ホームページ(ウェブサイト)を作って情報を発信する際、どのような言葉をページ内に含めるかは、検索順位を左右する非常に重要な要素です。多くの方は、自分たちの事業内容やサービスを正確に伝えるために、適切なキーワードを選ぼうと努力されています。しかし、ここでよく起こるのが、サービスを提供する側が「この言葉で検索されるはずだ」と思い込んでいるキーワードと、実際にお客様が検索窓に打ち込んでいる「本当の言葉」が大きくズレているという現象です。
いくらホームページ(ウェブサイト)のデザインをきれいに整え、最新のシステムを導入したとしても、お客様が検索しない言葉でページを作ってしまえば、検索結果に表示されることはありません。それは、誰も通らない裏路地に立派な看板を立てているのと同じ状態です。
このズレは、業界に長く身を置いている方であるほど陥りやすい罠でもあります。専門知識が豊富になるにつれて、無意識のうちに業界の常識や専門用語を基準に考えてしまうからです。
検索エンジン経由で新しい見込み客を獲得するためには、一度自分たちの常識を横に置き、一般のお客様が日常で使っている生の言葉を見つけ出さなければなりません。
ここでは、提供者とお客様の間に生じる言葉のズレの具体例から、高額なツールを使わずに日常の業務の中で本当の言葉を見つける簡単な方法、そして見つけた言葉をホームページ(ウェブサイト)に効果的に配置する実践的なテクニックについて、WebやSEOの視点において専門的にはどう考えるべきかを詳しく解説していきます。
業界の常識とお客様が使う言葉の大きなズレに気づく

検索キーワードのズレは、様々な場面で発生します。まずは、どのような言葉がすれ違いを起こしやすいのか、私たちがこれまで携わってきた多くの改善事例の中から、典型的な失敗パターンとその解決策を見ていきます。
行政的な産業分類と親しみやすい一般的な単語の違い
最もよくあるズレの一つが、行政への届け出などに使う正式な産業分類の名称と、世間一般の人が日常会話で使う単語との違いです。例えば、外壁の塗装を行う事業者がホームページ(ウェブサイト)を作る際、正確さを期して「塗装業」という言葉をメインに据えることがよくあります。もちろんこれは間違いではありません。
しかし、一般のお客様、特に個人の住宅の塗り替えを考えている人が検索するとき、全員が「塗装業」と打ち込むわけではありません。「ペンキ屋」という、より親しみやすく日常的な言葉で検索する人も数多く存在します。
また、サービス内容を表す言葉についても同様の現象が起きます。建築や設備などの業界では、作業を行うことを「施工」と呼ぶのが一般的です。しかし、個人のお客様が自宅の修理を依頼しようと検索するとき、「壁の施工」といった言葉はあまり使いません。「壁の工事」「壁の補修」「壁の改修」あるいは「壁の修理」といった言葉の方が、はるかに世間一般的で検索される回数も多い傾向にあります。
このような場合、どちらかの言葉だけを選ぶのではなく、両方の言葉をページ内に含める工夫が必要です。正式名称である「塗装業」や「施工」を使いつつ、文章の前後や見出しの中に「地元のペンキ屋として」「丁寧な補修工事を行います」といった表現を自然な形で織り交ぜていきます。これにより、多様な検索意図を拾い上げることが可能になります。
ブランディングを優先しすぎて業態が伝わらない失敗
言葉のズレは、実店舗を持つ事業のブランディングにおいても頻繁に発生します。お店の雰囲気を良く見せたい、おしゃれに感じてもらいたいという思いから、タイトルや見出しに明確な業態を含めないケースです。
例えば、ラーメンを提供するお店が「麺処 〇〇」という店名だけでホームページ(ウェブサイト)のタイトルを設定してしまうことがあります。お店のこだわりは伝わるかもしれませんが、検索エンジンにとっても、初めて検索するユーザーにとっても、それが「ラーメン」のお店なのか「うどん」なのか「そば」なのかが瞬時に判別できません。検索する人はストレートに「地域名+ラーメン」で探しています。
また、「キッチン 〇〇」という洋食店が、ホームページ(ウェブサイト)内に「洋食」や「ハンバーグ」「オムライス」といった具体的なメニュー名を書かず、コンセプトだけを語っているようなケースもあります。これでは検索に引っかかりません。
ブランディングの観点から、泥臭い言葉を入れるのを野暮ったく感じて避ける方もいらっしゃいます。しかし、SEOと集客の観点からは、そうした明確な呼称を明示的にしておく方が圧倒的に有利です。「麺処 〇〇|こだわりの自家製ラーメン」のように、少しの工夫でお店の世界観を守りながら検索されやすさを確保することは十分に可能です。
高額なツールを使わずにお客様の言葉を見つける手順

お客様が使う本当の言葉を見つけるために、数十万円もするような専門的なSEOツールを導入する必要はありません。日常の業務や無料の機能の中に、ヒントは無数に転がっています。
検索窓のサジェストと自分の予想を常に見比べる
一番基本でありながら最も強力な方法が、Googleなどの検索窓に表示される「サジェスト(予測変換)」を活用することです。
検索窓に「外壁塗装」や「洋食」といった自分たちの事業に関連する言葉を打ち込み、スペースを一つ空けてみてください。すると、その言葉と一緒に頻繁に検索されている言葉の候補がずらりと表示されます。
これが、今まさに世の中の人々が知りたいと思っている生の検索語句のリストです。ここでのポイントは、自分が「こう検索されるだろう」と予想していた言葉と、実際に表示されたサジェストの言葉を見比べることです。
予想外の言葉が含まれていたり、自分なら使わないような言い回しが表示されたりした場合、そこに新しいキーワードの方向性が見えてきます。世の中の人がどのような組み合わせで情報を探しているのか、その実態を定期的に観察する癖をつけることが、的外れなコンテンツ作りを防ぐ最も確実な防衛策になります。
日々のメールや顧客との会話にヒントが隠されている
サジェストに加えて、非常に価値の高い情報源となるのが、日々のお客様とのやり取りそのものです。ホームページ(ウェブサイト)の問い合わせフォームから送られてくるメールの文面や、電話での問い合わせ、さらには実際の対面での接客時に交わされる会話の中に、お客様の「本当の言葉」がそのままの形で隠されています。
専門知識を持たないお客様は、自分の抱えている悩みや実現したい要望を、自分自身の言葉で必死に伝えようとします。「なんだか壁の端っこの方が白く粉を吹いている感じになっていて」といった表現や、「スマホで見たときに文字が小さくて読みづらいんだけど」といった言葉です。
これらは、事業者が頭の中でひねり出したキーワードよりも、はるかにリアルで感情のこもった検索語句になります。日々の業務の中で、お客様がどのような単語を使い、どのような表現で質問してくるのかをメモに残しておくことで、世界に一つだけの強力なキーワードリストが完成します。
見つけた言葉をホームページに効果的に配置する工夫

お客様の本当の言葉を見つけ出したら、次はその言葉をホームページ(ウェブサイト)内に配置していきます。ただ不自然に詰め込むのではなく、検索エンジンの評価を高めつつ、ページを読んだ見込み客に「まさに自分のことだ」と共感してもらうための配置方法を解説します。
ブログのタイトルや見出しに一般的な単語を組み込む
見つけた言葉を効果的に活かす場所として最適なのが、ブログやコラム記事の「タイトル」と「見出し」です。ページの主題となる主要なキーワード(例えば「外壁塗装」や「ホームページ制作」など)はしっかりと押さえつつ、そこに先ほど見つけた「一般的な単語」を組み合わせていきます。
例えば、「外壁塗装の工期について」という専門的なタイトルよりも、「家の塗り替え工事は何日かかる?ペンキ屋が教える期間の目安」とした方が、一般のお客様が使う検索語句に広く対応できます。見出しの中に一般的な単語を含めることで、ページの内容がよりユーザーの検索意図に寄り添ったものになり、競合他社のページにはない独自の視点(独自性)が高まります。
検索エンジンは、独自性が高くユーザーの役に立つページを高く評価します。専門用語と一般的な単語をバランスよく見出しに配置していくことは、SEOの効果を最大限に引き出すための非常に有効な手法です。
検索されにくい表現は会話文としてそのまま挿入する

お客様との会話の中で見つけた言葉の中には、非常に長く、検索キーワードとしては少し出現頻度が低そうなものもあります。そうした言葉を無理にタイトルや見出しに詰め込もうとすると、日本語として不自然になってしまいます。
そのような場合は、無理に見出しにするのではなく、お客様との会話の思い出を振り返り、「会話文」や「よくある質問」の形式でページ内にそのまま挿入することをおすすめします。
例えば、私たちのWeb制作の現場でよくあるご質問に、「あのSNSか何かでページの紹介をした時、英語の文字がたくさんのやつを貼り付けた時に勝手に出てくる画像のやつはどうやって出してるの?」というものがあります
(専門用語で言えば「OGP画像の設定方法」ですが、一般の方は「OGP」という言葉を知りません)
これをそのまま「よくある質問」のコーナーに掲載し、その回答として「それはOGP画像という仕組みで…」と専門的な解説を加えていきます。このように、お客様の生の疑問をそのままの表現で配置することで、同じような悩みを持って長い文章で検索(ロングテール検索)をしたユーザーの目に留まりやすくなります。
そして何より、そのページにたどり着いたユーザーは、「まさに自分が聞きたかったことだ」と深く共感し、あなたへの信頼を大きく高めることにつながります。







