電話営業や訪問営業とWebマーケティングの決定的な違い

電話営業や訪問営業とWebマーケティングの決定的な違い


今回は、「電話営業や訪問営業とWebマーケティングの決定的な違い」と題しまして、所謂「営業」と「マーケティング」の違いに触れながら、ホームページ制作会社を例として、電話営業や訪問営業とWebマーケティングの違いについてお伝えしていきます。

営業とマーケティングの違いは、極端に言うと、「売りに行って買ってもらう行動」と「自然と売れる仕組み」の違いです。そしてWebマーケティングは、Web上で行うマーケティング、つまりWebを使って自然と売れる仕組みを作ることで達成することができます。

ホームページ制作会社・Web制作会社の中にも電話営業や訪問営業をしているところもあるそうですが、そうした活動の一方で、その会社が「Webマーケティングができるかどうか?」をチェックすることで、自分が依頼して制作してもらうホームページでWebマーケティングが可能になるかどうかがつかめてきます。

リクエストがあったため、またまた友人のインフルエンサー的な形で(文体の雰囲気的に)こうした営業とWebマーケティングの違いについて触れていきます。営業自体は、する方もされる方も嫌なイメージがありますが、決して悪いものではないということだけ、予めお伝えさせていただきます。

ただ、「営業」自体には、どうしても当事者双方に幾許かの心理的負担がかかることは事実です。そしてそれ以上に営業を行う側には複数のデメリットがあります。

営業とマーケティング

営業とマーケティング

「営業とマーケティングは何がどう違うのか?」

そんなことを思っている人も多いだろう。

まずは、営業とマーケティングの違いについて定義していこう。

営業は「何かを売るために話をしたりすること」、マーケティングは「売上を作る仕組み」という抽象度の観点から見ると、営業はマーケティングの一部分という位置付けにはなるが、今回のコンテンツでは、「営業」を電話営業や訪問営業といった、消費者側にとって「不意打ち性」がありながら、製品やサービスを売るために相手に対するアプローチやインタビュー、製品・サービスに対するニーズ喚起やそのプレゼンテーション、そして成約へのクロージングなどのプロセスを踏む一連の活動と定義する。

一方、マーケティングとは、製品・サービスに対するプロモーションなどを行い、反響に対応する形での販売や成約を目指すものであり、いわば消費者側にとって「不意打ち性」が無く、自然な形で問い合わせなどを獲得し、それに対応することで売上を獲得しようという一連のプロセスだと定義しよう。

営業とマーケティングの特性の違い

営業とマーケティングの特性の違い

この両者の特性の決定的な違いは、サービスの提供側と消費側の直接の接点がもたらされる局面において、営業側からのアプローチであるのか、プロモーションの反響による消費者側からのアプローチであるのか、という点である。

例えば、営業であれば、新規の営業先リストから電話営業をかけ、そのまま電話での会話を通じて販売するかもしくは、アポイントメントを獲得するといったフローになるだろう。

この時、電話をかける方も受ける方も多少のストレスを感じるはずだ。

なぜなら全く見ず知らずの得体の知れない者同士が、初めて接点を持つのだから。

一方マーケティングであれば、チラシを配布し、電話問い合わせがあった場面から販売する、もしくはアポイントメントを獲得するといったフローになる。広告物を配布してイベント会場への集客を実施し、その会場で販売するというフローも考えられるだろう。

この場合は、いくらかの予備知識と漠然とした雰囲気を理解しながら、初めて接点を持つことになる。

だからこそ双方にとって、心理的なストレスは営業に比べて格段に少ないものになるだろう

以上のように最初に相手に対してアプローチをかける人物が、サービス提供者側なのか消費者側なのかといった違いが、営業とマーケティングの決定的な違いになる。

営業を行う時の心理負担

営業を行う時の心理負担

例えば、あなたが新入社員で、初めて「電話でアポイントメントを獲得しろ」と上司に命令された時をイメージしてみよう。

不安はなかっただろうか?

受話器を握る手は汗ばみ、電話番号を押す局面で、途中まで入力しながら一度受話器を切り、深呼吸をして、相手の返答に対する切り返しのセリフを考えたりはしなかっただろうか?

そうか不安はなかったか。

それでは、あなたはその仕事が向いている。生まれつきの営業の天才として、経済社会を牽引していこう。

今後もマーケティング、とりわけ以下で触れていくWebマーケティングについての知識は不要だろう。

営業を受ける側の心理負担

営業を受ける側の心理負担

次に営業電話を受ける側になって想像してみよう。

あなたは企業の事業主で、日々の業務に追われている。この後、主要取引先との大事な商談を控えている。

そんな中一本の電話がかかってきた。

「ホームページ制作会社ですが、御社のホームページを拝見させていただきました。現在のホームページに満足ですか?」

確かに満足はしていない。ただ、今はそんなことを考えている暇はない。

「すまないが今度にしてくれるか?」

「それでは資料を持参して訪問させていただきます」

「いや、うちはそんなに興味がない」

「一度お話だけでも」

興味関心がないところに、不意打ちでやってきた電話営業。

あなたの中での「一度考えてみるか」という期待度と「面倒だ」という不快感、そのバランスはいかがだろう?

「ちょうどよかった。相談したかったんだ」

そうか、それならば電話営業に応じて、営業される側を満喫してもらえばいいだろう。

ホームページ制作会社による電話営業

ホームページ制作会社による電話営業

おなじみの方にはもう周知されているとおりだが、私たちは電話営業などは一切行っていない。

新規のホームページ制作に関する電話営業はもちろん、SEOやWebマーケティングといった幅広い分野のすべてにおいて、電話による営業活動は行っていない。

また、電話営業だけでなく、一方的なメール送信による営業活動も行っておらず、当然に飛び込み訪問による営業も実施していない。

その理由はたくさんあるが、最も大きな理由は、Webマーケティングのためのツールとしてのホームページを制作することや検索エンジンからのWeb集客をいわば「商品」としているにもかかわらず、「電話営業」や「飛び込み訪問」などの異なる営業方法、マーケティング方法を採用していたのでは、何の説得力もないからだ。

同時に、ホームページ制作会社が電話営業を行うということは、自社サービスに対する信頼感が不足している証であり、仮に営業ノルマなどがあるとすれば、ノルマ達成のための営業活動ということになり、顧客に対する良いサービスの提供よりも、自社の売上を優先するという、「相手のための活動」といった要素の割合が減ってしまう。

営業の必要性

営業の必要性

ただ、ホームページ制作会社としても営業をする必要性の要素は少なからず存在する。

それは、ホームページ自体が、生活必需品や電気・ガス・水道といった生活インフラのように「黙っていてもニーズがある」というものではなく、提案によって必要性やWebマーケティングのメリットを伝えなければ、購買ニーズが起こりにくいというサービス特性を持っているからだ。

ホームページ制作会社による電話営業などは、「ホームページを利用した集客」に対する自己否定になってしまう要素はあるが、根本的に「そうだ、ホームページを使って集客してみよう」というニーズ自体を既に持っている対象者以外、積極的な問い合わせなどを行わないという側面がある。

だからこそ、ホームページ制作会社による電話営業が、まったくの自己矛盾ということにはならないことは重々承知している。

ただ、少なくとも、ホームページ制作会社が、自社ホームページからの集客をさておいて、電話営業やメール営業にのみ固執し、営業スタッフのマンパワーによる「押しの営業」に依存しているのならば、それは事業自体を否定していることに繋がるだろう。

Webマーケティングへとシフトする

Webマーケティングへとシフトする

しかしながら、そうした提案によるニーズの掘り起こしを「営業」によって行わなくても、ホームページをはじめとしたWebマーケティングツールでマーケティング自体は可能になる。

例えば、ホームページ制作に対する直接のニーズを既にもっている客層であれば、ダイレクトにWebマーケティングを行うことを思いつくだろう。

つまりリスティング広告やSEOによって、いかにもわかりやすいトランザクションクエリなど、競合性の高いキーワードでWeb集客し、問い合わせを得るという方法だ。

しかしこれはニーズが顕在化しているユーザーのみが対象となるため、「販売」と性質は特に変わらない。

営業が必要な部分に関するWebマーケティング活動を行うこと、それは、コンテンツマーケティングに代表されるような新しいWebマーケティングの方法だ。

もちろんホームページ内のオウンドメディアでも良いし、SNSなどの活用でもいい。

ニーズがなかったところ、もしくはニーズが薄かったところに、強烈なニーズ、つまりウォンツをもたらす、という意味では、「営業」と同じような性質や効果をもたらしてくれるだろう。

そう考えると、一般的な「営業」で行っていることの比重を低くして、Webマーケティングにシフトしていくほうがサービス供給者側、消費者側双方にとって、ストレスが無くなっていく。

営業の重大なリスクとWebマーケティングの魅力

営業の重大なリスクとWebマーケティングの魅力

Webマーケティングを行いたくても、客層がインターネットとは無縁の場合もある。だからこそ、営業が必要な場合もあるし、Webマーケティングを実施しながらも、営業活動や他のマーケティング方法を利用する必要性がある場合ももちろん想定できる。

しかしながら、実は「営業」には、重大なリスクが内在している。

それは、「営業して、断られることによって嫌われていく」といった短絡的なものではなく、自社の心理的な側面でのリスクだ。

こうした自社内部における心理的な側面に対してのリスクはあまり語られることがない。

しかし極めて重要なポイントであることは断言しておこう。

営業しなければ売れない

営業しなければ売れない電話営業・メール営業

例えば、電話営業やメール営業で、スタッフ個々人の「営業力」に依存した売上獲得を軸としている場合、次のような思い込みを形成していくことになる。

「営業しなければ売れない」

常に営業活動に依存するという構造になると、「自分たちの製品やサービスは、営業をしなければ売れないものなのだ」という思い込みを強化してしまう。

それが「押しの営業」や「お願い営業」だった場合、そして「数を打てば当たる」という構造で意気消沈しながら次へ次へと焦燥感にかられているようなケースでは顕著だ。

例えば、営業で値引き交渉をされてそれに応じた場合は、「値引きしないと売れないようなものを売っている」「価値の低いものを売っている」という無意識下の抵抗感を加速させてしまう。

そうした思い込みを強化し、それでもなお営業を続けるのであれば、そのエネルギーを一般的なマーケティングやWebマーケティング方法へとシフトしたほうがいいだろう。

極端に言えば、例えば、フェラーリやポルシェがそうした「お願い営業」をするだろうか?

営業先リストを用意し、電話アポや飛び込み訪問営業を喜んで行うだろうか?

国産のコンパクトカーの見積書を出されて、値引き交渉に応じるだろうか?

おそらく、誇らしく自社製品を愛し、堂々と販売対応に応じているだろう。

Webマーケティングの土台として資産を蓄積する

Webマーケティングの土台として資産を蓄積する

そして、営業を行って空振りになったとしても、フルコミッションでない限り、その分の人件費は必ず失われていく。

それならば、ブランディングやマーケティングの土台として資産を蓄積していくほうが賢明ではないだろうか?

とりわけWebマーケティングにおける、コンテンツマーケティング導入などでは、コンテンツが情報資産として蓄積されていく。単発的な効果だけではなく、資産として長期に渡ってWebマーケティング効果をもたらしてくれるという特性を持っている。

少なくともホームページ制作など、Webマーケティングに関連する業種なのであれば、そうしたマーケティングを自社で実施してみたほうがいいだろう。

え、他のホームページ制作会社がそれをやりだしたら、ライバルが増えるって?

それこそ私たちの本望だ。自分たちの限界を高めてくれるライバルなのであれば、それは私達にふさわしい。

それ以上のサービスを生み出すきっかけになるのだから。

ただし、製品価格やローカルでの知名度といった事実的な部分で争うつもりはない。

Webマーケティングのドラスティックな改革

Webマーケティングのドラスティックな改革

Webマーケティングにはたくさんの方法がある。ホームページへのSEOやリスティング広告といった代表的なものから、コンテンツマーケティングやSNSの利用などコンテンツ配信にかかわるもの、そして、現在ホームページを利用しているのならば、根本的なホームページのユーザー訴求力向上といった改善策まで幅広く検討することができる。

ただし、できればそうした現状の延長のWebマーケティング効果改善といった細切れの施策よりも、企業内でのマーケティングプロセスの設計を含めた、Webマーケティングのドラスティックな改革をおすすめする。

既存の「営業」のためではなく、独立したWebマーケティングとして

既存の「営業」のためではなく、独立したWebマーケティングとして

特に電話営業や訪問営業主体で、その補助ツールとしてのホームページの利用を検討している場合であれば、ホームページを「営業のための道具」として考えるのではなく、ホームページを主体としてWebマーケティングのプランニングをするべきだ。

そうすることで、例えば京都市内の少ないパイの取り合いでの優位性を目指していたものが、対象が全国になる。

こうしたWebマーケティングへとシフトするためには、全国規模に合わせた製品・サービスやマーケティングの全体的な再プランニングが必要になるだろう。

地域性の高い店舗のホームページ運営でも、全国を対象とするわけにはいかないかも知れないが、アクセス数自体の向上によってユーザー層を幅広く獲得しながら、コンテンツで特色を押し出すことで、マッチ性の高いユーザーの来店が増えるだろう。そうするためには、既存ホームページの改良において、既存の延長よりも思い切ったリニューアルが功を奏す場合が多い。

あなたのビジネスにおいて、なるべくストレスと営業ロスが無くなり、顧客の満足度も高いマーケティングが実現しますように。

Webマーケティング


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