ホームページ制作の後の公開後、Webマーケティング開始の初期段階のうちは、数あるホームページ集客方法の中から絞込みを行うことが望ましい場合があります。
ホームページ集客方法にはたくさん方法論が存在し、企業の業種や地域特性、ターゲット層などによって効果的な方法はそれぞれ異なります。
ホームページの集客方法など、各種Web集客方法、Webマーケティング方法については、「Webマーケティング」をご参照いただければと思いますが、中小零細企業のホームページ集客には予算や時間の限りが多く、全てを同時に行うことや網羅して実施することは難しいと思います。
そこで今回は、ホームページ公開からさほど期間の経っていない中小零細企業のWeb集客、ホームページ集客に特化して考えていきたいと思います。
あなたは次のように思われたことはないでしょうか?
「ホームページの集客方法を調べても、SEOだ、リスティング広告だ、はたまたFacebookが有効らしい、いやいやアメブロなんかのブログで記事を書くのがいいらしい…結局何が正解なんだ?」
「新しいホームページ集客方法を見聞きする度、新しい可能性を感じて取り組んでみたが、毎度毎度期待ほどの効果は無かった」
そんな事例は星の数ほど存在します。
「結局どのホームページ集客方法が一番効率的で費用対効果が高いんだろう?」
そんな疑問をお持ちの方も多いと思います。
ホームページの集客方法は無数にありますが、BtoBと店舗の違い、取扱製品やサービス、企業の特性、事業の大きさ、地域性など、様々な特徴に合わせて有効なものと費用対効果が見合わないものがあります。
ネットの情報は、それぞれがそれぞれの立場で記事を書いているため、どれが自分にあったものかは、なかなか判断できません。
Webマーケティング会社が大企業を例として書いたもの、個人のコンサルタントが自社のホームページ集客の成功例を紹介したもの、アフィリエイターが広告収入を伸ばしたSEOの方法…
それぞれ参考になり、正解である可能性はあります。
しかし、どういったものが自社のホームページ集客に直接当てはまるものであるのかはわかりません。
そこで今回は、「初期のうちは数あるホームページ集客方法の中から絞込みを行う」というタイトルで、数あるホームページ集客方法の中から、取り組んでいくべき施策を見ていきたいと思います。
基本的なホームページ集客方法
まず、基本的なホームページの集客方法について確認します。
ホームページを通じたWebマーケティングを行う場合は、ホームページへのアクセスと、ホームページを見たユーザーの「問い合わせ」などのアクションの両方が必要になります。
ホームページを活用して集客を成功させるには、単なる「事実」を掲載したページを設置するだけでは不十分です。ホームページにやってくるユーザーをどの流入経路から獲得するのかというチャネル設計も集客効果に大きく関わってきます。検索エンジン経由の流入(SEO)、広告による集客(リスティング広告やSNS広告)、SNSの自然流入、YouTubeの活用、その他SNSにおける動画の活用、そしてメールマーケティングなどが代表的です。
それぞれに役割と特性があり自社の業種や商品特性に応じて組み合わせを最適化していく必要があります。
ホームページ自体が見られることが大前提となり、見た人が何かしらの行動を起こすということをもって企業の売上につながる「集客」と呼ぶことができます。
- ホームページへのアクセス
- ホームページを見たユーザーのアクション
そう考えてみると、ホームページの集客方法は、前者の「ホームページへのアクセス」に大きく関係している事柄であり、最大の目的はホームページのアクセスアップです。
ただし、「アクセス数」という漠然とした数値を目標にしてしまうと、アクセスユーザーの数を稼ぐことだけが目的になります。
しかしながらホームページを通じたWebマーケティングで重要となるのは、単なるたくさんのアクセスというものではなく、サービス利用の可能性が高いユーザー層からのアクセスをいかに集めているかという点になります。
サービス利用の可能性が高いユーザー層からのアクセス
ホームページ制作会社へのアクセスが、「チヌ釣りのコツ」や「おすすめのコーヒー豆のブレンド」というページばかりだと、あまり問い合わせ率が上がるとは考えられません。
ホームページ制作会社へのアクセスで有効的なものは「ホームページ制作」に関するページです。
そこで肝心となるのが、事業に関連した検索キーワードでのアクセスなどを含め、自社のサービスに関心をもったユーザー、もしくは、ニーズ喚起によってサービス利用の可能性が高まるユーザー層からのアクセスです。
ホームページ制作会社へのアクセスが、「京都観光」のページばかりだと問題がありますが、例えば、そのホームページが観光地近隣の「カフェ」などの店舗だった場合、「京都観光」に関するページに訪れたユーザーが店舗利用者になる確率は高まります。
そうしたことを大前提として、ホームページの集客方法を見ていきましょう。
アクセスの経路についての詳細はWebマーケティングのページを、ホームページの問い合わせ率を増やすための施策については、「ホームページからの問い合わせを増やすための方法 」、「あなたのホームページにお問い合わせが来ない本当の理由」などをご参照いただければと存じますが、ここでは、参照トラフィックなどを除いて、ひとまず、SEOによる自然検索、リスティング広告などのWeb広告、ソーシャルという分類で確認します。
また、分類の詳細については「Web集客の方法を考える上で必要なアクセス経路の分類」をご参照ください。
SEOによる自然検索
ホームページへの集客方法として、かなり昔から着目されているのがSEOによる検索エンジンからの自然流入です。
自社ホームページのSEO(検索エンジン最適化)は、最も基本的で長期的な効果があります。GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、自社ホームページ内のページが「自社のサービスや製品に関連するキーワード」で上位表示されることで、自然検索からの流入が起こります。
SEOは即効性はありませんが、一度検索結果の上位に表示されれば継続的な流入を見込むことができます。記事コンテンツやサービス紹介ページなどを追加していくことで段階的に構築していくことができます。
ただしこの方法は、既に認知度もある程度高く、競合性の高いキーワードなどでは、その競合性に比例してSEO施策に予算を投入する必要があります。さらにある程度ページ数が増えてきた場合は高度な技術面でのSEO施策やサイト全体の構造の見直し、再設計などが必要人なってきます。
また、SEOは効果が出るまでに一定の期間を要するため、ホームページ公開の初期段階では、検索流入を期待しないほうが良いかもしれません。
もちろん競合性の低いSEOキーワードであれば、ホームページ公開の初期であっても自然検索からの流入は期待することができます。
SEO効果が出るまでの間のアクセスを別の方法で確保する
ただ、ライバルが多い業種では、サイトボリュームやSEO内部対策を含め、相応の費用と施策期間を前提とする必要があり、もしこの方法を選択する場合でも、SEO効果が出るまでの間のアクセスを別の方法で確保する必要があると考えることができます。
後述するリスティング広告などのWeb広告と比較して、SEOはランニングコストのかからないホームページ集客方法であるため非常に魅力的ですが、ライバルの多い業種であればあるほどSEOにかかる予算は大きなものとなります。
しかしながら、弊社で手がけたSEO案件では、概ね半年以内にSEO費用以上の集客効果を得ていますので、初期投資額は大きいもの見返りも大きいホームページ集客方法になります。
一度SEO効果が出た後は、一定期間その効果が持続するため一年などの単位でみると圧倒的にコストパフォマンスが高いからです。
リスティング広告などのWeb広告
次にメジャーなホームページの集客方法として、検索結果に表示されるリストの中に挿入される広告、リスティング広告などのWeb広告の利用があります。リスティング広告は、検索キーワードに対して即座に広告を表示できる即効性の高いホームページ集客方法です。Google広告やYahoo!広告などを活用すれば、地域・時間帯・デバイスなどのセグメントを細かく設定して効率よく見込み客へリーチすることができます。
この方法を利用することで、SEOを実施していながら競合との力関係の中、検索結果のリストの中で下位に表示されてしまいアクセスを獲得できていないホームページであっても、自社のサービスの利用需要のあるユーザーからのダイレクトなアクセスを獲得することができます。特に競合が多い商圏や季節要因の強い商材を扱っている企業にとっては有効なスタートポイントとなります。
ただし、広告ですのでもちろん広告費用が必要であり、一定の効果を出すには、ある程度以上の広告予算が必要になります。また、広告費を継続して投入する必要があるため費用対効果の見極めが重要です。
さらに、トップページをランディングページとしたリスティング運用の場合は、そのトップページのクオリティをある程度のものにしておかないと、アクセスは獲得できても問い合わせが来るとは限りません。
ホームページの集客方法としては即効性があり、Webマーケティング効果としても即効性がありますが、アクセス後のユーザーに対する訴求力など、別の面での工夫に手を抜くと、ランニングコストに対する効果が薄くなってしまいます。
検索経由でコンテンツページへ訪問したユーザーが問い合わせをせずに離脱した場合、リマーケティング広告(リターゲティング広告)によって再びホームページに来てもらう方法も有効的です。
ソーシャルネットワーク(自然及び広告)
無料でアカウントを作成できて、簡単な操作で運営を行うことのできるソーシャルネットワーク(SNS)は、これまでしばらくの間、新しいWebマーケティング方法、新しいホームページの集客方法として注目されました。
ただ、ソーシャルネットワーク(SNS)は基本的に個人間でコミュニケーションを取るためのプラットフォームです。一方的な広告のような配信は疎がられる傾向にあります。
現在ではFacebookなどにおいても、Facebook広告の利用で、直接関係のない新規ユーザーに対してのプロモーションは有効的ですが、友人知人の周りやソーシャルバズを狙ってプロモーションする方法はあまり効果的ではない傾向にあります。
FacebookやX(旧Twitter)、InstagramなどのSNSは、個人向けサービスや「個人」がウリになっているものは、SNSと相性が良く、逆に企業向けサービスの場合はあまり相性がよくありません。
今回は参照トラフィックとして対象外としていますが、以前は、アメブロなども着目されていました。ただし、そうしたブログ配信やソーシャル投稿はコンテンツマーケティングとは一線を画しており、個人間のコミュニケーションに強い比重を置いたWebマーケティングになっています。
業種にもよりますがホームページの集客方法として中小企業などが応用することは難しいと考えることができます。
その理由は、次の「ホームページと連動したブログ集客・SNS集客の本質」につながります。
ホームページと連動したブログ集客・SNS集客の本質
無料のホームページ集客方法としてよく紹介されるのが無料で利用することのできるアメブロなどのブログや、Facebook、X(Twitter)、InstagramなどのSNSを利用したホームページ集客です。
スタートが無料であるため手を出しやすく、「少しでもアクセスが稼げるのなら」とか、「ひとまず始めてみないとわからない。無料だから始めてみるか」といったように、ある程度成熟した市場であるブログ集客やSNS集客を始める方も多いのではないでしょうか。
ただ、こうしたホームページと連動したブログ集客・SNS集客の本質は、結局個人間のコミュニケーションであることがほとんどです。
ホームページ集客方法のひとつとしてブログやSNSを活用してみようと目論んだ時に、ある程度活動したあとは、少しの手間をかけるだけでバンバン問い合わせが来る、ということを期待されている方も多いのではないでしょうか。
確かにSNSは企業イメージの伝達や親近感を持ってもらう上では非常に良いチャネルです。FacebookやX(Twitter)、Instagram、LINE、そしてYouTubeやTikTokなどを使って日々の活動やお知らせを発信して企業の存在を知ってもらうことや自然なコミュニケーションを通じてファンになってもらうことによってホームページへの誘導やリピーター獲得にもつながります。また、SNS広告を活用することで、関心がありそうなユーザー層にターゲットを絞って情報を届けることも可能です。
個人間のやり取りがWebマーケティングにつながる
こうしたブログやSNSの利用は、一方的なプロモーションを行うだけではほとんど反響はなく、積極的に個人間でやり取りをしていってこそ、Webマーケティングにつながるという特性を持っています。
すなわち、ブログ記事を配信しただけではほとんど反響など無く、ブログユーザー同士の「絡み合い」の中で、徐々にコメントが付き、そうして客観的信頼性も高まったところで直接の問い合わせが来るといったイメージです。
もちろん例外もある可能性がありますが、個人レベルで事業を行っている方、企業の中でも代表者の方個人の個性を全面に出しているケースで、かつ、ユーザー間の相互コミュニケーションが生まれないと、ホームページへの集客も、その先にあるWebマーケティングの成果もあまり期待することはできません。
そこで原点に帰ると、企業にとっては、ホームページ集客のイメージとして「一度作って、基本は放ったらかし。ある程度の月予算を投入するだけで、それ以上の成果が一定期間あるはず」という目論見とは裏腹に、ずっと何かのやりとり、作業を強いられるという、目論見とは結果になるでしょう。
個人事業主で、個人のスキルを売りにされている場合はそれでも良いですが、例えば従業員50人程度のBtoB企業の場合、そのような構造は、ホームページ集客としては不向きであると言えます。
大企業と中小零細企業と個人
以前にもお伝えしたことがありますが、大企業のようなソーシャル活用や、上記のような個人的な繋がりややり取りを必要とするホームページ集客方法、Webマーケティング方法は、業種にもよりますが中小企業には向いていません。
例えば飲料メーカーであれば、製品にFacebookページの紹介と、「いいねでプレゼント」というような案内を掲載するだけで、フォロワーを集めることができます。
こうしたように大企業の場合は、Facebookでのプロモーションを行う場合でも、実際の製品と連動してフォロワーを集めることが可能であり、一方的なプロモーションであっても受け取り手の数も多いため一定の効果を期待することができます。
個人を推し出したり、特殊な技術を紹介する企業
また、個人で事業を展開されている方であれば、SNSやブログでの直接的なやりとりも行いやすく、ホームページへの集客自体を行わなくても、ブログ内やSNS内でWebマーケティングを実施することも可能になる可能性を秘めています。
ところが、中小零細企業になると、「個人を推し出すプロモーション」という選択を取らない限り、こうした個人レベルでは実施可能なホームページ集客の方法は難しい面があります。
ただ、中小企業の中にも、特殊な製品を扱っていたり、おもしろい動画の配信などで、プロモーションに成功している企業もありますので、一概に言えるわけではありません。
しかし、個人を推し出したり、特殊な技術を紹介できるような企業でない限り、個人間の繋がりに依存したホームページ集客は難しいと考えることができます。
メールマーケティング
また、ホームページ経由のWebマーケティングにおいてはメールマーケティングも一つの手段として検討することができます。これはお問い合わせや資料請求の際に取得したメールアドレスを活用し、定期的なニュースレターやキャンペーン情報を送ることで再訪問や成約促進につなげる方法です。ホームページ経由で問い合わせを得た後に離れてしまったユーザーに対して適切なタイミングで再アプローチできる手段として機能します。ただ、ニュースレターやキャンペーン情報については問い合わせフォーム内に了承のチェックなどを加え、事前に送付の了承を得ておく必要があります。
中小企業に合ったホームページ集客方法
中小企業のホームページ活用として、ある程度の予算組はしても基本的に企業内部での作業は省きたいというニーズがあるのがほとんどだと推測されます。
公開後にあまり更新されていなかったり、検索結果に表示されなかったり、根本的にWebマーケティングのための設計が不足しているなどの理由から、中小企業においてはホームページを保有していても集客につながっていないケースはよくあります。ホームページの目的や対象が曖昧なまま運用されている状態にある場合も少なくありません。専任のWeb担当者がいないという場合もありますし、「ホームページを制作するだけ」の外注先であるため集客面が曖昧になりホームページを活用しきれないまま時間とコストをかけてしまっている場合もあります。
かつては営業訪問や電話などのオフライン手法が中心だった業種でも、近年ではWeb経由の問い合わせや資料請求、さらにはSNS連携、動画の活用を通じた商談の獲得が当たり前の時代となりつつあります。こうした流れの中で、自社のホームページを「どう作るか」ではなく「どう活用するか」という視点が求められるようになっています。
「ホームページ制作もホームページの集客も、なるべく自分たちで手間は取りたくない」
私たちがホームページ制作を行ったりWebマーケティングを実施する会社でなければ、おそらくそんなことを思います。
「得体の知れないものに予算を投入するリスクは避けたい」
おそらくそんなことも思うでしょう。
ホームページ制作やSEOを手がけている会社ならいざ知らず、異業種の企業であれば、ホームページ集客に「SEOが効果的だ」と言われてもチンプンカンプンです。おそらくいきなりは手を出さないでしょう。むしろ無料で利用できるブログやSNSから始めてしまうかもしれません。
と言っても、そうした無料ホームページやブログの可能性を感じながら時間と労力を取られたまま結果が出ないというケースは山ほどあります。
ホームページ制作費用、ホームページのランニングコストは無料ですが、集客できなければ意味がありません。時間と労力をドブに捨てるようなものです。
そこで考えてみたいのが「中小企業に合ったホームページ集客方法」です。
理想的な中小企業のホームページ集客方法・活用方法
私たちが考える理想的な中小企業のホームページ集客方法、そしてホームページの活用は次のとおりです。
① 改良前提でホームページ制作を行う。まずはアクセスは考えずに問い合わせが来ることに重点をおいて制作する。
② ホームページ公開後の初期段階は、広告の予算組をし、リスティング広告でアクセスを確保しておく。
③ アクセスに対してのコンバージョン(転換率)を見て、費用対効果があるなら、広告のランニングコスト削減などを前提としてSEOの方に予算を配分していく。
③-1 効果が見られないのなら、ページ内容を改良する。
④ SEOによるホームページ集客やコンバージョン率向上のための工夫(EFOなど)に予算を投入する。地域性のある企業である場合はローカルSEOとMEO(マップ検索最適化)に力を入れる。
⑤ 現在のキーワードでの集客数に限界が見えてきた段階で、コンテンツマーケティング導入を検討し、幅広いキーワードでのアクセス獲得などを目指す。コンテンツ配信やSNS広告などの利用で幅広いユーザー層にアプローチする。予算や時間が許す限り、SNS集客、動画配信なども検討する。
これらは私たちの考える中小企業向けの理想的なホームページ集客方法です。
他のマーケティングとの兼ね合いで予算なども限られている場合があるのが、ほとんどだと思いますので、もちろん比重の置き方は千差万別だと思います。
①にあるように、可能であれば初期段階から改良前提でホームページ制作を行うのが理想的です。
なぜなら、ある程度の企画と予測によってホームページ制作を行っても、予測とおりにいってくれるとは限らず、ホームページは公開後に効果測定を行いながら改良をしていくべきツールであるからです。
中小企業が限られた予算や人材の中でWebマーケティング成果を出すには、自社の特性に合った方法を見つけ出すことが重要です。理想的なホームページ運用とは、定期的な更新・コンテンツ配信を通じて見込み客との接点確保や信頼関係を作り、営業や販売につながらう集客ツールとして運用される状態です。
マーケティングを成功に導く効果的なWeb集客「モデルユーザーの設定」
効果的なWeb集客を実現するためには、まず「集客対象者」と「その対象に伝える内容」を明確にしていく必要があります。その対象を曖昧にしたままでは、どれほど優れたコンテンツを作ったとしてもメッセージは届かず反応を得ることは難しいと考えられます。そこで有効となるのが「モデルユーザー設計」という考え方です。
ここで言うモデルユーザーとは、実際の顧客データや相談履歴などをもとに、サービスや商品を最も必要としてくれる代表的なユーザー像を具体的に描き出した人物像です。たとえば製造業であれば「30代の購買担当者で、海外製よりも品質や納期対応を重視する国内企業の中小工場の担当者」といったように年齢層や役職、関心ごとや抱える課題、普段利用する情報源までを細かく想定して設定します。
モデルユーザー設計を成功させるためには、現場の営業や電話応対、既存顧客との会話などから得られる「生の声」が重要な材料になります。単なる想像ではなく、実際に困っていたことや質問された内容をもとに構築されたモデルであればあるほど、ページコンテンツ化していく際にも現実に即した内容での訴求が可能となります。ホームページの掲載内容が「ちょうど自分のことだ」と感じてもらえる可能性が高まります。
このモデルユーザーを設計する最大の目的は、Web上で発信する情報の内容、言葉選び、導線設計すべてに一貫性を持たせることにあります。ターゲットが「何を知りたがっているのか」、「どのような表現で伝えれば安心感があるのか」という点を抽出し、ページを見た後にどの行動を促したいのかという点を設定していきます。これらをホームページ制作の設計段階であらかじめ定義しておくことで、ページ単位での訴求力が飛躍的に高まります。
また、モデルユーザーは一人だけでなく複数設計して使い分けることも可能です。たとえば、リフォーム会社であれば「40代主婦の戸建て所有者」「60代の両親との同居を考えるファミリー層」など複数のターゲット像が存在すると考えられます。それぞれに対応したページや特集コンテンツを用意することで訴求力のあるホームページを構築することができます。
地域性のある中小企業の集客につながるローカルSEOとMEO
中小企業におけるホームページ集客において、地域性のある中小企業の場合はローカルSEOとMEO(Map Engine Optimization)に力を入れると集客効果が高まることがあります。特に店舗や商圏が限定されるサービス業では効果があります。
ローカルSEOとは、サービス名や業種名に地名を含んだ検索キーワードで自社のホームページを上位表示させる施策です。例えば「京都市 中京区 税理士」「新宿 美容室」といった検索において自社のホームページが自然検索の上位に表示されればそのエリアの見込み客からの訪問の可能性が高まります。
同時にGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)を活用したMEO対策を実施することで、Google検索やGoogleマップで企業や店舗が表示される可能性が高まります。地域名を含んだ検索の場合は、通常のWeb検索でも地図表示とともに上位3つが検索結果に表示されます。さらにスマートフォンで「業種名のみ」を検索した場合や「近くの〇〇」と検索した際には地域名を含まずともユーザーの現在地に応じた検索結果が表示されます。
改良前提でホームページ制作を行うことをおすすめさせていただく理由
ただどういった方法を取るにしても、軸となるのは企業や店舗の公式ホームページとなります。公式ホームページを中心としてSNSなどと連携していくことが最良のホームページ集客となります。
そしてホームページは常に改良を必要とします。
初期段階から改良前提でホームページ制作を行うことをおすすめさせていただく理由として、「ホームページの作り直し」を筆頭に、各施策を細切れに行うと、逆に予算が高くついてしまうことが多いという点が挙げられます(私たちがWordPressベースのホームページ制作を推奨させていただいているのはこのためです)。
ホームページ制作や活用、そしてホームページ集客、Web集客において重要となるのは、「ホームページの企画設計」と「改良しやすいホームページ」となります。これは中小零細企業や個人事業に限ったことではありませんが、かけられる予算や労力が限られた中小零細企業や個人事業においては特に重要となります。
WordPressは「自社で更新可能なホームページ」「新規ページ配信が可能」というのも魅力的ですが、それ以上に様々なポイントを改良していきやすいところにさらなる魅力があります。
弊社は、数多くのお客さまに、追加のカスタマイズのご依頼やさらなるSEOのご依頼などをいただいておりますが、私たちとしても、追加のご依頼をいただくことがありがたいのと同時に、文字通り共に成長していく実感があるため、やりがいを感じています。
(初回投稿日 2017年7月18日)