先日、京都駅前にて京都の大学に通う就職活動中の大学生さんと交流してきました(特に採用募集とか説明会とかそういう旨ではありません)。
学生の街京都といわれるほど、京都市内にはたくさんの大学生の方がいらっしゃいます。なんでも京都市の人口の1/10くらいは大学生だということを聞いたことがあります。
そう言えば就活シーズンですね。
弊社は募集を行っていないので、特に採用に躍起になることもなく、この交流会のお誘いを受けて就職活動シーズンだということに気づいたくらいです。
たまにインターン生を派遣しますというようなお誘いも受けますが、大学生のインターンという気軽な気持ちでできる内容の業務ではないので、全てお断りしています。
さて、もしかしたらその会場にいた方のなかで、「あの人変だなぁ」と思いつつも、もしかしたら「もう少し詳しく」なんて感じてくださった方がいたかもしれません。というよりもそうしたお声があったと主催者経由でお聞きしていますので、こんなところで何ですが、「もう少し詳しく」お伝えします。
面接の質問事項
就活中の京都の大学生さんと交流の中で
「面接でどんなことを聞かれますか?」
というご質問がありました。
おもしろいものでこうした疑問は昔から就活生の中でだれもが一度は関心をもつ事柄なのでしょう。
事例集として考えればそれ専門の書籍がありますから、そうしたものを参照した方がいいと思います。
ここで特に注目していただきたいのは、演繹法と帰納法です(おっといきなりややこしくなりそうですが、大丈夫です)。
演繹法と帰納法
大学までの学校におけるテストやほとんどの資格試験で点を取るという場合は、究極的には丸暗記でも対応できるかもしれません。
演繹法は非常に簡単で、基本原則は「AならばB」と「BならばC」というケースにおいて「AはC」などという答えを出す論理です。この場合、「AならばB」と「BならばC」と知っていることによって対応できます。
帰納法は、いわば具体的な事例からこうした理屈を導き出す方法です。
そこで考えてみたいのが「面接でどんなことを聞かれますか?」という質問です。
さて、どんなことを聞かれるでしょうか?
そして、それら面接での質問事項の奥にある意図は何でしょうか?
ひとつの質問事項に対して、優等生的な答えを覚えておくことは、算数で言うところの1+1=2、1+2=3といった、問題と答えを丸暗記しようとすることと同じです。
もし、数字や記号の意味と加法(足し算)というものが理解できていれば、どのような数字をあてはめても答えを出すことができます。
すぐに本質はつかめないかもしれませんが、数ある質問と回答例の中から、その奥にある抽象的な本質を掴まえてみてください。
なお、こうした構造はホームページ制作・SEOなどのWeb制作においてでも同じですね。細かなテクニックを追いかけても、それは先の算数の答えの暗記に近いものがあります。
趣味を仕事に
「趣味を仕事にすることはリスクでしょうか?」
そんなことをおっしゃる方がいました。すなわち、趣味を仕事にしてしまうと、大好きな趣味が苦痛の対象になるというようなイメージなのかもしれません。
ここで問題を抽象化して再度分解すると、いくつかの別の問題点が見えてきます。
まず、仕事イコール苦痛というイメージには根拠が無いこと、そして、趣味が仕事となり、趣味が無くなることへの抵抗感の裏には、日常自体が面白くないというイメージがあり、その日常をリフレッシュするものが必要だというイメージがあることです。
特に日常にストレスがなければ、他の趣味でリフレッシュする必要はありません(「必要」はないだけで、しても構いません)。
ただ、仕事とするからには、誰かの役に立つ必要があります。
趣味は消費であり、自己満足の追求で構いませんが、お金をもらうからには相手の役に立たないと仕事としては成り立ちません。仕事は消費ではなく供給ですからね。
なぜ給料の上がり方が違うのか?
業種によって初任給は同じでも、ある程度の年数が経過したときには給与に差が出ます。
これは会社の規模なども影響しているかもしれませんが、本質的にはそうした面よりも収益に対する根本構造による違いの影響が大きいと考えられます。
単純にはスキルアップによって一人あたりで高められる生産性、生産効率に差があることが要因となっています。
例えば、20トントラックの運転手をしていて、運送に10時間かかるとしましょう。
この場合スキル向上によって生産効率が高まった場合でも、最適なルートの選択などによって縮められる「時間」や、積載量には限界がありますが、軽いものであれば積み方しだいで「個数を増やす」といった事柄などになりますが、これらには物理的な制約があります。
仮に単純に生産効率を10倍にしようと思ったら、200トントラック(そんなものがあるとするならどれくらいの大きさなんでしょう)を使用するか、運送時間を1時間にするしかありません。
一方、融資案件で300万円くらいの規模の案件を扱っていた人が、スキルアップにより3億の案件を扱えるようになれば、生産効率は単純に100倍です。もちろん1案件にかかる時間が増えることになると思いますが、100倍の時間がかかるとは思えません。
このケースは、物理的な制約の少ない、マネーという情報を取り扱っているからです。こうしたスタッフのスキルに応じて生産効率が向上する業種、職種は給与が上がっていく傾向にあります。
ただし、これはあくまで経済的・経営的な理論のお話で、「職業に貴賎なし」と言われるように、どのような仕事でも、社会の中で必要とされている仕事、職業人には敬意を示すべきです。
特に具体的で物理的な成約の強い業種ほど、社会での必要性が高い点にも注目していただければと思います。
- 例 アプリゲームは物理的制約が少ないため、生産効率を上げやすい(データをひとつ作れば、ユーザーごとにデータを作る必要がなく、ダウンロードしてもらうだけ)ものの、無くても困る人は特にいない。
- 例 物流は物理的制約が強く、生産効率を上げにくいが、物流が止まると社会は混乱する。
もし給与が上がらないことに疑問を感じたときは、こんなことを思い出していただければと思います。
こうした点が理解できれば、会社の中で生産効率を高めるために寄与する知識やそれに応じた資格が何かが見えてくるはずです。
英語を必要としない企業で、あなたの持つ「TOEICのスコア」が、「会社の生産効率とどう関係があるのか?」ということを考えてみても良いかもしれません。
(初回投稿日 2017年3月15日)