今回は「ホームページのコンテンツの新鮮さと正確性」についてお伝えします。コンテンツの新鮮さがSEO・検索順位に影響を及ぼすというQDFアルゴリズムや、ホームページのコンテンツ自体の「正確性」の重要性についてお伝えしていきます。
QDFとは「Query Deserves Freshness」の頭文字を取ったもので、情報の新鮮さ、新しさを評価対象とするというようなものですが、とりわけ時事性が高く新しい情報としての「新鮮さ」が求められるようなクエリ(キーワード)関しては、「情報の新鮮さ」を評価対象にするというようなアルゴリズムです。
時事性が高いものはページ配信がいつなされたか、いつ更新されたかというところをチェックし、情報が新鮮であることを評価対象として検索結果に上位表示させる、といったイメージです。
「底冷え」で有名な京都では日に日に寒さを感じてきています。先日思わずダウンジャケントを押し入れから出しました。
気温が下がってくると、室内にいる植物たちの鉢に要注意です。陶器製の場合は、鉢自体が冷えてしまうため、水冷と空冷の差のように、冷えた鉢に葉などが当たっている場合、一気に弱ってしまう場合があります。特に耐寒性のない多肉植物は要注意です。
さて以前、「ホームページのコンテンツ改良の必要性と期間限定コンテンツ」で次のようなことをお伝えしました。
情報には有効期間があると言われることがあります。
コンテンツ種類によっては、完全に情報が無価値になるということはないのですが、SEM(サーチエンジンマーケティング)としての価値などは、コンテンツを放っておくと、サイト(ホームページ)全体もろとも価値が減少することがよくあります。
それは単一のコンテンツであれば、期間が経過してトレンドから外れるということもありますが、それよりもサイト全体としては、競合が切磋琢磨しているうちに相対的に価値が下がるという現象も意味しています。
特にホームページ内のオウンドメディアでコンテンツマーケティングを行う際には、各コンテンツが膨大な数のユーザーに読まれるような「時事的読み物コンテンツ」や「著名人ネタコンテンツ」など、フロー的な情報には有効期間があると思います。
株価でも人気でもそうですが、短期的な盛り上がりの先にあるのは、大幅な下落です。いつまでも、新しい情報を配信し続けなくてはならなくなる恐れがあります。
それでは今回は、「ホームページのコンテンツの新鮮さと正確性」と題しまして、コンテンツの新鮮さに関するQDFアルゴリズムとSEOの関係や最終更新日時とコンテンツの正確性に関する関係性についてお伝えしていきます。
QDFアルゴリズムとSEO
QDF(Query Deserves Freshness)という検索アルゴリズムがあり、これは、コンテンツの新鮮さがある程度検索順位決定の時に参考にされるというものです。新しい情報の方が優先されるべき時事性の高いクエリ(キーワード)では、情報の新鮮さを評価対象とし、検索結果で上位表示するということが基本になります。
同じような内容のコンテンツが並ぶ中であれば、比較的新しい情報のほうが、現在でも正確性の高い情報なのではないかという推測のもと、採用されているのではないでしょうか。
最終更新日の時点での正確性を示す
古いコンテンツであっても、リライトされ、最終更新日が新しいものは、最終更新日の時点での正確性を示すことに寄与します。
例えば、3年前の記事であっても、それが編集・追記されたのであれば、削除されていない情報は、現在でも有効であるというような推測が立ちます。
逆に削除された情報(実際に文字を削除したり、delタグがマークアップされている箇所)があれば、その部分は不要な情報として判断されます。
QDFアルゴリズムによる一時的な検索順位向上や検索表示回数向上
このようにページに新しい情報が追加されたり削除されたりリライトされたりなどすることで、ページの最終更新日時が最新のものになり、QDFアルゴリズムによって、一時的な検索順位向上や検索表示回数向上につながるケースがあります。
最終更新日時が最新になることで、情報の正確性の保証を上書きするような形で解釈されるとも取れます。
あくまで、ページのクオリティ向上に対しての評価がメインになるため、QDFアルゴリズムを狙い、単純にSEO目的で最終更新日時を更新しても、ページ内容が特段変わっていないのであれば、特にSEO効果があるわけではありません。
一時的な検索順位や検索表示回数向上
ただし、新しいページが公開された時の一時的な検索順位や検索表示回数向上(グーグルハネムーンと表現されることもありますが、QDFだけでなく、ページの意味や重要なクエリが定まっていないため対象範囲が広いからという理由もあるでしょう)があるものの、単純にページが更新されればQDFによって検索順位が向上するというものではなく、あくまで現在のインデックスデータとの比較の中でページのSEOスコアや重要なクエリが調整されて、一時的に盛り上がるというイメージです。
QDFアルゴリズムは、あくまでその時期の時事的なトレンドである話題を盛り上げたり、情報の更新に伴う「最新情報」としての価値を元に、短期的な検索順位の向上や表示回数の向上になります。
トレンドとしての価値を判定しながら、短期的な盛り上がりを見せることに対するシグナルとしては、配信日時としての情報の新鮮さというものもありながら短期間での被リンク数、言及の増加やソーシャルでの言及やシェアなども参考とされるでしょう。
リライトすることの意義
考えてみれば、リライトされるようなコンテンツは、ある意味で普遍的に近いようなコンテンツにあたるため、情報の価値が高いと判断することができます。逆に、リライトされることのないような記事は、時事的でその場、その時点での短期的な価値しか無い情報です。
ホームページ制作で重要となるのは言うまでもなく、ホームページのメインコンテンツであり固定的な情報です。
この情報をなくして、「単発的なコンテンツ」ばかりのオウンドメディアにだけに力を入れても、ホームページ内のコンテンツテーマも分散していきますから、メインである企業のサービスとの関連性も薄れていきます。
過去記事をリライトすることで、情報の新鮮さを保つことになり、SEOとしての効果も期待することができますが、何より後々リライトできるような良質なコンテンツを配信することが大切ではないでしょうか。
リライトする際は、現時点での情報の正確性を確かめながら、あくまでコンテンツの品質を高める事が重要です。
QDFと最終更新日の時点の正確性
QDFアルゴリズムの考え方を検討する上で、「情報が新しいこと自体を評価する」要因を考えてみた時、それは「その時点での正確性」への推測をプラス評価として考慮しているからではないでしょうか。
最新の情報であり、正確性の高い情報であるということは、それを元に行動を起こすユーザーにとっては、不安感の払拭要因になります。
そしてQDFアルゴリズムを考えた場合は、対検索エンジンなので、XMLサイトマップで最終更新日時を示して良いでしょう。しかしながら、最も理想的なのは、構造化データマークアップを施しつつ日時をページに表記することです。最終更新日時がユーザーにも伝わりますからね。
コンテンツの新鮮さと正確性はユーザーのがっかりを防ぐ
コンテンツの新鮮さと正確性、そして最終更新日時の掲示は、QDFアルゴリズムとSEOの関係も去ることながら、当然にユーザーのがっかりを防ぐことにも寄与します。
現時点でもコンテンツの内容の正確性が保たれているかという点は、検索エンジンに対してだけでなく実際にページを見るユーザーにとっても非常に重要です。
例えば、お店に向かった時にシャッターが降りていて、
「すぐに戻ります」
とだけ張り紙がしてあったらどうでしょうか?
その場で待つか、一度帰るか迷うところです。
今15時だったとして、
「すぐに戻ります 14:45」
と書いてあったら、少し心理状況は変わるでしょう。
さらに
「15分程度で戻ります 14:45」
と書いてあったらどうでしょうか。
おそらくその場で待つことを選択するはずです。
情報の鮮度を保つことは閲覧者への配慮になる
以前の記事で次のようなことに触れています。アルバイト募集の張り紙にがっかりした件です。
終わったなら終わったと知らせて欲しい
高校生の時に、あるお店でバイト募集の張り紙がしてありました。
今ではインターネットを利用してバイト探しをする、求人フリーペーパーでバイトを探す、ということが一般的ですが、当時は、求人サイトはおろか、求人フリーペーパーすらほとんどない時代でした。
京都は、大学が多い関係からか、高校生がアルバイトをできるところはそれほどありませんでした。
「やっと見つけた!」
そう思って欣喜雀躍した私は、張り紙に書いてあった電話番号をメモして、早速家の固定電話から面接希望の電話をしました。
すると、「ああ、ごめん。はがすの忘れてた」という答えが返ってきました。
些細な事といえば些細な事ですが、当時高校生だった私は、勇気を振り絞って電話したにも関わらず、返ってきたそんな答えに「ぽかん」としました。
この時のアルバイト募集の張り紙も一つのコンテンツのようなものです。お店で言えば、店内POPやメニュー表などがホームページで言うところのコンテンツに近い要素があります。
削除された情報であるのならば、その旨を伝えないと、誠実さが伝わりません。特に人の行動を左右するような事柄なのであれば、情報の鮮度を最新に保っておく必要があります。
QDFアルゴリズム以前の問題
QDFアルゴリズムを考えてSEOとして最新にする云々以前の問題で、自分たちのコンテンツが人のアクションを誘導するのであれば、その情報の正確性には責任を持つ必要があると感じています。
特に情報コンテンツなどよりも求人情報や申し込み・応募情報は、何よりも人の行動を左右するものですから配慮が必要だと考えています。
ちなみにこのお店には、アルバイト募集の再チェックはおろか、その後お客としても、一度もお店に入ることはありませんでした。
しかしながら、ホームページ制作を外部業者が請け負っている場合、こうしたフットワークの軽い情報の更新は難しいかもしれません。
少しの情報の修正にも費用が必要になるということなら、よほど重要な事柄でない限り、修正作業は行わないということが考えられます。
WordPressベースのホームページ等、CMSの利用や、簡易的なものであってもお知らせ配信機能のあるホームページであれば、最新情報の配信をすることができますが、静的で固定的なホームページの場合は、こうした時間の経過によって情報の正確性が変わってしまうコンテンツを掲載することはリスクとなる場合があるのではないでしょうか。
ホームページでの求人情報の最終更新日
以上のお話は、私が実際に高校生の時に経験した話ですが、現代で言えば、ホームページ内の求人情報ページや求人情報サイトの求人コンテンツに関しても、「最終更新日」が直近でない限り、高校生の時のトラウマからか信用することができません。
特に内容に変更がないものでも、最終更新日の記載をしている場合は、毎日とは言いませんが、一週間単位くらいで、日付だけでも更新して欲しいと思ったことがあります。
求人情報コンテンツの最終更新日として3ヶ月前の日付が表示されていた場合、「大丈夫だろうか?」ということが頭をよぎるからです。
なぜなら、サークルイベントの参加申し込みや、バンドのメンバー募集などと異なり、アルバイトであってもなるべく気軽で失礼な質問は避けたいという気持ちがあるからです。
「まだ募集やってますか?」
と短文のメールで確認するわけにもいかず、ある程度の緊張感が走るからです。
そして緊張感を持ってアクションを起こした先にあるのが「ごめん削除するの忘れてた」だった場合、すごくがっかりします。
ホームページにおいて、「なるべく新鮮な情報を」という要素は、QDFアルゴリズムを意図したSEOだけでなく、本当にユーザーのためになると思います。特にユーザーのアクションに関連している情報は、その情報の新鮮さと正確性が要求されるでしょう。
(初回投稿日 2016年11月9日)