先日、若手経営者異業種交流会 わかば会の定例会で、滋賀県湖南市のFP(ファイナンシャルプランナー)、「湖南FP事務所」代表の谷さんの講演を聞きに滋賀県草津市まで行ってきました。
現在業務が集中しているため、「あまり時間がない」&「体はヘトヘト」だったのですが、ひとまず行って帰るだけでも良いのでということで、わかば会で仲良くさせてもらっている谷さんのお話を聞きに猛ダッシュで草津へ。
以前は金融機関に在籍していたので、ファイナンス系はWebの次くらいに得意かもしれません。
さて、湖南FP事務所代表の谷さんのご講演です。FP分野の様々な改正・改定や個人情報保護法の改正、標準利率の引き下げと保険料などについてお話しいただきました。
FP分野の平成29年度の様々な改正・改定
以前に「逓増定期保険なんかの話をお願いしますよ」なんて言っていたのですが、今回のテーマはリテールのファイナンスにかかる平成29年度の様々な改正・改定などについてお話いただきました。
まず最初は、少し金融から離れて平成29年度の様々な改正の中で決して他人事ではない、個人情報保護法の改正について。
個人情報保護法の改正
ひとまず一番大きいのは5000件要件の撤廃です。そして、監督機関の権限ですね。
同席させていただいた司法書士さんと情報のクラウド管理のリスクについてお話したりしました。
あとすこし面白かったのがFacebookなどの人物タグです。
保有個人データが5000件を超える必要が無いので、個人でも中小零細企業でも対象になります。
厳密に考えれば、写真の中の人物タグは、本人が識別できる画像と名前が紐付いているので、個人情報保護の対象となりそうです。
標準利率の引き下げと保険料
金融業界はゼロ金利がずっと話題ですが、生命保険に関して言えば今最も話題の中心になっているのが、標準利率の引き下げによる保険料の増加です。
生命保険などの保険料の仕組みとして預かっているお金を運用して利益が出ればその分だけ保険料を安くすることができるという考えがあり、その予定利回りは「予定利率」と呼ばれています。そしてこの予定利率は、基準として金融庁の標準利率によって決定しています。
この「標準利率の引き下げによる保険料の増加」は、単純に国債など運用する場合の金利が減るので、その分だけ保険会社の運用益が下がるため、保険会社の財務的体力を保つために保険料を上げざるを得ないというものです。
標準利率は国債の利回りによって決まるのですが、次の4月からは現在の1%から0.25%に引き下げられます。
その影響で保険料が上がるというものです。
特に長期間お金を預かって運用することがメインの終身保険や養老保険、個人年金保険などには影響が大きいでしょう。
一方標準生命表の改定も
湖南FP事務所のFP(ファイナンシャルプランナー)谷さんによると、平均余命に関する「標準生命表」も2020年までに改定されるとのことです。
平均余命はいわゆる平均寿命のようなもので、特定の年齢の方が平均してあと何年生きられるかというもので、ゼロ歳の平均余命がいわゆる平均寿命です。各年齢ごとの平均余命を示した「標準生命表」というものを元にアクチュアリーの方が保険料の算出をされます。
現在の「標準生命表」
この標準生命表が新しいものに変わる時、おそらく全体的な平均余命は伸びているでしょう。
平均余命が伸びるということは、それだけその年齢の方の死亡リスクが少ないことになるため、保険料が低下します。
特に保障型や長期間お金を預かる終身保険は保険料が低下すると予測されます(短期間の養老保険はそれほど影響が無いかもしれません)。
そう考えると、非常に短期的には標準利率の影響で保険料は上がりますが、その後標準生命表が新しいものになればその影響で一部の保険商品は保険料が低下するかもしれません。
こうした複合的な視点でお話していただきました。
久しぶりにファイナンスに関するお話を聞いて少し頭がほぐれたような気がしました。
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