第一章 第二十二話|霧深き夜に見た繊月


オンライン会議が始まり、俺は切り出すタイミングを見計らっていた。ホームページのリニューアルも順調に進み、LPからの集客も安定してきた。今話すべきは、真紀さんのことだ。

「なあ、一平。この前、うちの妻のママ友の弁当屋さんが、うちのインスタのフォロワーが伸びてるって、興味を持ってくれたんだ」

俺がそう切り出すと、一平は少しだけ眉を上げた。

「へえ、それはまた意外な展開だな。真紀さんもWeb集客に興味があるのか?」

一平の言葉に、俺は少し安堵した。これで、自分が偉そうな感じにならずに済む。

「ああ、みたいだ。それで、健太が詳しいなら、今度教えてあげてほしいって言われたんだ」

「なるほどな。お前もずいぶん色々な経験をしたからな。だが、健太。一つだけ言っておくことがある。『フォロワーが伸びればいいわけじゃない』。大事なのは、そのフォロワーが、お前の工務店の顧客になりうる層かどうかだ。いくらフォロワーが多くても、購買意欲のない層ばかり集めても意味がない。質と量を両立させるのが理想だが、まずは質を追求することだ。それは、真紀さんの弁当屋のインスタにも言えることだぜ」

一平の言葉は、俺の頭の中にスッと入ってきた。目先の数字に囚われがちになる俺に、常に本質を教えてくれる。

「分かった。肝に銘じておくよ」

俺がそう答えた時、ふと、数日前に見たSearch Consoleの画面が頭をよぎった。

「そういえば、一平。Search Consoleを見てたんだが、ちょっと気になることがあってな……」

俺は、パソコンの画面を共有した。

「見てくれ。この『インデックス登録されたページ』ってところなんだが、俺のホームページの実際のページ数より、やたらと数字が多いんだ。しかも、『検出 – インデックス登録されていません』ってのが、見たこともないような意味不明なURLばかりなんだが、これって一体どういうことなんだ? 何か問題なのか?」

俺は、Google Analyticsと同じように、一平に言われてSearch Consoleも見るようにしていた。すると、ある日、今まで見たことのない数値に気づいたのだ。自分のホームページにはないはずのURLが、インデックスされているような表示になっている。素人には、その意味も、対策も、何も分からなかった。

一平は、俺の画面を見て、少し顔を険しくした。

「なるほど……。これはまた、厄介なものが出てきたな」

その言葉に、俺の胸はざわついた。厄介なもの? 一体何が起きているというのだ。

「これは、おそらくサイト構造の不備か、外部からの悪質な攻撃のどちらかだろう。放置しておくと、検索エンジンの評価を落とす可能性もある。早急に対処が必要だ」

一平の言葉に、俺は背筋が凍る思いがした。せっかく順調に進んでいたWeb集客に、また新たな壁が立ちはだかったのだ。しかも、俺には全く手の打ちようがない問題だ。

「頼む、一平! どうすればいいんだ!?」

俺は、一平に助けを求めるように訴えた。Web集客の道のりは、本当に奥が深い。そして、予期せぬトラブルの連続だ。しかし、一平がいれば、きっとこの壁も乗り越えられる。そう信じて、俺は一平の言葉を待った。

第一章 第二十三話|霧深き夜に見た繊月

第一章 第二十一話|霧深き夜に見た繊月

霧深き夜に見た繊月 ― 小さな会社の起死回生 低予算からのWeb集客戦略(目次)


著者・監修 : 株式会社ファンフェアファンファーレ

2012年創業の京都のWeb制作会社 ホームページ制作やSEO、Web集客・Webマーケティングをメインテーマにお届け。SEOやAI活用、Web以外の集客何でも来いです。中小零細企業を中心に「きちんとしたホームページ集客」を考えて、ホームページ制作や様々なWeb集客戦略を提案しています。 ホームページ制作に限ると、のべ制作数は160社(少ないって?それはそれだけ1社あたりのWeb集客施策や修正に集中してるからさ)

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