補助金や助成金を利用したホームページ制作・リニューアル・Web集客のポイントについてお伝えしていきます。
ホームページ制作・リニューアル等のWeb制作関係やWeb集客・マーケティング関係に利用できる補助金や助成金があります。費用が大きなものについてはこれらを利用するというのも一つの方法です。
弊社でも今までの間にたくさんこれら補助金、助成金を利用したホームページ制作・ホームページリニューアルやWeb集客を手掛けさせていただいたことがあります。
こうした補助金などをご利用いただくか否かは、各事業者様にお任せしておりますが、いくつか注意点と利用のポイントがあるため、それらについてお伝えしていこうと思います。
注意点・ポイントの中で最大のものは「最適な予算の振り分けをしましょう」という点です。
「効果を最大化するために、短期的な目標と中長期的な目標を視野に入れて、予算の振り分けを最適化しましょう」という意図でお伝えしていきます。
これは、元々の計画が曖昧なままだと、Web制作会社・ホームページ制作会社にうまく予算を使われてしまうのではないかという懸念から来ています。
表現は悪いですが、端的には、元々普段なら30万円くらいで受けるような内容のことを「補助金を利用するらしい」とわかれば「そういう内容ならば82.5万円です」と言って、Web制作会社・ホームページ制作会社が不当に儲けを得るだけになる可能性もあるからです。
こうした点については後述することにして、まずは補助金等について概観しておきましょう。
ホームページ制作・リニューアル等のWeb制作、Web集客・マーケティングに利用できる補助金等
まず、ホームページ制作・リニューアル等のWeb制作、Web集客・マーケティングに利用できる補助金や助成金について概観しておきましょう(今回の論旨は「うまく予算を使いましょう」という点なので、こうした補助金・助成金の詳細については詳しく触れません)。
主な補助金は経済産業省・中小企業庁による「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」「ものづくり補助金」の他、地方自治体(都道府県や区市町村)による独自の補助金があります。「事業再構築補助金」も対象でしたが、第13回公募で終了しました。
- 小規模事業者持続化補助金(外部リンク)
- IT導入補助金(外部リンク)
- ものづくり補助金(外部リンク)
- 事業再構築補助金(第13回公募で終了)
また、助成金は厚生労働省が実施しているものでホームページ制作等の経費が助成対象となる場合があります。
これらについては、年度ごとに実施や採択数が異なります。また、申請したからと行って必ずしも採択されるわけではありません。年度によって利用対象が異なる場合がありますので、利用可能かどうかはそれぞれのご相談窓口にお問い合わせください。
補助率や上限の例
各補助金・助成金には、補助率・助成率や上限があります。
例として小規模事業者持続化補助金の一般型について見てみましょう。
通常枠 補助率 2/3 補助上限 50万円
創業枠 補助率 2/3 補助上限 200万円
実質負担額
通常枠の場合、税別 75万円(税込み82.5万円)の経費に対して、50万円が支給されます。
(消費税に対しては支給されないため、仮に税込み75万円の場合は、税別で681818円のため、補助率を変えると支給金額は454545円となります)
(一般的には補助金は消費税に対しては支給されません)
このため実質の自己負担額は、補助上限の場合、82.5万円-50万円で、32.5万円となります。
逆に考えると、32.5万円の費用で、82.5万円分何かの施策をすることができるという構造になっています。
申請の相談
なお、補助金については行政書士、助成金については社会保険労務士でないと代理申請をすることはできません。作業内容のご相談には応じておりますが、弊社では申請書類の作成などのご相談には対応しておりません。特に助成金については明確に独占業務とされているためご相談対応などはいたしかねます。
予算を最大限に活用するための配分
補助金等を利用すると、普段は手を出しにくいような施策に取り組むことができます。しかしながら、補助を受けるとなると感覚が少し鈍ることがあります。
たいていの補助金には事前の計画の策定が求められます。そして利用対象経費の見積もり等を集めることになります。ただ、計画や予算感が曖昧な場合、ほんとうの意味で予算を最大限に活用できているかどうかには疑問点が残ってしまう場合があります。
財源は税金です。予算を最大限に活用し、事業がうまく進んでいくということは、利用者だけでなく納税者のためにもなります。
ここでは、補助金等を利用したホームページ制作・リニューアル・Web集客のポイントとして、制作費用の妥当性などから考えていくことにします。
例として税別 75万円(税込み82.5万円)の予算である場合で考えていきたいと思います。
その制作費用は妥当なのだろうか?
「とりあえずホームページを作成しよう」、「とりあえずリニューアルしよう」という曖昧な状態で、ホームページ制作の無料相談などを受けると、予算をすべて制作費に充てられることになる可能性があります。
しかしその制作費用が妥当かどうかはわかりません。
最悪の場合は、冒頭で触れたように「今回は補助金を利用のようだ」と予め知っていた場合、ホームページ制作会社・Web制作会社側が、元々普段なら30万円くらいで受けるような制作内容を「そういう内容ならば82.5万円で収められます」と伝え、彼らだけが不当な利益を得るだけになる可能性もあります。
そこまで悪質でなくとも、必要でないような機能やページを「あった方がいいでしょう」という程度の理由でツケられて予算を使い切ってしまう場合も考えられます。
そのホームページや機能は必要なのだろうか?
利用目的にもよりますが、ホームページの機能の中には、「必要最低限のもの」、「なるべくあった方がいいもの」、「特になくても構わないがあってもいいもの」、「趣味の世界の範囲に該当するレベルの半ば不必要なもの」までたくさんの機能や技術があります。
例えば、基本レイアウトを決定する部分やサイト本文などは必要なものです。イメージ画像も半ば必要最低限の範疇に入りますが、厳密には「あった方がいいもの」です。
企業ホームページでメール問い合わせを目的とするならメールフォームは必要最低限ですが、仮に電話問い合わせのみで対応するという場合であれば、それは必要なものではありません。
SEO(検索エンジン最適化)も、あくまでページ内容がしっかりしたものであることが前提となり、利用目的がWeb集客・マーケティング利用であるなら「なるべくあった方がいいもの」に該当しますが、そうでない場合は、「特になくても構わないがあってもいいもの」程度の技術です。
より細かな点で言えば、例えばサイトの表示速度向上において、画像やJavaScriptの非同期の仕組みを組み込むという点などは、検索キーワードの激戦区でWeb集客を行うなら、「なるべくあった方がいいもの」になりますが、そこまで本格的に運用するつもりもない場合は「趣味の世界の範囲に該当するレベルの半ば不必要なもの」になります。
技術面などはこのようなものが例となりますが、通常のホームページ制作においても、無駄にページが分割され、ページ数がかさ増しされて費用が高く設定されている、という場合も考えられます。
すべてをホームページ制作・リニューアル費用に充てる必要はない
補助金活用においての大前提として、すべての予算をホームページ制作・リニューアル費用に充てる必要はありません。
仮に広告・プロモーションに充てるとしても、別の広告に予算を振り分けでもよいわけです。
ただ、予算が税別 75万円(税込み82.5万円)である場合は、さほど大きな振り分けをすることは難しいのかもしれません。
しかしながら、サイト規模や利用目的にもよりますが、ホームページ制作・リニューアル費用だけに予算のすべてを投入するというのはどうなのかなと考えてしまいます。
「制作費は60万円ということはわかった。残りは適当にページを追加するとか、何かしらでいい感じにしておいて」
というのでいいのかな、と考えてしまいます。
もしそのような形で計画が進んでしまう場合、まさに補助金によって感覚が少し鈍っている状態なのではないかと思ってしまいます。
目標や計画に合わせて最適に配分する
ご存知のように補助金の予算は目標や計画に合わせて最適に配分することが理想的です。
ひとつ大切なことは、ホームページ制作だけに予算を充てずに、ホームページ制作費とプロモーションを中心としてその運用費を最適に配分することを前提とすることです。
それでは少し具体的に見ていきましょう。
ホームページ制作費とプロモーションの両方に充てても良い
ホームページの利用目的にもよりますが、ホームページ制作費とプロモーションの両方に費用を充てると、初期の運用で結果が見えやすいという特長があります。
ホームページは作りきりではなく、後の改良がしやすいため、制作費用を少し抑えてプロモーションを行い、最初から結果を出してから追加調整していくという方法が良いのではないかと思います。
ホームページ制作においては、ホームページ全体はおろか、一つのページを作成するにあたってもどこまでも施策していくことができます。そのためすべての予算を使い切ることも可能といえば可能です。
しかしそれが最適であるかどうかは別問題です。
特に小規模事業ならホームページ制作費にすべての予算を投入する必要はない
業種にもよりますが、特に小規模事業の場合、補助金予算をすべて使い切ってしまうほどのページ数は必要ないと考えられます。
今後のホームページ運営も考えたある程度の中長期視点は必要になりますが、ひとまずの必要最低限+αくらいからスタートしても良いのではないかと考えます。
例として82.5万円のすべての予算を制作費に充てず、特設ページの作成を含めた「他のことに使う可能性」を念頭に多少おいておくイメージです。
そして浮いた費用を「ホームページを広めること」に使用するとホームページの効果を実感できるかもしれません。
リニューアルの場合もホームページの基本部分が比較的新しいのであれば基本部分を変える必要はない
ホームページリニューアルの場合もホームページの基本部分が比較的新しいのであれば基本部分を変える必要はないのではないかと考えます。
例えばWordPressサイトを利用していてWordPressテーマも新しい場合は、カスタマイズや修正、ページ追加などでホームページリニューアルと同等の状態にすることができます。こうした方法を取ると費用を抑えることができます。
ただ、WordPress本体やテーマ、サーバー環境があまりに古い場合は、セキュリティ等の問題もありますので、それらの更新を含めて本格的にリニューアルした方が良いかもしれません。
これら「浮いた部分」をマーケティング用ページの作成やリスティング広告等のプロモーションに充てると早い段階で結果が見えてくることがあります。
LPや特設ページとプロモーションに比重を置いても良い
ホームページをはじめとしたWebの利用において、企業ホームページや店舗ホームページの制作、利用に固執する必要はありません。
当初の計画がホームページ制作やリニューアルであったとしても、その予算配分を調整し、有効的なWeb集客・マーケティング実施の費用に充てるというのも良いのではないでしょうか?
もちろん補助金利用の目的にもよりますが、企業の販売促進、販路拡大等が目的なのであれば、広告用のLP(ランディングページ)や製品・サービス紹介の特設ページ(規模が大きい場合は特設サイト)を制作し、そのページをWeb広告でプロモーションしてもよいのではないかと思います。
企業ホームページ全体の刷新よりも製品やサービスの紹介・プロモーションに力を入れた方が良い場合もある
企業ホームページの状態にもよりますが、当初の予定がホームページリニューアルだったとしても、企業ホームページ全体の刷新より製品やサービスの紹介・プロモーションに力を入れた方が良い場合もあります。
もちろん全体のリニューアルにある程度の費用を宛てても良いと思いますが、さほどWeb集客・Webマーケティングに繋がりそうもない場合は、主要製品やサービスの紹介・プロモーションに費用を充てるという方法を取るのも良いのではないでしょうか。
例えば、サイトリニューアルの施策はほどほどにして、LPや特設ページを設けます。このページ作成は計画的に入念に行います。
そして完成したページをリスティング広告などのWeb広告を利用して広めます。
こうした方が、直接的なWebマーケティングにつながり、売上に直結する場合があります。
そうして収益が上がった場合、またホームページの改良や別の製品・サービスのプロモーションに力を入れていくという循環サイクルを作ることができます。
求人など雇用関係の問題解決であるなら求人用特設ページの構築とプロモーションに費用を振り分けた方が良い可能性もある
企業の課題として求人など雇用関係の問題解決が必要である場合があります。これは補助金よりも助成金関係でテーマになることがあります。
こうした問題解決には、ホームページの制作やリニューアルよりも求人用特設ページの構築とプロモーションに費用を振り分けた方が良い可能性もあります。
もちろんホームページをリニューアルすることで企業イメージを好印象なものに変えることによって、求人応募件数が高まることを期待することもできます。しかしその寄与度は曖昧です(ただ、もちろんそれもひとつの方針として意味のあることです)。
直接的に求人・採用関係のページのみを充実させて、かつ、プロモーションを行うということに予算を投じてもよいのではないかと考えます。
リスティング広告やSNS広告などのWeb広告費用を残しておく
リスティング広告やSNS広告などのWeb広告費用を残しておくと、結果が出やすいですし、アクセスはあったが「反応がイマイチ」というようなものを含めてフィードバックを取りやすくなります。
つまり、全体を通して言えることは、「ホームページの制作費」だけではなく、「ページの存在を世の中に広めること」にも少し費用を宛てていただくとよいのではないかと思います。
動画制作やマップ対策など他の施策にも目を向ける
やや斜めから考えると、動画制作やマップ対策なども予算配分の中に組み込んでも良いのではないかとも考えられます。
例えば製品やサービスのプロモーションにあたって、動画作成を依頼し、YouTube上で公開するほか、特設ページ内に組み込むこともできます。
ページに動画を埋め込みそれが閲覧されることで、より一層臨場感が伝わるページになります。
また、店舗であればマップ対策なども実際の集客には有効です。
こうした工夫は業種や事業規模によって何が最適かは大きく異なります。
細かな点で考えればPC購入なども視野に入る
IT導入補助金などでは当然と言えば当然ですが、細かな点で考えればPC購入なども視野に入ってきます。
「スマホしか使っていない」という場合もありますが、どうしてもホームページの運営を考えるとPCでないと難しい場面がよくあります。こうしたホームページ運営の環境づくりにも費用を投じてもよいのではないかと考えます。
既にWeb広告を利用している場合は、コンテンツマーケティングやSEOに力を入れることも
補助金を利用予定でホームページリニューアルを検討されている方の中には、既にWeb広告を利用されている場合もあります。しかし現状を打破したいという場合、上述の方法以外に、コンテンツマーケティングやSEOに力を入れた方が良い場合もあります。
SEOという名目
なお、近年の補助金の対象経費としてSEOは除外されています(施策内容が不明瞭であることが理由です。おそらくそうした名目で費用をかさ増しする業者やリンク販売形式で施策していた業者がいたのでしょう)。
しかしながら、事前確認が必要であるものの、コンテンツ制作(ページ内容のライティング)であったり、SEO内部対策であっても技術的な施策項目を詳細に記述した場合は、補助金対象経費となります(それは当然です。否定される要素がありません)。
視点を上げると予算を最大限に活用することができる
補助金等を利用したホームページ制作・リニューアル・Web集客の場合、目的、目標、計画、そして制作予算感が曖昧である場合には、予算を無駄にしてしまう場合があります。
逆に考えると、視点を上げて全体像を見て計画を再構築すると予算を最大限に活用することができます。
一番危ないのは、「とりあえずホームページ制作を依頼しよう。よくわからないから予算内でお任せ」というようなものになるのかもしれません。
そして一番注意しなければならないのは、本当なら30万円でできるものを予算いっぱいの額で引き受ける業者に当たらないことです(たいていは大丈夫だと思います)。
弊社としては、ホームページやWeb関係で、「やっぱり意味なんか無いじゃないか。高いだけだ」とがっかりされることを避けたいという気持ちを持っています。
仮に補助金を合わせて82.5万円を投じて、年間1000万円の売上増加があった場合、
「やっぱり意味なんか無いじゃないか。高いだけだ」
などと言われることはありません。
(制作費はそれよりもやや高額、かつ、売上ベースですが、実際に年間1500万円ほど売上増加した顧客もいらっしゃいます)
多少具体的に情報を得た上で、視点を上げて目的や計画、施策内容を決めていくと、最適な予算配分が見つかります。
補助金等の利用時のお見積やご相談
弊社では、ご依頼内容が確定している場合には個別のお見積をさせていただいております。
一方、補助金等の利用などにおける最適な予算配分などの具体的なご相談についてはハイグレードプランのご利用時、もしくは有料のサポートサービスやWebコンサルティングのみで対応しています(無料相談には対応しておりません)。
一番多いご利用形態は、簡易コンサルティングが付いたホームページ制作のハイグレードプランのご利用です。
着手金ご入金後は、制作とプロモーションの振り分け等の予算配分のご相談に対応しています。