京都市右京区にある蛇塚古墳(へびづかこふん)は、国の史跡に指定されている京都府下最大の横穴式石室を持つ前方後円墳です。現在は露出した石室のみが残っています。
この蛇塚古墳は、7世紀頃に築造されたと考えられています。

史跡蛇塚古墳 京都市右京区
蛇塚古墳の床面積は、高倉山古墳(三重県伊勢市)、こうもり塚古墳(岡山県総社市)、石舞台古墳に次ぐ全国第4位の面積を誇っています。
京都市右京区の住宅街を歩いているとふと古墳が登場します。
蛇塚古墳 石室

蛇塚古墳 京都市右京区
蛇塚古墳の石室です。
秦氏の首長クラスの古墳であると推定されています。
秦氏の絶大な権力と太秦の地政学
京都府下最大規模の横穴式石室を持つこの古墳は、単なる墓所ではなく、当時この地を支配していた渡来系氏族である秦氏の圧倒的な権力と財力を象徴しています。飛鳥時代にかけて造営された嵯峨野・太秦古墳群の中でも群を抜く規模を誇り、彼らが治水や農業、さらには高度な土木技術を駆使して豊かな山城国を築き上げていた歴史がはっきりと見えてきます。一族の首長クラスが眠るこの場所は、古代京都の中心地の一つであったといえます。

蛇塚古墳1 京都市右京区
高度な土木技術と権威の象徴
奈良県の石舞台古墳に匹敵するほどの巨大な石材を組み合わせた構造は、当時の人々が持っていた高度な力学の知識や運搬技術を証明しています。これほどの巨石を遠方から運び込み、精巧に組み上げるためには、膨大な労働力とそれを束ねる強力な統率力が必要でした。秦氏が持つ最先端の建築技術が惜しみなく注ぎ込まれたこの石室は、彼らが中央政権においても非常に重要な地位を占めていたことを示唆しています。
蛇塚古墳 全体

蛇塚古墳 全体 京都市右京区
蛇塚古墳は、住宅街のど真ん中にドンと構えています。
かつては豊かな土に覆われた美しい前方後円墳でしたが、長い年月の間に土が失われ、現在のような巨大な石室が露出した姿へと変化しました。周辺が近代的な住宅街へと姿を変える中で、この威圧感のある巨石群だけが取り壊されることなく保存されてきた背景には、地域の人々が抱く畏敬の念が存在していたのかもしれません。
日常の風景の中に古代の遺跡が溶け込んでいるこの特異な景観こそが、太秦エリアの大きな魅力に繋がっています。
〒616-8153 京都府京都市右京区太秦面影町
嵐電「帷子ノ辻駅」から徒歩約6分です。
(初回投稿日 2022年6月10日)






