サイト単体でのブランディング 情報量の少なさによるハンデ

サイト単体でのブランディング 情報量の少なさによるハンデ


特にECサイト(ネットショップ)の場合、サイト単体でのブランディングはかなり困難を極めます。ホームページの弱点として情報量の少なさによるハンデという側面があるからです。

ネットショップにおけるウェブページデザインのポイント」で少し触れましたが、デザイン自体の美しさが売上に貢献する寄与度は著しく低く、特に自社ブランドではなく既成品扱っている場合、その傾向は顕著に現れます。

ECサイトでなくとも、ウェブサイト単体でブランディングをすることは、制作サイド・発信サイドが思っているほど簡単ではありません。企業ホームページにしても、企業のブランディングをホームページで行うことは難しい側面があります。

その理由は非常に単純です。

情報量の少なさによるハンデ

ホームページの弱点 情報量の少なさによるハンデ

ブランディングを端的に捉えた場合、「Aとは…」に続く部分の共通認識をいかに作り上げていくか、ということになると考えています。

つまり、ある対象の自己同一性の共通認識を作り上げていくことです。

そうした場合、ウェブの場合は、人が認識する情報チャネルのうち、言語と視覚情報しかありません。

さらに視覚情報も二次元であるため、三次元的空間認識による臨場感は与えにくくなります。動画などで聴覚のチャネルへと情報を送ることはできますが、動画再生・音声再生は、再生可能な環境がないと、再生されないため、意図したほど伝えにくいことが多いでしょう。

と、いきなり、少しおカタイ表現になりましたが、噛み砕くと次のようになります。

  1. ブランディング=相手との共通認識(定義付けによる他者との差別化や特徴などの自己同一性)
  2. ウェブは共通認識を作り上げるための情報発信のチャネル数が少なく、リアリティをもった情報発信は難しい

さらにもう一つ、実際に視覚で捉える情報量に対して、圧縮されたデータとモニタを介すことによる情報量の逓減という点もあります。

ホームページは臨場感を演出しにくい

以上を踏まえて、一言で表すと。

ホームページの弱点として、ウェブでリアルほどの臨場感を出すことはできない、というハンデがある、というようなことになりましょう。ホームページは、実際のフェイストゥフェイスほどの臨場感やそれほどまでにはいかなくてもドラマや映画のような臨場感を演出しにくいという側面を持っているといったイメージです。

しかしながら、こうした弱点を持つホームページであっても、工夫によってある程度情報量を増やし臨場感を高めることができます。

ひとつはコンテンツの増加、もう一つはリアリティです。

コンテンツの増加とリアリティ

コンテンツの増加とリアリティ

ウェブコンテンツの増加は、単純にページ増加や画像の増加、そしてテキスト量の増加です。ホームページ制作で表現するとページ数の増加やページの内容の増加と考えていただければよいでしょう。

しかしながら、正確に「情報量」をとらえた場合は、バイト数やテキスト数は情報量とイコールにはなりません。人間には言語化されているもの以上のものを読み取る非言語的なコミュニケーション能力があるからです。

以前、「ウェブデザインにも自然や手書きの要素を」でお伝えしましたが、モニタで表現されるウェブサイトというものは、RGBによる表現のため、やはり限界があります。

そして人間はアナログにできているため、データを均一化する分だけ情報量が減っていくという点です。特に非言語的要素としての情報が削られていきます。

「直筆のサイン」と「パソコンでタイプされた名前」を比較すればイメージが湧きやすいかもしれません。

直筆の場合は、本人の筆跡という情報がこもっています。直筆とテキストデータでは、たった数文字、同じだけの文字数でも、そこに込められた情報の量が異なります。こうしたリアリティは、デジタル化すればするほど削ぎ落とされていきます。

しかしながら、臨場感を高めることに注力するのであれば、デジタル化の逆を行くというのも選択しとして採用すべきポイントであると考えられます。

例えば、テキストデータ化しているところを、手書き画像に変えてしまうなどなど…

抽象化による情報の圧縮

情報を抽象化することによって、言語そのものは圧縮することができます。

しかし、その言語自体は、元の具体的な言語情報よりも、包括した概念のため、想起される包括情報の情報量は多くなります(ある意味では少ないですが)。

弊社の住所は、「京都市上京区下立売通御前通東入西東町」ですが、上京区は西東町を、京都市は上京区を含んだ抽象概念です。

圧縮しながら、ブランドイメージを単純な要素で表現してくという方法で、少ない情報量ながら、その奥にある膨大なイメージを伝えていくことが可能になります。

その代表例がキャッチフレーズであったりロゴマークです。

要約とロゴマーク

ある文豪は、弟子に要約ばかりさせていた、ということを読んだことがあります。

「4000字ならば、2000字、またそれを1000字と縮めていって、最後には一行にしなさい」というようなことのようですが、一行から一文、もしくは一単語に縮めたとなると、最終的には単純に「タイトル」になります。

一般的に要約自体は、文章の要点を捉える能力が養われるため、ライティングスキル向上には良いことですが、ウェブにおいては、掲載文章を要約することがマイナス要因になることもよくあります。

できれば、文章自体はそのままで、さらに頭のなかで要約することによって、タイトルや見出しなどの工夫に応用した方が良いでしょう。

文章ならば、要約も良いのですが、通常、ビジュアル的なデータは、情報を単純化するとロスしかありません。

ウェブサイトの高速化を意図して画像などを圧縮することもよくありますが、できるだけ臨場感をなくさない程度にしたほうが、ウェブサイトにも味が出てきます。

絵の具で書いた手書きの直線と、ただソフトで均一化された色彩のベタ塗り直線データを比較すれば、その情報量の差がよくわかります。

しかしながら、ある側面では、文章をタイトルに要約、といったようなことと同じようなことができます。

その一例がロゴマークです。

既にそれを知っている場合とまだそれを知らない場合

しかしながら、夏目漱石さんの著書「こころ」を読んでから、「夏目漱石 こころ」という字を見る場合と、人物も著書も知らない段階で見る場合とでは、想起されるものが違います。

先に一度、夏目漱石さんか、もしくは「こころ」に関して深い情報を得た後であれば、価値が出てくる可能性がありますが、「夏目漱石 こころ」自体はただの七文字の情報でしかありません。

夏目漱石さんの「こころ」を読んだことがある人にとっては、この七文字によって、書籍の内容が一気に想起される可能性があります。たくさんのページの内容がこの文字列に込められている状態です。

しかし、「夏目漱石さん」も「こころ」も知らない人にとっては、この文字列はただの七文字の情報にしかなりません。日本語を読めない人にとってはただの記号です。

でも、この七文字は、検索エンジンで検索するとたくさんの情報が出てきます。

そこに少しウェブの醍醐味があります。新しい経験はすぐそこにあります。

と、今回は、少しおカタイ表現が多かったかも知れませんが、雑談程度に読んでいただければ幸いです。


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