検索結果で一部の文字が消失する事象へのSEO対策事例についてご紹介します。
本件は、SEOに関するご依頼の中で、その中のひとつとして「検索結果タイトルやディスクリプションにおいて一部の文字が消失する事象が発生しており、早急に対応したい」というご要望があり、早急に原因を調査し、早期に解決した事例です。
検索結果において、メタタイトルやメタディスクリプションが設定とは異なるものが表示されることはありますが、今回の事例は少し特殊です。
検索結果タイトルやディスクリプションにおいて一部の文字が消失
Google検索結果リストのスクリーンショット画像を確認してみたところ、タイトルやディスクリプションにおいて一部の文字が消失していました。何とか読めるものの半角スペースが混入しており、単語としては成り立っていない状態でした。
半角スペースに変換
ページ自体はGoogle検索にインデックス登録されているものの、重要なキーワード部分の一部が半角スペースに変換されており、意図するキーワードによる検索結果には反映されていないという状態でした。
SEOとしては致命的
重要な単語、キーワードが正常に反映されていないということはSEOの面では致命的です。
そのページを直接探している場合であるなら何とか見つけられるかもしれませんが、単語が単語として認識されていないので、特定のキーワードでの検索流入としては絶望的な状態でした。
検索結果でタイトルやディスクリプションがメタ設定と異なったものに変換される場合
検索結果でタイトルやディスクリプションがメタ設定と異なったものに変換される場合もあります。
一般的に長いタイトルやディスクリプションが短くされたり、ユーザーの検索単語のパターンやページの見出し等からの推測でタイトルが書き換わったりすることがあります。
その他、メタタイトルに設定していなくても、タイトルの横にサイト名などが付加される場合もあります。
長いタイトルやディスクリプションは要約される場合がある
PC版とSP版で異なりますが、メタタイトルやメタディスクリプションには表示文字数の上限があります。そのため、長いタイトルやディスクリプションは要約される場合があります。
ある程度この文字数を超過しても前から順に、もしくは、検索キーワードとの一致部分などに合わせて一部表示もしくは要約されます。
あまりにキーワードを詰め込むと、主たるキーワードの重要度が分散します。
そのため、上限に近い文字数に合わせるというのが一般的ですが、文脈上致し方ない場合は厳密に文字数上限に合わせる必要はありません。
タイトルの書き換えが行われる場合もある
ユーザーの検索キーワードの単語やキーワードの複合具合、ページ中のh1などの設定状態、外部からの被リンクにおけるアンカーテキストの設定状況によって、検索結果のタイトルが書き換わることがあります。
その他サイト内のアーカイブにおける投稿見出しなどが、ページタイトルに影響を与えることがあります。
こうした面は特に問題がないと考えられます。
サイト名などが付加される場合もある
また、メタタイトルに直接設定していなくても、設定したタイトルの横にサイト名などが付加される場合もあります。
トップページを筆頭に他のページのタイトル設定の設定状況、外部からの被リンクにおけるアンカーテキストの設定状況によって変化します。
こちらも特に問題はないと考えられます。
対象ページのタイトルとディスクリプションの設定の確認
Web検索結果においてタイトルやディスクリプションがメタ設定と異なったものに変換される場合は上述のとおりですが、今回の事象はそれらとは異なったものとなります。
設定しているはずのキーワードの一部文字が消失しています。
そこでまず、対象ページのソースを確認し、タイトルとディスクリプションの設定の確認を行いました。
文字の一部が簡体字(中国語)
該当ページのメタタイトルとメタディスクリプションの設定をよくよく確認すると、文字の一部が簡体字(中国語)になっていました。
つまり日本語タイトル文の中に、簡体字(中国語)が混入している状態です。
ページの表面上の表示は違和感がなかった
このページの表面上の表示においては、適用フォントの関係からか違和感がありませんでしたが、本文部分も一部文字が簡体字(中国語)で記述されていました。
おそらく中国語圏の方がライティングを行った際に、ローカル環境で日本語の他に中国語入力が可能な状態となっており、部分的な文字の修正の際に中国語(中文)入力が行われた等の可能性が考えられます。
日本語と中国語が混在し文字コードが異なるため検索エンジン上で簡体字が消失
メタタイトルやディスクリプションの設定以外に、本文部分においても日本語と中国語が混在しており、同一の漢字ではあるものの文字コードが異なるため検索エンジン上で簡体字部分が消失していたようでした。
ページの表面的な表示は問題がないため、実際のユーザーがページを読むことには差し支えがない状態ではあったものの、検索エンジンに対しての情報伝達という意味では問題が生じていました。
単語として正確に認識できずページの検索順位は低評価に
日本語の文の一部が簡体字(中国語)になっていたため、単語が単語として正確に認識できず、検索エンジン上のページの検索順位は低評価になっていました。
極端に考えると、検索エンジンには単語として正確に認識されていないため、文が文として成り立っていない状態として捉えられていた、というようなイメージです。
(なお、ページの言語設定は<html lang=”ja”> と日本語で記述されたものであると明確に指定されていました)
言語が混在した部分を日本語に統一して解決
日本語と簡体字(中国語)の2つの言語が混在した部分を日本語に統一することで、検索結果で一部の文字が消失する事象は解決しました。
ブラウザのタブに表示される部分は、文字が小さく発見しにくかったという点に加え、表向きの本文部分などの表示は違和感のないものだったので、原因の発見が難しかったというような面があります。
該当ホームページは、外国企業の日本法人のものであり、担当いただいた方も外国人の方でした。そのため、日本語の表示に関する違和感を発見しにくかったということも要因としては考えられます。
日本語ネイティブではないと考えられますので、それは致し方ありません(細かな点で考えれば、日本人が英語でライティングする場合でも、実は単語レベルで英語と米語が混在しているという場合もあるでしょう)。
技術は世界共通であっても日本語ライティングは日本人がチェックするのが望ましい
検索結果のメタタイトルやメタディスクリプションだけを確認するとなぜか一部の文字が消えているという面しか確認できません。また、ソースコードを確認しても、文字の表示のされ方の違和感に気付かなかければ原因は不明のままとなります。
本件は少し特殊な事例です。しかしながら、外資系企業、多国籍企業においては注意すべき点であり、また費用の安さから外国の事業者に発注する時なども注意が必要であるのかもしれません。
ホームページ制作やSEOにおいて、技術的な面は世界共通ですが、日本語文のライティングやメタ設定に関してはやはり日本人による最終チェックが必要になるのかもしれません。
(初回投稿日 2023年7月14日)