Google検索アルゴリズムの「ペンギンアップデート」は、パンダアップデートと同様に、ウェブマスター向けガイドラインに違反している「コンテンツに関係のないキーワードの詰め込み」や「クローキング」、「不正リダイレクト」「リッチスニペットマークアップ」などを判断し、低品質ページを検索結果から除外、もしくはランクダウンさせ、高品質コンテンツを相対的に検索結果上位へと掲載するためのアルゴリズムアップデートであり、同時に「リンクの質」を判断して、スパム行為やブラックハットSEO排除のために改良された、革新的なアップデートです。
このペンギンアップデートは、検索結果のランキングを決定する主要アルゴリズムアップデートとして、2012年4月に導入され、その後データの更新やアルゴリズム更新が数回実施されています。
ペンギンアップデートは、リンク集や過剰な相互リンク、不自然なアンカーテキストを含むリンクなど、品質・信頼性が低いリンクを発しているページや、そのページから被リンクを受けているページの評価を下げることで、スパム排除やブラックハットSEOを排除するためのアップデートで、パンダアップデートと同様に、スパムサイト、低品質サイトなどの順位を下落させることによって、相対的に高品質なウェブサイト・ホームページや各ページを相対的に順位上昇させて検索品質向上を意図しています。
なお、ペンギンアップデートは、2016年の4.0以降は、AIによって自動アップデートされていきます。
ペンギンアップデートの目的
ペンギンアップデートの目的は、もちろん検索順位の精度を高めるためですが、パンダアップデートと同様低品質コンテンツ排除する目的を持っています。
パンダアップデートでは特に、ページ内部の「コンテンツの質」に比重が置かれていましたが、ペンギンアップデートの主たる目的は、スパム排除、ブラックハットSEO排除であるため、SEOスパムとして横行していたリンクプログラムへの対処がメインとして実施されました。
検索アルゴリズムのペンギンアップデートは、SEOスパム行為へのペナルティを実施することで、高品質ページが相対的に検索結果の上位へと高められる実質的な検索エンジンの精度向上の他、SEOスパム行為への抑止といった目的があります。
パンダアップデートとペンギンアップデートの違い
パンダアップデートとペンギンアップデートの相違点として、パンダアップデートは、コンテンツ内容を判断して低品質コンテンツの評価を下げ、相対的に高品質コンテンツをより高く評価することを目的としていますが、ペンギンアップデートは、PageRankのアルゴリズムの裏をかく「リンクプログラム」などのSEOスパム排除を目的としており、質の低いリンクの評価を低下・無効化・ペナルティを与えることで、ブラックハットSEOを排除し、相対的に正当なホワイトハットSEOを高く評価することを目的としています。
価値のないリンクを評価しない
ペンギンアップデートの特徴として、価値のないリンクを評価しない事によって、価値あるページの検索順位を相対的に向上させるという点があります。ユーザーにとって意味のないリンクを評価しないことは、意味のあるリンクを相対的に評価することになります。
2012年のペンギンアップデートまでのSEO・SEO対策の考え方は、主に「被リンク」に比重がありました。リンク元ドメインの分散や被リンク本数などがSEOの主題とされ、SEOといえばいかに被リンクを稼ぐかということになっていました。
しかしながら、Googleの検索アルゴリズムの中のPageRankの転送、リンクによる検索順位決定の目的は、他のページに紹介されていることで、リンク先のページは信頼性が高いと判断し、いわば他のサイトに紹介されているページほど人気投票的にページの価値は高いと判断するというものです。
しかし単純に被リンクに依存したSEOが横行すると、リンクプログラムなどで機械的にリンクが設置され、純粋にページを紹介しているのではなく、SEOのためのリンクという形になってしまい、正確な評価ができなくなります。
そうした評価の歪みを是正するために登場したのがペンギンアップデートです。価値のないリンク、特に機械的なリンクや、低品質のリンクを排除し、価値のないリンクを無効化もしくはペナルティ化することで、純粋なリンクを評価し、正確なランキングを行うことを目的としています。
ペンギンアップデートの影響を受ける対象
ペンギンアップデートの影響を受ける対象は、ブラックハットSEOサイトであり、「キーワードの詰め込み」などに代表される過剰な内部SEOやリッチスニペットの悪用、そして関係のないサイトからの過剰な相互リンクやリンク集からの「被リンク」などリンクプログラムが対象となっています。
リンクプログラムによるリンクビルディングなど、SEO外部対策である被リンク重視のSEOを中心に実施していたブラックハットSEOサイト、リンク集で被リンクを稼いでいた企業ホームページなどがペンギンアップデートの影響を受けます。
ブラックハットSEOサイト
ペンギンアップデートの特徴は「SEOスパム排除」であり、一昔前に横行したブラックハットSEOが対象となっています。
以前は、質の低いコンテンツでも、リンクプログラムによって、検索結果上位へと表示されるケースがありましたが、ペンギンアップデートによって、こうした被リンクの価値が無くなり、ブラックハットSEOサイトの検索結果順位が下落、もしくはインデックス削除されたため検索結果の精度が向上しました。
過剰な相互リンク・リンク集
ペンギンアップデートの影響を受ける対象として、昔のSEO情報のままサイトフッターやリンク集による相互リンクを大量に行っているサイトです。
リンクプログラムのように機械的で明らかにSEOスパム要素があるようなものでなければ、インデックス削除などのペナルティは科されませんが、それまでのSEO効果は著しく減少し、結果的に検索順位は下落すると考えられます。
いわば、それまではSEO対策としてある程度評価されていたものが、ペンギンアップデートによってほとんど評価されなくなる、といったイメージです。
トップページの相互リンクやリンク集で被リンクに依存するSEO対策はもはや有効的ではなくなりました。
ペンギンアップデートを考えたSEO対策
パンダアップデートへの対策は、独自性、専門性の高いコンテンツの内容がメインとして考えられますが、ペンギンアップデートへのSEO対策は、ペナルティ対象となるリンクプログラムへの参加や過剰な内部SEOをすることなく、ホワイトハットSEOに集中することがポイントとなります。
高品質コンテンツの配信による、コンテンツSEOによって、優れたページヘのナチュラルリンクの獲得が一つの課題となります。
SEOの古い情報にはペンギンアップデート実施前の情報が多く、現在ではブラックハットSEOとして、SEOスパムに該当するケースがありますので注意が必要です。
ペンギンアップデートによって、被リンクに依存した古いタイプのSEO対策は効果がなくなっていきますので、被リンク効果に依存していた「コンテンツに価値のないページ」は、どんどん検索順位が下落していきます。
ペンギンアップデートを踏まえたSEO対策としては、SEO内部要因としてのキーワードの詰め込みなどを解除することに加え、被リンクに関しては、不自然なリンクを削除したり、リンクの否認などを行い、被リンク・発リンクともに意味のあるリンクにしていくことが考えられるでしょう。
オールドドメインの利用などで、現在のサイトと無関係なアンカーテキストによるリンクが残存している場合も、リンクの否認などで対処する方が無難です。
相互リンクにありがちなフッターリンクなどの被リンク効果が低下するため、それを補う形でコンテンツSEOなどに力を入れ、サイト全体の価値を高めることが最も効果的なSEOとして考えられます。