SEOやアクセスアップの実績をごまかす人たち

SEOやアクセスアップの実績をごまかす人たち


「SEOはうさんくさい」とよく言われますが、「SEOに強いホームページ制作会社」と謳うところは数多くあります。

Webマーケティングの効果を高める要素のひとつとして、SEOによるアクセスアップも一つの要素となりますが、そうしたSEOの実績をごまかすケースもあるようです。

京都という土地柄の影響からか、先日から連日のように大学生の方などからSEOなどに関しての「アルバイトの申込み」を頂いています。しかし、SEOはそれほど簡単ではありません。

「SEOに強い」というのは簡単ですが、技術的な詳細はさておき、お客さまに「なぜ検索順位が上がったか?」や「なぜアクセス数が伸びたか?」をきちんと説明できるでしょうか?

今回は、少し危険な匂いのする、「SEOやアクセスアップの実績をごまかす人たち」というタイトルで、今まで担当させていただいた弊社のお客さまが、以前に依頼されていた業者の「SEOに関する実績ごまかし」と言っていいのかどうかわかりませんが、本質からずれた説明がなされていたケースをご紹介します。

こういったケースを知らないと、SEO業者や「SEOに強いホームページ制作会社」のおかげで「アクセスが上がった」とぬか喜びしてしまうことになりかねません。確かにWebマーケティングの効果の計測のひとつがアクセス数であることは間違いありませんが、そうしたホームページへのアクセスの数値が動いていたとしてもその質は問われていないことがよくあります。

SEOでアクセスアップを実施した場合の参照データ

SEOでアクセスアップを実施した場合の参照データ

「ホームページのWebマーケティング効果を高めるためには、ホームページのアクセスアップを図る必要がある」

「ホームページへのアクセスアップのためにはSEOが有効だと聞いたことがある」

「SEO対策を行うと一気にアクセスアップが叶えられるため、問い合わせ数も増えるだろう」

「『SEO』や『SEO対策』を含んだWeb検索を行うと、たくさんのSEO会社のリスティング広告が表示される」

「SEO会社のLPを見てみると、幾つかのキーワードを設定すれば、そのキーワードでの検索順位が向上し、アクセスアップすると書いてある」

「とにかく難しいことはわからないので、SEO会社か、SEOに強いというホームページ制作会社に相談してみよう」

ホームページのアクセスアップのための方法論のひとつであるSEO(SEO対策)に着目し、SEOを依頼されるケースがあると存じます。

こうしたSEO会社の方法は、そのSEOの方法がホームページを改良するものでない限り、外部からの被リンクに依存した方法論です。これは正確な意味でのSEO、つまり「検索エンジン最適化」ではなく、不正行為による検索順位上位化であることがほとんどです。

そして、目的が「アクセスアップ」であるからには、依頼の実績は検索順位の上位化であったり、「アクセス数の向上」という指針があります。

サーチコンソールで検索順位や検索回数を確認

サーチコンソールで検索順位や検索回数を確認

本来、SEOはSEOキーワードの調整や特定キーワードでの検索順位向上のために実施されますが、「実績」を確認するためには、Google Analyticsといった総合的なアクセス解析ツールではなく、Googleサーチコンソール(Google Search Console)などの検索順位や検索回数確認に特化した解析ツールで確認していくのが妥当です。

しかしながら、一般的にアクセス解析として認知されているのは、総合的なアクセス解析であり、SEOを依頼される方としては、依頼の目的が「アクセスアップ」であるため、「ホームページへのアクセス数を確認すればいい」という流れになりがちです。

「アクセス数の向上」という目線

「アクセス数の向上]という目線

確かに検索順位そのものよりもホームページへのアクセス数が重要である側面はあります。

しかしながら、「どういったルートでホームページにアクセスがあったか」という面や「検索エンジンからのアクセスなのであれば、どういったキーワードでやってきたか」という面を疎かにすると「アクセス数」の向上に目が奪われ、本質的なWebマーケティング効果向上を期待することはできません。

つまり、ホームページへのアクセス数がアップしていれば、「依頼されたSEOの仕事をしっかりやったことになる」というようなことになる恐れがあります。

このように、「アクセス数の向上」という目線になってしまうと「Google Analyticsなどの総合的なアクセス解析のセッション数、ユーザー数、PV数さえ向上していれば、SEOは成功した」というような議論のすり替えのようなことが行われていることがあります。

SEOの依頼でアクセス数が急上昇

SEOの依頼でアクセス数が急上昇

以前担当させていただいたお客さまのアクセス解析を拝見し、過去の「ホームページへのアクセスに関するデータ」を参照しました。

するとある時から、いきなりホームページへのアクセスが20倍くらいになっている瞬間がありました。

聞くところによると、もともと制作依頼をされたホームページ制作会社に相談して、SEOの依頼をしたところ、一週間くらいでアクセスが倍増、どころか20倍になったということのようです。

「怪しい」

そんな印象を受けました。

「何かの投稿がバズりましたか?それとも何かオフラインでチラシを配布されたとかですか?」

オウンドメディアでコンテンツマーケティングを行われている場合、特定の投稿が、FacebookやTwitterでシェア拡散したり、オンラインブックマークでブックマーク数が伸びると、一気にアクセスが集まることがあります(いわゆるバズ拡散です)。

しかしそれまでのアクセスを考えると、バズが起こっても、その瞬間付近だけのアクセス向上であるはずです。

ある地点から急激に伸びたアクセスがある程度安定

ある地点から急激に伸びたアクセスがある程度安定

しかしながら、ある地点から急激に伸びたアクセスがある程度安定しています。

普通、それは喜ばしいことですが、なんだか胡散臭さを感じました。

「このときは『やった!』と思いましたよ」

「その後お問合わせなどは増えましたか?」

「それがいっこうに…」

そこでよくよくアクセス解析を見ることにしました。

フィードによるリファラースパム

フィードによるリファラースパム

「ああ…ロシアとかからのリファラースパムですね」

「リファラースパムというと?」

「他のサイトからの参照アクセスだと思わせて、アクセス解析を見ているユーザーを呼び込もうとする悪徳サイトです」

「なんでそんなところから?」

「pingでフィードを流したんでしょう。ひとまずアクセス解析側にフィルターを掛けましょう」

その後、アクセス解析に特定の参照アクセスを「アクセス数」にカウントしないフィルターを掛けました。

すると、20倍になっていたアクセスは、その「SEO(?)」の前とほとんど同じでした。

「ロシアからのアクセスは必要ですか?」

「いいえ」

「ではトルコからのアクセスは?」

「必要ないですね」

「では、根本からシャットアウトしましょう」

日本国外からのアクセスは必要ないとのことでしたので、日本国内からのアクセス以外は弾くように設定しました。

リファラースパムとは
ご存じの方もいらっしゃるかと存じますが、リファラースパムとは、Googleアナリティクスなどのアクセス解析の「参照」に表れる、参照元URLなどに表示されることで「どこだ?誰が紹介してくれているんだろう?」という興味を利用して、スパムサイトへと誘導するスパムです。

アクセス解析を見ると、「参照元/メディア」、「参照サイト」の欄に、滞在時間0秒などで、多数のアクセスがある参照元として表示されていると思います。

「誰かがサイトを紹介してくれて、そこからアクセスがある。どんなサイトで紹介されているんだろう?」

ということを思い、そのURLをコピーしてアクセスしてみると、「フリーソーシャルボタン」などと表示されていたりします。

リファラースパムに対して思うこと

本当に意味のあるアクセスですか?

本当に意味のあるアクセスですか?

ホームページへのアクセスには意味のあるアクセスと意味のないアクセスがあります。

単純に「SEOによるアクセスアップ」ということを目指してしまえば、結果的に意味のないアクセスばかりが増え、自己満足だけが残る可能性があります。

アクセスアップはひとつの要素であり、同じアクセスアップでもWebマーケティングに有効的なアクセスを向上させることが意味のあるSEOです。

「SEO」というコトバは結構独り歩きしているような気もします。

何か現状を大きく変えてくれるような、魔法のような印象があって、場合によっては、コンビニに売っている安物の心理学の本にあるような「これであなたもモテモテに!悪用禁止、門外不出の心理学」みたいな印象を持たれることがあるかと思います。

あの手の本を読んだからと言って、その後の人生が大きく変わることはそれほどありません(そういった手法を「冷めた目で見るため」の防御のための知識として知っておくのは良いかもしれませんが)。

確かにホームページへのアクセスという母数がないと、その後のWebマーケティングのコンバージョンは期待することができません。

問題となるのは「アクセスの質」

問題となるのは「アクセスの質」

しかし「アクセス数」が向上したとしても、そのアクセスの質が問題ではないでしょうか?

今回のケースのように、「リファラースパム」によるアクセス数などがいくら向上しても、企業のマーケティングには何の役にも立ちません。

アクセス数はわかりやすい数字ですが、その数字の裏にある本当のユーザー像やユーザーの行動が大切です。

SEOに力を入れだすとどうしてもアクセスの数値ばかりに目が行きがちですが、企業のWebマーケティングの目的は売上向上であり、その手前段階で考えても「問い合わせ数」などが本当に注目すべき数値です。

SEO≒アクセスアップ

SEO≒アクセスアップ

SEO=アクセスアップという図式が一般的な印象ですが、SEOは検索エンジン最適化であって、ホームページのアクセス向上とそのままイコールではありません。

そして、「どのようなユーザーからのアクセスを目指すか?」といったところも、Webマーケティングのプランニングの一つです。

アクセス数が同じ数値でも「どういった検索キーワードでホームページにやってきているのか?」という点も重要です。

同じ月間5000のUU(ユニークユーザ―)獲得であっても、その5000人のご新規の方がどういったタイプの方かによって、ホームページ活用の結果は大きく変わってきます。

SEO=アクセスアップとしてしまえば、極論的にリファラースパムによるアクセスでも「実績としては成功」ということになってしまいます。

基本的なことですが、SEOの効果を測定する際に参考にする場合は、Google Analyticsなどのアクセス解析よりもSearch Console(サーチコンソール)の方が理にかなっています。

SEOを実施して、その効果確認を「アクセス数」にしてしまった場合は、リファラースパムの数値ですら実績になってしまいます。少なくともSEO施策によるアクセスアップ効果の確認は、サーチコンソールの検索順位などを目安にした方がいいでしょう。

アクセス元の言語

アクセス元の言語

もしGoogle Analyticsなどのアクセス解析で、アクセス元の言語が「ru」や「notset」などであれば、たいていリファラースパムです。

アクセス元の言語を確認することで、意味のあるアクセスアップかどうかがすぐにわかります。

海外向けのホームページではないにも関わらず、海外の言語によるアクセスアップがあったのなら、それらは意味のないアクセスです。Google Analyticsなどのアクセス解析上でフィルターを掛け、数値のカウントから除外しましょう。

意味のないアクセスが増えても、問い合わせにしろ、資料請求にしろ、コンバージョンに至ることはありませんからね。

SEOによるWebマーケティング効果をしっかりと確認しよう

SEOによるWebマーケティング効果をしっかりと確認しよう

「グラフとしては確かにホームページへのアクセスが伸びたような気がするけど、いまいち効果の実感がない」

と感じられた場合は、もしかしたらこういった「ごまかし」がある場合があります。

SEOやアクセスアップの実績よりも大切なのは、問い合わせ獲得や資料請求獲得などのコンバージョンです。

どういうSEO施策を行って、どういったアクセスが増えているのかをしっかりと確認し、Webマーケティング効果・Web集客効果を確かめながら改良を進めていくべきです。

まだ問い合わせなどのコンバージョンに至っていなくても、どういったキーワードで検索流入が増えたかを確認したりすることで、SEOによるアクセスアップの実績のごまかしを見抜くことができます。

「うーん変だなぁ…」と思われた場合は、一度弊社までご相談ください。

一般的なホームページに対するSEOはもちろん、WordPressサイトのSEOも手がけております。

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