ホームページ制作におけるWebライティングとブランド力

ホームページ制作におけるWebライティングとブランド力


今回は、ホームページ制作におけるコンテンツのWebライティングとブランド力についてお伝えしていきます。ホームページに関する全体的な制作業務も重要ですが、企業のブランド力向上にはWebライティングも大きな比重を占めています

11月も下旬に差し掛かってきました。読書の秋ということで、大量のマンガを購入しました。といっても偏りすぎているほど偏っていて、手塚治虫さんのマンガを数十冊買い込みました。全タイトルで700作品以上あるため、なかなか全てを読み尽くすことはできません。

「やっぱり手元に置いておこう」と思い、ようやく、ジャングル大帝を手に入れることができました。

ジャングル大帝 手塚治虫作品集2

手塚治虫作品集2 ジャングル大帝

「なるべくたくさんの一流に触れなさい」

そう語った手塚さんの言葉に従うように、一流の漫画家「手塚治虫」の作品に触れることにしています。

そういえば、赤塚不二夫さんも他の人のマンガは全然見なかったと語られていたのを最近知りました。

「他の人の作品を読むと、嫌でも影響を受けるだろう」

だからこそ、ということなのか、赤塚さんは映画マニアだったそうです。

また、すごいゲームを作る人は、ゲームの事ばかり考えている人ではないということがよくあります。

私の大好きな「MOTHER2 ギーグの逆襲」など、マザーシリーズは糸井重里さんです。

さて、やや前置きが長くなりましたが、今回は、「ホームページ制作におけるWebライティングとブランド力」と題しまして、「Webライティングにおける一貫した文体」の続きとも言える形で、Webライティング・コンテンツライティングとブランド力について触れていきたいと思います。

ホームページ制作とコンテンツライティング

ホームページ制作とコンテンツライティング

ホームページ制作とコンテンツライティングを考える際、ホームページに載せる文章は、短くてスッキリした文章が良いのか、ある程度仔細な説明文を掲載した方がいいのか、ということが問題になることがあります。

ユーザーを思えば、凝縮した短文を、検索エンジンを思えばある程度の情報量を、と、二律背反的な命題になることがあります。単純明快な「読みやすさ」を重視するか、それとも「必要な情報を仔細に記述するか」といった点となります。

ただ単に文章を掲載すればよいというわけでもなし、文章の長さや文体を含めてホームページ制作におけるWebライティングには注意を払う必要があります。

単純明快なWebライティングと長文

単純明快なWebライティングと長文

もちろんターゲットとなるユーザーの層や掲載内容にもよりますが、ある程度短文で単純明快なWebライティングの方が受けがよく、ユーザーの関心をそそるタイトル付けだと、ページの見出し以下を読み進める可能性は向上します

企業向けの情報であればある程度しっかりした文章で情報量も多い方が良いですが、ブログ等一般ユーザーを対象としたものの場合は、ある程度短文で分かりやすいものの方が好まれる傾向にあると考えられます。

しかしいずれにしても、読み進めてもらう必要があるため、まずは全体像を理解してもらうためにタイトルや見出しなどを工夫しする必要があります。

また、ホームページの流入経路、つまりアクセスをどの方向から得るのかによって、少しずつ方向性は異なってきますが、基本的には、短文と仔細な説明の長文は、複合することができます。

ページはいくらでも縦に伸ばせるので、上部と下部に単純明快な短文を、そして、間に仔細な説明文を入れる形で、この二律背反問題は解決するのではないでしょうか?

単純だと受けはいいがブランド力が落ちる

Webライティング 単純だと受けはいいがブランド力が落ちる

以前、「束ねて抽象化して具体的に生成する ホームページのコンテンツ制作の掟」で、次のようなことについて触れたことがあります。

「本当に良い情報」は、書き手ではなく読み手側の情報量に委ねられている側面もあります。

抽象的な情報は、読み手側の情報量の少なさの影響で理解されないことがあるからです。

「人に理解されなかったのは、全て書き手側の責任だ」というようなことが言われることがありますが、私はそんなことはないと思っています。

特にインターネットでは不特定多数の人にコンテンツが読まれます。読みやすく、相手に合わせて書くことがある程度はできても、個別に合わせることはできません。

そこには誤解も多いでしょう。

平易に書くと、読む人によっては「レベルが低い」と判断し、厳密に書くと読む人によっては「わかりにくい」と判断されます。

「対機説法」のように、相手が目の前にいるのならば、その方に合わせてお話することができます。もちろん相手によって「態度」を変えるわけではなく、言語表現や言葉の組み立て方を柔軟に変更する、という形です。

Webライティングは、それを実際に読むユーザーとSEO(検索エンジン最適化)の両方を意識する必要があります。

そして、SEOに関して言えば、検索エンジンボットの個性は一つなので、特に「柔軟な対応」は必要ありません。

ただ、ユーザーに関しては多種多様です。

モデルとなるユーザー層の設定

モデルとなるユーザー層の設定

そこでよく必要性が説かれるのが、「モデルとなるユーザー層の設定」です。

これは、ある程度具体的に定めた方が良いとされています。極端な例を挙げるなら、幼稚園児への説明と同業者への説明では、どこまで言語表現を崩すかがかなり異なるからです。

そして、「同業者」に限定した場合でも、意識の中の各項目の重要度が異なります。

「ホームページ制作」についてである場合、サーバーサイドのことやプログラムのソースコードのことを考えている人と、コンテンツライティングのことを考えている人では、興味関心が大きく異なります。

「上級者コース」はどこにあるの?

「上級者コース」はどこにあるの?

なお、この回を読んでいただいた方からは、「頭が沸騰した」と苦言をいただきつつも、「もう少し砕きましょうか?」と伝えると、「それをするとブランド力が落ちるからやめておきなさい」というお言葉をいただきました。

「わかりやすさ」が軸になっている今日、あえて逆行するコンテンツもたまにはいいのではないでしょうか?

世の中には、セミナーや書籍でも「売ろう」とすると、簡単そうなものを企画するほうが良いのかもしれませんが、どこもかしこも、「初心者コース」「初級コース」「中級コース」ばかりで、あまり「上級者コース」は見当たりません(「上級者コース」と銘打つとハードルが上がって話す方も緊張するからなのかもしれませんが…)。

Webライティングの「上級者コース」は?

Webライティングの「上級者コース」は?

あまりに上級者コースともなると、情報として社外秘レベルの話題になることがあり、個別のコンサルティングなどでしかお話できない、ということもありますので、一概に言えませんが、「探しても探しても『初級コース』ばかりで困っている」という方もいるかもしれません。

Webライティングにおいても「上級者コース」ともなると、それほど頻繁にセミナーなどは開催されないと考えることができるでしょう。

中小企業にとって海外の大企業の方法論はあてにならない

中小企業にとって海外の大企業の方法論はあてにならない

さて、数年前、Facebook活用などの本がよく出ていたような記憶がありますが、その中にはよく「コカ・コーラ」や「ナイキ」のFacebook活用の方法論がよく掲載されていたような気がします。

コカ・コーラといえば、世界中で知らない人がいないと考えられるような大企業です。

コカ・コーラがFacebookページを作った、そして、ページを開設したことを仮に自販機とか清涼飲料水の製品でプロモーションしました、と。

そうすれば、すぐにフォロワー、「いいね」が集まります。根本的なブランド力、ネームバリューがありますから。

そうして、すごい数のフォロワーが集まったところで、プロモーションを行えば一定の効果が出るでしょう。

しかしその方法論が、中小零細企業や個人事業主レベルで通用するでしょうか?

開業したての従業員3人の小売店で、同じような効果を期待することができるでしょうか?

おそらくできません。

その「コカ・コーラ」の方法論が間違っているわけでも、紹介することが全く無意味なわけでもないのですが、あまり参考にならないと思います。

そうした方法論を知ること自体はいいことですが、抱き合わせでデメリットもやってきます。

それは、その方法論に縛られてしまうことです。

あくまで考える材料として参考程度に留められるといいのですが、そうした成功例を知ると、その方法論に縛られてしまうことがあります。

これは、ホームページ制作やオウンドメディア運営の場合も同じです。

中小企業のオウンドメディアと大規模メディアサイト

中小企業のオウンドメディアと大規模メディアサイト

ホームページ制作やオウンドメディア運営にあたって、一番参考にしてはいけないものが大規模メディアサイトではないでしょうか?

確かに興味関心をそそるタイトル付けや「おもしろコンテンツ」を配信することは、一見有効な手段に見えますが、大規模メディアサイトは、根本的なアクセス数が膨大であり、コンバージョンも企業の公式ホームページのような「お問い合わせ獲得」ではなく、広告収入がメインです。

それと企業の公式ホームページ内のオウンドメディアを同じように考えることはできません。

企業の公式ホームページ内で、メディアサイトのコンテンツと同じような字数、同じようなクオリティのコンテンツを配信しても、ドメインの力も異なりますし、メディアサイトにおける新着記事としてのリストや、関連記事からの内部リンクによるPVのようなPV数向上もあまり期待することができません。

これはSEOも同じです。

メディアサイトはコンテンツページを上位に表示させることが目的で、かつ、少しの施策で結果が大きく異なることがあります。

しかし、企業のホームページの目的は「企業へのお問い合わせ」などであって、セッション数でもPV数でも広告収入でもありません。

企業のブランドにマイナス

Webライティング 企業のブランドにマイナス

そして、一番の弊害は、安易なWebライティングによるコンテンツは企業のブランドにマイナスになることです。

企業が公式ホームページ内のブログで、「芸能人の離婚話」について「あの離婚の真相」みたいな記事を書いていたら、それを見たユーザーや、かねてからお付き合いのある顧客さんなどは、どんな印象を持つでしょうか?

「迷走してるなぁ」

そんな印象を持つかもしれません。

また、それほど俗的なコンテンツでなくとも、「煽りタイトル」、「釣りタイトル」などをつけた場合はどうでしょうか?

「安っぽくなったなぁ。週刊誌みたいだ」

そんな印象を持つかもしれません。そうなると、それによってお客さんの層が変わってしまうかもしれません(そういう風に事業をシフトするならいいのですが…)。

様々なWebコンテンツに触れる/触れない

様々なWebコンテンツに触れる 触れない

冒頭で、「赤塚不二夫さんは漫画を読まない」ということについて触れましたが、Webライティングにおいても、出だしは慣れるために、様々なWebコンテンツに触れることは良いのかもしれませんが、基本と原則が理解できたあとは、あまり意気込んではWebコンテンツには触れないほうが良いかもしれません。

かなり前にビール工場見学に行ったことがあるのですが、最後にできたてのビールなどを頂いたあと、もちろんメーカー商品の売り場が隣接されていました。

その売場が「激安酒屋」みたいなPOPだらけだったら?

そんなことを想像していただければと思います。

もちろん「激安酒屋」さんが間違っているわけでも何でもないのですが、酒屋とメーカーの売店では、売り方、見せ方が異なると考えています。

Web上ではコンテンツマーケティングの情報が増えてきましたが、「アクセス数アップ」系の情報は、どちらかと言うと販売店向きだったり、ネット上で言えばアフィリエイター向けの情報が多いと思います。

タイトル付けであったり、コンテンツの工夫であったりと、そうした方法論は、販売店には向いているものの、メーカーには向いていない場合があります。

ホームページは、企業にとって一つの顔です。

アクセス数を狙って、あまりブランド力を低下させることはおすすめいたしません。

しかしながら一方で、「その顔をどこにも出さない」ということもまた問題です。つまり「アクセスがない」という状態はWebマーケティングの観点から言えば一つの問題です。

ホームページ制作やコンテンツ制作等々、Webマーケティングを担当させて頂く場合は、もちろん、その企業にとって最適な方法で設計させていただきます。

アクセス数がないとスタートにも立てませんが、アクセス数を狙ったがゆえに一度失った信用は、なかなか取り戻せないですからね。

(初回投稿日 2016年11月22日)

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