雨の降る日が増え、ものすごい豪雨の日には「6月だなぁ」と実感します。何故か豪雨の次の日に一気に植物たちの生育が早まるような気がするのですが、なにか豪雨と関係があるのでしょうか?
さて、今回は、「リスティング広告失敗事例 検索で地域トップのサイトがリスティングを活用した場合」というタイトルで、リスティング広告活用の失敗事例をお伝えしていきます。
Webマーケティングの方法はホームページ(ウェブサイト)の活用が軸になりますが、サイトのSEOに不足があったり、コンテンツが不足している状態では自然検索からのアクセスが見込めないケースがよくあります。
そんな時に即効性があるのがリスティング広告です。
リスティング広告
リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索結果リストの中に表示される広告です。検索連動型広告とも呼ばれます。ウェブ広告の中でも代表的な広告パターンです。
このリスティング広告は、コンテンツが不足していたり、SEO効果が弱かったりといった原因で、検索リストの上位に自社ホームページが表示されず、サイトのアクセスが確保できない場合や、広告用ランディングページの利用で積極的にWebマーケティングを行う際に利用されます。
広告のリンク先
リスティング広告のリンク先は、概ね「キャンペーンページ」と呼ばれる広告用ランディングページか、ホームページです。ECや不動産の場合は、商品ページや物件情報ページというパターンもあります。
リスティング広告のリンク先について、サイトのトップページか、キャンペーンページとしてのランディングページか、ということについては、また次の機会にお伝えさせていただきます。
今回は、弊社でSEO等のサイトカスタマイズを手がけさせていただき、検索でローカル名を含めると1位を独走しているあるお客さまのサイトで、さらに対象を広域にするためにリスティングを活用した場合の失敗例をお伝えさせていただこうと思います。
リスティング広告でアクセスを補う
サイトのアクセスがあまり無いときには、リスティング広告は非常に効果を発揮することがよくあります。
根本的なウェブサイト・ホームページの活用において、まず第一ステップである「アクセス」そのものがあまりない状態で、プロモーション力が弱い場合には、「アクセス」さえ向上させれば、一定の結果をもたらすことがあるからです。
それはそのような顧客層と「出会えていなかった」という面をリスティング広告で補うことによって、マッチング自体が実現するパターンです。
なんだかお見合いみたいですね。
コンテンツSEOとリスティング
活動的にいろいろな人にあって、色々な集まりに参加して、たくさん話すとチャンスは増えます。コンテンツSEOはこのようなパターンです。
同時に時間・労力・費用も活動の度に必要ですから、オウンドメディア運営などのコンテンツSEOは、労力をかけながら、活発に、自発的に行動を起こしてこそチャンスを獲得するというようなイメージです。
対して、リスティング広告はマッチングチャンスをエージェントに委託するというようなイメージです。コンバージョンといった直接的なマッチングそのものを行ってくれるわけではありませんが、代理人としてプロモーションと引き合わせをしてくれるようなイメージです。
ローカルで検索1位のサイトがリスティング広告を出稿
そこで今回のリスティング広告失敗事例ですが、お客さまより
「営業がかかってきたんだけど、リスティングってどうなの?」
というご質問をいただき、少し予算を組むのでやってみて欲しいというご依頼でした。
いつも懇意にしてくださるお客さまです。
弊社としては、既にローカルで検索1位を獲得しているため、必要性は感じなかったのですが、実験的にどうなるかという興味もありました。
なお、今回の事例は数年前の事例です、
一定期間リスティング広告の出稿代行
そこで、弊社としては代行費用をいただかず、少額の予算を元に一定期間リスティング広告の出稿代行を担当させていただきました。
その地域で表示されても広告費用を無駄にしてしまうので、その地域の近隣地域にだけ表示されるようにしました。
また、ご了承を元にですが、今回の広告出稿は実験的な意味合いがあったので、特段費用がかからないようにキャンペーンページを制作せず、リンク先はホームページ(ウェブサイト)のトップページとして設定いたしました。
- 商圏を広げるように近隣地域だけ広告表示
- ランディングページは制作せず、リンク先はトップページ
アクセス数は伸びました
リスティング広告を利用したことにより、サイトのアクセスは伸びました。
期間中、1日上限費用を数回変更しましたが、費用に応じてサイトのアクセスは向上しました。
確かにプロモーションとしては効果を発揮したようです。
しかしながら、とんでもない結末が待っていました。
お問い合わせ数が激減
このサイトは、都道府県単位で検索結果1位を獲得しているのですが、近隣都道府県でも10位以内にはランクインする状況でした。
そして今回は、トップ10にはランクインしているものの、1位ではない地域を対象として、リスティング広告を出稿したのですが、該当地域からもアクセス自体はそれなりにありました。
メインの地域ほどではないものの、近隣エリアからのお問い合わせも月に数件程度あったそうです。
ところが、リスティング広告の出稿期間中、そのエリアからのお問い合わせがピタッと止まったそうです。
確かに該当エリアからのアクセス自体は向上したのですが、お問い合わせという「コンバージョン」は激減したそうです。
お客さまは、
「やっぱり広告クサかったのかなぁ。そこまでやるかって思われたのかな」
そう言っていらっしゃいました。私どもも非常に勉強させていただきました。
今回は試験的でしたので、通常のプロモーションでした。
イベント開催に合わせたキャンペーン、そしてリンク先がキャンペーンページであれば、結果は異なっていたかもしれません。
アクセス数とWebマーケティング効果の因果関係・相関関係
「アクセスが増えれば、Webマーケティング効果は比例する」
通常考えられるセオリーでは、その通りかもしれません。
実際にホームページ(ウェブサイト)を改良しながらSEOも向上させて得た順アクセス増には、Webマーケティング効果が比例する傾向にあります。
その際は、コンテンツSEOのようにコンテンツを積み上げても、純粋に比例するわけではなく、閾値に達した時に爆発的に効果がでる傾向があります。
ただこの場合は「サイトの改良」を伴っているため、単純にアクセスが増えただけでなく、サイトの中の不足していた情報が追加されていたり、サイトそのものが使いやすくなっていたりと、アクセス以外の面でのプラス要因もあるため、単純にアクセス数とWebマーケティング効果の因果関係・相関関係を考えることはできません。
単純にアクセス数とWebマーケティング効果を数値的に考えることはできないでしょう。
もしホームページ(ウェブサイト)のマーケティング効果が出ない原因が「アクセス数」だけにあるのであれば、それはリスティング広告で補うことができます。
しかし、そのアクセス数向上の為の方法論が、逆効果になることも時には起こりえます。
サイトの作りや見せ方、コンテンツ、SEO、そしてそれらに伴うアクセス数など、どれか一つだけが原因というケースは、おそらく考えられません。
車でも、エンジンを出力アップすれば、足回りに配慮する、スピード領域が変われば空力に配慮する、どこか一つを変更した場合には、全体のバランスが相対的に崩れます。
この点についても、また別の機会にお伝えしようと思います。
どんなWebマーケティング方法論もそのサイトに合わせた利用の仕方を
今回は、リスティング広告の失敗談として、ローカルで検索1位のサイトが、近隣エリアを対象として通常のプロモーションとしてリスティング広告を出稿した場合をお伝えいたしました。
もちろん業種によって、この方法論でWebマーケティング効果が表れるケースもよくあります。
今回の事例は、お客さまのご厚意により、チャンスを頂き、見事に「失敗」したケースです。
そのお客さまとは今でもお付き合いさせていただいております。
SEO、ウェブ広告、ソーシャルの活用…
Webマーケティングの方法論としては様々な方法があります。
しかし業種によっては不向きな方法論もあります。
私たちWebマーケティング・ウェブ制作会社に与えられた課題は、ホームページ(ウェブサイト)の制作業務だけでなく、もし限られた予算であれば、その中でいかにWebマーケティング効果を最大限に発揮させるか、という点だと考えています。
現状1ページのサイトを、コンテンツSEOの方法論で、自然検索でのWebマーケティングツールに育て上げようとすると市場の競合性にもよりますが、おそらく莫大な費用がかかります。
その際には、キャンペーンページとして広告用ランディングページを活用したほうが、費用に対してのWebマーケティング効果を期待することができるかもしれません。
ただ、それも業種や製品・サービス内容によって、効果は千差万別だと考えています。
今回は、ローカルで検索1位のサイトがリスティング広告を出稿した場合の失敗事例をお伝えさせていただきました。
(初回投稿日 2016年6月17日)