「ホームページリニューアルの失敗への対策 サイト改良・改善の目安」と題しまして、ホームページリニューアルの失敗、そしてそれを回復させるための対策としてのサイト改良・改善の目安について触れていきます。
ホームページをリニューアルしたにもかかわらず、リニューアル以前よりもお問い合わせやアクセス等の反応が乏しい場合、何かしらを改良・改善していく必要があります。しかしながら闇雲にホームページ修正・カスタマイズを行っても、「ホームページリニューアルの失敗」と同様の結果になりかねません。
「ホームページリニューアルを実施したが、以前よりも問い合わせ数が減ってしまった」
「リニューアル以前と比較して、アクセスが著しく低下してしまった」
「反応の低下は、ホームページリニューアルが原因なのか、それとも社会環境が変化しているからだろうか?」
「今回のホームページリニューアルは失敗だったかもしれない。でもこの後どうすれば良いのだろう?」
ホームページリニューアルのみならず新規ホームページ制作においても、リニューアル目的や集客対象の明確化、そしてSEOの全体像を把握してホームページを設計していくことは、その後の改良のしやすさ、Web集客・Webマーケティング施策に大きく影響を与えます。
再度ホームページ全体をリニューアルする必要があるようなケースもありますが、そのようなケースは稀です。
一度失敗に終わってしまったホームページリニューアルであっても、再度、ホームページ利用の目的を明確化し、改良点を抽出し、サイト改良を行っていけば、いずれ以前の水準に戻り、さらにそれよりもWeb集客効果が高いものになっていきます。
ホームページリニューアルの失敗
「ホームページリニューアルの失敗」の典型例は、費用を投入したにも関わらずそれに見合ったWeb集客効果が現れないことです。
それどころか「Web集客効果が低下してしまった」という場合は、その失望感は大きいものとなります。
「昔はホームページからよくお問い合わせが来ていた。
しかし最近ではそれが少なくなってきている。
それを改善したい。
やはりホームページの型が古いのが原因なのだろうか?」
そう思い、ホームページをリニューアルすることはよくあります。
そうして「リニューアルを実施したもののWeb集客効果が低下してしまった」という場合は、リニューアル時の方向に少しズレがあるということです。
「お問い合わせ数が増加した」という嬉しい結果が生じなくても、Webデザインが新しいものになって気分が良くなったという程度のものでもある程度成功と言えるかもしれません。
しかしながら、その場合はあくまで「Web集客効果が横ばい」である場合です。サイトアクセス、そして実際のお問い合わせ数や購入数(ECサイトの場合)が減ってしまった場合は、「費用をかけてマイナスの結果」という、受け入れがたい状況になってしまいます。
リニューアル失敗に込められたヒント
ただ、この「失敗」にもヒントがたくさん込められています。
「こうした場合は、このような結果が出る」
という一種の経験値になります。
失敗を失敗であると落胆せずに、一つの経験として、次の改良を目指す必要があります。
なぜなら、次の改良、次の一歩を踏み出さないと、「ホームページリニューアルの失敗」が本当に失敗になってしまうからです。
この経験を踏まえてさらに改良を加え、結果が生じてきた時、「ホームページリニューアルの失敗」は、貴重な経験として機能してきます。
「Webデザイン変更が原因でWeb集客効果が無くなった」という場合、「今回のホームページデザインが悪いんだ。もっと違うデザインにしなければならない」と考えるのは早急です。たしかにそれで改善する可能性はあります。しかし、その方向では、結果は横ばいかさらなる悪化という場合もあります。
失敗への対策の前に
「それではひとまず現状は失敗であると認めた上で、対策を講じる必要があるな。リニューアルしたホームページをさらに改良しよう」
という意志は素晴らしいものです。
ただ、ここで「Web制作会社に依頼して、Webデザインを少し変更しよう」という程度で終わってしまうと、やはり同じ落胆が訪れてしまうかもしれません。
Webデザインを少し変更するというのもプラスにはなります。もちろんそれも改良の一つであり、考える対象の一つではあります。
しかしながら、ホームページリニューアル失敗への対策としての依頼の前に再度確認すべきことがあります。
それは、ホームページ利用の目的の明確化、集客対象の明確化です。
目的が曖昧だと結果に繋がらない
ホームページリニューアルの際にその目的を「お問い合わせの獲得」「お問い合わせ数の向上」といったものに設定しておくと、Webマーケティングの全体像が見えてきます。
そして、どの部分を改良・改善すれば良いのかが見えやすくなります。
外観上のWebデザインにこだわり、「最先端企業であるイメージを」というのも一つの要素ですが、ホームページ利用の目的が曖昧だと結果には繋がりません。
「ホームページを通じた問い合わせの獲得が目的である」というのもひとつの目的設定です。
しかしながら、「どのような製品やサービスを、どのような人に届けるのか?」という部分や、それをWeb上でどのように展開するのかを明確にするということも必要です。
Web集客においては、検索エンジンも実際のユーザーも抽象性を嫌う
具体的な例として、「塗装工事」を例に挙げましょう。
「塗装に関することなら何でもやります」というのは抽象的な表現になります。
塗装にまつわる様々な業務を包括しています。この点は問題がありません。
しかし、Web集客においては、検索エンジンも実際のユーザーも抽象性を嫌う面があります。
例えば、「神社の紅いお社を塗り直すということは依頼できますか?」ということを思っているユーザーに対しては、それに応じた「神社の塗装も対応可能です。実績もあります」という旨を具体的に表現する必要があります。
それを実際の人に対しても、検索エンジンに対しても示す必要があります。
ホームページ制作 京都 ファンフェアファンファーレでは、本格的なホームページリニューアルを開始する前や、SEOを実施する前に、ホームページの目的やUSPの再確認、そして集客対象などを確認させていただいています。
SEOやWeb広告でアクセスを向上させた時の効果
ホームページをリニューアルしてからアクセスが落ち込み、問い合わせ数が低下してしまった場合、ひとまずリスティング広告等のWeb広告で一時的にアクセスを補い様子を見てみるのも一つです。
それで問い合わせをある程度確保できるのであれば、問題は概ねアクセス数にあります。
その場合は、SEOを中心としたアクセス獲得の方にサイト改良の比重をかけると良いと考えます。
しかしながらリスティング広告運用にしてもSEOに力を入れるにしても、やはり目的や目標の設定は重要です。
闇雲に行うと費用対効果が芳しくないものとなってしまいます。
また、もしある程度サイトアクセスを獲得しても集客効果の低下が止まらない場合は、サイトの作りやメッセージ性に問題があるか、ページ情報が潜在顧客のニーズに対してズレがあると考えられます。
サイト改良・改善の必要性の目安
さて、リニューアル後に集客効果が落ちてしまったサイトの改良・改善の必要性については、目安となる基準がいくつか存在します。その基本となるのはやはり「反応」です。
上述のとおりに問い合わせ数とアクセス数が一つの目安となります。
お問い合わせ数が低下しているという部分はすぐに実感できますが、アクセス数の変化や、どのページへのアクセスがどの程度変動しているのかをきちんと確認すると、改良のための方向性をつかみやすくなります。
ホームページリニューアルで、ページ・ページURLが変化していたとしても、どういった内容のページが「かつてはどれくらい見られていて、リニューアル後はどれくらい見られているのか」という点やそのページの滞在時間、離脱率をチェックすることで改善策が見つかることがあります。
改良・改善の必要性の基本的な基準は「反応」
ホームページはどこまでも改良していくことができます。しかし、最低限どれくらい改良が必要なのかという点については、現状のユーザーの反応によって様々です。
ホームページリニューアルが成功したか、失敗したかという点、そしてどれくらい改良・改善の必要性があるかという点についての基本的な基準は「反応」です。
「改良する」、「力を入れる」という点に関して、それが「魚のいない場所で釣りをする」というようなことになっていると、いくら改良しても結果はついてきません。
お問い合わせが来ない、お問い合わせ数が減少
最もわかりやすい反応のポイントはリニューアル後に「お問い合わせが来ない」、「お問い合わせ数が減少している」という状況です。
ホームページリニューアルに伴い、サイト上の情報やページ構成などが変化し、検索エンジンの再クロール、再評価が行われていて一時的にアクセスが低下してお問い合わせ数が減少するということは、想定し許容できる状況です。
しかし、一定期間経過後、アクセスは以前と同様に回復したにも関わらず、やはり問い合わせ数が減少している場合は、やはりリニューアル後のホームページの方に問題がある場合があります。
ページ構成を含めたWebデザイン、情報の内容・配置、問い合わせフォーム等に問題がある可能性
その場合は、ページ構成を含めたWebデザイン、情報の内容・配置、問い合わせフォーム等に問題がある可能性があります。
また、お問い合わせにつながっていた「優良なページ」があまり閲覧されていないことが原因である場合もあります。
ページ内容自体を簡略的に変更してしまっていたり、そのページへの移動が困難であったり、検索エンジン経由でのそのページへのアクセスが低下していたりと原因は様々です。
サイトアクセスの著しい低下
上述のとおりに、検索エンジンの再評価計算中の一時的なアクセス低下もありますが、一定期間経過後にも著しいアクセス低下が起こっている場合には、概ねコンテンツ情報やページの構造、SEOなどに問題があります。
URLが変化したにも関わらず適切なリダイレクト(転送)を行わず、外部からの被リンクの評価が失われている場合もありますし、高画質画像の多用によりサイト速度が大きく低下して、「モバイルファーストインデックス(モバイル版のサイトを優先した検索エンジンのインデックス登録とページ評価)」において低評価を受けている可能性もあります。
こうした場合は、Webの技術的な対応が必要になります。
逆にこうしたSEO・Web技術的なことが原因になっている場合は、きちんとした施策を行うことでWeb集客効果が改善しやすく、調査・分析・改良を外注しやすいため、コンテンツ内容に頭を捻らすよりも簡単に対応していくことができます。
高解像度画像の多数設置によるページ表示速度の著しい低下が原因であることも
「ホームページリニューアル後のアクセスの著しい低下の原因は、圧縮されていない画像が多数用いれていたことによるページ表示速度の著しい低下だった」
という場合もよくあります。高解像度画像を多数設置したことによって「ページ表示速度」が著しく低下し、コアウェブバイタルの指標に大きく影響与えてしまったということが原因になっているケースです。
この場合は画像の軽量化(Webp等次世代フォーマットへの変換を含む)やキャッシュ、画像の遅延表示などで対応していくことができます。
リニューアルしたホームページへの周囲からの評判について
なお、「反応」のひとつにリニューアルしたホームページへの周囲からの評判というものもあります。
それらも一つの参考とはなりますが、見栄えとしてのサイトデザインに意見が偏りがちです。
本来は、「見栄え」の他に「集客対象に向けた内容の充実」や「検索エンジンからアクセスを向上させるための情報の配置」等も参考にする必要があります。
それらを総合的に考えた意見としての評判であるかは未知数であるため、参考程度に留めておいたほうが無難であると考えることができます。
ホームページリニューアルの失敗への対策としての再改良
それではホームページリニューアルの失敗への対策としての再改良について触れていきましょう。
順序としては、再度「集客対象と目的を明確化すること」から初め、重要なページやメッセージを明確化します。
そして、重要度に応じた再配置を検討します。それらを再構築していく上で、細かな改善点もたくさん見つかっていきます。
ホームページのリニューアルは目的を明確にして再設計すると成功する
まず集客対象と目的を明確に
ホームページリニューアルが失敗してしまったと思われた場合、まずリニューアル時に「集客対象」や「ホームページ利用の目的」がぼやけていなかったか再度確認してみましょう。
「とりあえず古いホームページを新しいホームページに」という点は問題ありませんが、それだけを目的としてしまうと、ホームページがぼやけてしまいます。見栄えは良くても中身がぼやけてしまうというイメージです。
一度リニューアルしたホームページデザインをひとまずそのままの形で残すというのは問題ありません。
基本デザインはそのままで、再度、集客対象と目的を明確にして、改良点をあぶり出して行くという形で良いと考えます。
重要なページと伝えたいメッセージ
「どのような対象者に、どのような製品・サービスを届けるのか」ということが明確になれば、重要なページがどのページであり、伝えたいメッセージ、伝えるべきメッセージが何かが見えてきます。
極端な例を上げれば、スタッフブログにおける「テーマパークに行ってきました」という投稿は、重要なページとはなり得ません。もちろんそのような投稿に意味がないわけではありません。
Web上のリレーション、PR、コミュニケーションとして別の役割があります。
ただ、Web集客の重要度としては低いものとして判断されます。
「では、逆にWeb集客において重要度の高いものは何か?」というところが見えた時、不足している情報や配置のあり方が見えてきます。
重要度に応じて配置を変える
小売店舗においても、売上が芳しくない場合、レイアウト変更が行われる場合があります。配置を変えるだけで売上が変化する場合も多々あります。
それと同じように、ホームページ上の情報も配置を変えるだけで反応が変化することがあります。
「新規の何かを追加する」ということも良いですが、重要度に応じて配置を変更するということも有効になります。
配置を変更するという点はさほど労力を必要としません。Web制作会社に依頼をする場合でもさほど費用は必要ありません。
主たる配置変更は、文章の内容の構成やページ構成です。サイトデザインとしてのレイアウト変更も一つの対象となりますが、「伝える順序の変更」等々基本的には文章の変更が中心となります。
重要度に応じて配置変更を試みると、伝えるべき情報、不足情報が見えてくる場合もあります。
集客対象と目的、「どのような対象者に、どのような製品・サービスを届けるのか」という点が、まだぼやけている場合でも、こうした作業を行うとそれがくっきりしてきます。
そして、各情報、各ページの重要度が見えてきた場合、不足情報に気づいてそれを追記するという改良・改善を行うことができます。
Webデザインの改良・改善
さて、具体的なWebデザインの改良・改善について少しだけ触れていきます。
ある程度、集客対象と目的、「どのような対象者に、どのような製品・サービスを届けるのか」という点が明確になってきて、不足情報が満たされていった場合、重要度に応じた強調点を発見していくことができるようになります。
Webデザインの改良・改善を行うとすれば、そうしたものに基づくのが一番です。
「ある部分を目立たせ、ある部分を補足として扱う」という点に基づき、Webデザイン上の工夫を心がけられるようになります。
色分けや太字、画像の利用をはじめ、「見出し」と「段落」の差もそれに当たります。
技術的な面で言えば、「独立した記事コンテンツ部分であることを示す<article>タグ」と「余談であることを示す<aside>タグ」の差がそれに該当するでしょう。
外観上の見栄えの面、研鑽エンジンに対するマークアップの面それぞれで、重要度を示すという事ができるようになります。
何がユーザー行動をせき止めているのか?
また、問い合わせ率低下の原因の一つに、「ユーザーの行動をせき止めている何か」が原因である場合もあります。
それはリニューアル以前よりも、必要情報への到達が難しくなってしまったこと、必要情報がなくなってしまったこと、お問い合わせフォームの入力の煩雑さが増したことなど、考えられる点はいくつもあります。
「現代的で直感的なUIデザインを売りにしたようなものよりも、少し昔のテキストベースのものの方が、操作しやすかった」
というような例はいくらでもあります。
「確かにスッキリしているが、結局ボタンはどこだ?その部分がボタンだったのか…」
というようなケースです。
それをわかりやすくするため、「実はボタンだった」という部分の下に文字列を加えるということは、洗練さとは逆行するかもしれません。
しかしながら、問い合わせ率が低下しているのであれば、そうした部分の変更も検討する余地があります。
改良・改善のポイントは無数にある
ホームページは、どこまでも改良していくことができます。「本文の文字サイズの変更」等細かい部分を考えれば改良・改善のポイントは無数にあります。
しかしながら、やはり改良・改善においても重要度、優先度というものはあります。どの部分から手掛けても改良には繋がりますが、重要度の高いものから手掛けていくことが理想です。
その重要度・優先度の高さの抽出は、集客対象と目的の明確化から始まります。
そして、どのような検索キーワードで検索されているか、といったWeb検索市場等を調査するとより改良案の精度が高まります。
改良がしやすいホームページの利用
ただ、こうしたホームページの改良においては、改良がしやすいホームページの利用が一番です。
思った時に思ったことを実行するのに時間や手間がかかる、となると勢いが萎んでしまいます。
少しの変更にもコストが必要になるという点もそうした改良をせき止めてしまう要因になるでしょう。
ホームページリニューアルが失敗し、問い合わせ数が減少してしまった場合、アクセスが低下してしまった場合にそれを回復するという場合はもちろん、ある程度、Web集客がうまくいっている場合でも常に改良は必要です。
競合他社を含め周りの環境は否が応でも変化してしまうため、常の改良がない場合は、集客効果は低下していく一方となります。
こうしたことから弊社では、改良のしやすいWordPressをベースとしたホームページを推奨し、新規制作サービスや既存サイトのWordPress化などのサービスを提供させていただいております。
(初回投稿日 2023年7月6日)