WebマーケティングやSEOのデータ分析は投資分析に近い要素が盛りだくさんで、投資や金融の勉強をしておいてよかったと思うことがあります。
ホームページ制作 京都 ファンフェアファンファーレは、おかげさまで第六期目がスタートしました。第六期目の最初のコンテンツは、私たちらしく、おそらく私達にしか配信できないであろうマーケット分析的なコンテンツをお送りしていきます。
普通に考えると、キーワード調査をしてそれに合わせたコンテンツを制作することが理想的なのだと思いますが、そうしたマーケットイン的なコンテンツばかりでは世の中も面白くないのではないかということを思うことがあります。
SEOに関しては、アルゴリズムに対する仮説を立てることができますが、Webを活用して自然と売れる仕組みを作るという広い意味でのWebマーケティングを考えた場合には相手が生身の人間であり、人の意識や心理に関する仮説が必要になると考えることができます。
そこで今回は、株式投資をするような感覚でWebマーケティングやSEOのデータ分析をしてみましょう、というような旨をお伝えしていきます。
データ分析に時間をかけると市場のスピードに勝てない
もちろんWebマーケティングやSEOがそのまま株式市場と同じようにテクニカル分析やファンダメンタル分析と同じように分析する対象であるというわけではないのですが、とりわけ特定キーワードが特定のシーズンに特需があるという「生もの」感は見逃すことができません。
Webマーケティングや検索順位の話題になると、投資分析でいうところのファンダメンタル要因に着目することになりますが、株式投資などと同じで分析に時間をかけてもあまり意味が無いどころか、かえって買い時売り時を逃してしまうということも起こりえます。
特にSEOであればアクセス数とか検索順位が話題になり、WebマーケティングではKPIやKGIに対しての現状などが分析対象になったりします。
しかしながら、Webマーケティングツールとしてサービス化されているものの中には、こうしたデータ分析にかかわるものも多いものの、データの分析の仕方を間違えても、また対象を間違えても、そして、それに時間をかけても、タダの失敗に終わってしまう可能性があります。
データを分析することは次の戦略に対する仮説のための土台にはなります。
しかしながら、どちらかと言うとメンバーや顧客を説得するための材料になりがちです。
株式の取引に関しても買っていいのか、売っていいのかのお伺いを立てている場合に、相場は変動していきます。こうした要素はWebマーケティングでもSEOでも同様の性質があります。
買っていいですか?売っていいですか?と言っている間に相場は変わる
もしあなたが投資の代行をしていて、ことあるごとに依頼者であり運用資産の持ち主に電話で「この銘柄を買っていいですか?」「あの銘柄を売っていいですか?」と承認を得ている間に、理想的な相場はどんどん変動していきます。
また、買うのか買わないのかを悩んでいる間にも、どんどん相場は変動していきます。
買おうと思ったときには、既に割高になっていることもあります。
こうした構造は、投資の対象となる市場だけではなく、一般的な商いでも同じです。当然にWebマーケティングの方法でも同じです。
「許容範囲のリスクを受け入れて、思い切ってやってみて、場合によっては早めに損切りする」というくらいでちょうどいいのではないでしょうか?
あれこれデータ分析をして、100点を狙うよりもデータ分析はそこそこにスピード感を持って70点位の正解とたまに40点の損失くらいのほうがトータルでは収益が高いということがよくあります。
ただこれは、投資のスタイルの問題ですので一概に言えることではありませんが…
お遊びインフォメーションクエリはデイトレードや心理変動
Webマーケティングのひとつとしてコンテンツマーケティングを導入している場合で、さらに業種とは直接関係なさそうなキーワードでアクセスを集めている場合、そうしたインフォメーションクエリでの集客はデイトレード的性質があります。
超短期でのアクセス、しかも利ざやもそれほど大きくないものの掠め取っていくようなイメージでアクセスを集めるような感覚です。
時事的な話題や釣りタイトルによるアクセスは一過性の現象にしか過ぎません。企業がホームページを活用してWebマーケティングを行うのであれば、企業ブランディングも含めてにはなりますが、一過性の盛り上がりに着目するよりも、まずは土台となる安定基盤を作るべきです。
一過性の現象
本業と関係のあることでコンテンツのバズなどが起こればそれはそれでいいですが、お遊びレベルのコンテンツで爆発的なアクセスを得ても、特にブランディングにもなりませんし、ほとんどがそのコンテンツを見て終わっていくような一過性の現象です。
市場の変動で言えば、大統領の発言によって短期的に変動する市場に合わせて、瞬間的にサヤ取りをするような方法だと考えておいたほうが良いでしょう。
そうしたデータの分析を行っても市場の変動の影響をモロに受けますから、あまり汎用性のある方法であるとは言えません。
合わせて、デイトレードや心理変動による短期的なサヤ取りに関する投資を行うと、情報の収集に時間を縛られるということも起こりえます。
そうしたインフォメーションクエリでの短期的な盛り上がりはプラスアルファのオマケくらいに考えて、しっかりとしたWebマーケティングのためにまずは安定基盤を整えるほうが先です。
それはコンテンツの作り込みにも言えますし、SEOに関しても同じです。
あなたはホームページで行うWebマーケティングにおいて、時間に縛られつつ一か八かの投機的な性質を持った方法か、手をかけなくても安定的にマーケティングを基礎となる基盤を持つかどちらを選択しますか?
トランザクションクエリのSEOは中長期投資
一方、業種名と地域名や、サービス種類の名称がそのままキーワードになっている場合は、Webマーケティングに直結する可能性が高いため、非常に効果的です。
もちろんSEOとしての競合性も高いため、上位表示は一筋縄では生きませんが、もしそのキーワードで長期的に検索上位表示されているのならば、中長期投資的な性質をもった施策として考えることができるでしょう。
データ分析の上で、より特定のSEOキーワードでの上位表示を狙うのも良いですし、同時にロングテールSEOを狙うこともできます。
まずはしっかりとしたページコンテンツを作成し、基盤を整えアップデートを繰り返していくことです。
そしてこうした基礎となるページに対する検索流入・SEOの効果やコンバージョン率に対するデータ分析を行うべきです。過去のデータを参照して改善点を見つけるという、データ分析が活きてくるポイントです。
ユーザーの循環率
ただ、そうした特定キーワードでの集客には限界があります。
なぜならそのキーワードで検索している人は、既に一度くらいは自社ホームページ訪問したことがあるかも知れず、そうなると市場の変動としては検索ユーザーの入れ替わりくらいしか新しい客層との出会いがないからです。
単発的な利用をされるような店舗などではそうしたユーザーの循環率も高いはずですので、問題はありませんが、ユーザー層の回転率の低いトランザクションクエリでは、すぐに限界が来るため、コンテンツマーケティングやソーシャルメディアマーケティングなど、その他のWebマーケティング方法を検討したほうが良いかもしれません。
分析に強すぎる人はチャンスを逃すことが多い
様々なデータ分析において、分析に強い事自体は優れた能力ですが、スピード感が重要な場所においては、データ分析の精度よりもそのスピードが優先されることがあります。
分析に強すぎて、データ分析の精度の要求水準が高すぎて解析・分析に時間がかかったり、分析データにとらわれて動けないといった分析麻痺という現象が起こることもあります。
ホームページ制作やSEOに関しても、細かなことを考えれば本当の意味での最適化である「100%」の出来を目指すこと自体はいいのですが、100%にするためには1ページ1時間、90%で良ければ30分でいい場合、私たちとしては90%を選択します。
もし80%で20分ならばそれを選択し、余った時間で重要なところのスコアを向上させます。
KGIやKPIもだいたいでいい
Webマーケティングでは、KGI(Key Goal Indicator、重要目標達成指標)やKPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)などの指標を使って進めていくことがありますが、物事はある程度進んだ段階からしか見えてこないことがたくさんあるため、こうした指標はいわば「適当」でも良いと考えています。
なぜなら、目指すべきはそうしたKGIやKPIなど目標の達成というよりも、本来的な売上向上やホームページなどのWebマーケティングツールの完成度であって、目標を達成したという自己満足のためでも、説得のためでもないからです。
投資分析をして最高の分析結果をプレゼンテーションして褒められるのは学校だけで、そんなことよりも投資の収益を最大化した方が良いのは明白です。そして、その時間が短ければ短いほどさらに理想的です。
データ分析やKGIやKPIなどは、あくまで補助的なものでよく、本質的なゴールである収益最大化を軸にするだけで十分ではないでしょうか。
重要な指標だけ確認してスピード感を出す
SEOであれば検索順位の下落、リスティング広告やWebマーケティング全般であれば、コンバージョンレートの低下など、確かに何かを施策すると失敗することもあります。
しかしながら、投資と性質が異なるのは、損失としては短期的な機会損失くらいで、失敗してもすぐに元通りになりますし、リスティング広告のロスも額としては知れています。
むしろ失敗要因を学ぶことができるので、次にそれとは違った方法を思いつくタネになります。
そうした様々な施策を実施するときは、綿密な計算の元で行うよりも、重要なポイント、重要なキーワード、重要な指標だけ押さえておいて、後は数値を見ながら調整していくほうが理に適っているのではないでしょうか?
ハイリスク・ハイリターン銘柄においては、アルトマンZスコアを計算してもいいですが、PBRだけでも十分だったりします。そのような感覚です(分かる人にしかわからないような変な説明で恐れ入ります)。
ホームページで言えば、作った段階から変更なしの場合、ホームページ自体のスコア(SEOとしてもWebマーケティング効果としても)は一定ですが、「生もの」であるユーザーや社会の環境、そして競合のクオリティは常に変化します。
市場は必ず変動する
当たり前の話ですが、どのような市場でもそれが動いている限り必ず変動します。
「AI導入で最強の分析ツール」というものや「ユーザーに響くコンテンツを勝手に分析して作ってくれるツール」のようなものがあった場合、それを使ったとしても、確かにしばらくの間は先行者利益を得れるかもしれません。
しかしそれまで目新しかったアプローチに響いたユーザーも耐性が出来ていきますし、他の人も使いだしたら、優位性がなくなっていきます。
WebマーケティングやSEOにおいては、投資ほどのスピード感は求められませんが、雑誌に「買い時だ」と書いてあるのを読んだ時点ですでに割高になっているのと同じように、少し古い成功事例をそのまま適用しても既にメリットはほとんどないということがよくあります。
もちろん次の予測材料として知っておくに越したことはないですが、あまり振り回されるのも考えものです。特にWebは目新しいものが多いですからね。
様々なデータ分析を行うこと自体はプラスにはなりますが、それに時間をかけて誰かを説得することよりも、結果を出すための施策や実験を繰り返していたほうが効率的だと考えています。
そして、ホームページひとつとっても、更新せずにそのまま置いておけば、検索順位もWebマーケティング効果もどんどんジリ貧になっていきますし、時間をかけて最初から完璧なものを作ろうとするよりも、改良前提で始めたほうが合理的であると考えています。
(初回投稿日 2017年5月11日)