確定期売買

テイクアウト・デリバリー用の簡単な注文フォームの設置


既存ホームページにテイクアウト・デリバリー用の簡単な注文フォームを設置した事例についてお伝えしていきます。

最近ではやや落ち着いてきましたが、飲食店での店内飲食の機会が減り、テイクアウトやデリバリーが社会に浸透しました。

ホームページ上で注文を受ける仕組みと言えばECサイトとなります。しかしながら、商品掲載、オンライン決済、顧客管理システムといったECサイトの機能をフルに使うとまではいかなくても、「店舗ホームページにネット注文用の注文フォームだけでも欲しいなぁ」というようなご相談をよく受けました。

以前はそれほどそうしたご要望はありませんでしたが、テイクアウトやデリバリーが社会に浸透してからというもの、既存ホームページにテイクアウト・デリバリー用の簡単な注文フォームを設置するというホームページカスタマイズを実施させて頂く機会が多くありました。

簡単な注文フォームが利用されるシーン

簡単な注文フォームが利用されるシーン

簡単な注文フォームが利用されるシーンは、実際に店頭や訪問先で人と人が会うテイクアウトやデリバリーが主となります。広義に考えた場合は、来店のWeb予約や資料請求・商品の取り置きなども注文フォームを利用するシーンであると考えることができます。

顧客管理やオンライン決済、配送料計算などが必要な場合はECサイトシステムを利用することになりますが、そこまで高度なシステムは必要がないという場合、自社ホームページにメールフォームをカスタマイズした簡単な注文フォームを設置してWeb注文を受けるという方法があります。

ECサイトほどの高度なシステムは必要がない場合

ECサイトほどの高度なシステムは必要がない場合

「ホームページに注文機能を」ということになると、本格的なものはECサイトとなります。

ただ、注文内容、購買のあり方を考えると、ECサイトには2つの難点があります。

それは「制作・運営コストの高さ」と「機能の煩雑性」です。

「持ち帰りのお弁当の注文」に対して、それほど高額で高度なシステムは必要がないという場合がよくあります。決済や引き渡しは店頭で行うため、オンライン決済や地域ごとの配送料計算などはいらないという場合です。

実際に人と人が会うテイクアウト・デリバリー

実際に人と人が会うテイクアウト・デリバリー

ECサイトほどの機能が必要ない最大の理由としてテイクアウト・デリバリーの場合は、実際に人と人が会う機会があることです。

そのため引き渡し、決済の面でサイト上で情報処理を行う必要がない部分が出てきます。

商品引き渡しに関して、テイクアウトであれば住所等の入力や保存が必要ありません。

決済についても、事前決済としてクレジットカード決済をすることで業務効率化を図ることはできますが、実際に店頭のレジで管理する事ができるので不要となります。デリバリーにおいても現金やポータブル型クレジットカード決済端末を利用することが可能です。

ホームページに簡易的な注文フォームを設置

ホームページに簡易的な注文フォームを設置

顧客管理や決済機能が必要ない場合、ホームページに簡易的な注文フォームを設置することで、テイクアウト・デリバリーの注文に対応することができます。

こうした簡単な注文フォームは、基本的にはメールフォームと同じ仕組みです。

「ホームページ上で必要項目を入力し、メール送信する」という基本機能に、商品選択や商品代金合計額の自動計算を組み込めば、簡易的な注文フォームとなります。

いわばかつてからある「FAX注文」をホームページ上のフォームシステムで行うというようなイメージです。

端的には、カスタマイズしたメールフォームで注文フォームを作るということになります。

画像による商品選択や対象商品の数値の増減を実装したフォーム

画像による商品選択や対象商品の数値の増減を実装したフォーム

テキストベースの注文フォームでも基本機能を満たすことはできますが、見た目や操作性のために画像の設置や、画像による商品選択、対象商品点数の数値の増減などが実装されていれば、よりECサイトに近い形の注文フォームとなります。

基本形は商品のプルダウンリストやラジオボタン、お名前・連絡先などのテキスト入力項目などになりますが、商品選択部分や数量の増減を画像ボタン仕様にしたり、商品代金の合計額を自動計算できる仕組みがあれば、ある程度テイクアウトやデリバリーの注文フォームらしくなります。

それら商品の注文情報、代金の合計額を受信メールに反映したり、控えの自動返信メールに反映する仕組みがあれば、注文フォームの基本機能としては十分なものとなります。

注文フォームのリアルタイム性の問題

注文フォームのリアルタイム性の問題

ただ、こうした注文フォームにはリアルタイム性の問題が残っています。

受けた注文をすぐに確認できる環境が必要になります。

また、注文を受けたものの、店舗が混雑しており対応が遅延する場合もあります。

仕組みとしては、ホームページに簡易的な注文フォームを設置することは、さほど敷居が高くありませんが、顧客とのトラブルを避けるために実際の店舗運営上の工夫などが必要になってきます。

注文を受けてからどれくらいで対応できるのか、という点が焦点となります。

注文確認の必要性

注文確認の必要性

また注文確認の必要性も問題となります。対応時間などの案内も含めて折返しの連絡をするのか否かという部分です。確認連絡はできるだけ実施するに越したことがありません。しかしそれでは、確認連絡の業務が増えます。電話注文であれば、その場の電話応対だけで完結します。

注文フォームによる受注は、対象商品の数量などの伝え間違いを避けることができますが、一方で、フォームからの連絡だけですべてを確定させることはトラブルの原因となりかねないという面があります。

確定期売買

確定期売買

これは、注文フォームからの発注だけの問題ではありませんが、売買においてある日のある時間に履行されることが条件となっている場合があります(難しい言葉では確定期売買です)。わかりやすいもので言えば、「誕生日パーティに使用する」というような場合です。

この場合、商品の引き渡しなどが遅れることは致命的です。

注文フォームのみならずECサイトにおいても同様ですが、こうした面はトラブルになりやすいため、連絡確認の時期を含めたリアルタイム性の問題には十分注意する必要があります。

事前決済について

事前決済について 簡易注文フォーム

注文フォームを利用した受注に関して、クレジットカードによる事前決済を組み込んで業務効率化を図る場合があります。

クレジットカード決済については、決済代行サービスを利用する必要があり、注文フォームにその決済代行サービスが配布しているプログラムを組み合わせる必要があります。

理論上仕組みとしては可能ですが、クレジットカード情報との照合などがあるため実質的には以下の2つのパターンしか方法がありません。

  • 注文フォーム内容に沿って、別途決済代行サービスのオンライン決済を利用し、決済情報を顧客に連絡する
  • 本格的なECサイトを導入し、決済プラグインと連携する

注文フォーム内容に沿って決済代行サービスのオンライン決済を利用

注文フォーム内容に沿って決済代行サービスのオンライン決済を利用

簡易的な注文フォームでのテイクアウト・デリバリーの注文に対し、事前クレジット決済を行おうとする場合、決済代行サービスのオンライン決済を利用する方法があります。

決済代行サービスには、請求書発行機能などがあり、決済画面URLを生成できるものがあります。この機能を使い、注文フォーム内容に沿って請求情報を入力して、決済画面を生成します。

その生成したページ画面のURLを顧客のメールアドレス宛に送付して、オンライン決済をしてもらうという方法です。

しかしながら、この方法は手間がかかります。クレジットカード決済を実施するにしても店頭や玄関先であれば、決済用の端末で決済が可能です。その他、現金や端末に応じた電子マネー決済なども可能です。こうしたことから画面生成、メール送信が手間になるだけになると考えられるためあまり現実的ではありません。

本格的なECサイトを導入し決済プラグインと連携する

本格的なECサイトを導入し決済プラグインと連携する

スムースなオンライン決済を導入する方法として、本格的なECサイトを導入し決済プラグインと連携するという方法があります。この場合は顧客情報も管理できるため、リピーターの場合には入力の手間が省けるというメリットもあります。

クレジットカード決済については、実際のお金が関わっているため慎重に取り扱われます。主にクレジットカード会社や決済代行会社が配布している決済プラグインと連携するという方法で、オンライン決済が導入されます。

ただ、配送料金計算などの設定をパスできるにしろ作り込みが必要になるため、やはり本格的なECサイトであるため高コストとなります。

テイクアウト・デリバリー用の簡単な注文フォームの利用

テイクアウト・デリバリー用の簡単な注文フォームの利用

以上の点からテイクアウト・デリバリー用の簡単な注文フォームの利用においては、ある程度の期日の余裕があり、確認連絡、実際の引渡し時の精算といった業務を加えても採算の合うような注文に対して、「24時間対応」という形でホームページ上に設置するのが最も良いのかもしれません。

大口の注文等に限定してテイクアウト、デリバリー、ケータリングなどの注文に簡単な注文フォームの利用を検討するというのもひとつです。

市販品、汎用製品などのEC(ネットショッピング)であれば、生じないような問題でもテイクアウト・デリバリーでは問題が起こる可能性もあります。逆にテイクアウト・デリバリーであるからこそ簡略化できる部分もあります。

リアルタイム性の問題が生じない範囲で、かつ、顧客管理やオンライン決済、配送料計算などを要しないような場合は、自社ホームページにメールフォームをカスタマイズした簡単な注文フォームを設置してWeb注文を受けるような仕組みを導入することも検討しても良いのではないでしょうか。

簡単な注文フォームの成功事例 「予約注文」に限定

簡単な注文フォームの成功事例 「予約注文」に限定

弊社で手掛けさせていただいた事例で、テイクアウト・デリバリー用の簡単な注文フォームの設置が成功した事例としては、概ね「予約注文」を要するサービスを対象としたものが多い傾向にあります。材料等の準備のため日数を要するものや大口受注を対象としたものが、受注を獲得しているという声をお客様よりいただいております。

即時対応が必要なサービスは、別途フードデリバリー注文サービスを利用して対応されているケースがほとんどで、大口注文や事前準備が必要なサービスに対しては、ホームページで簡単な注文フォームを利用するという使い分けが行われています。

オンライン上のフードデリバリー注文サービスの利用は、支払うマージン率が高く利益率を圧迫します。一般の小口注文はそちらで対応し、日数を要する商品、大口等に関しては簡単な注文フォームを利用するという形で運営されています。

細かい部分で考えれば、簡単な注文フォームを設置することで、「大口の注文をするにあたって店舗の営業時間には電話連絡することが難しい」という潜在顧客の取りこぼしを回避することができます(営業時間外の注文フォーム経由の受注も多いようです)。

それぞれの長所短所を活かして販路拡大に利用するというのがWeb注文受注の成功例と言えるでしょう。


「テイクアウト・デリバリー用の簡単な注文フォームの設置」のカテゴリ Web制作・Web関連
タグ: , , ,


ホームページ制作・カスタマイズ、Webマーケティング・SEOなどのお問い合わせ・ご依頼