オンライン会議が始まり、俺は切り出すタイミングを見計らっていた。ホームページのリニューアルも順調に進み、LPからの集客も安定してきた。今話すべきは、真紀さんのことだ。
「なあ、一平。この前、うちの妻のママ友の弁当屋さんが、うちのインスタのフォロワーが伸びてるって、興味を持ってくれたんだ」
俺がそう切り出すと、一平は少しだけ眉を上げた。
「へえ、それはまた意外な展開だな。真紀さんもWeb集客に興味があるのか?」
一平の言葉に、俺は少し安堵した。これで、自分が偉そうな感じにならずに済む。
「ああ、みたいだ。それで、健太が詳しいなら、今度教えてあげてほしいって言われたんだ」
「なるほどな。お前もずいぶん色々な経験をしたからな。だが、健太。一つだけ言っておくことがある。『フォロワーが伸びればいいわけじゃない』。大事なのは、そのフォロワーが、お前の工務店の顧客になりうる層かどうかだ。いくらフォロワーが多くても、購買意欲のない層ばかり集めても意味がない。質と量を両立させるのが理想だが、まずは質を追求することだ。それは、真紀さんの弁当屋のインスタにも言えることだぜ」
一平の言葉は、俺の頭の中にスッと入ってきた。目先の数字に囚われがちになる俺に、常に本質を教えてくれる。
「分かった。肝に銘じておくよ」
俺がそう答えた時、ふと、数日前に見たSearch Consoleの画面が頭をよぎった。
「そういえば、一平。Search Consoleを見てたんだが、ちょっと気になることがあってな……」
俺は、パソコンの画面を共有した。
「見てくれ。この『インデックス登録されたページ』ってところなんだが、俺のホームページの実際のページ数より、やたらと数字が多いんだ。しかも、『検出 – インデックス登録されていません』ってのが、見たこともないような意味不明なURLばかりなんだが、これって一体どういうことなんだ? 何か問題なのか?」
俺は、Google Analyticsと同じように、一平に言われてSearch Consoleも見るようにしていた。すると、ある日、今まで見たことのない数値に気づいたのだ。自分のホームページにはないはずのURLが、インデックスされているような表示になっている。素人には、その意味も、対策も、何も分からなかった。
一平は、俺の画面を見て、少し顔を険しくした。
「なるほど……。これはまた、厄介なものが出てきたな」
その言葉に、俺の胸はざわついた。厄介なもの? 一体何が起きているというのだ。
「これは、おそらくサイト構造の不備か、外部からの悪質な攻撃のどちらかだろう。放置しておくと、検索エンジンの評価を落とす可能性もある。早急に対処が必要だ」
一平の言葉に、俺は背筋が凍る思いがした。せっかく順調に進んでいたWeb集客に、また新たな壁が立ちはだかったのだ。しかも、俺には全く手の打ちようがない問題だ。
「頼む、一平! どうすればいいんだ!?」
俺は、一平に助けを求めるように訴えた。Web集客の道のりは、本当に奥が深い。そして、予期せぬトラブルの連続だ。しかし、一平がいれば、きっとこの壁も乗り越えられる。そう信じて、俺は一平の言葉を待った。