスタマイズを実施させていただくことで対応も可能です。

(初回投稿日 2024年4月9日)

「有料WordPressテーマ購入による自社サイト運用の不足点」のカテゴリ Web制作・Web関連
タグ: , , , ,


ホームページ制作・カスタマイズ、Webマーケティング・SEOなどのお問い合わせ・ご依頼