Google検索アルゴリズムの「モバイルフレンドリーアップデート」は、ホームページ(ウェブサイト)のスマートフォン最適化が検索順位の一つの要素として、モバイル端末でのウェブ検索結果に影響を与えることを目的としたアップデートです。2015年4月にこのモバイルフレンドリーアップデートが行われました。
このモバイルフレンドリーアップデートによって、スマートフォンでの表示に最適化されたページは、モバイルフレンドリー未対応ページと比較して、モバイル版での検索において、検索結果の掲載順位が向上しています。
(その後2018年3月よりスマホ用ページを中心にクロールするモバイルファーストインデックスが開始され、2024年7月よりモバイルファーストインデックスに完全移行する予定となっています)
モバイルフレンドリーアップデートの目的
スマートフォンの普及率は年々急増傾向にあります。iPhoneやAndroid端末などのモバイル端末からのモバイル版ウェブ検索数が、通常のウェブ検索数を超えたことを受けて、スマートフォンなどのモバイル端末からのホームページ(ウェブサイト)閲覧時の「読みやすさ」や「操作のしやすさ」、「モバイル端末では表示できないものをページに配置しない」といった「モバイルフレンドリーサイト」の必要性が高まりました。
このことを受けて、モバイル版ウェブ検索時に、「モバイルフレンドリーサイト」の掲載順位を向上させることで、スマートフォンユーザーに配慮したウェブサイト・ホームページの制作などを促すとともに、スマホユーザーへの検索クオリティを向上させる目的があると考えることができます。
閲覧性や操作性の向上によってユーザーの離脱率を回避する
スマートフォン端末などでは表示できないコンテンツがあったり、テキストコンテンツなどが読みにくいホームページ(ウェブサイト)は、ユーザーのサイト離脱率が高まります。
この「モバイルフレンドリー」の必要性は、閲覧性や操作性の向上によるユーザーの離脱率を回避することがまず第一だと考えられます。
そして、スマホ検索時においてそのようなモバイルユーザーへの配慮を施したホームページ(ウェブサイト)の検索結果順位を向上させることで、スマホユーザーへのモバイル版検索クオリティの向上に繋がります。
そのような目的や意図があり、モバイルフレンドリーアップデートが行われたと推測することができます。
モバイルフレンドリーアップデートの対象
モバイルフレンドリーアップデートによって、「モバイルフレンドリー」という要素が、モバイル版でのウェブ検索の掲載順位に影響を与えますが、この影響は、ホームページ(ウェブサイト)全体ではなく、個々のコンテンツページが対象となります。
しかしながら、スマートフォンユーザーへの配慮や、各コンテンツページのSEOを考えた場合、全てのページをモバイルフレンドリー化する必要があります。
モバイル版ウェブ検索結果への影響
また、このアップデートの影響は、スマートフォン検索など、モバイル端末での検索時の検索順位にのみ影響を与えます。
モバイルフレンドリーアップデートにより、モバイル版のウェブ検索結果では「スマホ対応」の表示などの追加のほか、スマートフォンなどのモバイル端末からのウェブ検索時のランキングに影響を与える流れにあります。
しかしながら、モバイルフレンドリーは、SEOのひとつの要素ですが、元々のウェブサイト・ホームページ、コンテンツページの価値を著しく向上させるものではありません。
ホームページ(ウェブサイト)の基本的なSEOが施されていない場合、モバイルフレンドリーSEOだけを行った場合でも、通常のSEOの付加要素としてモバイルフレンドリーという要素があるため、モバイル検索時の掲載順位は、施策前後では相対的に向上する場合がありますが、基本的なSEOの方が重要度が高いため、メインのSEOを先に施す必要があります。
モバイルフレンドリーアップデートを考えたSEO対策
このアルゴリズムアップデートに対応するホームページのSEO対策は、この「モバイルフレンドリーの基準」を満たすことです。
モバイルフレンドリーの基準は、「ホームページ(ウェブサイト)のレスポンシブデザインによって、スマートフォンなどからのアクセス時にサイトレイアウトを単純化して読みやすくする」ということをはじめ、リンク同士の距離が近すぎない、画面を引き伸ばさなくても画像の中の文字が読める程度に大きく表示されている、など様々なチェックポイントがあります。
その他、モバイル端末では表示できないコンテンツをモバイル版ページでは表示しないなどの配慮が必要です。
ホームページ(ウェブサイト)のレスポンシブ化などモバイルフレンドリーアップデートを考えたSEO対策は、基本的なSEOの付加的要素ですが、スマートフォンなどのモバイル端末からのウェブ検索結果に影響を与えるため、顧客層にモバイルユーザーが多い業種などでは、早急な対応をした方が良いと考えることができます。
モバイルファーストインデックス(Mobile First Index)
2018年3月にGoogleから正式にモバイルファーストインデックス(Mobile First Index、MFI)の開始が発表されました。これは、Googleの検索エンジンがそれまでPC版のページを中心にクロールしインデックスしていたもの、モバイル(SP)版のページを中心にクロールしてインデックスする仕組みに移行していくというものです。
モバイルフレンドリーアップデート以降、PC版のページをクロールしながらも、モバイルフレンドリーレイアウトであるかどうかや画像サイズはスマホ表示に適しているかといった点や、文字サイズやリンクの距離などはスマホ表示適しているかといった「モバイルフレンドリーサイトであるかどうか」という基準を用いて、検索順位を調整していました。
しかし、モバイルファーストインデックス開始以降はスマートフォン用botが登場し、スマホ(SP)用ページを中心にクロールされるようになりました(つまり、PC版・SP版の2種類のページを持つホームページ(ウェブサイト)においては、PC版をクロールせずにスマートフォン用ページしかクロールしないというような流れになりました)
Google検索においては、2024年7月からよりモバイルファーストインデックス(MFI)への完全移行が予定されています。完全移行後は、ページがスマートフォン用botによってクロールされてインデックス登録されていくようになります。