「あのお店、急に休みになったみたいだけど、ホームページを見ても何も書いてないな」
「Googleマップには営業中って出てるのに、お店に行ったらシャッターが閉まっていた」
きっと、あなたも一度や二度、そんな情報難民になった経験があるのではないでしょうか。
私たちは先日、まさにこの体験をしました。Googleのビジネスプロフィールにはハッキリと「営業中」と出ていたカフェ。安心して向かったものの、店のドアには小さな紙一枚で「臨時休業」のお知らせ。
その瞬間、抱いた感情は「残念」というよりも、「裏切られた」「時間を無駄にした」という強い不満でした。
「あてにならんなぁ」
というのが正直な感想です。
また同じようなことがありました。ビジネスプロフィールやホームページにはお知らせがなく、普通に営業しているだろうと出向いてみたものの休業…
夕方、オフィスのPCでSNSを確認すると確かに直近に臨時休業の案内…
もし、あなたの事業のホームページや情報発信が、知らず知らずのうちにお客様に同じ思いをさせているとしたら、どうでしょうか?
多くの中小事業や個人事業主の方々は、「ホームページは作ったし」「休業のお知らせはSNSに投稿したから大丈夫」と考えがちです。
しかし、この「SNS告知でOK」という考え方こそが、実はとても危険な落とし穴になっています。
なぜなら、お客様があなたの事業の情報を探すとき、必ずしもあなたのSNSアカウントにログインしているとは限らないからです。
アカウントを持たない、あるいはログアウトしたまま情報を探しているユーザーにとって、X(旧Twitter)やInstagramの最新情報は、ログインを促す画面に遮られたり、注目度の高い別の投稿に流されてしまったりして、そもそも見えないことがよくあります。
せっかく時間と費用をかけて作ったホームページや、無料で使えるビジネスプロフィールが、最新の情報を載せていないという小さな放置によって、「この事業は情報管理が適当だ」「ここはもう営業していないのかな」といった不信感の種をまいているかもしれません。
ホームページは、お客様にとって「いつでも、誰でも、確実に」最新の情報にたどり着ける事業の顔であり、約束の場所であるべきです。
今回は、この小さな放置が、お客様との大きな信頼関係をどう削っていくのか、そして私たちが今日からできる最低限の情報鮮度の守り方についてお話しさせてください。
誰もが見る情報が「古いまま」の怖さ
ホームページ制作・公開やSNS運用等、事業の情報運用において、お客様が最も頻繁に、そして切実に求めているのは、営業日や休業日といった「開いているかどうか」という基本的な情報です。
ここが曖昧だったり、古い情報のまま放置されていたりするとお客様はとても不安になります。
「いや知らんがな!」
と言いたくなるのもわかります。
ただ、やはりスマートフォンの普及と情報検索、意志決定のあり方が変化しているので、そうした流れはどうすることもできません。
なぜ、休業日の情報一つで、お客様の信頼が簡単に崩れてしまうのでしょうか?
「休み」が分からないと、お客様はどう動くか
お客様があなたの事業に興味を持ち、実際に訪問を検討する際、まず取る行動はWebでの確認です。
「ホームページなんて持っていない。ビジネスプロフィールって何だ?そんなもん知らん!」
というのもある意味正しく、それはそれで構いません。
なぜなら、お店のカラーを知っている顧客はWeb上の情報をあてにしないという前提を持っているからです。
ただ、お店の風土を知らない見込み客は、ここで正しい情報が見つからないと不確かなまま行動するしかありません。
ホームページがない、SNS運用もしていないということがわかりきっている場合は、すべての情報をあてにせずに「閉まっているかもしれない」という前提で動きます。
電話番号が掲載されているなら電話で確認するという行動に移る場合もあります。
しかし、ホームページがあり、さらにビジネスプロフィールに「営業中」と表示されている場合は、「まあだいじょうぶだろう」というある程度の確信をもってお店に向かいます。
お店や事務所の前まで来てしまうかもしれません
もし、お客様が遠方からあなたの事業を訪ねてきていたとしたらどうでしょうか?
ホームページやビジネスプロフィールに「営業中」と書かれていたから安心して向かったのに、実際には臨時休業だった。
お客様は、せっかくの移動時間や交通費、そして訪問のために使った貴重な時間を無駄にしてしまいます。
店の前まで来てしまったお客様の失望は、想像以上に大きなものになります。
他の店を探す、予定の組み直し…
これがビジネス上の商談のためだったら?
AさんとBさんの初デートの日だったら?
最初に気まずい空気が流れます。
信頼できないと感じたら、別の事業を探し始めます
一度、情報が古いせいで「無駄足」を踏んでしまったお客様は、あなたの事業に対して「ここの情報は信用できない」というレッテルを貼ってしまいます。
特に、急いでいるお客様や、他にも競合事業がある場合、情報が正確な別の場所へすぐに流れてしまうでしょう。これは、せっかく獲得できたかもしれないお客様を、自分の手で手放しているのと同じことです。
またこれは新規集客だけにはとどまりません。
既存顧客の信頼も失う可能性があります。
「あの店にもう一回行ってみよう」と思い立ち、一応営業日、営業時間の確認をします。
ビジネスプロフィールでは営業中の表示、ホームページのお知らせはなし、予約を取るほどでもないし…
そうなると
「まあ大丈夫だろう」
と店の前まで行きます。
「本日は休業します」の張り紙…
踵を返すとき、おそらく息はため息になっているでしょう。
「SNSで告知したから大丈夫」の大きな誤解
事業の情報を発信するツールとして、SNSは非常に強力で便利です。
しかし、その手軽さゆえに、Web運用のすべてをSNSに頼りきってしまうのは大変危険です。
弊社の顧客の中にもWeb担当者が新規担当者の方に変わった時などに、
「投稿機能なんていらなくないっすか?インスタで良くないっすか?」
と確認をされることがあります。
それが良くないんですよねぇ…
ほとんどのお客様は、あなたのSNSにログインしていません
事業主自身が普段からSNSを熱心に使っていると、お客様も同じように使っていると考えがちです。
しかし、情報を見に来るお客様全員がSNSのアプリを開いてあなたの事業のアカウントをフォローしているとは限りません。
さらにWeb検索や公式ホームページからSNSアカウントに移動したとしても…
直近で配信した「休業日のお知らせ」が見れないこともあるんです。
アカウントがないと、大事な最新情報は見えないようになっているかもしれません
X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSは、利用していない人やログアウトしている人に対して、積極的に最新の投稿を見せようとはしません。
例えば、Xでログインなしにチェックした場合、タイムラインは最新情報よりも「おすすめ」の投稿やGoogle Discoverといったアルゴリズムによって選ばれた投稿が優先され、本当に必要な休業日の案内は埋もれがちです。
お客様が情報を求めて訪れても、アプリのインストールやログインを促す画面に直面し、「SNS 最新情報 表示されない」と感じて、その先の情報を探すことを諦めてしまいます。
投稿は「流れていく」もの。ホームページは「置き場所」です
SNSの投稿は、その後に別の投稿をすればするほど、どんどん古い情報として下に流れていってしまいます。たとえ最新の休業日情報を投稿したとしても、数日後には見つけにくい場所へ埋もれてしまうでしょう。
一方で、ホームページの「お知らせ」や「アクセス」のページは、お客様が「ここに情報がある」と知っている、確実な情報の置き場所です。お客様が情報を探す手間をかけさせないことが、信頼につながります。
各SNS ログインなしで確認した時の表示のあり方
参考程度ですが、各SNS ログインなしで確認した時の表示のあり方を見ていきましょう。
X(ログインなしで確認した時)

X ログインなしで確認した時
日付が最新順ではありません。いいね数等、話題となっているポストを優先して表示します。
Instagram(ログインなしで確認した時)

Instagram ログインなしで確認した時
投稿の詳細を見ようとするとアカウント登録、ログインを促されます。
画像としてお知らせを投稿すれば微かに確認できる可能性はあります。
Facebook(ログインなしで確認した時)

Facebook ログインなしで確認した時
こちらもログインまたはアカウント作成を促されます。ログイン表示を消すと、一部の情報は見れる可能性はありますが、閲覧はしにくいものとなっています。
最も避けたい「中途半端な情報」の罠
事業のWeb運用において、何もしないことよりも、「中途半端に運用すること」の方が、お客様からの信頼を大きく損ねてしまう場合があります。
ホームページもなく、SNS運用もしていないという状態で、その雰囲気が伝わっていれば、ユーザーもWebの情報を頼りにはしません。
しかし公式ホームページがあり、半ば自動でビジネスプロフィールが稼働している状態においては、事業主側が思っている以上にユーザーは情報を頼りにしてしまいがちです。
(「勝手に掲載するな!」という気持ちもわかります。その場合、「インターネット上の情報はあてにしないでください」というメッセージをどこかで伝える必要が出てきます)
情報ゼロの事業と、中途半端な運用事業の信頼度の違い
休業情報などのWeb運用を一切していない事業については、お客様も「お店の張り紙を見るしかないな」という認識を持っているものです。
そのため、急な休業があっても、お客様の信頼が大きく揺らぐことはありません。
「以前は正しかった」情報が、かえって大きな失望を生みます
しかし、中途半端にホームページやビジネスプロフィールを運用している事業は、最も危険です。
お客様は「前回はホームページの情報が正しかったから、今回も正しいだろう」と期待します。
その期待を裏切ってしまうと、「以前は正しかったが、今回は違った。結局どの情報も信用できない」という結果になり、情報ゼロの事業よりも、かえって大きな信頼の低下を招いてしまうかもしれません。
特に、臨時休業や年末年始などの長期休業の案内は、お客様の予定に直結するため、曖昧さが許されません。
Googleの「営業中」表示にも潜む罠
Googleマップ、Googleビジネスプロフィールなどは、事業主側が設定してなくても、Web情報やユーザーからの情報提供等によって勝手に設定されてしまうことがあります(それは時に迷惑です)。
勝手に掲載された事業主側としては、運強を強制されるような気持ちになります。
問題なのは、その情報をあてにしているユーザーです。
運用していないのに「勝手に営業中」になっているリスク
最も厄介なのは、事業主が運用するつもりがなくても、Googleが自動で、あるいはユーザーからの提案を基に営業時間などを設定・更新してしまうことです。
ありがた迷惑!「勝手に情報が更新される」脅迫感
事業主の方の中には、「正直、ビジネスプロフィールまで手が回らないし、運用する気もないのに勝手に情報が設定されている」と感じている方もいるかもしれません。
認知度向上にはプラスかもしれませんが、間違った情報が掲載されることによって、運用を強制されているような脅迫感さえ覚えているかもしれません。
運用しないなら「情報源」としての権利を主張しましょう
もし、どうしてもビジネスプロフィールを運用する予定がないのであれば、お客様に不信感を与えないための回避策を取る必要があります。
プロフィールに記載されている「ウェブサイト」のリンク先を、休業日情報を必ず掲載している公式ホームページに設定し、プロフィール内の投稿機能などでお客様に「最新情報はホームページを確認してください」と促すメッセージを出すことです。
つまり、ビジネスプロフィール自体を「情報源」としてお客様に信用させないよう、あなたの公式ホームページに誘導するツールとして割り切って使うのが有効な手段です。
その情報が間違っていたり、臨時休業に対応していなかったりすると、お客様は店の前まで来て初めて臨時休業だったことを知ることになります。
その結果、時間や移動コストが無駄になるだけでなく、「Googleマップ 営業時間 信頼性がない」といったネガティブな感情が生まれてしまいます。そこから予定を再構築するのは、お客様にとって大きな迷惑です。
「取り扱いが変わっている可能性があります」は、お客様を混乱させます
祝日などが絡む場合、ビジネスプロフィールには「取り扱いが変わっている可能性があります」といった注意書きが表示されることがあります。
これは親切な機能のように見えますが、お客様にとっては「結局、どこを見れば正しい情報がわかるの?」という不確定要素しか残しません。
情報に不確定な要素があると、お客様は混乱します。もし、ホームページがあるなら、そこを「確認すれば絶対に正しい」情報源として、機能させるべきです。
ビジネスプロフィールが「営業中」でも、臨時休業かもしれません
Googleマップのビジネスプロフィールは非常に便利ですが、ここに表示される「営業中」や「○時まで営業」といった情報は、お客様に「今、この瞬間の情報だ」と強く思い込ませます。
プロフィール上の営業日を更新していないと、お客様は店の前まで来て初めて臨時休業だったことを知ることになります。その結果、時間や移動コストが無駄になるだけでなく、「Googleマップ 営業時間 信頼性がない」といったネガティブな感情が生まれてしまいます。
そこから予定を再構築するのは、お客様にとって大きな迷惑です。
「取り扱いが変わっている可能性があります」は、お客様を混乱させます
祝日などが絡む場合、ビジネスプロフィールには「取り扱いが変わっている可能性があります」といった注意書きが表示されることがあります。これは親切な機能のように見えますが、お客様にとっては「結局、どこを見れば正しい情報がわかるの?」という不確定要素しか残しません。
情報に不確定な要素があると、お客様は混乱します。もし、ホームページがあるなら、そこを「確認すれば絶対に正しい」情報源として機能させるべきです。
今日からできる!最低限の「信頼」を守る3つの行動
大がかりなコンテンツ制作や、毎日のブログ更新をする必要はありません。
では事業の信頼を守るために、誰もができる最低限の運用とは何でしょうか?
【行動1】ホームページのお知らせに「日付」を入れましょう
これは基本ですが、ホームページのお知らせに「日付」を入れましょう。
「え?それだけ?」
と思う方もいるかも知れません。
WordPressサイトなどでは自動で表示されますし、今更言及するようなことではないかもしれませんが、古いタイプのホームページの場合は、この部分が意外としっかりしていないことがよくあるんです。
実際、投稿している側はいつ配信したかを知っていますが、見る側はそれがいつ投稿されたものなのかを知ることはできません。
全てのページに通じる重要な要素
休業日案内に限らず、これは全てのページ配信に通じることです。
会社概要など固定的なページであればさほど重要ではない場合もありますが、そうしたページでも最終更新日が明示されていれば、情報の信頼性は高まります。
可能であれば、公開日や最終更新日を適切にマークアップしましょう(これが本当のSEOです)。
ホームページのコンテンツの新鮮さと正確性 QDFアルゴリズム
「いつからの情報か」がお客様の安心に直結します
休業のお知らせや、価格変更など、すべての情報に「掲載日」や「最終更新日」を追記するだけでも、お客様は「これは最新の情報なんだな」と安心します。
休業情報だけでなく、全ての最終更新日を意識してみませんか
ホームページの情報修正が難しく、古い情報がそのままになっている方もいらっしゃるかもしれません。
まずは、どこか一箇所でも、「このページの情報はいつ時点のものか」という日付を入れることから始めてみませんか?
情報の修正方法については、こちらの記事も参考にしてみてください。
【懐かしのサイトを救え】老朽化したHTMLホームページの修正方法
【行動2】Googleビジネスプロフィールの「営業時間」を必ず確認しましょう
運用をする/しないは別として、一度Googleビジネスプロフィールの「営業時間」を確認しましょう。
臨時休業や祝日は、専用の機能で「特別営業時間」を設定できます
Googleビジネスプロフィールには、通常の定休日とは別に、年末年始や夏季休暇、臨時休業などの「特別営業時間」を設定する機能があります。
ここを正確に更新しておけば、「Googleビジネスプロフィール 臨時休業 設定方法」を検索するまでもなく、お客様は「今日は休みなんだな」と納得してくれます。
不定休の事業こそ、常に最新の情報を出すことが求められます
特に不定休の事業であるならば、お客様は「どこかに正しい情報があるはずだ」と強く期待しています。
ホームページのトップやビジネスプロフィールで、今週の営業予定などを可能な限り具体的に掲載することが、何よりの信頼につながります。
ビジネスプロフィールを運用しない前提の場合は、その旨を何かしらの形で示すようにしてください。
【行動3】「お知らせ」の投稿や修正が面倒なら修正依頼や別の工夫もあります
「お知らせ」の投稿や修正が面倒なら修正依頼や別の工夫もあります。
複雑なHTMLの更新や、情報が古くなったホームページの修正もお手伝いします
せっかくお客様のために情報を更新しようと思っても、「ホームページの管理画面が複雑すぎてわからない」「休業のお知らせを載せようにも、どうやって直せばいいのかわからない」といった理由で諦めてしまう方もいらっしゃるかもしれません。「古いホームページ 修正」をどう進めていいか悩んでいる方もいるでしょう。
「どこを直せばいいかわからない」時こそご相談ください
私たちのホームページ修正サービスは、大がかりなホームページ制作だけでなく、こういった「ここだけ直したい」「古い情報を最新にしたい」といった、ピンポイントな修正や運用サポートも得意としています。「自力で更新できない」と悩む必要はありません。
お客様の信頼を守るための第一歩を、私たちがお手伝いします。
WordPress化等によって投稿配信機能を付けるということもできますし、既存のホームページの中に、
「ホームページ以外で営業日等のお知らせはしておりません(Googleマップ・ビジネスプロフィールなどの更新はしていません)臨時休業の場合もありますので、お手数ですがご来店前にお電話いただくとお席をお取りいたします」
という一文などをアクセス、店舗案内ページに添えるだけでも良いと思います。
情報鮮度を守ることは「お客様をがっかりさせない」という事業の基本です。あなたの事業の安心感を守るために、ぜひ今日から「お知らせ」の確認を始めてみてください。