すっかり秋らしくなってきました。風が心地よくなってきましたね。ちょうど本日、花桃の実が枝から落ちました。旬の食べ物がまさに「旬」となったことを知らせる合図です。
さて、今回は、いつもと少し趣旨を変えまして、「キュレーションサイト」についてお伝えしていこうと思います。一言で言うと、Web上はおろか、この世にほとんど必要ないものだと考えています。
(初回投稿 2016年10月時点。その後、キュレーションサイトは正確性や著作権の問題で社会問題となり、Google検索においても2017年2月に「日本語検索アップデート」呼ばれる検索アルゴリズムのアップデートを実施されました。この対応によりキュレーションサイト(キュレーションメディア)は概ね姿を消しました)
なぜなら、そんなところでまとめ化、ランキング化されなくても、Google等の検索エンジンで十分だからです。
そして、その検索結果リストを一番汚しているものは、キュレーションサイトです。
今回は、前回の「Web上でのお店探し どのようなランキングや情報を信用するか」の続きといえば続きです。最後の方に触れました、次の点に関する事柄と関連しています。
本当にウェブ上でお店を探さざるを得ない状況になった場合、どうやって飲食店を探すかという問題ですが、少しマニアックですが心がけている方法があります。
① 付近の地名と飲食店のジャンル名でGoogle検索
② 飲食店情報サイトを検索結果から除外するために「-対象ドメイン」で絞込
③ マップ検索表示で位置を確認しながら公式サイトを確認
④ 公式サイトの裏にある「熱意」を読み取って決定
それでは、キュレーションメディア、キュレーションサイトについて、少し触れていきましょう。
キュレーションサイト
キュレーションメディア、キュレーションサイトとは、いわば、「こんな記事がありました」ということを「まとめ」と称して自分のサイトでうまく流用してサイトコンテンツを増やし、メインドメインパワーを増強させて、他人が作ったコンテンツをまるで自分が作ったかのように再配布して検索エンジンからのアクセスを獲得しようとするサイトです。
「キュレーション」という言葉が、おそらく馴染みのない言葉なので錯覚しがちですが、言葉の柔らかさでイメージをすり替えただけで、人の作ったものを「引用」という口実で盗んでいるに過ぎません。
なぜなら、法律上の引用の定義は、主従関係が明確である必要があるからです。
主従関係を考えたとき、集めてきたコンテンツに数行のコメントを加えるだけで、そのコメント部分が「主」だと主張しているようなもので、一般的な良識がある人が見れば、それは引用部分が「主」になっているとは思えないはずです。
また、類似コンテンツをページ内にリスト化することで、引用部分の比重を下げようとしていますが、人間の感性で考えると、その程度では、主従関係が逆転したとは考えることができません。
「キュレーション」とは何か
元々、「キュレーション」とは何かを考えると、美術館をイメージしてもらえればわかりやすいかもしれません。
先日京都でも、「ダリ展」などがありましたが、この場合、京都市美術館がキュレーションサイト、そしてダリ展自体が一つのコンテンツのようなものです。
京都市美術館は画家の「ダリ」ではありませんが、やはりダリの絵を集めて分類して配置するということは通常庶民にはできません。
だからこそ美術館として、キュレーターとしての価値があると考えることができます。
ダリの絵画を世界中から借りてきて、一つの場所に配置して、それを価値とする、これならば、お金を払ってでも行きたいと思います。
そして、ダリ展に訪れた人、ダリ展を企画した人、すべてが、ダリに対して敬意を持つはずです。
仮にダリ展に訪れた人がこの企画を開催した美術館を評価したとしても、その人も美術館も、集めてきたことに対する評価の先に、ダリへの評価があるはずです。
Web上のキュレーション
しかしながら、Web上のキュレーションはいかがでしょうか?
ただ、検索結果リストを奪うために運営しているのではないかという疑念を感じます。
「評価としてリンクを渡しているのだからいいだろう」
おそらくそんなことを考えているでしょう。
最近ではそれ以上にリライトによって、引用していることすら隠すケースがあるようです。
ラーメン屋さんよりラーメン通を評価することと同じ
キュレーションサイトにコメントや「いいね」のようなものを落として、キュレーションサイトを盛り上げることは、美味しいラーメンを作る職人よりも、ラーメン通を評価していることと同じです。
あまりに優れた全国屈指のラーメン通の方が書いた書籍クラスならば一定の評価をすることもできます。
しかしながら、庶民レベルで、友達よりも少しラーメン店に詳しいくらいの知識レベルでの「ラーメン通」がリストアップしたリストに、それほどの価値はありません。
少なくとも、そのラーメン通よりも、ラーメン屋さんを評価するべきです。なぜなら、ラーメン通は、美味しいラーメン店を知っているだけで、美味しいラーメンを作れるわけではないからです。
しかしながら、まだまだ検索エンジンでは、様々な低レベルのラーメン通が集めたリストを「数で勝負」と言わんばかりに評価しています。
「私もトップラーメン通に」という競争心を駆り立てるような仕組みもあります。
しかし、それはアマチュアの領域です。
そして、その結果一番恩恵を受けるのは、キュレーションサイトです。
美味しいラーメン屋さんよりも。
サイト内検索で片付けるべき
例えば個人のブログや企業ホームページのオウンドメディアだと、どうしてもコンテンツ量としては、数百ページくらいか、長年運営しても4桁くらいでしょう。一方キュレーションサイトは、ボタン一つで生成できることが多いため、爆発的なコンテンツ数になります。
だからといって、検索エンジンがキュレーションサイトをむやみに評価することは、検索エンジンそのものの価値を失うことになりかねません。
たとえば、検索エンジンの検索結果順位のトップ10のサイトの一部を引用してリンク付きのリストにした場合、そのページをハブページとして、検索結果トップ10にランクインさせることは、検索エンジンそのものの機能や価値自体に疑いをかけられてしまうのではないでしょうか?
キュレーションサイトや「まとめ」として、そのサイト自体のキュレートに価値があるとするのならば、サイト内部の検索だけで終わらせてみてはいかがでしょうか?
本家ページよりも上位に来ていることがおかしい
おかしな現象の一つは、あるページよりも、そのページを引用したキュレーションサイトのページのほうが上位に来ていることがあるケースです。
引用したページが上位に来ていいのは、その引用元ページにさらなる情報を加えて、付加価値を付けた場合です。
しかしながら、その「プラスの情報」が何かと言えば、その他の引用ページへのリストです。
引用文と引用文をくっつけただけで、情報量が多く、ドメインパワーがあるからと上位に表示されている場合があります。
特にページのコンテンツ分量が少ないとこのようなことになるでしょう。
一時期に比べれば大手「なんとかまとめ」の検索順位は下落してスッキリしましたが、新興のキュレーションサイトが、またいたちごっこのように出現してきています。
しばらくすると以前の「○○まとめ」みたいに下落していくでしょう。
でも、待てない!
そこで、少しでも検索の精度を上げるために、やはり「-」(マイナス符号)付きでの検索をおすすめします。
マイナス符号付きでの検索
Googleの検索エンジンは、検索キーワードの先頭にマイナス符号「-」をつけると、そのキーワードを除外した検索結果が表れます。このマイナス符号の使い方は、前回お伝えしたとおり、ドメインでも有効です。
「ああめんどくさいなぁ」と自分でも思います。
かなりめんどくさいんです。
でも検索の精度を上げるためには、今のところこれくらいしか術はありません。
ドメイン単位でもいいですが、キュレーションサイトには共通のタイトルがついているはずです。
サイト名ですね。
そのサイト名の先頭に半角のマイナス符号をつけることで検索結果から除外することができます。
例) -○○まとめ
検索ボックスにキュレーションサイトのドメインやサイトタイトルのマイナス符号をつけて、一度検索し、その検索結果画面をブックマークしておくと、次からは先頭に検索したいキーワードを入力するだけでよくなります。
毎回マイナス符号を付けて検索するのは手間ですから、こうした工夫で「精度の高い検索」が簡単になり、キュレーションサイトの汚染を解決することができます。
マイナス符号付きでの検索回数が爆発的になったときにはどうなるんでしょう?
まあそれはおいておいて、キュレーションサイトへのクリック率が激減した場合はどうなるでしょうか?
下手にキュレーションサイトにコメントを残したりアクションを起こすよりも、世の中を少し変えられるかもしれません。
検索結果が浄化されることを祈っております。
キュレーションサイト(キュレーションメディア)のその後
追記
本記事を公開して間もなく、世間を騒がせた「welq」を筆頭に数々のキュレーションサイトが姿を消しました。未だに引用だけで残っているサイトもたくさんありますが、社会全体のの動きや検索エンジンのアルゴリズムアップデートに期待しています。
少なくとも、本家のページよりも検索順位が下に来るはずのキュレーションページが上位表示されることはおかしいと思っています。キュレーションサイト内ユーザーの回遊をメインとして、検索結果ではキュレーションサイトのページが特に表示されないような仕組みが出来上がれば、もっと理想的なWeb空間になっていくと考えています。
(その後、2017年2月3日にGoogleは、「日本語検索アップデート」呼ばれる検索アルゴリズムのアップデートを実施しました。これは、キュレーションサイト(キュレーションメディア)を中心に「コンテンツの正確性や独自性」が低いサイトのページの評価を調整するアップデートです。)
日本語検索アップデートの真相
2017年2月3日、Googleは日本語検索の品質を向上させるため、大規模なアルゴリズム更新を実施しました。これは「日本語検索アップデート」と呼ばれ、日本のインターネット市場に特化した異例の施策でした。
このアップデート以前の検索結果では、他のウェブサイトから情報を転用したり、表現を少し変えたりして大量生産された、質の低いキュレーションサイトが上位を占めることが多くありました。特に医療や健康といった、人々の生活に直結する分野で、不正確な情報が溢れることが社会的な問題にもなっていました。
Googleは、ユーザーにとって信頼性が低く、価値のないコンテンツの検索順位を大幅に引き下げる決断を下しました。その結果、オリジナリティがあり、時間をかけて作られた質の高いコンテンツがより正当に評価されるようになりました。
この出来事は、一時的にウェブサイトの順位を大きく変動させ、多くのウェブ担当者に衝撃を与えました。しかし、それは「本当に価値あるコンテンツを作っている人たち」が評価されるための必然的な流れだったと言えるでしょう。
キュレーションサイトの終焉
日本語検索アップデートは、多くのキュレーションサイトにとって、事実上の終焉を意味しました。特に大規模な事業者によって運営されていたキュレーションサイトは、軒並み検索順位が下落しサービス閉鎖や記事の大量削除に追い込まれる事態が相次ぎました。
これは単なる技術的な問題ではありません。読者にとって何の価値ももたらさない、情報の寄せ集めや、無責任な内容のコンテンツは、もはや必要とされなくなったということです。
この出来事は、コンテンツ制作における大切な教訓を私たちに改めて示しました。それは、小手先の技術ではなく、「誰のために、何のために、そのコンテンツを作るのか」という、もっとも基本的な問いかけに向き合うことの重要性です。
そして時代は巡り、今またかつてのキュレーションと似たような手法が蔓延しようとしています。AIによる自動生成です。自分の頭や労力をほとんど使わず、簡単に検索上位を狙うための手法としてAIに記事を書かせるやり方が増えてきました。
しかし、AIが生成する情報は、既存のデータを学習したものであり、そこには新しい発見や、筆者自身の体験といった、人間にしか生み出せない深みがありません。過去のキュレーションサイトがそうであったように、AIが作っただけのコンテンツは、いずれ検索エンジンの評価を失っていくでしょう。
SEOや検索エンジンとChatGPT GeminiさんがAIコンテンツ制作に喝を入れてくれるそうです
これからのコンテンツ作りのために
これからの時代に求められるのは、情報の網羅性だけではありません。
そこに「あなただけの視点」や「あなただからこそ語れる物語」がなければ、それはただの情報の焼き直しでしかありません。
大切なのは、読者の心を動かし、知的好奇心を刺激するような、奥深く、価値あるコンテンツを丁寧に作り上げていく姿勢です。これは、事業規模の大小に関わらず、すべてのコンテンツ制作者にとって極めて大切な視点だと言えるでしょう。
(初回投稿日 2016年10月7日)