第一章 第二十六話|霧深き夜に見た繊月


「健太。お前がそう感じるのも無理はない。だが、諦めるのはまだ早い。ここからが、本当の勝負なんだ」

一平の言葉は、俺の沈んだ心に、再び火を灯そうとしてくれているようだった。

「本当の勝負って、どういうことなんだ、一平?」

俺が問いかけると、一平はパソコンの画面に何かを表示させながら、ゆっくりと説明を始めた。

「健太、お前はこれまで、リスティング広告とLPで、ある程度の成果を出してきた。これは、短期的な集客には非常に有効だ。そして、新しいWordPressサイトでコンテンツ配信を始めた。これは、長期的な視点でのWeb集客、つまりSEO対策の柱になる」

「SEO……。検索エンジンの上位表示ってやつか?」

「その通りだ。ホームページを『家』に例えるなら、リスティング広告は、チラシを配って直接お客さんを家に呼び込むようなものだ。だが、SEOは、その『家』の基礎を固め、導線を整備し、多くの人が自然と集まってくるような『街』を作ることに近い」

一平は、俺にも分かりやすいように例え話をしてくれた。

「お前のサイトは、まだページ数が少ない状態だ。そういう時期は、一つ一つのコンテンツの重要度が高く、少し手を加えるだけで、検索表示回数やアクセス数は右肩上がりに伸びやすいんだ。実際に、お前がコンテンツを増やし始めた時も、一時的にリファラースパムを除けば、アクセスは伸びていただろう?」

俺は頷いた。確かに、最初はアクセス数の伸びに喜んだものだ。

「だがな、健太。それが一定ラインを超えると、今度はページ同士の重要度のバランスが崩れてくることがある。質の低いコンテンツや、サイトのテーマと関係ない趣味的なサブコンテンツが増えすぎると、検索エンジンは『このサイトは何が専門なんだ?』と混乱する。結果として、本当に見せたい、集客に繋がるページの評価が下がってしまい、全体のWeb集客効果が落ちるんだ」

俺は、ハッとした。まさに、自分が趣味のキャンプの話などを投稿してしまったことが、これに当てはまるのではないか。

「だから、お前が今感じている『頭打ち』や『変化が見られない』というのは、まさにこの『バランスの崩れ』が原因かもしれない。コンテンツを増やすこと自体は良いことだが、やみくもに増やせばいいというものではない。質と、サイト全体の整合性が重要なんだ」

一平の言葉は、俺の胸に突き刺さった。これまで、ただ数を増やせばいいと思っていた。だが、Web集客はそんなに単純なものではなかった。

「じゃあ、俺、どうすればいいんだ……」

俺が途方に暮れていると、一平はいつものように、まっすぐ俺の目を見て言った。

「心配するな、健太。だから俺がいるんだ。ここからは、お前のサイト全体のSEOを最適化していく。コンテンツの質を上げ、サイト構造を見直し、本当に価値のある情報を届けることに注力する。これが、お前が目指すべき『本当の勝負』だ」

一平の言葉に、俺は再び希望を見出した。まだ、道は険しいが、一平という心強い軍師がいれば、どんな困難も乗り越えられる。俺は、強くそう確信した。

第一章 第二十七話|霧深き夜に見た繊月

第一章 第二十五話|霧深き夜に見た繊月

霧深き夜に見た繊月 ― 小さな会社の起死回生 低予算からのWeb集客戦略(目次)


著者・監修 : 株式会社ファンフェアファンファーレ

2012年創業の京都のWeb制作会社 ホームページ制作やSEO、Web集客・Webマーケティングをメインテーマにお届け。SEOやAI活用、Web以外の集客何でも来いです。中小零細企業を中心に「きちんとしたホームページ集客」を考えて、ホームページ制作や様々なWeb集客戦略を提案しています。 ホームページ制作に限ると、のべ制作数は160社(少ないって?それはそれだけ1社あたりのWeb集客施策や修正に集中してるからさ)

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