今回は「サイトのアクセス数とコンバージョン サイト運営で大切なこと」と題しまして、ホームページ(ウェブサイト)のアクセス数とコンバージョンについてお伝えしていきます。
が、「アクセス数とコンバージョン率」ではありません。
コンバージョン(Conversion)は変換、転換と訳されますが、もっと広く「達成」くらいの意味合いで捉えていただけると幸いです。「アクセス数とコンバージョン率」の場合は%の話などばかりになります。
ホームページ制作やWebマーケティングで大切なのは、実質的な問い合わせ数といったコンバージョンの数です。比率・パーセンテージで考えると分母と分子の関係になってしまいますが、最も大切なのは実際の売上に直接関係している結果ではないでしょうか。
さて、「ウェブサイト活用にも当然に存在する「閾値(いきち)」」でお伝えしましたが、ウェブサイトの運営をしてもなかなかすぐに効果が現れるわけではありません。ある値に達した時に、一気に効果が出る傾向にあります。
その続きにも近い内容(でもないかもしれません…)ですが、今回は、すこしほっこりするような内容かもしれません。
コンバージョンファースト
さて、コンバージョンとは、変換、転換を意味し、ホームページ運営においては、お問い合わせや購買などのユーザーのアクションを意味します。アクセスに対しての変換、転換という意味でコンバージョンです。
ウェブサイト・ホームページの効果を「アクセス数とコンバージョン率」として考えると分子と分母の関係になります。
そうなった場合は、「コンバージョン率」を向上させるテクニックばかり語られることになります。
サイトへのアクセス数が膨大に馴れば、当然分母が増えるため、分子である「コンバージョン率」は下がります。
しかしWebマーケティングに重要な事は、「コンバージョンそのもの」です。
コンバージョンそのものに関して言えば、企業ホームページであれば、メール問い合わせや電話問い合わせの獲得や資料請求などであり、店舗であれば直接の店舗来店やホームページ上からの来店予約などであり、ECサイトであれば商品購入、セミナー集客であれば、応募フォームからの参加者応募がコンバージョンになります。
コンバージョン率至上主義
「コンバージョン率至上主義」ならば、暴論を言ってしまうと、コンバージョン率を上げるために、分母であるアクセス数を下げることが正しくなりえます。
理屈で言えば、「コンバージョン率」を向上させることは、分子であるコンバージョンを上げる事でもあるので、正しいといえば正しいのですが、パーセンテージで語るとき、どこか人間を数として考えているように感じてしまうことがあります。
しかしウェブユーザーも、そしてその先にある実際の顧客も生身の人間です。
また、アクセスそのものがプロモーションになっており、目には見えないところでリレーションになっています。
数値で測れないリレーション効果
しかしそのリレーション効果自体は、数値で測ることはできません。
前回の「Webマーケティングと経営学との共通点」でお伝えさせていただきましたとおり、大規模な存在であれば、その効果が実際のコンバージョンとして数値として計測できることもあります。
しかし、そういった理屈や数値は、地域に根ざしているスモールビジネスでは語っても仕方ないことです。
目の前にいるお客さまを大切にする、それがローカルビジネスの根幹です。
ひとり一人の人間、ひとり一人のお客さまを確率論で語ることの方がナンセンスと言えるでしょう。
アクセス数・PV数も大事 でもそれよりも質が大事
一方、根本的なアクセスそのものがなければ、コンバージョンすらありえません。
「まずは接点を持つ」という意味で、アクセスそのものは非常に重要です。
しかし、そのような全国、全世界規模のビッグビジネスでない限り、実はそれほどのアクセスがなくてもコンバージョンに至ることがよくあります。
弊社はWordPress(ワードプレス)などでウェブサイトのオウンドメディア構築などを手がけておりますが、お客さまに聞いたところ、こんな話がありました。
CMSオウンドメディアの導入とコンテンツ制作によって、ローカル名と業種で、検索結果では地域ナンバーワンになったお客さまです。
サイトのアクセス数はどれくらいですか?
ホームページ(ウェブサイト)のカスタマイズ後、一度お会いする機会があったのでお話したところ、お問い合わせは月に10件以上あるそうで、非常に喜んでいただけました。
90%以上が電話でのお問い合わせのようです。オウンドメディアを導入されていますが、コンテンツの配信は月に1~2本程度だそうです。
その時に、「アクセス数はどれくらいですか?」と不躾ながらお伺いしてみました。
すると、「新規アクセスは、一日5件から10件くらいですよ」
という回答をいただききました。
仮に10件ならば、月に300回位のアクセスです。
それでも月に10件程度の「お問い合わせ」というコンバージョンに至っています。
おそらくメディアサイトのような記事を投稿しても、分母が増えるだけで、コンバージョン数自体は変わらないと推測されます。
アクセス数はわかりやすい数字
ホームページのWebマーケティング効果を予測する上で、コンバージョン数は実際の「問い合わせ数」や「商品購入数」にあたるため、なかなか数字に表れづらく、実際は「問い合わせ件数ゼロ」のホームページもたくさんあります。
そうしたことから、効果の目安、中間確認としてアクセス数などを参照することがよく行われます。WebマーケティングのKPI設定としてある程度のアクセス数が設定されることもあります。
アクセス数は目に見えるわかりやすい指標のひとつです。実際にどれくらいの人がホームページに訪れているかというところは、ホームページの効果を測る上でベースとなる指標であることには変わりありません。
Webマーケティングの指標として
しかし、Webマーケティングの施策の効果の出方、Webマーケティングの指標としてアクセス数を確認するときには若干の注意が必要です。
企業ホームページやECサイトにおいて、アクセス数自体が目的ではなく、「問い合わせ」や「購入」といったコンバージョンが目的であることは明白で、アクセス数を確認するときも「まだ実際の問い合わせにはつながっていないが、ひとまずどれくらいの人が見ているか」という指標と同時に、「どのような形でアクセスされているのか」をベースとして、アクセスユーザーのタイプを確認しておく必要があります。
コンテンツ配信がメインのメディアサイトでは、サイトに表示される広告のクリックがコンバージョンにあたるため、「企業への問い合わせ」という敷居の高いコンバージョンを設定しているわけではなく、単純に広告クリックをアクセス数からのパーセンテージで計上し、母数となるアクセス数を増やすことが目的になっていることがほとんどです。広告収入が目的のブログやアフィリエイトサイトなどでも同様でしょう。
しかし、企業のホームページにおいては、そうしたアクセス数の捉え方ではなく、「問い合わせに至るユーザーからのアクセスかどうか」というところに着目する必要があります。メディアサイトの場合はアクセスユーザーは無差別でも大丈夫かもしれませんが、企業サイトやECサイトでは、アクセスユーザーのタイプがかなりの問題になります。
まずはアクセス数を確保する
企業ホームページやECサイトでは、アクセスユーザーのタイプが重要ですが、やはり母数となるアクセス数そのものも大事になります。
企業ホームページにおいては、「Webマーケティングのコンバージョンがゼロ」どころか、アクセス数すら1日一桁で、それもリファラースパムや自己アクセス・身内からのアクセスであるということも珍しくありません。
まずは根本的なアクセス数を確保しながら、ある程度アクセス数が確保できた段階で、SEOキーワードの調整などによって、アクセスユーザーの絞込をしていくことが望ましいと言えます。
漠然としたアクセス数ではなく、Webマーケティングに繋がるアクセスかどうか
このようにホームページアクセスに対してのコンバージョンにはアクセス数と同時にアクセスユーザーのタイプが重要になってきます。漠然としたアクセス数ではなく、Webマーケティングに繋がるアクセスかどうかが、実際のコンバージョンにつながるかのキーポイントです。
根本的なアクセス数がそれほどないのであれば、まず、ホームページへのアクセス数を確保しながら、SEOキーワードの調整などによって、アクセスユーザーの絞込を行っていくという方法でもよいですが、可能であれば最初からユーザーの絞込を行いつつホームページを設計していくほうが合理的です。
オウンドメディア・コンテンツマーケティングが台頭してきてから、単なる「ブログ記事」で集客を行っても、本題から外れたユーザー層からのアクセスしか増えない可能性があります。
まずは、本題に直結したユーザー層、つまり企業の顧客となりうるユーザー層からのアクセスを確保した後に、幅を広げるためにそうした記事を増やしていくことが望ましいと言えるでしょう。
コーポレートサイトとメディアサイトは根本的に性質が違う
ウェブサイト活用の情報における、SEOマニア、SEMオタクとも言える手法は、メディアサイトのようなケタ違いのアクセス、PVが必要かのように映ります。
しかし、コーポレートサイトとメディアサイトは根本的に性質が違います。
コーポレートサイト(企業サイト)でコンバージョンを得ることは、広告収入などを狙うメディアサイトのように、ケタ違いのアクセスは必要ありません。大規模なメディアサイトでは、たしかにセッション数やPV数が重視され、SEOによってその数値も大きく変動することから重要視されていますが、そうしたメディアサイトとコーポレートサイトを同じ目線で考えることはできません。
企業ホームページの基本コンバージョンは「問い合わせ獲得」
企業の公式ホームページの基本コンバージョンは、問い合わせ獲得であるため、大規模なアクセス数、PV数などよりも、コンテンツのユーザー訴求力・メッセージ性や、同じアクセス数であってもよりコンバージョンにつながりやすいユーザーからのアクセスへの調整などが必要になります。
SEOに関しても、自社の顧客層に合わせたWeb集客を意図した施策だけで十分です。ホームページへのアクセス自体が極端に少ない場合は問題がありますが、ニーズがマッチしたユーザーからのアクセスがあるのであれば、それほど数多くのアクセス数は必要としません。
もしSEO対策を行うのであれば、コンバージョン数自体を向上させるために、アクセス数よりもアクセスされているSEOキーワードの調整などのほうが効果的です。費用対効果を考える場合にはそちらのほうが効率的であると考えられます。
ホームページ制作会社・Webマーケティング会社だけで十分
SEOマニア、SEMオタクは、われわれホームページ制作(ウェブサイト制作)・Webマーケティング会社だけで十分です。
コンバージョン率というパーセンテージでの考え方やアクセス数向上という数の見方をすると、本質が見えなくなりますが、企業ホームページのコンバージョン数向上には、基本的なコンテンツ改良などが一番効果的です。
「アクセス数」は、すごくわかりやすい数字であり、ともすればそうした数値が高まると自己満足に陥りやすい傾向にあります。
しかし、企業ホームページやECサイトで大切なのは、実際の「コンバージョン」です。
「意味のあるアクセス」のためのSEOでコンバージョンを得る
こうしたコンバージョンを高めるためには、SEOによって、アクセス数を確保することと、SEOの調整によってユーザーのタイプを自社に関係のあるタイプに寄せていくことで「意味のあるアクセス」にしていくことです。
そして、普段目の前にいるお客さまにされていることを、ウェブ空間に置き換えてほんの少しやってみるだけ、それだけで、十分にコンバージョンを得ることができます。
もしそこでつまったら、あとはサイトのカスタマイズなどなど、少しのコンテンツSEO(検索エンジン最適化)。
それはホームページ制作(ウェブサイト制作)・SEOマニア、SEMオタクの私達にお任せください。
形にされた思いをウェブ空間で「最適化」いたします!
ホームページからの問い合わせが「ゼロ」であっても、まずは「1件」獲得するところから始めてみましょう。
ホームページのアクセス数や、実際のコンバージョン数が向上せずにお困りの際は、ぜひ一度お問い合わせください。
(初回投稿日 2016年4月4日)