今回は「ホームページの目的に沿ったコンテンツが整っていること」の中身を少し詳しく、「SEOキーワードを調整してホームページのWebマーケティング効果向上させる」という点について触れていこうと思います。
(数回に分けて、以前の「あなたのホームページにお問い合わせが来ない本当の理由」の内容を「もう少しやさしく」お伝えする(つもり)で、記事を配信していきます。
京都では連日寒い日が続いています。雪がちらつく日も多くなってきました)
ホームページ制作において、まずホームページの目的を設定すること、そして、その目的に合わせたホームページのコンテンツを用意することがスタート時点の大切な要素です。
ただ、ホームページ運営者が想定している「Webマーケティングの目的とホームページコンテンツの一致」と、検索ユーザーの「検索クエリとコンテンツキーワードの一致」がズレていると、その効果は半減してしまいます。
それでは、ホームページのWebマーケティング効果を高め、ホームページからのお問い合わせ数を増やすために、「SEOキーワードを調整する」というポイントについて、お伝えしていきます。
コンテンツのSEOキーワードを調整
ホームページのWebマーケティング効果を高めるためには、なるべく検索エンジンからのホームページアクセスを獲得する事が重要です。
そして、さらに言えば、本当に問い合わせにつながる見込客層であるユーザーからのアクセスをいかに獲得するかが重要になります。
特定のキーワードで上位表示され、ぬか喜びすることもありますが、その検索キーワード自体があまり検索されていない検索パターンだった場合、その数に比例してアクセス数も少なくなります。
特にハミングバードアップデート以降は、ある程度の同義語・類語でのキーワード検索で表示してくれる可能性は高まりましたが、SEOによる集客を目指す場合にはなるべく的確なSEOキーワードを設定しておくに越したことはありません。
その検索キーワード自体が年間数回しか検索されていない場合は、その数回の中からさらに順位やページタイトル、ディスクリプションに応じてクリックされる確率が変動するため、その検索キーワードからのアクセスはあまり期待できません。
検索キーワードのパターン自体を変える
そんなときは、コンテンツのSEOキーワードを見直すことで、ホームページへのアクセスを改善することができる場合があります。
これは単純に「今の検索キーワード」の順位を向上させるという方法ではなく、「検索キーワードのパターン自体を変える」というものです。
この方法を用いることで、競合サイトとの検索順位争いから少し抜け出して、ニーズがマッチした幅広いユーザーとの出会いを作るきっかけが訪れるかもしれません。
コンテンツのSEOキーワードを調整するWebマーケティング戦略の目的の一つは、検索回数の多いキーワードに変更して、SEOに本腰を入れながらWebマーケティング効果を高めること、そして、もう一つは、検索回数の多いキーワードから、少し具体的なキーワードへとシフトチェンジして、寡占状態の中から、検索エンジン上のベストマッチングを狙うことです。
例えばコンビニエンスストアの中に、ラビットフードを置いておいても、店舗近隣にそうした商品の需要を持つ見込客があまりいなかった場合は、それほどその商品が売れることはありません。
しかしながら、店舗をペット商品専門店にしてしまった場合は、近隣住民だけでなく、遠方からも様々なタイプの客層を呼び込むことができるかもしれません。
ランチェスター戦略の基本のような構造です。そうした実際のマーケティングの応用が、Webマーケティングにも効果を発揮します。
今回は、あまりホームページ制作に費用がかけられない場合でも、具体的なSEOキーワードに変更して、少しでもホームページのWebマーケティング効果を高めることについて触れていきましょう。
圧倒的に単語パターンが多い日本語
日本語は、世界で最もその語彙数が多い言語の一つです。
一人称を示す単語は、英語では「I」ですが、日本語の場合は無数の一人称が存在しています。
さらにひらがな、カタカナ、漢字、ときに英字などを用いるため、その単語パターンはおそらく世界で類を見ないほどであると考えることができます。
私、僕、俺などよくあるものから、「うち」、手前、拙者、吾輩、など方言やシーン別、人格の属性によって一人称が変化するため、本当に数え切れないほどの一人称が存在しています。
なお、「オレ」は元々、女性が親しい異性に対して使う一人称だったため、古典文献や古いマンガなどでは、こうした表現がなされる場合もあります。
もちろん外国語にもスラングや専門用語などがあるため、ある程度のバリエーションはありますが、日本語はその言語表現の幅から世界で最も難しい言語であるとされています(文法の不明瞭さで言えばギリシア語のようですが)。
ホームページ運営側と検索ユーザーの使用言語の差
よくある例えですが、アルバイトを示す単語でも、「アルバイト」「バイト」「パート」など、様々な言語パターンがあります。
さらにもっと検索ユーザーの検索意図を考えた場合には、「短期バイト」や「正社員登用 予定 アルバイト」など、アルバイトの雇用形態の中でも検索ニーズに応じて様々な目的を考えることができます。
Googleの検索エンジンは、直接的なクエリ(キーワード)の一致でなくとも、ある程度検索語句の揺れに対応して検索結果を返してくれますが、ユーザー層とのマッチ性を高める場合にはなるべく狙うユーザー層が使用しそうな語句に合わせておくほうが良いでしょう(なお、近年ではAI(人工知能)の発達により、コンテキストを解析し類語でも検索結果に表示することが多くなってきています)
具体的なSEOキーワードへと変更する
こうした面を加味してSEOキーワードの調整を考えた場合、ページタイトルなども「アルバイト募集」と設定すれば幅広くアルバイトを探している方とのマッチングを期待することができますが、言葉が抽象的であるため、その分競合サイトとの検索順位争奪戦の中で、抜きん出ることができないケースもあります。
求人サイトも多数存在している中で、企業ホームページや店舗ホームページの中の求人情報ページの配信において、「アルバイト募集」というキーワードで検索上位になろうと思うと、それ相応のクオリティが求められます。不可能ではありませんが、求人サイトを運営するくらいの費用が必要になってしまいます。
もちろん、「アルバイト募集ページ」は、トップページ以下にページが存在しているため、トップページやその他のコンテンツに含まれる「業種」との関連性から、特定ジャンルのアルバイト募集ということを検索エンジンは判断します。
例えば、京都にある居酒屋さんのホームページ内で「アルバイト募集ページ」が存在していた場合は、「京都にあるのこの居酒屋さんでアルバイトを募集している」と判断します。
基本的にはこれで十分なのですが、「居酒屋 アルバイト 京都」での検索順位争奪戦になってしまいます。
そうしたキーワードは、求人サイトを相手に検索順位で上位になるのは難しいかもしれません。
ではそれぞれの検索キーワードを具体的にしてきましょう。
それぞれの検索キーワードを調整する
「居酒屋 アルバイト 京都」で上位表示したい場合は、それに応じたコンテンツページのSEO、そしてホームページ全体のSEOが必要になりますが、SEOパワーの弱いホームページで何とか効果的なページを運営することを目的とするならば、できれば漠然とアルバイト募集からかなり具体的なページへと、SEOキーワードを調整してみましょう。
そのために、まず、アルバイトに来て欲しい人材のモデルをしっかりと設定することと、具体的にできるものはどこまでも具体的にしてみるという方法がオススメです。
モデルを設定
男性、女性といった分類から、出勤可能曜日や、繁忙期に出勤できるかなど、様々な属性を設定してみましょう。そしてその設定をページのコンテンツとしてテキスト化して埋め込むことで、ページクオリティの上昇と、キーワードの具体化が可能になります。
もちろん主婦の方を対象とした設定の場合は、「アルバイト」を「パート」に変更すると、対象となる検索ユーザーの検索パターンとの関連性が高まります。
具体的にできるものはどこまでも具体的に
例えば土日のみの出勤でかまわない場合は、ページタイトルとページ内部にその旨を記載してみましょう。
また、「京都」というキーワードは京都府も京都市も含むため、最寄り駅名や地名などを加えて具体化しても良いかもしれません。
また、京都市の場合は、大学が多いため、大学生のアルバイトを対象としている場合は、近隣大学生の応募歓迎の旨を具体的に記述しても良いかもしれません。
居酒屋は店舗によって閉店時間に差があるため、勤務時間を強調しても良いかもしれません。
学生のアルバイトを対象として募集を行う場合、学業に響かないようにと少ない勤務時間のアルバイトを探しているユーザーもいれば、長時間勤務によってある程度の賃金を稼ぎたいと思っているユーザーもいるからです。
興味のあるユーザーも検索エンジンも高品質コンテンツを好む
今回の例は、アルバイト募集についての記述だったため、少しWebマーケティングとの関連性がわかりにくかった可能性もありますが、特に求人に限らなくても、特定の製品やサービスを求めている「見込客」からのホームページアクセスを確保したい場合でも、ホームページ制作やSEOにかかる構造としては同じです。
SEOの細かなテクニックも大事ですが、まず大前提として「興味のあるユーザーも検索エンジンも高品質コンテンツを好む」という傾向があります。
検索エンジン上での「Web検索」という行動は、そのまま「質問」にあたります。
その質問に対してなるべく的確な答え、Web検索で言えば「答えを示しているページの一覧」を提示することが検索エンジンに期待されている役割です。
質問に対する「簡単でわかりやすい回答」と「詳しい回答」
Web上もそれ以外でも、「簡単でわかりやすい説明」のほうが好まれるという面ももちろんありますが、場合によっては、非常に詳しく情報を掲載しているページのほうがありがたい場合があります。
つまり、質問に対する「簡単でわかりやすい回答」が好まれる場合もあれば、専門性の高い「詳しい回答」が好まれる場合もあるということになります。
関心のない教科の教科書ならページ数が少ないほうが嬉しいですが、大好きなマンガに出会った場合は、「せっかく面白いマンガを見つけたのに、これは2巻で終わってしまうのか」と思う時もあります。
いくら難しい本でも、本当に興味関心があれば、その著者の続編が無いかを血眼で探すことだってあります。
その分野について深く知りたい時、書店に行って「なんで入門書ばかりしか置いてないんだ」と感じるときもあります。
そんなときに専門書を取り寄せてしまうこともあるでしょう。
質問に対する回答がたった一行の単純明快なものであることがありがたい時もあれば、それでは問題解決に対して不足に感じてしまうという場合もあります。
このように、自分が持つ疑問点をなるべく深く解決してくれるものを欲しているユーザーもたくさんいるはずです。
ユーザーの期待や疑問をなるべく網羅して解決するコンテンツ
「高品質コンテンツ」とは何かと考えた時、「ユーザーの期待や疑問をなるべく網羅して解決するコンテンツ」であると考えることができます。
特に近年では、UX(ユーザー体験)がSEOにおいても特に重視され、SX(検索体験)、そしてSXO(検索体験最適化)という概念も現れてきています。
先のアルバイト募集で言えば、「居酒屋さんでアルバイト募集をしている」という情報を事細かに考えていった時、そういったページを探しているユーザーは、「どのようなことを知りたがっているのだろう?」と推測して、それに対応する情報を可能な限りで記載すると品質はどんどん高まっていきます。
「アルバイトを新規募集している」という事実を軸として、応募する人たちは様々な疑問を持っているはずです。
週のうち何回程度勤務することになるのか、勤務時間はどれくらいか、時給はどのようにアップしていくのか、周りのスタッフの年齢層はどれくらいかという点や、下宿学生ならば、「まかない」があるのかという点も関心事でしょう。
ホームページ運営者側は、その業界のプロであるため、顧客や見込客がどのような点について疑問を持っているのかが見えなくなる時があります。
ホームページ制作サイドである私たちは、検索キーワードの検索回数調査などによって、ある程度推測して提案させていただくこともできますが、やはり一般的な予測にしか過ぎません。
競合性の高いの特定のキーワードのSEOならば逆に可能ですが、「具体的なSEOキーワードによる特定の層とのベストマッチング」のためには、そうした層の隠れた検索ニーズを探し出していくしかありません。
本当のニーズはどこにあるか、それを調べるためにはお客さまに聞いてみることが一番かもしれません。
アルバイト募集であれば、一番最近入ってきたアルバイトスタッフの方々に聞いてみるのが一番かもしれませんね。
(初回投稿日 2017年2月13日)