ホームページ制作を行う前にホームページの明確な目的を決定する

ホームページ制作を行う前にホームページの明確な目的を決定する   updated !


今回は、「ホームページ制作を行う前にホームページの明確な目的を決定する」というタイトルで、ホームページの目的を入念に設定することの重要性についてお伝えしようと思います。ホームページの目的がぼやけたままホームページ制作を行ってしまうケースがあり、その状態だとホームページを公開してもほとんど無意味になってしまうケースがよくあるからです。

さて、「あなたのホームページにお問い合わせが来ない本当の理由」という記事を配信しましたが、少しタイトルがクリックベイド的だからか、アイキャッチ画像が猫だからか(もしかしたら表示制限対象の画像みたいに判断されたのかもしれません)はわかりませんが、Facebookではリーチ数が極端に少なかったということをお伝えしておきます。

そしてさらに、各方面のWeb担当者の方より、「私にとっては、あのコンテンツは哲学書レベルです」と言われてしまいました。

そういうわけで、今回から数回に分けて、「あなたのホームページにお問い合わせが来ない本当の理由」の内容を「もう少しやさしく」お伝えする(つもり)で、記事を配信していきます。

まずは、「ホームページ制作を行う前にホームページの明確な目的を決定する」という点から進めていきましょう。

ホームページを所有し公開することが目的になっていて、肝心のホームページの役割自体が不明瞭になっている場合がよくあります。

その状態でホームページ制作を行ったりホームページ制作の依頼をしてしまうと、目的がぼやけている分、結果もぼやけたものになってしまいます。

ホームページ制作のその前に

ホームページ制作のその前に

前回の記事で、ホームページ有効活用のチェックポイントとして次のような点について触れていました。ホームページ制作を行ったり依頼をする前に、「ホームページの公開とホームページの明確な目的」をある程度はっきりさせておくことが重要です。

「ホームページの公開とホームページの明確な目的」
ホームページを制作し、利用する前提として、コンバージョンの対象となる製品やサービスが明確にあること

まずはコンバージョンの対象となる製品やサービスを明確にすることが前提となります。そして、ホームページを訪れるユーザーは、その企業や製品に対して必ずしも詳しいわけではありません。むしろ検索から初めて訪れたユーザーにとっては、企業名も業界事情も知らないことが多いため直感的に「何を提供しているのか」が理解できるページ構成が必要です。これに対処するホームページ制作の工夫としては、ページの上部領域には、キャッチコピーとともに「主力製品またはサービスの簡潔な紹介」を配置しその下に訴求内容の概要を示すのが基本的な構造です。

ホームページの公開目的

ホームページの公開目的

ホームページを公開する場合は、必ずその「公開目的」があると思います。

「企業の公式ホームページ」を制作し、公開する場合でも、その裏側には何か公開目的があるはずです。

「同業他社もホームページを運営しているから」

「インターネット上の会社案内として」

「地域での認知度向上や企業ブランディングをしたい」

というものから

「ホームページを利用して特定の商品を販売する」

「ホームページからの問い合わせを獲得し、企業の販路を拡大したい」

「イベントの告知ページを常時配信し、イベント来客数を向上させたい」

といった積極的なWebマーケティングまでさまざまな目的のタイプがあると考えられます。

もしかすると、「ホームページから問い合わせを獲得できる」という点は、あまり意識されていないかもしれません。

「ホームページを公開すればどのような結果を得ることができるか?」

という点が、あまりはっきりと社会に浸透していないからかもしれません。

ただ、ホームページ制作の依頼の動機がどのようなものであっても、企業がホームページを利用する目的は、大きく考えれば、「問い合わせを獲得し、売上を向上させること」といったようなものになるはずです。

ところが、ホームページの目的が、「ただ公開すること」だけになっているケースがよくあります。

残念ですが、ホームページを公開するだけで仕事を獲得できる時代は既に終りを迎えています。

「ホームページを作ってよ」→「では、お望みどおりホームページを作ります」

ホームページを作ってよ お望みどおりホームページを作ります

「ホームページを作ってよ」→「では、お望みどおりホームページを作ります」

もしかするとこうした構造が原因で、「ホームページを公開すればどのような結果を得ることができるか?」があまり伝わっていないのではないか、ということが考えられます。

ホームページ制作会社選びの際も、何となくイメージされたWebデザインやボリュームのホームページを最安値で制作してくれる所を探すというのが一般的なのかもしれません。

そうしたホームページ制作費用の目線でホームページ制作会社を選ぶ場合は相見積もりサイト(一括見積もり依頼サイト)などを利用されるということもあるでしょう。

また、制作サイドとしては、既にお客様にニーズがあるわけですし、「ご要望通りにホームページを作ればいいかぁ」となっているケースは多いのではないでしょうか。

特にホームページ制作やWebマーケティングの予算が決まっている場合、予算内でホームページを作ることに集中してしまうと思います。

残念ながら「ホームページを作って欲しい」という依頼を受けたホームページ制作会社・Web制作会社は、「要望通りにホームページを作ること」を目標としてホームページを作成します。

ただ要望通りのホームページが欲しいのか、ホームページからの問い合わせ獲得を目的とするのか

ただ要望通りのホームページが欲しいのか、ホームページからの問い合わせ獲得を目的とするのか

もし、「Web上での会社案内」としてのホームページ公開が目的で、ひとまず「ある程度詳しい情報をいつでも確認してもらうことができる状態」を目指し、URLの直接入力でのホームページアクセスを考える場合はそれでもいいかもしれません。

確かに、依頼主、制作側双方が、そうした目的や目標でホームページ制作を考えるのであれば一括見積りによるホームページ制作の発注が合理的であると考えられるかもしれません。

しかし、ある程度の作り込みは必要になりますが、ホームページからの「新規お問い合わせ獲得」や「想定している範囲以上にお問い合わせを増やす」ということも、ホームページの作り方によっては可能になります。

もし、要望通りのホームページが欲しいというだけであるならば、格安ホームページ制作会社に依頼するか無料ホームページを利用されることをおすすめします。

しかしながら、ホームページからの問い合わせ獲得を目的とされる場合であれば、それらの行為は僅かかもしれませんが費用と時間と労力をドブに捨てることになります。

ホームページからの問い合わせを目的とする場合

ホームページからの問い合わせを目的とする場合

ただ、もし「会社案内代わりのホームページ」としての目的で、ホームページを公開している場合でも、もし可能であれば、新規集客を叶えたい、一件でも多くのマーケティングチャンスを獲得したいというニーズが潜在的にあるのではないでしょうか?

基本的にホームページは、企業のマーケティングツールです。

もし、ホームページの目的として「ただホームページが存在すればいい」ということを思っている事業主はおそらくいないでしょう。

表層上はそれでいいと思いながらも、「でも費用もかけることだし、できることなら売上につなげたいなぁ」ということは無意識レベルで考えているはずです。

何の気なしに「道案内」として掲げていた小さな看板であっても、それが少しでも集客にプラスになるのであれば、と、事業主の方なら考えられるのではないでしょうか?

あなたは、ホームページが誰にも見られずに、見込み客からの問い合わせなど夢のまた夢の状態にあることを望んでいるわけではないはずです。

もし、もう少し改良してホームページからのお問い合わせを獲得できたり、ホームページからの問い合わせ数を向上させるためには、ホームページの公開目的をもう少し検討し直す必要があります。

ホームページ自体に持たれているイメージ、ホームページの持つ機能や活かし方を把握されることで、ホームページの公開目的やホームページ制作の目的も変化していくでしょう。

「会社案内代わりのホームページ」から「Webマーケティングのためのホームページ」へと目的変更する場合、もう少し具体的な目的設定をすると改良に活かすことができます。

サービスや製品の紹介ページの工夫

サービスや製品の詳細を紹介するセクションでは、単なる機能一覧の羅列ではなく、「ベネフィット訴求」へと転換することが大切です。つまり、「何ができるか」ではなく、「それによって何が改善されるか」「どのような成果が得られるか」を重視して構成を組むということです。

たとえば、ホームページ制作サービスを紹介する場合、「スマートフォン対応のデザインを採用」よりも「スマホ最適化により、検索結果で上位表示されやすくなり成約率を改善することができます」と記述したほうが、ユーザーの目的と一致しやすく行動を喚起しやすくなります。

企業の強みや他社との違いを現場から抽出する

見込み客に選ばられるホームページに仕上げるためには、企業の強みや他社との違いを「主観的な思い込み」でなく、「実際の顧客の声」や「競合比較」を踏まえて言語化し、それを構造化してホームページに展開する必要があります。

自社にとっての「当たり前」はユーザーにとっての当たり前ではない場合もあります。ユーザー視点で判断材料として機能するコンテンツを作り込んでいることが大切です。

例えば、建築会社であれば「技術力」だけをアピールしても顧客には伝わらず、「過去の施工事例」「対応エリア」「担当者の人柄」「契約までの流れ」など、安心感につながる具体的な情報をコンテンツ化すると良いと考えれます。

企業のサービスがどのような人のどのようなニーズに対応しているか

企業のサービスがどのような人のどのようなニーズに対応しているか

ホームページ制作を行う上で、ホームページを会社の広告ツール、販促ツールとして考えた場合、企業のサービスがどのような人のどのようなニーズに対応しているかを再確認し、掲載コンテンツの作り込みに活かしていく必要があります。

例えば「看板」でも「広告スペース」でも良いのですが、そういったもので、次のような記載のみだった場合、それを見た人はどのように感じるでしょうか?

「株式会社ファンフェアファンファーレ」

「株式会社ファンフェアファンファーレという舌を噛みそうな会社があるんだな」

「株式会社ファンフェアファンファーレ 〒602-8354 京都市上京区下立売通御前通東入西東町344 TEL:075-203-5982」

「何の会社かは分からないが、ひとまずそういった会社がその場所にあって、連絡先電話はその番号なんだな」

「ホームページ制作 京都のWeb制作会社(ホームページ制作会社)
株式会社ファンフェアファンファーレ
〒602-8354 京都市上京区下立売通御前通東入西東町344
TEL:075-203-5982」

「京都にあるホームページ制作会社か」

一応業種と社名と所在地、連絡先は伝わりますが、これだけでは、たくさんあるホームページ制作会社の中で、どういった人のどういったニーズに対応したサービスを提供しているのか少しぼやけてしまいます。

では、こうした案内の後に次のような文章がある場合を考えてみましょう

「ホームページ制作、承ります」

「まあそういう業種なんだからもちろんホームページを作る会社なんだろう」

「ホームページ制作、承ります。WordPressでのホームページ制作も対応しています」

「ああWordPressで作るのが得意なんだな。そういえばうちのホームページはWordPressだったかな」

「ホームページ制作、承ります。WordPressでのホームページ制作やカスタマイズも対応しています。運用後のWordPressサイトのSEOもお任せください。」

「既に公開しているWordPressサイトのカスタマイズやSEOにも対応しているのか」

「ホームページ制作、承ります。WordPressでのホームページ制作やカスタマイズも対応しています。
運用後のWordPressサイトのSEOもお任せください。Web集客力アップのためのコンテンツ制作・SEO・各種カスタマイズに対応しています」

「うちもホームページ公開しているけど、イマイチ効果が出ていないから相談してみるか」(というお問い合わせ、お待ちしております)

ある程度、文章量が増えるに従って、「他人事」から特定の人の特定のニーズに対応する「私ごと」に変化していきます。

こうした看板のように、ホームページ制作においても、なるべく具体的にコンテンツを作り込んでいくことがWebマーケティング効果向上につながっていきます

そして、その作り込みの前提として、ホームページの目的を明確にし、どのようなユーザーに対して、何を伝えるのかをはっきりと決めておく必要があると考えることができます。

問い合わせ内容はWebユーザーによって様々

問い合わせ内容はWebユーザーによって様々

「お問い合わせ」といっても、問い合わせ内容はWebユーザーによって様々です。

もし、ホームページからの問い合わせを目的とする場合は、「どのような人」の「どのようなニーズ」に対して「どのようなサービスを提供できるか」を明確にして、「どのようなお問い合わせを獲得したいか」をはっきりさせる必要があります。

比較検討段階にあるユーザーに対しては、ページ制作において他社との違いや独自性(USP:Unique Selling Proposition)を明確に伝える工夫も重要です。これは競合他社との明確な差別化のために必要な要素となります。たとえば価格、納期、導入支援の有無、保守体制、カスタマイズ性など判断材料となる項目を「比較可能な形」で示すと効果的です。

また、ユーザーが安心して行動を起こせるようにするためには信頼性を示す工夫が効果を発揮します。たとえば導入事例、顧客の声、第三者機関による認証、受賞歴、導入実績数などを配置することで信頼性を向上させることができるため、ユーザーの意思決定を後押しすることができます。特に、ローカルビジネスやBtoB企業では、同業他社の成功事例が大きな信頼材料となりやすいため、業種別・地域別に分類した導入事例ページを設けることも有効です。

ECサイトの場合は、商品購入が目的のため、ユーザーニーズは捉えやすく、それに対応したページも作りやすい傾向にあります。

企業ホームページの場合は、そうしたターゲットユーザーとコンバージョン(ホームページの目標達成)をはっきりさせると、効果のあるホームページを制作しやすくなります。

こうした目的に沿ったコンテンツを作り込んでいくことが、企業ホームページにとって重要なポイントとなります。

ホームページの目的を明確化する上で、まずどのようなユーザーを対象として、どのような内容の問い合わせを獲得するのをゴールにするかを決めると、イメージが湧きやすくなります。

ホームページ制作を行う前にホームページの明確な目的を決めようと思った場合でも、プロでない限りホームページの目的やホームページにどのような役割を持たせれればよいのかが見えない場合があります。

私たちはこうしたホームページ目的の明確化に関して、制作前のお打ち合わせやWebコンサルティングでそのお手伝いをしています(なお、契約前のお見積では簡単な概要しかご提案することができませんので予めご留意ください)。

 あなたのホームページに「お問い合わせ」が来ない本当の理由

ホームページリニューアル時は目的の見直しを

ホームページ制作を行う前にホームページの明確な目的を決定することの重要性は、ホームページの新規制作のときのみならずホームページリニューアルの時でも同様です。

もし現状のホームページのリニューアルを検討されている場合でも、今までの経験をベースに考えてWebデザインのみの変更程度のリニューアルなのであれば、少し立ち止まってホームページの目的やゴールの設定の見直しをされることをおすすめいたします。

ホームページのリニューアルは目的を明確にして再設計すると成功する

ホームページリニューアルの失敗への対策 サイト改良・改善の目安

(初回投稿日 2017年1月30日)

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