ウェブPR再考 根本的なPRの視点から

ウェブPR再考 根本的なPRの視点から


今回は「ウェブPR再考 根本的なPRの視点から」というタイトルで、Web上で行うPRについて、本質的なPRの目線から再考してみようと思います。Webマーケティングの中でも、直接的なマーケティング要素の強いものとPR要素の強いものなど、方法論によっては要素の性質はバラバラです。今回はその中でPR要素の強いWebPRについて考えてみたいと思います。

以前、「スイミーのようなウェブコンテンツ 『PR力1%』を収束させる」というタイトルで、ウェブPRにおけるPR効果を増大させることについてお伝えしましたが、今回は、もっと根本的なPRについてお伝えしていこうと思います

PR(パブリックリレーションズ)という言葉は、よく分かるようなわからないような言葉です。ウェブ上でのPR活動なのだからウェブPRという言葉自体はまだわかりますが、根本的なPRをどう捉えるかで、ウェブPRの意味合いも変わってきます。

PRは、広告宣伝・プロモーションとよく混同されますが、それらと完全にイコールではなく、当然にウェブPRもWeb広告とはイコールではありません。

それではまずプロモーション・広告とPRの関係性から見ていきましょう。

プロモーション・広告とPRは完全にイコールではない

プロモーション・広告とPRは完全にイコールではない

プロモーション(promotion)とPR(Public Relations)はよく混同されますが、プロモーションには「表出」という意味があります。極論を言えば表出するだけで良いので、どのような形でも「目立ったもん勝ち」ということになりかねません。

「プロモーション」とは、企業が商品やサービスの販売促進を目的として実施するあらゆる活動を指します。消費者に行動を促すための施策施策です。これは単なる広告だけでなく、販売キャンペーン、イベント開催、店頭での販促物、クーポン配布、サンプル提供、さらにはSNSでの展開まで広く含まれる概念です。プロモーションの中の一部として「広告」や「PR」も位置付けられます。

PR(パブリック・リレーションズ)」は、顧客、メディア、株主、地域社会などと良好な関係を築くことを目的とする活動

「PR(パブリック・リレーションズ)」は、企業がさまざまな利害関係者(顧客、メディア、株主、地域社会など)との良好な関係を築くことを目的とする活動です。単なる「宣伝」ではなく、社会的信頼の構築、イメージ形成、共感の醸成などを目的とします。PRの具体的な施策としては、プレスリリースの配信、メディア取材対応、記者発表会の開催、CSR活動、危機管理広報(クライシスコミュニケーション)などが挙げられます。ここで重要なのは、PRは基本的に「報道」や「自然発生的な共感」を前提としており、広告とは異なり、発信内容や掲載範囲を自社で完全にコントロールすることが難しいという点です。

プロモーション・広告とPRは完全にイコールではなく、客層との接点を持って商品やサービスをお知らせしたり、販売を喚起したりすることと、社会全体と良好な関係を築くためのパブリックリレーションズとは、少し概念が異なってきます。

広告の特徴とPRとの違い

広告の特徴とPRとの違い

なお「広告」とは、企業や団体が費用を支払ってメディア上に掲載する情報伝達手段です。一般的に購買活動を促す意図を持ち一方通行であることが特徴です。新聞・雑誌・テレビ・ラジオといった従来型メディアから、検索連動型広告、SNS広告、動画広告、リターゲティング広告などのデジタル広告に至るまで様々な形があります。広告の特徴は、掲載内容を広告主自身が自由にコントロールできることと、短期間で多くの人にリーチできる点にあります。また、広告枠を購入するため明確な費用対効果の計測が可能であり、投資としての性質も強くなります。

「広告」は費用を払って直接情報を届ける手法であるのに対して、「PR」は第三者(メディアや社会)が主体となって情報を拡散する形になるため、同じ「伝える行為」でも性質が大きく異なります。たとえば新商品を発売する際、広告であれば製品の魅力や価格を自由に訴求できますがPRでそれをメディアに取り上げてもらうには、社会的意義や話題性といったニュース価値が求められます。

ウェブPRとWebプロモーション・Web広告

ウェブPRとWebプロモーション・Web広告

そこで考えてみたいのが、ウェブPRとWebプロモーション・Web広告の違いです。

Webプロモーションは、Web広告のことを指す場合もありますが、教義にはWeb上での表出、つまり露出度向上であり、Web広告自体は、リスティング広告やバナー広告など、お金を払って広くサービスを伝えていくという形を指します。Webを通じて商品やサービスの認知・理解・行動を促す活動全般が該当するためWeb広告もこの中に含まれます。SNSキャンペーンや口コミ施策、インフルエンサーの起用、メールマーケティング、SEO対策、YouTubeでの商品紹介企画、オウンドメディアによるコンテンツの配信などもすべてWebプロモーションに含まれます。

「企業と社会の関係構築」を目的とした情報発信

そこでウェブPRですが、Webを利用した全てのPR活動であると考えた場合、直接的な商品やサービスの売り込みに該当するような広告とは異なり、Webプロモーション活動を行って企業の認知度・知名度向上を狙うことを含みながら、企業とユーザーとの関係性を良好なものにし、Web内外での露出度向上のためのメディアリレーションズを行うことなども含まれていきます

「企業と社会の関係構築」を目的とした情報発信になるため、短期的な購買促進やアクセス獲得ではなく企業やブランドに対する信頼・共感・認知を積み上げていくことを目的としています。具体的には、企業の理念や社会的取り組み、新製品の開発背景、スタッフのインタビュー、地域との関わりといった情報をホームページ内のメディアやSNSなどを通じて発信していく活動が該当します。

Web広告

Web広告 PR

Web広告とは、企業がインターネット上の広告枠に対して費用を支払って商品・サービスの情報を掲載・配信するものを指します。代表的な例としては、Google広告、Yahoo!広告などのリスティング広告、YouTube動画広告、FacebookやInstagramなどのSNS広告、あるいはWebメディアに表示されるディスプレイ広告などがあります。特徴として広告主側は広告内容の他に、タイミングとターゲットを設計し、それに応じて配信設定などを調整することができます。広告予算に応じて露出量とタイミングを調整することができるため即時性の高い集客や販売促進をすることができます。

一般的な社会では、PRとしての比重も高まってきていますが、ウェブの空間では、昔からプロモーション力を上げるためにとスパム広告などがよく表示されます。スマートフォンなどのアプリゲームでもよく表示されます。

無料ゲームならば、それでも良いのですが、パソコンの場合は、昔からウイルスに感染して変な広告が出ることが良くあります。

変なポップアップ広告

変なポップアップ広告

実際に数年前に友人に頼まれてPCに勝手にインストールされてしまったブラウザウイルスの駆除を行ったことがあります。

ウイルスソフトを導入していなかったため、リダイレクトによる変なサイトへの転送を元にブラウザウイルスに感染し、ブラウザを開く度にポップアップで変な広告(外国語のものばかりでした)が、ポンポン表示されていました。

ここで昔から疑問なのですが、そのような方法で広告出して、実際にそのサービスは利用されるのでしょうか?

その様な方法で、Web広告による広告収入を得れるという構造は、社会のためになっているでしょうか?

むしろ、自分が広告出稿者だとしたら、そのような形で広告を表示されて、嬉しいでしょうか?

プロモーションだけに比重を置くとPRからズレていく

プロモーションだけに比重を置くとPR

プロモーションに比重を置くと「たくさん見られること」が最優先になりがちです。Webマーケティングにおいても、本質から外れて「たくさんのユーザーに見られること」にばかり意識が向いているような方法を採っているケースもあります。

しかしながら、PRという視点で考えると、軸は「様々な人との良好な関係性を築くこと」です。プロモーションは、そのPR活動の一環であるはずです

PR活動も、結果的にマーケティングにつながったり、パートナーとの提携などを促したりするという結果のための一つの方法です。Webマーケティングの一環としてのウェブPRも最終的な結果として全体的なマーケティング効果を高めることが目的です。本来、ウェブPRの重要な特徴は、第三者による客観性を活用する点にあります。客観性のある情報によって消費者からの信頼性は高まります。たとえば、信頼性のあるニュースメディアが企業の取り組みを取り上げた場合、それは単なる企業発信の宣伝とは印象が異なります。

極端に言えばプロモーションは、マーケティングのためのPRのためのプロモーション、というヒエラルキーの最下部に位置しています。

Webプロモーションも、WebマーケティングのためのWebPRのためのWebプロモーション、というヒエラルキーの最下部に位置しています。

しかし、それがスパム臭く行われている、と。

それは土台から壊れているのと同じことです。

ウェブやコンピュータは、複製や反復が得意なので、物理空間での活動のようにはあまり制約を受けません。

しかしながら、プロモーションにしろPRにしろ、最終的な対象は人間であるはずです。Webマーケティングを考える上では、そういった方法は首を傾げざるを得ません。

確かに爆発的に対象の数や回数は増やすことができますが。何でもかんでもやればいいというわけではありません。

早朝に届くメールマガジン

WebPR 早朝に届くメールマガジン

変なウェブ広告もそうですが、一昔前から今でも少し残存しているメールマガジンも同じです。

PRとしては逆効果のことをやっている場合がよくあります。

おそらくそれでもやり続けてしまうのは、ユーザーを「数」としか見ていないからです。

ウェブ上でのプロモーションによって、たくさんのユーザーに出会い、そこからPRが始まるということは、当然の理ですが、プロモーションの段階で、PRがマイナスの効果になっていては、土台からマイナススタートです。

以前、早朝にメールマガジンが届いて起こされたことがありました。現代ではPCメールもスマートフォンで受信できる時代ですからね。

メールマガジンが欲しくて登録したわけではないのですが、アカウント取得の際にメールマガジンを受け取る旨のチェックが入っていたようです。

そのメールの配信元に連絡して、なぜ早朝に広告メールを送ってくるのかということをお伺いしてみたことがあります。

そうすると

「本社がアメリカですから、現地時間の営業時間に送信しています」という回答を頂きました。

私は、そのメーカーの製品を買うことは一生ありません。

ブランドにマイナスイメージ

ブランドにマイナスイメージ

以前少し話題になりましたが、SNS内の広告で、大手自動車メーカーが広告の出稿を取りやめるということがニュースになったことがありました。

理由は、世界的なブランドであるその自動車メーカーの広告の隣に、スパムまがいの広告が表示されるため、品位が下がるというものでした。

このメーカーは非常に合理的で、賢明であると考えます。

「プロモーション」に軸をおけば、あるウェブ空間での表出回数が増えるためプラスにはなりますが、PRとしては、マイナスに働くと判断したからです。

何のためのプロモーションか?をPR目線で考える

何のためのプロモーションか?をPR目線で考える

「何のためのプロモーションか?」

という軸にもよりますが、マーケティングに直結させるための販売ページヘの広告リンクであれば、表出回数を増やす事に躍起になることも少しわかります。

しかし、概ね表出回数だけを狙ったそのようなスパムまがい広告は、「騙せるユーザーを探している」、という目論見があるのかもしれません。そのような事業はこの世の中になくても良いものだと考えています。

「数撃ちゃ当たる」という発想は、ユーザーを数としてみています。

そのメーカーはPRに軸をおいて、表出回数よりもブランドイメージを取ったという意味で、事業に誇りを持たれているのでしょう。

PR目線で考えると、「プロモーション」の実数はあくまで中間計測の範囲です。数値で判断し、中間目標を優先しすぎると、ウェブPRにおいても目的を見失ってしまい、結果的に逆効果になることも考えられます。

スパムメールや手動の営業メールも同様です。

お問い合わせフォームから届く迷惑メールや営業メールへの対策

ブランドの印象変化や「消費者との関係がどう深まったか」といった評価基準

Web広告であればクリック数やインプレッション、コンバージョン率などで数値的な効果測定が可能ですが、ウェブPRの効果は数値化しづらいという特性があります。

ウェブPRでは「ブランドの印象がどう変わったか」「消費者との関係がどう深まったか」といった評価が中心となるため効果測定が難しいことは事実です。しかしながら、信頼や好意度といった要素は、最終的には商品の選択や継続、クチコミ拡散などに結びつきます。そのため企業にとっては極めて重要なものとなります。

PRは「自己アピール」ではなく社会との「合意形成」

「Web PRを強化したい」という相談を受ける際、多くの担当者が「どうすればもっと自社のニュースを拡散できるか」「どうすればバズるか」というテクニック論に終始しています。

しかし、PR(Public Relations)の直訳は「宣伝」ではなく「公衆との関係性」です。 単に大声を張り上げて注目を集めること(パブリシティ)は、PR活動のごく一部に過ぎません。 Webという双方向なメディアだからこそ可能になった、本質的な「関係づくり」の視点について、プロの定義をお伝えします。

「広告」と「PR」の決定的な違いを理解していますか?

Webマーケティングにおいて、この2つを混同していると戦略がブレてしまいます。

広告(Advertising): メディアの枠をお金で買い、企業が言いたいことを一方的に伝える活動。「Buy Me(私を買って)」のメッセージ。

PR(Public Relations): メディアや社会に関心を持ってもらい、第三者の視点を通して信頼を獲得する活動。「Love Me(私を好きになって)」のメッセージ。

Web PRで目指すべきは、商品を売ることではなく、「この会社は応援する価値がある」「社会にとって必要な存在である」という信頼貯金を貯めることです。 広告で「売ってください」と叫ぶのではなく、日頃の発信によって「あなたから買いたい」と言われる状態を作ること。これがPRのゴールです。

「発信」と同じくらい「聴く」ことが重要

従来のPRは、テレビや新聞に向けてプレスリリースを送るという「一方通行」が基本でした。しかし、Web PRは違います。

SNSや口コミサイトを見れば、ユーザーが自社について何を語り、何を期待し、何に不満を持っているかがリアルタイムで分かります。これを見逃していませんか。 Web PRの半分は「ソーシャルリスニング(傾聴)」です。

批判的な意見も含めて真摯に受け止め、それを商品改善や経営判断に反映させる。そして「皆様の声を受けて、こう改善しました」とWebで報告する。 この「対話」のサイクルこそが、ファンを作り、ブランドを強固にする最強のPR活動です。

「スペック」ではなく「ナラティブ(物語)」を語ってください

Web上には情報が溢れており、単なる「新機能」や「安さ」の情報はすぐに埋もれてしまいます。 人が心を動かされるのは、機能ではなく「物語」です。

なぜ、その商品を開発しようと思ったのか(創業の想い)

開発の裏側で、どんな苦労や失敗があったのか(プロセスの開示)

このサービスを通じて、どんな未来を作りたいのか(ビジョン)

こうした背景にあるストーリー(ナラティブ)を、ブログやSNSで継続的に発信してください。 共感は、機能比較を超えます。「この人たちが作っているなら間違いない」という感情的な結びつきを作ることこそが、Web PRの役割です。

嘘がつけない時代、「誠実さ」だけが武器になります

Web社会において、隠し事はできません。不祥事やネガティブな情報は、隠そうとすればするほど拡散され、炎上します。

現代のWeb PRにおいて最も重要なのは、かっこいい見せ方ではなく、「透明性(トランスペアレンシー)」です。 良いことだけでなく、都合の悪いことも正直に伝え、誠実に対応する姿勢。 「私たちは完璧ではありませんが、正直であろうと努力しています」という姿勢を見せること自体が、不信感の時代のなかで、最も強力なブランディングになります。

ウェブPRは数値で判断しないほうが良い

ウェブPRは数値で判断しないほうが良い

ウェブPRは、プロモーションや広告とは異なるため、基本的には数値で判断しないほうが良いということが考えられます。

PR効果を高めるためにと、PR記事のリーチやユーザーアクションに数値目標を掲げ、それを達成するために闇雲にプロモーションを行うという事例もあるかもしれませんが、根本的にPRは「良好な関係づくり」であり、数値の獲得、数値の奪い合いではありません。それはウェブPRでも同様です。

端的に言ってしまえば、SNSのフォロー数、いいねの数は、その投稿が素晴らしいものであるかどうか、PRとして効果があったかどうかを完全に測れるものではありません。

それはサイトのアクセスも同じことです。

確かにウェブPRの全体的な概念で言えば、「どれだけの人に」と「どれだけの深さで」という二つの指針があります。

このうち「どれだけの人に」という部分は、アクセス解析やソーシャルシェア数など数値で見えやすいというわかりやすさがあります。

しかし、ウェブPRにとって肝心なのは、「どれだけの深さで」というポイントです。

しかしながら、「深さ」は滞在時間などである程度の目安はあるものの、ウェブPRの深度は厳密には測ることができません。また、「どれだけの深さで」ばかり意識して、誰にもアプローチできないということも「土台なし」と同じことになります。

ウェブPRだけでなく、PR活動は「どれだけの人に」と「どれだけの深さで」の両輪が必要です。

人と話す時、当り障りのないことばかりを語ると、知り合いは増えるかもしれませんが、なかなか親友はできないものです。

先日、親友と遊んだ時にふとそんなことを思いました。

彼と出会った時から今までの間、どんなことを話しただろうと考えました。

「これは事業のPRも同じかもしれない」と、そんなことを思いました。

(初回投稿日 2016年4月14日)


著者・監修 : 株式会社ファンフェアファンファーレ

2012年創業の京都のWeb制作会社 ホームページ制作やSEO、Web集客・Webマーケティングをメインテーマにお届け。SEOやAI活用、Web以外の集客何でも来いです。中小零細企業を中心に「きちんとしたホームページ集客」を考えて、ホームページ制作や様々なWeb集客戦略を提案しています。 ホームページ制作に限ると、のべ制作数は160社(少ないって?それはそれだけ1社あたりのWeb集客施策や修正に集中してるからさ)

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