ホームページを削除したのに検索結果にURLが残っている場合にこれを非表示にしたいというケースがあります。検索結果から削除済みページに移動した場合、404 Not Foundが表示され、ユーザーが混乱する場合がある他、検索結果にホームページへのURLが残っているとキャッシュデータを参照して、削除したページが閲覧できてしまう場合もあります。
以前、「公開中のホームページの削除や一部ページの削除」で公開中のホームページの削除や一部ページの削除に関連する問題として少しだけ触れていましたが、ホームページ自体や特定のページを削除したとしても、一定期間検索結果に残るという問題は残っています。
「ホームページ(ウェブサイト)を削除したはずだが、まだ検索結果に残っている。古い情報が掲載されているので早急に検索結果から非表示にしたい」
「非公開情報を誤って公開状態にしてしまった。ページは削除したが検索結果に残っていて外部の方に見られてしまうと問題が生じるため早く検索結果から消したい」
「後日公開予定の情報を準備していて、下書き保存したつもりが公開状態にしてしまった。そのことに気付いた時に下書きに戻したが、検索結果上で表示されている。検索結果から非表示にする方法はないだろうか?」
という場合があります。
そこで今回はこうした削除済みのホームページや特定のページが検索結果に残っている場合の非表示対応について少しだけお伝えしていきます。
Google検索における、Search Console上の削除申請、「古いコンテンツの更新をリクエストする」を利用した削除申請のほか、検索結果から参照できてしまうキャッシュデータについて、そして、Bing上のキャッシュ削除・URL削除について触れていきます。
ホームページをもう無くしたはずなのに、なぜか検索結果には残っている…そんな時、実は検索エンジンの「キャッシュ」が関係していることが多い傾向にあります。キャッシュというのは、検索エンジンがあなたのサイトを巡回した時に、一時的に保存しておく情報のスナップショットのようなもの。サイトを削除しても、検索エンジンが次に巡回して「あれ?このページはもうないな」と認識するまでは古い情報が残ってしまうことがあります。
Search Console上の削除申請
基本的にページの削除状態が続けば一定期間経過後に、検索結果からも削除されますが、その一定期間というものが「数ヶ月」という場合もあり、非公開にしたい情報である場合は、検索結果からも削除する必要があります(キャッシュデータから参照できることもあるからです。検索結果におけるキャッシュについては後述します)。

削除 Search Console
削除済みのホームページや特定のページが検索結果に残っている場合、検索結果上でそれらを非表示する場合の基本となるのは、Search Console上の削除申請となります。
サイトの所有権確認が済んでいる場合は最も早く有効的です。一般的に「一時的な削除」では6ヶ月間の非表示となりますが、その間ページが「404 Not Found」つまり、削除状態・ページがない状態が続けば、その後に再インデックスされることもありません。
古いコンテンツの更新をリクエストする
サイトの所有権確認などができず、Search Console上の削除申請ができない場合は、「古いコンテンツの更新をリクエストする」という画面を利用して削除申請をすることができます。

Google 検索で古いコンテンツの更新をリクエストする
削除済みのホームページや特定のページを検索結果に表示したくない場合は以下のURLより削除申請を行うことができます。なお、反映期間は検索エンジンに依存します。
Google 検索で古いコンテンツの更新をリクエストする
https://www.google.com/webmasters/tools/removals(Google)
次のような画面が表示されます。

古いコンテンツの削除ツール 理由
状況に応じて選択の上、削除リクエストを進めます。
検索結果から参照できてしまうキャッシュデータ
以前はGoogleの検索結果上で、検索結果とともに「キャッシュのリンク」が表示され、簡単にキャッシュデータを参照できました。しかし、2024年にGoogle の検索結果上で「キャッシュ」を表示するリンクが表示されなくなりました。
(しかし、Bing等他の検索エンジンでは今でもこうした機能は残っています)
Google検索 cache: コマンド
検索上のコマンドである「cache:」 は将来的に廃止予定のようですが、現在はまだ有効です。
Googleの検索ボックスにおいて
cache: URLなどの検索構文
で検索するとキャッシュを直接表示することができます。
例)以下のようなURLで表示されます。
https://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache%3Ahttps%3A%2F%2Ffunfairfanfare.com/example
Bing検索 「キャッシュ済み」で見えるキャッシュデータ

bing キャッシュ済み キャッシュデータ
検索エンジン Bingにおいては、以前のGoogle検索と同様今でもキャッシュデータの参照機能は残っています。
上記画像は、Bing上で「ホームページ 削除」で検索した際の検索結果における弊社ページです。
「キャッシュ済み」をクリックすると、キャッシュデータが表示されます。
例)以下のようなURLで表示されます。
https://cc.bingj.com/cache.aspx?q=%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8%e3%80%80%E5%89%8A%E9%99%A4…
Bingのキャッシュ削除・URL削除
Bing上のキャッシュ削除・URL削除については、Bing Web マスター ツール上で申請します。

URL のブロック Bing Web マスター ツール
Bing Web マスター ツールにある、「URL のブロック」からキャッシュ削除・URL削除を行います。
この「URL のブロック」機能を使用すると、任意の URL を Bing の検索結果に表示しないようにブロックすることができます。削除済みのホームページや特定のページが未だに検索結果に残っている場合は、この機能を利用します。
なお、URL のブロックは最大 90 日間保持されます。
URL のブロック Bing Web マスター ツール

ブロックする URL を追加 Bing Web マスター ツール
以下の項目があります。
- URL を入力
- URL タイプ ディレクトリ/ページ
- ブロックの種類 URLおよびキャッシュ/キャッシュ
それぞれを入力、選択しリクエストを送信します。
削除したページに重要な非公開情報、更新前情報がある場合は、各検索エンジンを確認する
ホームページの削除や特定のページを削除したにも関わらず、しつこく検索結果に残っている場合は、こうした検索結果からの削除、非表示のための作業が必要となる場合があります。
各検索エンジンにキャッシュデータが残っている場合、ある程度の知識がある場合は削除済みデータを参照することができるため、削除ページに重要な非公開情報、更新前情報が掲載されている場合は、検索エンジン上の状態を確認しておくに越したことはありません。
「非公開情報を誤って公開状態にしてしまった。ページは削除したが検索結果に残っていて外部の方に見られてしまうと問題が生じる」
「後日公開予定の情報を準備していて、下書き保存したつもりが公開状態にしてしまった。そのことに気付いた時に下書きに戻したが、検索結果上で表示されてしまっている」
「既に廃止したサービスが掲載されているため閲覧されると混乱が生じてしまう」
「変更前価格が掲載されているため閲覧されることを避けたい」
「noindex設定を忘れたままテストサイトを稼働させ検索エンジンにインデックスされてしまった。その後noindex設定はしたが、まだ検索結果に残っていて非公開のテストサイトが閲覧できてしまう」
という場合、Search Console上の削除申請を実施する等により、削除したホームページやページを検索結果から非表示にしておくに越したことはありません。
ご自身での対応が難しい場合は、お問い合わせフォームよりご相談いただければと存じます。
ホームページ自体の削除やページ自体の削除に関しては以下のページをご参照ください。
なぜキャッシュがしぶとく残るのか?
検索エンジンのクローラーは、常に世界中のホームページ(ウェブサイト)を巡回しています。そして、見つけたページの情報をデータベースに一時的に保管する。これがキャッシュです。
あなたがホームページを削除しても、クローラーが次にあなたのサイトを訪れて、そのページがもう存在しないことを確認するまでは、キャッシュされた情報が検索結果に表示され続けることがあります。
まるで、お店が閉店したのに、看板だけがしばらく残っているようなイメージでしょうか。
キャッシュをきれいに消すには?
このしぶといキャッシュを消すための方法が上述の「Google Search Console内の古いコンテンツの削除ツール」という機能ならびにBingの同様の機能です。がありますし、これらを使うと、検索エンジンに「このページのキャッシュはもう古いですから、削除してくださいね」と直接お願いできるわけです。
申請してから実際に検索結果から反映されるまでには、少し時間がかかることもあります。数日かかることもあれば、もう少し待つ必要がある場合もあります。しかし、きちんと申請しておけば、きっときれいに消えてくれるはずです。
削除以外の様々な工夫
「削除」と一言で言っても、時には完全に消してしまうのではなく、「見せない」という選択肢が有効な場合もあります。サイトの一部を一時的に隠したい、あるいはURLを変えたけれど古いURLが残ってしまうというような場合に取れる別の方法もあります。
robots.txtで「来ないで」と伝える
サイト全体ではなく、特定のページだけを検索結果に表示させたくない時に活躍するのが「robots.txt」というファイルです。これは、検索エンジンのクローラーに対して「このページは巡回しないでくださいね」と伝えるための指示書のようなものです。
これによって、クローラーがページにアクセスしなくなり結果として検索結果に表示されにくくなります。
ただし、robots.txtはあくまで「巡回しないで」というお願いなので、すでにインデックスされてしまったページを完全に検索結果から消すには、先ほどの削除ツールを使うのが確実です。誤った記述をしてしまうと、意図せずサイト全体が検索結果から消えてしまうこともあるので記述には少し注意が必要です。
301リダイレクトで「引っ越しました」を伝える
もし、ページのURLを変更したけれど、古いURLが検索結果に表示され続けてしまっているなら、「301リダイレクト」がとても役に立ちます。これは、「このページは新しい住所に引っ越しましたよ」と検索エンジンとユーザーに伝えるための設定です。古いURLにアクセスがあったら、自動的に新しいURLへ誘導してくれるのでユーザーが迷子になることもありません。
301リダイレクトは、SEOの観点からも推奨される方法です。古いページの評価を新しいページに引き継ぐことができるので、せっかく築き上げてきたホームページの力を無駄にしないためにもぜひ活用したい手法です。
オンライン上の情報とどう付き合うか
ホームページの削除は、時として個人的な情報の保護や、プライバシーを守るために行われることもあります。
インターネット上に一度公開された情報は、なかなか完全に消すのが難しいこともありますが対応策を知っておくことはとても大切です。
うっかり公開してしまった個人情報の対処法
もし、意図せず個人情報が検索結果に表示されてしまったら、まずは慌てずに対応しましょう。Googleには「個人情報の削除リクエスト」という仕組みがあります。これを利用すれば、氏名や住所、電話番号といったデリケートな情報が、検索結果に表示されないように申請できます。
ただし、これはあくまで検索結果からの削除であり、情報がインターネット上から完全に消えるわけではありません。もし状況が深刻な場合は、弁護士など専門家への相談も検討することをおすすめします。
逆SEO、知っておくと安心な基礎知識
滅多にないことかもしれませんが、もし悪意のある情報が拡散されてしまったり、根拠のない誹謗中傷が検索結果に出てきてしまったりするような場合には、「逆SEO」という方法で対処する場合もあります。これは、そうしたネガティブな情報が上位表示されないように、ポジティブな情報を上位に表示させるなどして、相対的に目立たなくさせるための取り組みです。
とても専門的な分野なので、個人で行うのは難しいですが、こんな選択肢もあるということを心の隅に置いておくと、いざという時に冷静に対処できるかもしれません。もしもの時には、信頼できる専門業者に相談することも考えてみてください。
ご自身での対応が難しい場合は、お問い合わせフォームよりご相談いただければと存じます。
ホームページ自体の削除やページ自体の削除に関しては以下のページをご参照ください。
(初回投稿日 2024年4月26日)