有料WordPressテーマ購入による自社サイト運用の不足点

有料WordPressテーマ購入による自社サイト運用の不足点


近年では有料WordPressテーマを購入して自社サイト運用をされるケースも増えているようです。そのことについて「Web制作会社としてピンチなのではないか?」ということを経営者仲間などからご質問されることがありますが、「結局、ボロ勝ちです」というのが答えです。

どちらかというと総合的なWebマーケティング、Web集客の方がサービスの主となるため、制作業務自体の受注低下はさほど問題ではありません。

言い方は悪いですが、むしろ自社運営サイトはサイトの企画・設計が甘く、サイトのコンテンツの質やSEOが中途半端になりやすいため「低品質サイト」になりやすい傾向にあります。そうなると各業界の競合サイトの質が低品質であるため、結局、弊社顧客が低予算でWebマーケティング上での効果を得やすいということになってます。

ここではWordPressテーマ購入による自社サイト運用の不足点について触れていこうと思います。

WordPressテーマ購入による企業サイト自社制作の是非

WordPressテーマ購入による企業サイト自社制作の是非

元々ホームページというものは、個性がそのまま反映された方が良く、必要な分だけの情報をどんどん発信していけるに越したことはありません。

そうした点で考えるとWordPressテーマ購入による自社サイト制作というもの自体は、何も問題はありません。

しかしながらいくつかの不足点があります。大きく分けると次のようなものになります。

  1. ホームページ企画・設計
  2. 実際のSEOやアクセス獲得
  3. 実際のWordPressの運用・保守管理
  4. WordPressサイト改良への足踏み

中心となるのは、ホームページ企画・設計の甘さにより低品質サイトになりやすいという点です。それに加え、SEO機能があっても本当に最適化するような運用がされているかどうかというような点もあります。またそれらに関連して、「安価なWordPressテーマを利用してホームページを作ること」に気を取られ、アクセス獲得の面に無頓着になりやすいという点もあります。

さらにWordPress本体やプラグイン、phpのバージョンによる互換性エラー発生時の対応やバックアップ・復元とうの問題もあります。バージョンアップ関連の対策や外部からの攻撃に対するWordPressのセキュリティも関係してきます。

ホームページ企画・設計

ホームページ企画・設計

WordPressテーマ購入による自社サイト制作・運営で一番最初に問題になるのが、ホームページ企の画・設計(この場合は、サイトプログラム面ではなく、文系的な情報体系です)や完成物に対する目標値のようなものになります。

ゴールを「ひとまずホームページを所有すること」とするのならば、WordPressでなくても良いですし、有料WordPressテーマを購入しなくてもできます。

「売上が上がるWebデザイン」「洗練されたWebデザイン」というのは良いのですが、仮にそのWebデザインの概念が、いわゆるハイセンスなビジュアル的なものを指すのであれば、それはホームページ利用の目的から少しズレていると言わざるを得ません。

企業サイトは、ホームページからのお問い合わせを獲得するためにホームページ制作やコンテンツ配信を行う必要があります。そうでなければ、ホームページ制作にかけた費用や労力の割に結果が伴わないということが起こり得ます。確かにWebデザイン性の向上は、売上向上に少しは貢献するかもしれません。しかし、見た目の綺麗なホームページを作れば、いきなり「ホームページ経由でお問い合わせが来る」「売上が向上する」といったことはありません。

WordPressテーマ購入によって自社サイト制作・運営を行う場合、ある程度のWebデザインのサイトができたことで満足し勝ちになり、こうした「ホームページからのお問い合わせ獲得」に対して意識が向きにくくなります。そのためホームページの企画・設計が甘くなりがちです。結果「低品質サイト」になりがちになるということになります。

有料WordPressテーマを利用したWordPressサイト制作においても、外観としてのWebデザインにだけ強いというのは問題であり、社会全体の経済活動の仕組み、企業経営、マーケティングを考えた上で、Web特有のWebマーケティングを把握しサイト制作・運営をする必要があります。その上で企画設計を含めたWebデザインを手がけることが理想的です。

実際のSEOやアクセス獲得

実際のSEOやアクセス獲得

自社WordPressサイトがWebマーケティングの道具として機能するためには、もちろん、アクセス、ユーザーとの接点確保もひとつの重要な要素となります。その中の一つの方法としてSEO(検索エンジン最適化)があります。有料WordPressテーマにはある程度のSEO設定項目があり、プラグインを利用せずともSEOの面で工夫を施しやすい面があります。これはメリットと言えるでしょう。

最初からある程度内部SEOを施しやすいホームページ設計である場合は、ホームページの改良、SEOの改良にあたって労力を最小限にしていくことができます。

しかしながらこれら機能が十分に設定されているか運用されているかというところ、本当に最適化されているのかというところには疑問が残ります。

本当に効果を得ようと意図する場合、単一ページのSEO設定だけでなくサイト全体のSEOも視野にいれる必要があります。「そのページの最適化」、「サイト全体の最適化」というものに加え、その手前段階でどのようなユーザーを呼び込むのか、そのために注力するキーワードやコンテンツテーマは何か、というところも宙に浮いているような気がします。これは、先の「ホームページ企画・設計」につながります。

実際のWordPressの運用・保守管理

実際のWordPressの運用・保守管理

さて、次に有料WordPressテーマ購入による自社サイト運用の不足点として、実際のWordPressの運用・保守管理について少しだけ触れてみようと思います。

WordPressはphpとデータベースを利用したCMSであり、サーバー側のphpバージョンなどの影響も受けます。利用プラグインとphpバージョンの互換性問題などにより、突然WordPressが動作を停止することがあります。

また、世界的なCMSであり、ハッキング等の攻撃を受けやすいという面もあります。サイト内容が改ざんされたり、スパムの踏み台にされたりといったリスクがあります。

これらの対策に各種バージョンアップやセキュリティ対策が必要になりますが、そうした時にデータベースを含めたフルバックアップが必要になります。また、実際の「バックアップからの復元」も重要です。

WordPressテーマ購入による自社サイト運用の場合は、こうした点が曖昧にされている場合があります。通常運営には問題がありませんが、サーバー会社によっては知らぬ間にphpバージョンアップを行う場合があり、突然原因不明化のようにWordPressサイトが動作停止する場合があります。こうした面に対してある程度の対策は必要です。

WordPressサイト改良への足踏み

WordPressサイト改良への足踏み

さらに、有料WordPressテーマ購入による自社サイト運用において、費用の面からWordPressサイト改良への足踏みが起こることがあります。より良いホームページにカスタマイズしようとした際に、カスタマイズ費用を高額に感じてしまうというようなケースです。

有料WordPressテーマといっても費用は1万円、2万円と数万円程度ですが、カスタマイズとなるとその数倍の費用が必要になる場合があります。

ただ、有料テーマはあくまで「作ったものを大量に販売するため、開発費用を販売数で割ることができる」という当たり前の構造があります。

そのサイトのためだけにカスタマイズするとなると、そのような安価な費用で対応できるわけがありません。

構造としてはその様になっていますが、感覚的に「テーマ本体に2万円だった費用が、少しのカスタマイズで8万円」と言われると、足踏みしてしまうという心理的な要素があります。

それはそれで構いません。費用をどのように配分するかということは自由です。

しかしながら問題があるとすると、「ホームページ運用自体の費用感覚が安見積もりすぎるのではないか」と言う点があります。

有料テーマWordPressサイトで溢れると「結局、ボロ勝ちです」

有料テーマWordPressサイトで溢れると「結局、ボロ勝ちです」

結局Webマーケティングで効果を得ようと思うとある程度の費用か労力が必要になります(もちろん業界的、地域的な競合サイトのレベルによります)。

有料WordPressテーマ購入による自社サイト制作、運営で初期費用が安上がりになる、ということは良いですが、そこが基準となり、Webマーティング、Web集客の効果が出るレベルにまでホームページを育て上げられなくなると、結局「安物買いの銭失い」になりかねません。

「無料ホームページではない」

ということから、多少の安堵があるのかもしれません。

しかしはっきり言っておくと、その程度ならば無料ホームページでもできます。

ということは、ある意味で無料ホームページの方がまだマシかもしれません。

ただ、本音としては、言い方は悪いですが周りの環境がそうなっていってくれる方が、「競合、つまりライバルが弱い」ということになっていきます。SEOの面でも検索順位上位を獲得しやすくなります。

ある程度の予算をかけられた上で、Web制作会社がしっかり企画して作ったサイトで溢れる方が、競合性は強まります。そうなるとこちらも相応の対応が必要になります。

こうしたことから有料テーマWordPressサイトで溢れるとWebマーケティングにおいて「結局、ボロ勝ちです」という結果になります。


「有料WordPressテーマ購入による自社サイト運用の不足点」のカテゴリ Web制作・Web関連
タグ: , , , ,


ホームページ制作・カスタマイズ、Webマーケティング・SEOなどのお問い合わせ・ご依頼