「ウェブコンテンツの優位性 アーカイブとしての情報蓄積」でお伝えしましたが、ホームページ(ウェブサイト)上のコンテンツにはアーカイブ性があり、単発の効果だけでなくどんどん情報が蓄積されていく特性を持っています。
このアーカイブとしてのウェブコンテンツの蓄積は、単純に一度のPR用記事が半永久的に残るだけでなく、同一テーマのコンテンツが増えることによるSEOの相乗効果もあります。
単一の記事としては、検索エンジンにおいてそれほど注目されていなかったコンテンツも、情報蓄積によってウェブサイト本体・全体の評価が上がり、検索順位が向上することがあります。ただ、やはりコンテンツには積み上がっていくストック情報と時系列的に流れていくフロー情報があります。
今回は、ウェブコンテンツの大分類としての「ストック情報」と「フロー情報」について触れていきます。
このストックとフローは、一般的な「ストックとフロー」と同じです。ストックは固定的、フローは流動的といった意味合いになります。
ストック情報とフロー情報

ウェブコンテンツを分類していく上でのストック情報とフロー情報ですが、まずこのストックとフローについて簡単にご説明していきます。
ストック情報とフロー情報についての概要は次のとおりです。
- ストック情報 「会社概要」など、特に変更されることのない代表的な情報(固定ページなど)
- フロー情報 「お知らせ」など、時系列的に流れていく情報(投稿など)
端的にストック情報とは、固定的な情報であり、フロー情報は短期的には役目がありますが、時間の経過とともに役目を終える性質のある情報です。Webマーケティングの戦略設計においては、コンテンツの種類ごとにストック情報=「長期資産型」、「フロー情報」=「短期トラフィック型」に分けて、長期的なSEO資産構築とQDF(ホームページのコンテンツの新鮮さと正確性 QDFアルゴリズム)対応のためのリソースを確保し、これらを並行して行うことが集客力を高めていきます。
ストック情報

ストック情報とは、植物で言えば木の幹の部分にあたる
通常ストック(stock)とは、蓄えられたもの、備蓄されたものという意味があり、ストック情報とは何かを考えれば「固定的な情報」を意味します。
実際には、ホームページ上のコンテンツは、削除しない限り消えていくわけではないので、全て「蓄えられている」と考えることができますが、ここでは、あまり変更することのない代表的なページという意味になります。
ホームページ上で言えば、内容に若干の変更はありつつも「会社概要」などのページは特段変更されることはありません。頻繁に住所や社名、電話番号が変更されるケースはあまりないからです。
WordPressでいえば固定ページのようなページで、会社概要のような特段変更されることのないページを指します。
情報の中でも、重要で固定的な部分が掲載されているものがストック情報です。
フロー情報

フロー情報とは、植物で言えば短期間で役目を終える葉や花や実にあたる
一方フロー(flow)とは、流れるという意味があるため、時系列的に流れていくような情報コンテンツを意味します。
WordPressでいえば「投稿」のようなページで、配信コンテンツなどがこうしたフロー情報に該当します。
最もわかりやすいのは「休業日のお知らせ」のようなページです。
その期間が経過すればほとんど価値をなさないような「流れていく情報」がフロー情報です。
一定期間が経過すると役目を終えて流れていく情報
ただ、通常の記事コンテンツでも、新規記事が配信されていけば過去記事としてどんどん後ろの方に流れていくので、広い意味ではフロー情報に該当すると言えるでしょう。
特にわかりやすいフロー情報は、「休業日のお知らせ」などです。ある時期には非常に重要な情報となりますが、一定期間が経過すると役目を終えて流れていく情報の最たるものと言えるでしょう。
それでは、ホームページ上のウェブコンテンツの分類として、ストック情報とフロー情報の特性、そして、アーカイブ機能によってフロー情報をストック情報化していくことと、そのメリットについてお伝えしていきます。
ウェブコンテンツの分類 ストック情報

ウェブコンテンツの分類としてのストック情報とは、コーポ―レートサイト(企業ホームページ)であれば、会社概要、固定的な製品・サービス。細かいところになると会社所在地や電話番号などになります。
通常の企業のホームページ制作における、事実情報ページやメインとなるコンテンツページが該当します。
ここでいうストックは「固定的」ですが、完全に固定されたものではありません。
ウェブコンテンツの分類におけるストック情報も、固定的ではありますが、完全に変動しないものではありません。可能であれば常にアップデートをしていくべきです。
会社概要の内容が変更となる場合もありますし、企業のサービスが変更となる場合もあるからです。
しかしながら、ストック情報としてこうしたページの特性・属性として考えた時、ホームページ(ウェブサイト)の中のコンテンツとしては、あまり更新がなく、内容の変更が行われにくい箇所になります。
商品やサービスの紹介ページであったり、それらの詳細ページへのリストページも、場合によってリスト内容は変わっていきますが、リストページ自体は固定的なページです。
ストック型のページはむやみに更新頻度を高める必要はありませんが、ある程度の情報の鮮度を保つことも重要です。SEO面ではQDFが影響する場合でも情報鮮度が評価されるように定期的なリライトと内部リンクの最適化が求められます。
ソーシャルネットワークでのストック情報

ソーシャルネットワークでのストック情報としては、Facebookページであれば、タブとしてメニュー化している項目やテーマごとの写真などのカテゴリーページになります。
ソーシャルネットワークはフロー要素の強い投稿がメインとなるため、ストック情報としてのページはそれほどありませんが、名称・所在地・連絡先など、基本情報などが掲載されているページはストック情報です。
ホームページ(ウェブサイト)内の根幹となるページ

ホームページ(ウェブサイト)を構築するにあたり、まず第一に重要なのがストック情報です。
あまり変動がなく、ホームページ(ウェブサイト)内の情報の根幹となるページの生成(ストック情報ページ)、そして、次のフロー情報をまとめるハブページとしてのリストページの生成です。
端的には、「主要ページ」と「一覧ページ」です。
企業ホームページであれば会社概要やサービス案内、価格表などが主要ページに該当します。
それら主要ページを案内するリストページやフロー情報をまとめたリストページが一覧ページです。
ただ、リストページとしては固定的であるものの、内容が変動していくように、メインとなるコンテンツの内容も場合によっては追記などの編集が必要になります。
特に店舗など来訪型ビジネスの場合、定休日、営業時間の変更などをホームページ(ウェブサイト)上で更新しないことは、ウェブユーザーだけでなくすべてのお客さまに影響を与えることがあります。
ウェブ上の様々なCGMや、知らないところで生成されるウェブサービス上の情報により、ユーザーが混乱する可能性がありますので、ウェブコンテンツの根幹部分、ストック情報に関しては、公式情報としての正確な情報の発信が求められます。
ウェブコンテンツの分類 フロー情報

ウェブコンテンツの分類としてのフロー情報は、オウンドメディア運営における記事の投稿であったり、ソーシャルネットワークでの写真、リンクなどの投稿になります。
ウェブコンテンツとしてのフロー情報は、流動的であり、ストック情報に比べて情報の寿命が短く流れていくコンテンツになります。
期間限定の製品やサービスなどは、フロー情報に該当します。休業日のお知らせなどのお知らせコンテンツページも該当するでしょう。
ECサイトにおいても、定番商品のページはストック情報に近い性質を持っていますが、一点ものや期間・数量限定商品は、ある期間を経過したあとは販売されないため、ウェブコンテンツとしてはフロー情報になります。
比較的短文であってもフロー情報はユーザーとのコミュニケーションやウェブPRとして、良い機能を持っています。しかしながら、やはりコンテンツが流動的であり、ストック情報ほど重要なものではありません。
リストページやリスト項目

ホームページ(ウェブサイト)上のリストページやリスト項目でも。リストの中身としては時系列的に流れていくコンテンツではありますが、リアルタイム性があるため、ウェブPRとしては臨場感があり、PRとしては効果はストック情報よりも高くなる場合が多いでしょう。
リストの中身はどんどん変化していきますが、一覧性も高く、アーカイブ機能としてのユーザービリティ向上にも役立ちます。
ユーザーとのコミュニケーション(フロー情報)

ウェブコンテンツのストック情報は事実的なコンテンツが多いですが、フロー情報は、「流れていくコンテンツ」のため、ユーザーとのコミュニケーションに軸を置くこともできます。
効果は単発的でありながら、そのタイミングでの情報としての価値、特定のユーザーに対しての価値が瞬間的に高いことが特徴的です。
特にコメント機能のついたCMSやソーシャルメディア上でのコメントは双方向性があるため、まさにコミュニケーションツールとしてはPR力が強くなります。
「フロー」で集めて「ストック」で留める最強のハイブリッド運用術
ストック情報とフロー情報の違いを理解することは大切ですが、実際の現場ではこれらを明確に区別して管理する必要はありません。むしろ、この2つをうまく循環させることこそが、少ない労力で大きな成果を生む近道です。
多くの企業が、SNS(フロー)の運用に疲れ果てていたり、ブログ(ストック)を書いても誰にも読まれずに放置していたりします。ここでは、それぞれの弱点を補い合う具体的な連携テクニックをお伝えします。
SNSの投稿を「使い捨て」にしないリサイクル術
X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSは、フロー情報の代表格です。素晴らしい投稿をしても、数日経てば誰の目にも触れなくなります。これは非常にもったいないことです。
もしSNSで反響があった投稿や、熱心に語った内容があれば、それを肉付けしてホームページ(ウェブサイト)のブログ記事(ストック情報)に書き直してみてください。
SNSですでに反応が良いとわかっているネタなので、記事にしても読まれる可能性が高いです。また、一からネタを考える時間を節約できます。フローから生まれた熱を、ストックという資産に変えて保存する。この習慣をつけると、コンテンツ作りが劇的に楽になります。
過去の資産記事は、何度でもSNSでシェアして構いません
逆に、一生懸命書いたブログ記事(ストック情報)を、一度SNSでシェアしただけで満足していませんか。
フロー情報のタイムラインは流れが速いため、一度の投稿ではほとんどのフォロワーが見ていません。自信のあるストック記事であれば、切り口を変えたり、アイキャッチ画像を変えたりして、何度でもSNSで紹介すべきです。
「また同じ記事だと思われないか」と心配する必要はありません。受け手にとっては、そのタイミングで初めて目にする新鮮な情報であることがほとんどです。ストック記事という燃料があるからこそ、フローという炎を絶やさずに燃やし続けることができます。
AI時代だからこそストック情報は「情報の鮮度」に注意
ストック情報は「長く価値が変わらない」とされていますが、放置してよいという意味ではありません。特に最近の検索エンジンやAIは、情報の新しさを重視する傾向にあります。
3年前に書いた「最新情報」というタイトルの記事がそのまま残っていると、検索エンジンだけでなく、訪れたユーザーからの信頼も失ってしまいます。
ストック型のコンテンツであっても、半年に一度は見直し、古い日付や変わってしまった情報を更新するメンテナンスが必要です。これを怠ると、せっかくの資産が「古びた情報」という負債に変わってしまいます。
運用に疲れないために、重心をどこに置くかを決めます
全てのメディアに全力投球しようとすると、リソースが足りずに共倒れしてしまいます。自社の事業にはどちらが合っているかを見極め、軸足を置く場所を決めることが重要です。
例えば、流行り廃りの早いアパレルやイベント業なら、フロー情報(SNS)に8割の力を注ぎ、ホームページはカタログとしてシンプルに保つのが正解かもしれません。逆に、士業やBtoBの製造業など、信頼性が重視される業種なら、ストック情報(専門記事)の充実に時間を使い、SNSはその更新通知として割り切って使うのも良い戦略です。
「流行っているから」ではなく、「自社の商材はどちらの性質に近いか」で力の配分を決めてみてください。
アーカイブ機能の一工夫でフロー情報をストック化する

まとまりのないフロー情報は、流動的であり時系列的に流れていきますが、ホームページ(ウェブサイト)にはアーカイブ性があります。
WordPressなどのCMSにおける「カテゴリページ」など、単発のコンテンツ同士を一つの項目としてまとめる機能を用いれば、フロー情報であっても、ストック化することができます。
内容自体は通常のストック情報よりも厳密ではありませんが、たくさんのウェブコンテンツがまとめられたページは、フロー情報を単一で終わらせること無く、再利用を可能にしてくれる場合があり、仔細な情報を求めるユーザーにとっては、良いウェブコンテンツになります。
ただ、「おはようございます。本日は晴れですね」といった毎日の挨拶のような短文のコンテンツをリスト化することはあまり意味がありません(リスト化することにはあまり意味がありませんが、そのような投稿自体は良いものだと考えています)。
アーカイブ機能によってコンテンツの価値を高める

ホームページ(ウェブサイト)のアーカイブ機能を利用することによって、同一のコンテンツ内容であっても、それらコンテンツの価値がまとまることによって、ウェブサイトの価値は変わります。
ウェブサイトの運営において、ウェブコンテンツに対するサイト構造が、どのような構造・編集形態であれば、ウェブユーザー、検索エンジンにとってより良い形なのかを考える必要があります。
換言すれば、ウェブサイト運営において「同じだけの情報量であれば、そのコンテンツをどう配置して表現するのが最適か」ということが一つの課題になります。
まずは、ストック情報とフロー情報をそれぞれどれだけ制作するか、そして、フロー情報をストック的にどう活かすかということを検討することがウェブサイトを制作・運営する上で重要になるでしょう。
(初回投稿日 2016年3月21日)






