ドアウェイアップデート


ドアウェイアップデート

2015年3月、Googleは検索結果の品質改善を目的として、ドアウェイページ(doorway pages)への対応を強化すると発表しました。これは特定の検索キーワードで順位を上げることだけを目的とし、実際のユーザーには価値あるコンテンツを提供しないページに対するアルゴリズムの調整です。Googleのウェブスパムチームはこれらのページが「ユーザーの検索体験を損なう」と明言し、今後こうしたページをランク調整の対象とすると説明しました。

ドアウェイページは、ユーザーが検索結果からクリックすると、期待とは違うページや同一サイト内の目的の場所とは異なるページに誘導されてしまうためユーザー体験において極めて不快です。Googleはその悪質さを強調し、同じサイトへ誘導される無意味な検索結果の列はフラストレーションの原因になると指摘しました。

ドアウェイキャンペーンの特徴

この調整対象となる典型的なドアウェイキャンペーンにはいくつかの特徴があります。たとえば、同じ目的地にユーザーを送る複数のドメインやサブドメイン、あるいは類似したページを大量に生成して「検索フットプリント」を広げようとすることなどです。こうした施策はサイトの構造からも疑わしいシグナルとして検知されやすくなります。

Googleは公式ガイドラインで「ページの目的が検索エンジン上位表示のみであり、ユーザー体験ではないか」「内容が非常に限定的なのに汎用キーワードで上位表示を狙っていないか」「サイト内の他ページからは辿りにくく、検索流入専用ではないか」「アフィリエイト目的で価値提供がないか」など、ページがドアウェイに該当するかを判断するための問いかけも提示しています。

ドアウェイページの性質

ドアウェイページの性質は、典型的には非常に薄い内容しか持たず、その目的はリンクやキーワードの網羅によって検索エンジンのインデックスを騙し、ユーザーを別の場所へ誘導することにあります。内容はしばしばコピーやほぼ同一のテンプレートが使われ、バリエーションはキーワードや地名だけというケースもよくあります。

たとえば、ある医療事業者が複数の地域向けに数十のほぼ同一ページを生成し、それらがすべて同一の問い合わせページへ誘導しているようなケースは典型的なドアウェイ例です。これらのページは検索エンジンからアクセスを得るためだけに存在しており、ユーザーにとって意味のあるコンテンツとは言えません。

ランディングページとドアウェイページの違い

いわゆるランディングページとドアウェイページが混同されることがありますが本質的には目的が異なります。ランディングページは特定のユーザー行動(購入、申し込みなど)を促す明確な目的と価値があるページであるのに対し、ドアウェイは検索エンジン向けでありユーザーには利益をもたらしません。

ドアウェイアップデートの影響

ドアウェイアップデートの導入により、広範囲に展開したドアウェイキャンペーンを持つサイトはランキングから大きな影響を受けました。特にフランチャイズ展開型の法人や大規模なローカルサイト、アフィリエイトサイトにおいて被害が報告されました。BrightEdgeなどのツールはこうした影響を可視化し対応を促しています。

SEOにおいては、このアップデートが示した教訓は明確です。まず、検索順位だけを目的にした価値の少ないページを量産する方法はもはや通用せず、むしろペナルティ対象となります。ユーザーにとって意味あるコンテンツとサイト構造の構築が長期的なSEOパフォーマンスには重要となります。

ドアウェイと誤認されないようコンテンツに独自性と明確なナビゲーションを持たせる

また、自社サイトに似たようなテンプレートを多重利用している場合、ドアウェイと誤認されないようコンテンツに独自性と明確なナビゲーションを持たせる必要があります。Or値やGAのデータを活用して、オーファンページ(サイト内で孤立し内部リンクがないページ)がないかチェックすることも重要です。

近年もドアウェイに類似した手法は散見されることがあります。2025年の状況を受けたRedditコミュニティでは、地域名を変えただけの大量のページが現存し続けている事例が話題になっており、依然としてリスクがあることを示唆しています。

ドアウェイアップデートはGoogleが検索品質保持の姿勢を強く明示した転機でした。コンテンツ制作やサイト運営を行う際は、検索エンジンではなく「ユーザーの目的」に立脚した設計を第一に据えることが、信頼性と安定性を兼ね備えたアプローチであると認識すると良いかもしれません。

Google検索アルゴリズムアップデート

SEO(検索エンジン最適化)

ホームページ制作 京都のWeb制作会社
株式会社ファンフェアファンファーレ

ホームページ制作、サイトカスタマイズなどのお問い合わせ・Web制作のご依頼はこちら