ホームページ(ウェブサイト)のSEO(検索エンジン最適化)には、サイト内部の「SEO内部要因」と、外部サイトからのリンク等のSEO外部要因があります。SEO内部対策がサイト構造やホームページ内部の設定・マークアップによるSEOであるのに対して、SEO外部対策は、ホームページ外の他サイトからの被リンクといったサイト外要因によって検索順位が決定する部分に対してのSEO対策です。
Googleの検索順位決定要因のひとつである「PageRank」は、外部サイトなどからの「リンク」によるスコアの流入によるSEO評価基準です。
この基準を元に考えられる、「SEO外部対策(サイト外の順位決定要因)」とは、自らのホームページ(ウェブサイト)全体や、サイト内の各ページへの「リンク」や、サイトコンテンツの引用や言及などと考えることができます。
ホームページ(ウェブサイト)の各ページヘとリンクが設置されることを「被リンク」と呼びます。
この被リンクの獲得がSEO外部対策の基本である事実は、変わりありません。ホームページ内部のSEOに対する評価に加えて、外部サイトからの被リンクといった追加評価を獲得していくことで、ページのスコアリングが向上し、検索順位向上を目指すことができます。
SEO外部対策はSEO内部対策を補完する
SEOの要因、ページの検索順位決定要因としては、ページの作りに関するSEO内部対策要因と外部からの評価であるSEO外部対策要因がありますが、これら2つは異なった属性、異なった役割を持っています。
SEO内部対策は、ページの中身、つまりコンテンツ内容を正確に検索エンジンに伝えることを目的とし、ページ自体で独立した評価を獲得するための施策になります。
一方、SEO外部対策要因としての被リンクなどは、原則的にホームページ制作者、サイト運営者が手を加えられない領域であり、いわば運営者と検索エンジンとの関係を超えて、外部の第三者からの評価を検索順位決定要因とする役割を持っています。
外部サイトからの被リンクによる信頼性向上
SEO内部対策だけでも、ある程度の検索順位の向上は可能ですが、これはあくまでサイト運営者と検索エンジンだけの関係になります。
検索エンジンとしては、この二者の関係だけでなく、検索ユーザーや他のサイト運営者という第三者からの評価を参考にして、より検索結果の精度を高めたいという意図があります。
元々、Googleの検索エンジンが登場した時のPageRank(ページランク)の特許(スタンフォード大学)の考え方は、被引用数・引用に基づく学術論文の評価に基いており、「他の文献に引用される文献は優れている」というものであり、この考えを元に検索エンジンが開発されています。
この考え方を元に検索順位決定要因を考えれば、自ずと第三者からの被引用数が一つの重要な順位決定要因となることは理解できます。そして、Web上であれば、それはハイパーリンク・アンカーであると容易に考えることができます。
外部サイトからの被リンクは、リンク先ページの信頼性や価値を測る上で一つの目安となり、SEO内部対策で獲得したSEOのスコアや価値を補完・向上させるものになります。
ソーシャルリンクとSEO外部対策の関係性
第三者からの評価としては、各ソーシャルネットワークからのソーシャルリンクも人気や価値を示すものとして参考となりうると考えることができます。
しかしながら、ほとんどのSNSはSEOスパム排除のために、ソーシャルリンクにSEO外部対策要員としての被リンク効果を無効にする配慮がなされています。
ただし、短期的な人気シグナルとしてや、被リンク元となるサイト運営者との接点づくりのきっかけとしてはソーシャルリンクも一定の役割があると考えることができます。
リンク元の品質
SEO外部対策としての被リンクに関する施策について、ペンギンアップデート以前は単に大量のリンクを獲得するというSEOスパム目線での方法が横行していました。
しかし旧来から、被リンクによるSEO外部対策は、単にリンクを獲得すれば良いというわけではなく、関連したページからの被リンクであるかという点や、リンク元のサイト自体の評価は高いものであるかという点も大きな要因となっています。
被リンクを受けた際、そのリンク元の品質の高さやページとページの関連性が強いものほどリンクとしての高い評価を受けることは言うまでもありません。
例えば、自分が運営するサイトがSEOに関するサイトであり、その中のSEO外部対策に関するコンテンツページが被リンクを受けたとしましょう。
リンク元がSEOに関連したサイトであり、運営期間も長く、たくさんのページを保持していて、その中のSEO外部対策に関連したページからのコンテンツ内リンクであれば、意味のある引用であり、被リンクの価値は高くなると考えられます。
しかし、SEOと全く関係のない、たった3ページしか無い「ラーメン店」のお店サイトのフッターからのリンクならばどうでしょうか?
あなたが検索エンジンなら、そうしたリンクをそれほど高くは評価しないはずです。
誤ったSEO外部対策とペナルティ
SEO外部対策の基本は外部サイトからの「リンクの獲得(被リンク)」ですが、かつてこの点に着目し、リンクプログラムやペイドリンク(有料リンク)というブラックハットSEOが横行しました。
旧来から、検索順位結果決定要因である「PageRank」、「被リンクによるPageRankの転送」に着目し、「SEO会社」と名乗る業者が、多数のリンクを販売し、購入者のサイトへとリンクを設置する「ブラックハットSEO」を行っていました。自社の持つ大量のリンクプログラムサイトから、SEO会社への申込者のサイトに対して、対象となるSEOキーワードでのテキストアンカーを大量に設置するといった方法です。
つまり、リンクを設置しSEOスコアを渡す代わりに対価を得るというビジネスです。
しかしながら、Googleの検索アルゴリズムは日々アップデートされています。
「ナチュラルリンク」と見せかける自作自演リンクやリンクプログラム、ペイドリンクによる被リンクの獲得など、「スパム要素があるか否か」という基準を厳しく判断するペンギンアップデートを行いました。
その影響で、テキストアンカー(テキストリンク)などによる被リンクでブラックハットSEOを行っていたサイトの評価は下がり、相対的にホワイトハットSEOを行っていたサイトの順位が上昇しました。
SEO外部要因である「リンク」自体のSEO評価は今でも続いていますが、今後さらに「リンクの質」の判断がどんどん向上していくと考えられます。
純粋なリンクである、ナチュラルリンクへの価値を高め、ペイドリンクや不自然なリンクへの見極め精度が向上しけば、こういった「ブラックハットSEOとしてのリンク」への評価は無効化されるか著しく減少していきます。
SEO手動ペナルティ
「被リンク」にスパム的な怪しさが感じられた場合は、低品質なリンクがホームページ(ウェブサイト)の価値を下に引っ張ることがあります。
特に著しいのが手動ペナルティです。SEO外部対策を意図した明らかに悪意のある被リンクが大量にあった場合は、手動で検索順位下落やインデック削除の対策が取られます。
そして、手動ペナルティを受けるほどまでではない場合でも、品質の低い被リンクばかりを受けると、アルゴリズムによるペナルティ(本来の評価に戻るため、厳密にはペナルティとは表現できません)の可能性も出てきます。
本来SEOに関してプラスに働く被リンクが、逆効果を招くケースがあります。
そういった場合は、被リンク元サイトでのリンク削除が最適ですが、意図せずスパムリンクをサイトに向けられることもあります。
このようなケースでは、Googleの検索エンジンに対して、「リンクの否認」申請を行う必要がある場合があります。
リンクの否認
SEO外部対策として基本となる被リンク(バックリンク)ですが、意図せずスパムリンクを受けることがあります。
検索エンジンからのペナルティや、意図しないスパムリンクを流された時、検索エンジンに対して「リンクの否認」の申請をすることができます。
PageRank は、他のサイトからの参照リンクに基づいてページの重要性を Google が評価したものです(PageRank は重要な情報を示すものですが、関連性の判断に使用されている 200 以上の要素の 1 つにすぎません)。通常、他のサイトからのリンクは、サイトの品質に対して投じられた票と見なされます。
Google では、第三者のサイトでの操作がウェブサイトに悪影響を及ぼさないようにすることに注意を払って取り組んでいます。場合によっては、ページやサイトについての Google の評価に参照リンクが影響を与えることがあります。たとえば、ご自身やご利用の検索エンジン最適化業者(SEO)が、有料リンクや品質に関するガイドラインに違反した他のリンク プログラムにより、サイトへの不適切なリンクを作成している場合があります。まず、ウェブから PageRank を操作する意図のある悪質なリンクや品質の低いリンクをできる限り削除することをおすすめします。
それでも削除できない PageRank を操作する意図のある悪質なリンクや品質の低いリンクがある場合は、そのリンクを否認することができます。つまり、Google でサイトを評価する際に特定のリンクを考慮に入れないように依頼することができます。
バックリンクを否認する
ペイドリンク(有料リンク)や「ブラックハットリンクプログラム」によって、サイトへの不適切なリンクが施されていた場合、こうした制度を利用して、検索エンジンに「リンクの否認」の申請をする必要があるケースが生じます。
リンクの否認を行うと、その被リンクからのSEOスコアはなくなりますが、もちろんマイナスに働いているSEO効果もなくなります。海外からの不自然なリンクや、見に覚えのないリンクはどんどん否認しましょう。
怪しい被リンクに対して適切にリンクの否認を行うことで、有料リンクやリンクプログラムなどによるSEOマイナス要因が無くなるほか、不自然なアンカーテキストに対する防衛策も講じることができます。
バックリンクを否認する (Google)
SEO外部対策のためのコンテンツSEO
では、SEO外部対策として、いかにしてSEO効果がある「ナチュラルリンク」を獲得すればよいのでしょうか?
本来、ページ内にリンクが設置されるときには、ウェブマスターに参照や引用、言及、「おすすめ」といった意図があるはずです。
もっとも自然な形で行われる「リンク」の獲得には、「高品質コンテンツ」が必要になります。
「PageRank」の基本的な考え方は、「他のページに引用されるページは品質が高い」という推測から成り立っています。
「引用されるほどの情報」が掲載されたコンテンツページであれば、自然と引用され、被リンクを受ける可能性は高まります。基本的にはコンテンツSEOによってユーザー・外部のウェブマスターとの接点を増やしながら引用・言及されるようなコンテンツクオリディのページを作成し続け、自然な形で被リンクを獲得していくことがSEO外部対策の流れになります。
自然な形でのリンク獲得
ウェブサイト・ホームページのSEO内部対策としても「高品質コンテンツ」が重要になりますが、SEO外部対策においても、自然な形でのリンクの獲得には良質のコンテンツが最も有効です。外部サイトで紹介され、被リンクを受けるようなコンテンツを配信することが最も合理的なSEO外部対策になります。
静的なサイトであれば、コンテンツページを増やしていくことは手間になりますが、WordPressなどのCMSを利用して、ホームページ(ウェブサイト)内にオウンドメディアを設置することによって、ナチュラルリンク獲得元となる「コンテンツページ」を簡単に配信していくことができます。
SEO外部対策としての被リンク獲得には、高品質なコンテンツページを用意することが最も近道です。コンテンツSEOによって、そのコンテンツページへのアクセスを増やしながら、外部サイトからの被リンク獲得といったSEO外部対策を行うことができます。
被リンク効果の引き継ぎなどのSEO外部対策
SEO外部対策としての被リンクについては、ドメインの異なる外部サイトから受けるものであり、その内容を完全にコントロールすることはできません。
SEOの評価としてはマイナスになりうるリンクに対しては、「バックリンクの否認」の手続きによって対応することができます。
しかしながら、一方でサイトリニューアルなどのホームページ改変が行われた時に、SEO外部要因に関するSEO対策をしっかり行わないと、せっかく獲得した「有効なリンク」についてのSEO効果をロスしてしまうことになりかねません。
SEO外部対策として、被リンク獲得に関するコンテンツ作成や、マイナス要因である被リンクの処理などに加え、ホームページのリニューアルなどの際に意図せず評価がロスしないように行うSEO対策があります。それが301リダイレクトによる被リンク効果の引き継ぎです。
ドメイン変更の有無にかかわらずURLが変更となった場合
このSEO外部要因としての被リンク効果の引き継ぎが必要になる局面は、ドメイン変更の有無にかかわらずサイトリニューアル、ページの統廃合などで、ページURLが変更になった時です。
下層ページのURLがすべて変更となるようなフルリニューアルの際はもちろん、SEO内部最適化のためにサイト構造を再構築し、ページを統廃合した場合で、消滅するURLなどが発生した時も対象になります。
この場合、被リンクを受けている対象URLのページが消滅したり変更となった場合、被リンク効果は無くなります。外部サイトに設置されたリンク自体が示す、自サイト内のページが存在せず、404ページ(削除されたページ)として扱われるためです。
301リダイレクトによる被リンク効果の引き継ぎ
検索順位の決定要因の外部要因である被リンクは、そのリンク自体が意味を持ってこそSEO評価の対象となります。
リンクで示さたページが存在しないのならば、評価を与える必要はありません。
そうしたものを回避するのが301リダイレクトです。
301リダイレクトは、ページの転送を行う処理のことを指します。
ページの移動や統廃合でURLが変更となった場合でも、301リダイレクトによってページの転送が行われれば、リンク元が指し示すページへとリンクが張られていることになります。
こうした適切な処理が行われていれば、URLが変更となった場合でも被リンク効果の引き継ぎが行われます。ただし、直接的に被リンクを受けているわけではないため、その被リンク効果は直接のリンクに比べて7割程度に留まると言われています。また原則として転送によるSEO効果の引き継ぎは2回までしか行われません。
なお、いくら転送が合った場合でも、転送元と転送先の内容がしっかりと関連しているものでない限り、301リダイレクトによるSEO効果の引き継ぎは期待することができません。
短縮URLの取り扱い
直接的な被リンクであっても、短縮URLによる被リンクの場合には概ね301リダイレクトの仕組みが利用されていますので、被リンクとしての評価は「ページの移動や統廃合に関する301リダイレクトによる転送の被リンクの評価の引き継ぎ」と同様に若干評価が失われる可能性があります。
しかしながら、X(Twitter)などでは根本的に外部リンクに対してnofollow属性がついていますので、いずれにしても被リンク効果は期待することができません。
SNSシェア数などに関する取り扱い
なお、ページURLが変更になった場合は、原則的にFacebookなどのSNSのシェア数のカウントはリセットされます。元々そうしたSNS内のリンクシェアは被リンク効果がありませんのでSEO外部対策としての問題は発生しません。
httpからhttpsへのリダイレクトとSEOの評価
ページのURLの変更のパターンの一つとして、ホームページのHTTPS化によるhttpからhttpsへの変更というケースが考えられます。
httpからhttpsへのURL変更に伴う301リダイレクトの場合、ページ転送の被リンク効果の引き継ぎは、ロス無く100%評価が引き継がれます(ただしSNSのシェアカウントなどはリセットされます)。
SEO外部対策として行える取り組み
SEOに関する外部要因である被リンク関連は、根本的に外部の方からの評価に当たるためホームページ運営者がコントロールできない領域のものがたくさんあります。
SEO対策のうち、SEO外部対策として自社で行える取り組みとしては、「良質なナチュラルリンクの獲得」を目指した高品質コンテンツの作成といったものをはじめ、マイナスに働くリスクのある低品質リンクの処理や、ページ移動などに伴う被リンク評価のロスを防ぐといった対策がメインとなります。
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