弊社の丸オクラの葉に現れた謎の透明の粒。虫の卵か何かだと思って確認してみると「オクラの汗」と呼ばれる粘り成分のかたまりでした。

オクラの汗 オクラの葉
オクラの汗

オクラの汗 アップ オクラの葉
虫の卵か思いつつもこれはオクラの粘液成分(オクラのネバネバの正体であるムチンやペクチンなどの粘液性糖タンパク質・食物繊維)が水を含んでつぶつぶになった「オクラの汗」。食害が見られなければ心配はいらないようです。

オクラの汗 アップ オクラの葉2
ゼリー状の透明でキラキラした粒は、まるで宝石のようにも見える、とも言えそうです。
正体を知ってしまえばただの楽しみになりますね。

オクラの汗 丸オクラの葉に現れた透明の粒
若いオクラによくできるようです。
オクラの葉

オクラの葉1
こちらはオクラの葉全体です。ついでですが、いつもスーパーで見る、あの断面が星形になったオクラ。あれは「角オクラ」と呼ばれているもので、弊社で育てているこのオクラは丸いさやを持つオクラ「丸オクラ」と呼ばれるものです。沖縄や八丈島で古くから育てられてきた品種も多くて、「島オクラ」なんて呼ばれることもあります。

オクラの葉2
角オクラと丸オクラ一番大きな違いは食感
丸オクラは、大きく育っても筋張りにくく、やわらかいのが特徴です。だから、生のままサラダにしたり(これは鮮度によるでしょう)、さっと茹でて和え物にしたりするのもおすすめです。加熱してもやわらかさはそのままなので、炒め物や煮物にも使いやすいです。
独特の青臭さやアクが少ないので、オクラが苦手な方でも食べやすいかもしれません。
家庭菜園で育てる方にとっても、丸オクラはおすすめです。収穫のタイミングを少し逃してしまっても、かたくなりにくいので、焦らなくても大丈夫です。毎日見に行けない方でも安心して育てることができると言われていますが、ものすごく水を吸います。なので真夏の水やりは欠かさないでください。
真夏の太陽を浴びでガンガン育っています。
丸オクラの育て方

オクラの葉 丸オクラの育て方
丸オクラの「汗」についてお話ししましたがもう少し植物的なお話と育て方について一応触れておきます。
オクラは、アオイ科のトロロアオイ属に分類される植物です。学名は「Abelmoschus esculentus」。
なんだかかっこいい響きですね。ちなみに、花はハイビスカスやフヨウに似た、薄い黄色い花を咲かせます。
それもそのはず、ハイビスカスやアオイ科の仲間なんです。一日花で、朝に咲いて夕方にはしぼんでしまいますが、その可憐な姿はとても愛らしいです。
丸オクラの育て方
丸オクラは、暑い気候を好むので、栽培の適期は暖かくなってからです。種まきは、気温が二十五度くらいになる五月から六月が目安です。
発芽には少しコツがあって、種が硬いので、一晩水につけてからまくと芽が出やすくなります。植え付けの際は、株と株の間を少し広めにとると、風通しが良くなり病気になりにくくなります。
生育中は、土の表面が乾いたら水をあげてください。特に、花が咲き始める頃からは、水を切らさないようにすることが大切です。
また、実をたくさんつけるためには、肥料を途中で少し追加してあげると良いでしょう。株が三十センチくらいに育ってきたら、一番上の芽を摘む「摘芯」という作業をするとわき芽が伸びて収穫量が増えます。
そして、いよいよ収穫です。
丸オクラは大きく育ってもかたくなりにくいのが良いところですが、やはり若くてやわらかい方がおいしいです。さやの長さが七〜十センチくらいになったら、順次収穫していきます。収穫をこまめに行うと、次の実がつきやすくなりますよ。
家庭菜園でも、比較的育てやすい野菜ですので、ぜひ挑戦してみてください。自分で育てた丸オクラは、きっと格別のおいしさだと思います。