あなたがホームページを公開しているのに「お問い合わせ」が来ない場合には、幾つかの特徴や原因があり、「お問い合わせが来ない理由」が存在しています。
「ホームページから問い合わせが来ない…それどころか問い合わせが来たことがない」
「問い合わせ以前に、ホームページにアクセスすら無い…」
ホームページへの問い合わせが全くない状態からの脱却や、ホームページからの問い合わせ数をより増やすためには、いくつか重点的に検討すべきポイントがあります。
ホームページを持たない会社もありますが、それを「信じられない」とは思いません。ホームページを持たなくても集客の流れがあるということですからそれは問題ありません。ただ、「ホームページを利用した集客や出会い」という新しい可能性をまだ体験していないのは「もったいないなぁ」という印象を持ちます。
一方、ホームページを持っているにも関わらず、アクセスが無かったり、問い合わせが無い状態で放置されている状態のほうが「信じられない」という印象を持ちます。
前回、ホームページを有効活用するための様々なチェックポイントについてお伝えしましたが、今回は、少し荒々しく「あなたのホームページに「お問い合わせ」が来ない本当の理由」と題しまして、いわば「ホームページを有効活用できない理由」について重点的にお伝えします。
少しタイトルが今までとは違った感じです。それに伴いまして、今回は友人の某インフルエンサーブログ的な書き方でいきましょう。
それでは、ホームページからのお問い合わせが来ない理由の概要を経て、前回の記事の要所をおさらいしてから本題に移りましょう。
ホームページからのお問い合わせが来ない
あなたは、今、「どうして高額な費用を投入したのに、ホームページからお問い合わせが来ないか?」を疑問視しているだろう。
そうしたことを疑問視することは良いことだ。
一部の成功ケースや偶然を除いて、社会の大半の企業が、ホームページを公開しながらもホームページを活用したWebマーケティングに成功していない。
そもそもホームページ自体にマーケティング効果があるのかを疑問に思う人もいるだろう。
企業がホームページを活用する場合の目的は、ホームページを公開することで、営業マンの代わりに24時間プロモーションを行い、人や労力を使わずして「お問い合わせ」を獲得する、一つの販路を得ることである。
その期待があって、高額なホームページ制作費を投入したはずだ。
しかし、待てど暮らせどお問い合わせはやってこない。それどころかホームページへのアクセスすらほとんどない。
知人には「住所と営業時間確認用の名刺みたいなものだから」と説明している。いやそう説明せざるを得ない。
ホームページからのお問い合わせはやってこず、売上が上がった試しがないのだから。
ホームページを公開しているだけで集客ができる
「ホームページで集客ができる」
1990年代後半から2000年代前半のインターネット黎明期にホームページを利用しだした企業は、その集客効果に驚いただろう。
「ホームページを公開しているだけで問い合わせがやってくる」
そんな先行者利益を得たのは、一部の企業にしかすぎない。
手軽に始められることが受け、ホームページ制作会社が筍のように現れ、そして広告業界の事業多角化やフリーランサーの登場で、ホームページ制作事業は勢いを増し、それに応じてインターネット空間にはたくさんのホームページが登場した。
その後気軽に個人でもブログを運用したり、無料ホームページやソーシャルネットワークも登場した影響で、Web空間の情報量は爆発的に増えた。
その中で、インターネット黎明期にホームページからの集客を叶えていた企業も、同業の競合が増え、また、Webユーザーの興味関心の多様化で、そのマーケティング効果は著しく低下していった。
「ホームページを公開しているだけで集客ができる」という状況は、もはや過去のものになった。
なぜWebマーケティングの結果が出ないのか?
企業がホームページをマーケティング利用するにあたって、ホームページ制作費を予算化して実際に公開したにもかかわらず、なぜいつまで経ってもお問い合わせといったマーケティングの結果を得ることができないのか?
それは、ホームページを有効活用するために必要な、様々な要素のうちのどれかが欠落しているからだ。
「ひとまずホームページを公開すれば、自動的に新しい問い合わせがやってくるはずなのではないのか?」
競合サイトもたくさんあり、次から次へと毎日たくさんの情報が追加されていくWeb空間の中で、「ホームページを公開しているだけで集客ができる」という状況は、現代において希望的観測にしかすぎない。
お問い合わせを獲得する・問い合わせ数を増やす
「ホームページ制作費に30万円支払ったのに…」
「ホームページ制作とSEOで100万円近く予算を注ぎ込んだのに」
そういったケースは一般的に想像されているよりも多い。
「ホームページからお問い合わせを獲得する」「ホームページからの問い合わせ数を増やす」こういったことはホームページそのものの価値として、目指すべき結果であることは揺るぎない。
そこで、結果の出るホームページを考えた時に、Webデザインが秀逸なものであることは必須要素ではない。
一方むやみにブラックハットSEOやリンク購入で検索結果順位を向上させるだけで、「お問い合わせ」が爆発的に増えるということもない。
なぜホームページ制作に費用を掛けたにもかかわらず、結果が出ないのかを考える際には、利用しているホームページをよくよく分析する必要がある。
それは、根本的なホームページのコンセプトに問題があるのかもしれない。
それは、現在利用しているホームページに流入経路がなく、ユーザーとの接点がないからかもしれない。
もしかすると、社名と連絡先だけの案内板のように、「何についてサービスを展開しているのか」ということがつかめないホームページなのかもしれない。
電話問い合わせをすればいいのか、メールフォームで問い合わせればいいのか、ひとまず資料請求をすればいいのか、といった「問い合わせ方法が不明瞭」なことに原因があるかもしれない。
お問い合わせ件数ゼロ件であれ、多少のお問い合わせがある場合であれ、ホームページからの問い合わせ数を増やしていくためには、様々原因を調査し、ホームページを有効活用するための改良ポイントを洗い出していくしかない。
ホームページ有効活用のチェックポイント
企業がホームページを運用する上で、お問い合わせ獲得や資料請求といったWebマーケティングにつなげるためにはいくつかの考えるべき要素がある。
ホームページからの問い合わせ数ゼロからの脱却や現在よりも問い合わせ件数を増やしたい場合にでもこの要素のチェックは有効だ。
企業がホームページを有効活用するためには、前回の記事「ホームページを有効活用するためのチェックポイント」で触れたとおり、ホームページ制作やホームページの運用において次のようなポイントが必要になる。
- 「ホームページの公開とホームページの明確な目的」
ホームページを制作し、利用する前提として、コンバージョンの対象となる製品やサービスが明確にあること
⇒ホームページ制作を行う前にホームページの明確な目的を決定する - 「ホームページの目的に沿ったコンテンツが整っていること」
きちんと人に説明できるレベルで、その製品やサービスを熟知し、ホームページのコンテンツとして落とし込むことができていること - 「ホームページとユーザーとの接点を確保していること」
SEOやリスティング広告、ソーシャルの利用でホームページのアクセスを確保し、ユーザーとの接点ができていること - 「Webマーケティングのコンバージョンへの設計がなされていること」
お問い合わせといったコンバージョンに至るための導線が確保されていること - 「企業のサービスとユーザー層のマッチングのズレの修正やマーケティング効果が発生する閾値までホームページの改良を繰り返していること」
それぞれの施策にズレがないこと、ホームページを改良していくこと
SEOやリスティング広告・アドネットワーク広告の利用、コンテンツマーケティング、ソーシャルメディアマーケティングといったものは、3の「ホームページとユーザーとの接点を確保すること」につながる。
アクセスを向上させても全てが完結するわけではない
しかし漠然とそれでアクセスを向上させても、確かにコンバージョンへの母数は増えるが、それだけで全てが完結するわけではない。
これらポイントに加えて、ホームページ自体や企業そのものへの信頼感を向上させることや、「お問い合わせしやすくする」ためのEFO(エントリーフォーム最適化)や補助コンテンツの導入など、「お問い合わせ率向上」つまりコンバージョンレートを向上させるために改良すべきポイントはたくさんある。
「いまのホームページに足りない要素、不十分な要素はどれか」
をはっきりと見極めることがホームページからのお問い合わせ獲得を叶えるための重要な第一ステップだ。
それでは、お問い合わせが来ないホームページの特徴や原因について、代表的な例を見ていこう。
理由・ケース例 ①
企業ホームページの目的や特性、他社との違いがわからない
企業ホームページは、ひとまず自社の会社案内から転載する形でホームページコンテンツを制作する場合が多い。事実としての必要最低限の情報のみを掲載するような形である。
もし、現物としての会社案内の冊子を手渡しするのであれば、その場に自社スタッフがいる。
そのため、会社案内を手に取った人物と2、3の質問会話を繰り返す事があるだろう。
その会話の中で、企業の特性が少なからず伝わる事がある。
しかし、ホームページではそういった会話はなく一方的な情報伝達しかできない。
例えば「ホームページ制作も承ります」
という情報が相手に伝わった場合、一方的な情報であれば、
「既にうちもこの間リニューアルしたばかりだからうちには関係ない」
と判断する可能性がある。
しかし、もし目の前で会社案内を渡すことがあったり、名刺交換をする際に「ホームページ制作を手がけている」という情報が伝わったあとの会話で、
「ほとんどWebデザインなどの制作業務はしていなくて、効果の出ていない既存のホームページを効果的なホームページへと改良していくサービスがメインです」
という情報を伝えられた場合は、「既にうちもこないだリニューアルしたばかりだからうちには関係ない」と思った相手も、「うちのホームページってどうだろう?リニューアルしたところだけど、こんな感じで大丈夫だろうか?」と関心が湧くかもしれない。
ホームページを効果的に活用するためには、こうした面をホームページのコンテンツに組み込んでいく必要がある。
製品サービス案内のコンテンツのみ掲載
企業ホームページのほとんどは、会社概要やアクセス情報、そして自社の業務の概要と取り扱っている製品・サービスに関する案内コンテンツしかない。
こうした場合は、その企業がだいたいどのような業種なのかを理解するためには十分なコンテンツだ。
しかし、どのような業種がわかっても、よほどのニーズとタイミングのマッチがない限り、「お問い合わせ」にはつながらない。
ホームページで集客できない・問い合わせが来ない理由のひとつは、ホームページで単なる製品やサービス案内のコンテンツのみを掲載しており、ユーザーへの訴求力が無い点だ。
ニーズを持ったユーザーとダイレクトにマッチングする
よほどのニーズをもったユーザーとダイレクトにマッチングをするためには、その検索クエリでの上位表示が必須になる。そのためにはSEOに費用を費やすか、リスティング広告などを利用するしかない。
ただ、ホームページからの問い合わせ獲得を考えるのであれば、会社案内や製品パンフレットのようなホームページではなく、そのホームページの目的を「お問い合わせ獲得」にシフトする必要がある。
会社の概要を伝えるだけのページでは、それを見たユーザーは「世の中にはこのような会社がある」という認識くらいしか持たない。
ホームページで集客できない、ホームページからの問い合わせが来ない理由のひとつは、ニーズを持ったユーザーとのマッチングにおいて、対象外のユーザーからのアクセスばかりで、見込み客との接点がないことだ。
ターゲットとなるユーザー層の設定がない
これは先ほどまでの話と共通するが、会社案内は非常に抽象的な表現になってしまう。
ホームページからの問い合わせを狙う場合は、「どのような人物にどのような問い合わせをして欲しいのか?」をしっかりと設定してコンテンツを配置していく必要がある。
例えば、この世には飲食店がたくさんあり、それぞれ対象としている客層が異なる。
もちろんすべてを網羅することができればそれに越したことはないが、概ね、「どのような人物が、どのような目的を持った時に訪れるか」を想定しているはずだ。
ファーストフード店ならばファーストフード店、高級料亭ならば高級料亭それぞれに、対象としている人物像があるはずだ。
企業のマーケティングツールとしてホームページを活用する以上、自分たちの顧客が「どのような人物で、どのような目的・ニーズを持った時に、どのようなサービスを欲しているか」をしっかりと把握してホームページ制作に反映する必要がある。
店舗ホームページを運営していて、ホームページから集客できない場合や企業ホームページにおいて問い合わせが来ない理由のひとつは、明確なターゲットユーザー層の設定がない点だ。
USPがはっきりしていない
また、特定のニーズを持っているユーザーが業種名やサービス名での検索などでホームページにやってきた場合、おそらく競合サイトとの比較検討をしているだろう。
その中で、もしあなたの会社のホームページが会社案内のようなホームページであった場合は、その業務を取り扱える企業であることがユーザーに伝わったとしても、競合企業との比較の中で抜きん出ることはない。
USP(Unique Selling Proposition)とは端的にはその企業の強みだが、ただの特性や強みという意味合いよりも、「私たちはあなたに対して何ができるか?」という点だと考えて欲しい。
ホームページに様々な実績紹介があり、実績の掲載数がいくら多くても、それを見たユーザーが「自分の問題を解決してくれるか?」ということにマッチしない限り、それらの効果はあまり期待することはできない。
このホームページ制作時において「USPがはっきりしていない」という点も、ホームページで集客できない・問い合わせが来ない理由のひとつとして考えられるだろう。
企業のUSPを伝えるコンテンツは具体的に
例えば営業マンから直接、またはホームページ上のメッセージとして漠然と「あなたのお役に立つことができます」と言われてもいまいちピンとこないだろう。
まあ確かに肩を揉んでくれて素人ながら肩こりをほぐしてくれるくらいはできるだろうか、と思う程度だ。
もし可能であれば、ホームページで伝えるUSPは具体的であれば具体的である方がいい。
ホームページはほとんど無限にページを生成することが可能だからだ。
こうした企業の強みや「問題解決」に関する具体性がぼやけていると、ユーザーとしては、何について相談対応してくれるのかわからない。
逆に、ユーザーの問題と同じケースの解決例が掲載されていれば、「問い合わせてみよう」と思う可能性は格段に向上する。
あなたのホームページが「誰のどんな問題に対して解決できる能力のある企業である」ということをはっきりと伝えられていないのであれば、ユーザーは、もし「自分の問題と関連していそうだ」とうっすら思ったとしても、あなたのホームページを見て「お問い合わせ」といったアクションを起こすことはないだろう。
もしSEOに費用をかけていても結果が芳しくない場合は、こうした面を考えてみると良いかもしれない。
理由・ケース例 ②
ホームページにアクセスがない
あなたのホームページは誰かに見られているだろうか?
そして、ホームページへのアクセスがあったとしても、それはマーケティング対象となるユーザーからのアクセスだろうか?
先ほどまで、ユーザーへのメッセージという面でのホームページ内部の要因について大まかに解説したが、もう一つの大きな原因は、根本的にホームページが機能していないことだ。
ホームページは、「ホームページとユーザー」がインターネットでつながって、ようやく目的達成の第一歩を踏み出すことになる。
あなたの会社がいくら驚くようなサービスを提供していても、ホームページですばらしいコピーを書いても、いくら美しいデザインの写真を掲載しても、どうしてもお問い合わせしたくなるような腰を抜かす様なコンテンツがあったとしても、ホームページ自体がユーザーとの接点を持っていないと、それらはこの世に存在しないのと同じことだ。
「ホームページにアクセスがない」
それは、作ったチラシを自宅でタンスの肥やしにしているのと同じことを意味する。
ホームページの出来も大切だが、それと同じように大切なのがホームページへのアクセスだ。
ホームページへの流入経路
ホームページとユーザーをつなぐ接点、つまりホームページへの流入経路は細かく分類すれば無数にあるが、大きく分ければ、自然検索、ソーシャル、参照リンク、メール添付、Web以外での告知による直接入力、そしてリスティング広告・アドネットワーク広告などのWeb広告しか無い。
ホームページからのお問い合わせ獲得が実現しないことの原因の最たるものが、この「ユーザーとの接点」だ。かつ、お問い合わせにつながるような有効なアクセスを集める必要がある。
アクセス解析の活用のズレ
もし、ホームページからの問い合わせがない場合、その原因がアクセスにあるかどうかを見極めるためには、ホームページアクセスのデータ分析が必要になる。
アクセス解析を導入している場合でも、ただ単にアクセス数だけを確認しているのならば自己満足に終わる。
ホームページ内にブログ機能を設置している場合、本業とはかけ離れたユーザーからのアクセスや友人知人からのリピートアクセスが多く、それがアクセス数のカウントに入っているため、満足感を得てしまうこともある。また、場合によっては、リファラースパムのアクセスを「アクセス数」としてカウントしている場合もある。
「アクセス数」や「アクセス内容」の分析
ホームページからのコンバージョンを狙うためには、ホームページ公開後にアクセス解析を導入し、データの分析を行うことが必要になるが、そのデータの解析方法のズレと、その後の改良が無い場合、アクセス解析に意味はない。
データを分析しているようで、単なる数値の計測に終わりがちなアクセス解析において、様々数値から、ホームページに問い合わせが来ない原因を推測して仮設を立てて改善に活かしていくしかない。
現状のホームページへのアクセス状況、そのアクセスの内容を見極めた上で、ホームページへの問い合わせが獲得できない理由が「アクセス数」や「アクセス内容」にあると判断できる場合は、コンバージョンの母数となるユーザーとの接点確保を重点的に施策すべきだろう。
理由・ケース ③
Webマーケティング施策・費用のかけ方がズレている
あなたが、もし事業主なら、自分で情報を集め、何とか安価にホームページからの問い合わせ獲得に効果的な施策がないかを調べているところだろう。
あなたが、もし企業のWeb担当者なら、上司に自身を持って薦められる外注先や、上司を説得するためのWebマーケティングの企画書やホームページの改良案を構想しているだろう。
実を言うと、あなたのホームページに「お問い合わせ」が来ない本当の理由の最たるものは、根本的なWebマーケティング戦略にある。
施策が「細切れの寄せ集め」になっていないか?
例えば、あなたはどこかの会合で初めて「SEO」の存在を耳にした、そうすると「SEOによって現状のホームページから問い合わせが来るようになるかもしれない」と思うだろう。
この時、あなたの中で興味があるのは「SEO」だ。もしそれがFacebook活用であったならば、「Facebook活用法」にしか興味がなくなる。
その段階で、新たなWebマーケティング戦略を構想するにあたって、「SEO会社」を探すことになる。
そしてSEO会社を利用することになる。
結果一部のキーワードでの検索順位は一時的に向上するだろう。
もしかしたらそれで少しはお問い合わせが獲得できるかもしれない。
しかしホームページからのお問い合わせ獲得には、幾つもの要因が組み合わさっている。
想像より効果が出ないことにがっかりすることもあるかもしれない。
ホームページ制作やWeb活用の目的
Webマーケティングにはその時期の流行があり、次はSNS活用だと、いろいろな施策に振り回されることになる。
この時に思うだろう。
もともとホームページを活用しようと思ったときは、どんな目的をもっていただっただろうと。
「企業がホームページを活用する場合の目的は、ホームページを公開することで、営業マンの代わりに24時間プロモーションを行い、人や労力を使わずして「お問い合わせ」を獲得する、一つの販路を得ることだ」
「人や労力を使わずにお問い合わせを獲得する」
それが目的だったはずだ。
しかし、あなたは大きな費用をかけてホームページ制作を行った。
そして、大きな費用をかけたのに効果が出ないことに怒りを感じ、なんとかホームページからの集客を叶えようと、営業マンよりも動かざるをえないような状況になっている。
なぜそんなことになるのだろうか?
それは、Webの活用、Webマーケティングの戦略を俯瞰的に構築することができていないからだ。
確かにWeb上のたくさんの情報にはそれぞれの分野においてプラスに働くような施策の方法論の紹介ばかり、ありがたく掲載されている。
しかしその小さな施策例をいくら集めても、振り回されるだけに終わってしまうことが多い。
各施策の相乗効果と一定レベル以上から発揮されるWebマーケティング効果
なぜなら、全ての施策は、組み合わせて発揮されるものであり、そして、各施策には、効果が目に見えてわかるレベルにまで達するまでには改良が必要だからだ。
いわば、どんな施策でも、一定レベル以上のことをしないと、目に見える効果はやってこない。
その目に見える結果とはアクセス数の数値であったり、特定キーワードでの検索順位上昇であったり、CTRの向上など多岐に渡るが、CVR(コンバージョンレート)つまり、ホームページからの問い合わせ獲得や問い合わせ数増加といった「ホームページの目標達成」としての結果も見えてこない。
ほとんどの場合、様々な施策を「お試し、お試し」で一定レベルに達するまでの間に次の新しい方法論に目移りしてしまう。
その原因は、軸となるWebマーケティングの戦略がないことだ。
効果の出ないホームページを作り直してもお問い合わせは来ないまま
あなたは、こんなキャッチを見たことはないだろうか?
「キレイなWebデザインでホームページから集客しましょう」
残念だが、「ホームページ」と「お問い合わせ」の関係を考えたときには、美しいWebデザインは付加的要素でしか無い場合が多い。
「現状のホームページからお問い合わせが来ない、だから、ホームページを作り直そう」
そう考える事業者は多い。
しかしながら、Webデザインを一新しても、ホームページからのお問い合わせは一向に増えないだろう。
なぜなら、現状のホームページを元に、リニューアルを外注した場合、現状のコンテンツを移管する。
そうなると、確かに見栄えは変化するが、コンテンツ内容にほとんど変化がなく、また、ホームページのアクセスも向上するわけではないからだ。
すると、先ほどまでの間にお伝えした、「ホームページにお問い合わせが来ない理由」を何一つ改善できていない場合が想定される。
- 30万円の制作費をかけて公開したホームページがまったく役に立たなかった、
- そして、また30万円かけてWebデザインの異なる新規ホームページ制作を行った、しかし文章などはほとんど変わりがない。
こうしたタイプのホームページリニューアルは、ほとんどと言っていいほど、お問い合わせ獲得につながらない。
もし、こうしたことを検討しているのならば、ホームページの見栄えよりも、内容の再検討やコンテンツ制作に費用をかけたほうがコンバージョン率改善を期待することができるだろう。
Webコンサルタントの仕事
私たちもWebコンサルティング業務を手がけているが、全体的なホームページ活用などの枠組みの設計はWebコンサルタントやWebディレクター、Webマーケッターの仕事だ。
通常、ホームページ制作などを外注する場合は、Webデザインや掲載内容の希望、そして自分が知り得た情報を元にした要望を伝えるだろう。
しかし、どうだろう。
あなたが考えた要望通りにホームページ制作会社は、ホームページを作ってくれたはずだ。
そして結果はどうだっただろう?
ホームページ制作会社は、基本的に要望通りにホームページを制作することがメインの業務だ。
そう考えるときちんと依頼内容を叶えてくれているはずだ。
しかし、ホームページからお問い合わせはやってきただろうか?
予算に応じたホームページ制作であれば、おそらくどのような制作会社でもおそらく対応が可能だろう。
しかし要望通りホームページを制作する事はできても、結果には特に着目していないのが実情だろう。
こうした面は、業界特性の分析やマーケティングの戦略設計まである程度の枠組みがないと、コンバージョンを期待することはできない。
問い合わせ獲得・増加に向けて、全体的なWeb戦略の設計を
できることなら、Webマーケティング戦略を決めてから、外注するよりも、根本的にWebコンサルタントを招いてから社内で戦略策定をするか、その段階から制作会社を交えると良いかもしれない。
なお、私たちは、Webマーケティングのコンサルティングも業務にしており、その顧客もいるため、見積もり時には細かな内容の戦略は設計しないし、提示もしていない。
受注決定でもない状態で、本気でコンサルティングしてくれる人は稀だろう。それはインターネット上の情報も同じで、「公開しても良いレベル」の情報だと考えておいたほうが賢明だ。
本当に重要な情報や個別の分析は、有料のコンサルティングでしか明かさない。それはどこのコンサルティング会社でも同じだろう。
制作会社を交える場合は、営業的要素が強くなるため、マーケティング効果が出るまでの設計に、本当に必要な制作部分を提示しても、「制作価格を釣り上げようとしている」との疑念が拭えない可能性があるため、全く外部のWebコンサルタントに依頼するのも良いかもしれない。
あなたのホームページだけでなく、社会にあふれるたくさんのホームページがお問い合わせを獲得できていない理由は、Web上のたくさんの情報を元に、Webやマーケティングの専門家以外の人が設計したプランで、「制作依頼」をしてしまうことかもしれない。
(初回投稿日 2017年1月20日)