第二章 あかねいろのまごころ 第十一話|霧深き夜に見た繊月


初夏の陽射しが降り注ぐ午後、一平と大輝は駅前の広場で落ち合った。雑踏の中、二人は人通りから少し外れた、小さな丘の頂上にあるベンチへと向かう。普段はパソコンの画面とにらめっこしているWeb集客のプロが、こんな場所で顔を合わせるのは、どこか不釣り合いな光景だ。

「わざわざ来てもらって悪いな、大輝」

「いえいえ、ちょうど近くで撮影があったんで。それより、一平さんがこんなに焦ってるなんて珍しいですね」

大輝は、サングラスを少しずらし、笑みを浮かべた。一平は苦笑し、本題に入った。

「焦るさ。最近のGoogleの動向とAIの進化は、ちょっと尋常じゃない。特に、Generative AIによるコンテンツの大量生成と、それが検索結果に与える影響が気になっている」

一平は、自身の収集したデータを大輝に手渡した。大輝はそれを受け取り、すぐに目を通す。

「なるほど、これ、一部の連中がAIで記事を量産して、検索を荒らしてますね。確かに、これじゃあまともなサイトが埋もれかねない。ユーザーがAIの要約で満足しちゃって、サイトまで辿り着かない『ゼロクリック検索』も増えてるって聞きますし」

「そうだ。Webサイトへの流入が減れば、いくら良いコンテンツを作っても意味がない。だが、お前が専門としているInstagramやTikTokといったSNS動画での集客は、この流れとは少し違う。むしろ、これからもっと重要になるんじゃないかと考えているんだ」

一平は、大輝の専門領域へと話を向けた。

「そうですね。SNS動画は、ユーザーの『暇つぶし』や『興味関心』の段階からアプローチできますからね。特に、アルゴリズムが優秀なTikTokなんかは、フォロワー数に関係なく、バズれば一気にリーチが稼げますし」

大輝は、スマホを取り出し、自身の運用するアカウントのデータを見せた。

「それに、動画経由でのコンバージョンも侮れませんよ。ただ商品を見せるだけでなく、ストーリー性を持たせたり、利用シーンを具体的に描いたりすることで、ユーザーの購買意欲を直接的に刺激できる。最近は、動画から直接購入できる機能なんかも出てきてますし」

「TikTokは、For youが柔軟だからな」

「そうですね、Instagramは絞る傾向にありますが」

二人は、目の前の街並みを眺めながら、Web集客の最前線で起きている変化について語り合った。検索エンジンの未来、SNS動画の可能性、そして、それらをいかにビジネスに活用していくか。

小さな丘の頂上で交わされる二人の会話は、Webの世界の未来図を描くように、熱を帯びていった。

第二章 あかねいろのまごころ 第十話

第二章 あかねいろのまごころ(第二章の目次)

霧深き夜に見た繊月 ― 小さな会社の起死回生 低予算からのWeb集客戦略(目次)


著者・監修 : 株式会社ファンフェアファンファーレ

2012年創業の京都のWeb制作会社 ホームページ制作やSEO、Web集客・Webマーケティングをメインテーマにお届け。SEOやAI活用、Web以外の集客何でも来いです。中小零細企業を中心に「きちんとしたホームページ集客」を考えて、ホームページ制作や様々なWeb集客戦略を提案しています。 ホームページ制作に限ると、のべ制作数は160社(少ないって?それはそれだけ1社あたりのWeb集客施策や修正に集中してるからさ)

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