ホームページ(ウェブサイト)は、完成させて公開したあとからの方が本格的に力を入れていく必要があります(Webマーケティングには改善が欠かせませんからね)。検索エンジンは常にユーザーにとって最適な検索結果を提供するため、日々アルゴリズムのアップデートを繰り返しています。
昨日まで上位に表示されていたページが、今日になって突然圏外に飛ばされるということも決して珍しくありません。また、システムのエラーやサーバーの不具合など、運営者が意図しない予期せぬトラブルによって、ページが正常に表示されなくなるリスクも常に潜んでいます。
こうした順位の変化やサイトの異常にいち早く気づき、迅速に対応するための環境を整えることは、事業の機会損失を防ぐ上で非常に重要です。
今回は、弊社が現場で実際に経験した事例を交えながら、GoogleサーチコンソールやBingウェブマスターツールなどの無料ツールを活用して、ホームページ(ウェブサイト)の健康状態を維持する実践的な運用ノウハウについて解説していきます。
検索順位や表示回数の激減を放置するリスクと機会損失

アクセス解析や順位計測のツールを導入していても、長期間データを放置してしまえば意味がありません。データを見ない期間が長引くほど、気づかないうちに深刻な問題が進行し、取り返しのつかない機会損失を招くことがあります。まずは、現状のデータを把握していないことでどのようなリスクが生じるのかをお伝えします。
「何となく問い合わせが減った」という感覚の裏にある事実
私たちがお客様からホームページ(ウェブサイト)の運用相談を受ける際、「最近、何となく問い合わせが来なくなった」という漠然としたお悩みを耳にすることがよくあります。事業を行っている方にとって、問い合わせの減少は死活問題ですが、日々の業務に追われていると、その原因がどこにあるのかを客観的なデータで確認する作業は後回しになりがちです。
実際にそのようなご相談を受け、サーチコンソールなどのツールで過去のデータを確認してみると、ある時期を境に検索エンジンでの表示回数が激減しているケースが多々あります。これは、検索エンジンの大規模なアルゴリズム変更によって、サイト全体の評価が下がり、ユーザーの目にとまる機会そのものが奪われてしまっている状態です。
「何となく減った」という感覚のまま放置している期間が続くと、その間も競合他社は着実に検索順位を上げ、見込み客を獲得し続けています。もしツールを定期的にチェックしていれば、表示回数が落ちた直後にページの内容を改善するなどの対策をすぐに打つことができます。異常に気づくのが遅れるほど、失われる事業の機会は大きくなり、リカバリーにかかる時間と労力も膨大なものになります。
サーチコンソール等で最低限チェックすべき重要指標

Googleが無料で提供しているサーチコンソールは、ホームページ(ウェブサイト)の検索パフォーマンスや技術的なエラーを確認できる非常に強力なツールです。また、あわせてBingウェブマスターツールにも登録しておくことをおすすめします。基本的な役割は同じですが、異なる検索エンジンの動向を把握することで、より多角的にサイトの異常を検知できるようになります。機能が多岐にわたるため、ここでは日々の運用の中で最低限チェックしておくべき重要な指標について解説します。
全体の表示回数と主要キーワードの順位推移
最も基本でありながら最も重要なのが、サイト全体の検索表示回数の推移です。クリック数も大切ですが、まずは検索結果にどれだけ表示されているかという母数を確認します。表示回数が安定していれば、ひとまずは検索エンジンから適正に評価されていると判断できます。
あわせて、事業の核となる主要な検索キーワードの順位も確認します。全体の表示回数が減っていても、主要キーワードの順位が落ちていなければ、単なる季節要因や一時的な検索需要の低下かもしれません。逆に、主要キーワードの順位が大きく下落している場合は、競合サイトの台頭やアルゴリズムの変動による影響が考えられるため、具体的なアクションが必要になります。
見慣れない不自然な検索クエリの混入を確認する

ツール上では、ユーザーがどのような検索キーワード(クエリ)で自社のホームページ(ウェブサイト)にたどり着いたかを確認できます。この検索クエリの一覧に、自社の事業とは全く無関係な、見慣れない不自然なキーワードが混ざっていないかを定期的にチェックすることは非常に重要です。
もし、海外の医薬品の名前や、高級ブランドのコピー商品に関するキーワードなど、明らかに不審なクエリで表示回数が発生している場合、ホームページ(ウェブサイト)が第三者による悪質なウイルス感染の被害に遭い、勝手にスパムページを生成されたりしている疑いがあります。また、悪意のあるスパムサイトから大量の不自然な外部リンクを貼られている攻撃の兆候を検知するきっかけにもなります。こうした異常なクエリの混入は、放置するとサイト全体の信頼性を致命的に損なうため早期発見が大切です。
インデックス数の異常な増減とエラー表示の有無
インデックスとは、検索エンジンのデータベースにページが登録されることを指します。現在いくつのページがインデックスされているか、またインデックスされなかったページにはどのような理由があるのかを確認できます。
ここで注意すべきは、インデックス数の激減と激増です。インデックス数が突然激減した場合、システムの設定ミスで誤って検索エンジンを拒否するタグを入れてしまったり、サーバー側に重大なエラーが発生してクローラーがアクセスできなくなったりしている可能性があります。
逆に、インデックス数が突然激増している場合も危険なサインです。システムの不具合でパラメータ付きの同じようなページが大量に生成されてしまっていたり、ウイルス感染によって無数のスパムページが勝手に作られ、それが検索エンジンに登録されてしまっていたりするケースが考えられます。インデックス数の異常な推移や、画面上に表示される警告エラーを見逃さないことが、サイトの健全性を保つ防波堤になります。
サーチコンソール等でのエラー通知への対処
無料ツールからエラーの警告が届いた際は、焦らずに原因を切り分けることが重要です。より専門的には、エラーの性質によって対応の優先順位を判断し、適切な処置を行っていきます。
エラーの種類と対象ページの特定
まずは、通知されたエラーが「ページが見つからない(404エラー)」なのか、「サーバー側の問題(500番台)」なのか、あるいは「スマートフォンでの表示不具合」なのかを確認します。同時に、それがホームページ(ウェブサイト)内のどのURLで発生しているかを特定します。エラーの種類によって、コンテンツの修正で対応できるのか、サーバーの環境設定を見直すべきかが変わってきます。
一時的な不具合かどうかの見極め
サーバーの瞬間的な過負荷や、ネットワークの一時的な問題でエラーが記録されることもあります。このような場合は、少し時間を置いてから再度検証を行うことで、自然にエラーが解消されることも多いです。継続して発生している根本的な問題に絞って修正作業を進めることで、効率的なホームページ(ウェブサイト)の運用が可能になります。
ツール導入が救ったサイト消滅と致命的なエラーの危機

無料ツールを導入して日々の数値を観測していると、単なるSEOの順位変動だけでなく、ホームページ(ウェブサイト)そのものの存続に関わる致命的な危機を救うことがあります。ここでは、弊社が実際に経験した、ツールのおかげで最悪の事態を免れたエピソードをご紹介します。
WordPressの更新失敗による表示崩れを素早く検知
多くのホームページ(ウェブサイト)で利用されているシステムは、セキュリティを保つために本体やプラグインの自動更新機能が備わっています。これは非常に便利な機能ですが、ごく稀に、更新のタイミングで他のプログラムと衝突を起こし、画面が真っ白になったり、レイアウトが完全に崩れたりといった内部エラーを引き起こすことがあります。
以前、私たちがサポートしているお客様のサイトで、この自動更新による不具合が発生し、ページが正常に表示されない状態に陥ったことがありました。通常であれば、お客様自身がサイトを見て異変に気づくか、あるいは閲覧したユーザーからのクレームで発覚するまで放置されてしまいます。しかしこの時は、ツールのデータ上で検索表示回数が突然激減していることに私たちがすぐに気づき、異変を察知しました。
直ちにサイトの状況を確認してエラーの原因を特定し、バックアップからシステムを復旧させたことで、閲覧できないダウンタイムを最小限に抑えることができました。ツールが発する異常な数値の変化は、目に見えないシステムの不具合を教えてくれるアラームの役割を果たしてくれます。
クレジットカードの有効期限切れによるドメイン更新忘れ
さらに背筋が凍るような事例もあります。これは弊社の直接のサービス提供外のお話ですが、過去にご相談を受け、ご了承の上でデータを共有していただいていたお客様のアカウントを稀にチェックした際のことです。なんと、ある日を境にそのサイトの検索表示回数が完全にゼロになっていました。
単なる順位下落で表示回数がゼロになることは考えにくいため、慌てて該当のドメインにアクセスしてみると、ホームページ(ウェブサイト)が表示されず、ドメインの管理会社の案内画面に切り替わっていました。原因はドメインの更新忘れです。
お客様はクレジットカードによる自動更新を設定していたつもりでしたが、登録していたカードの有効期限が切れており、決済ができずにドメインが失効してサイトの表示が消えてしまっていたのです。幸いにも、表示回数がゼロになった直後に私たちが気づいて連絡を入れたため、ドメインが完全に他の誰かに取得されてしまう前の猶予期間内に更新手続きを完了させることができ、無事にサイトを復活させることができました。ツールを通じて異常に気づくのが遅れていたら、長年育ててきたドメインも事業の看板も、すべて失われていたかもしれません。







