第一章 第十四話|霧深き夜に見た繊月   updated !


LP制作の依頼先が決まってからというもの、俺は業者とのやり取りに追われる日々だった。デザインの打ち合わせ、写真の選定、文章の推敲。正直、慣れない作業の連続で、何度も投げ出したくなった。だが、そんな俺を支えてくれたのは、他でもない一平の存在だ。

「健太、ここの言い回しは、もう少しお客さんの目線に立って考えた方がいいな」

「この写真、もう少し明るく補正できるか? せっかくの現場の雰囲気が伝わりにくい」

オンライン会議で、一平はLPの原稿やデザイン案を細かくチェックし、的確なアドバイスをくれた。素人の俺では気づけないような改善点を次々と指摘してくれる。そのおかげで、LPは当初の俺の想像をはるかに超えるクオリティへと仕上がっていった。

「よし、健太。これでLPは完成だ。お前が考えたコンセプトが、しっかりと形になったな」

一平の言葉に、俺は感無量だった。あのサブスクのホームページとは比べ物にならない。俺の工務店の「顔」として、これなら胸を張れる。そして何よりも、予算内で収まったことに、俺は安堵した。20万円をLP制作に費やし、残りの10万円が広告費だ。

「さあ、いよいよここからが本番だぜ、健太」

一平は、そう言ってパソコンの画面を切り替えた。そこに映し出されたのは、リスティング広告の管理画面らしきものだった。

「残りの10万円で、1ヶ月間、リスティング広告を運用する。俺がエリアやキーワードの最適化を行うから、お前は俺を信じて待っていろ」

俺は、一平に全てを任せることにした。なにせ、広告運用なんて、俺にはチンプンカンプンだ。

「分かった。頼む、一平」

一平は、俺の返事に満足げに頷いた。

「とにかく、短期決戦だ。この1ヶ月で、即、結果を出そうぜ。お前の工務店を、この町の誰もが知る存在にしてやる」

一平の言葉に、俺の胸は高鳴った。いよいよ、俺たちの本当の戦いが始まる。このLPとリスティング広告が、本当に俺の工務店に客を呼んでくれるのか。不安がないと言えば嘘になる。だが、今は、一平の言葉を信じて、ただ前を向くしかない。俺たちの「Web集客物語」は、まだ始まったばかりだ。

第一章 第十五話|霧深き夜に見た繊月

第一章 第十三話|霧深き夜に見た繊月

霧深き夜に見た繊月 ― 小さな会社の起死回生 低予算からのWeb集客戦略(目次)

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