ソーシャルネットワークについて言及するのは、ほとんど初めてだと思いますが「Facebookの投稿リーチ数 すべての友達には投稿メッセージが届かない」という表題通り、Facebookでの投稿は、すべての友達、すべてのフォロワーにメッセージは届かない傾向があることが確定的になってきたので、備忘録的に記事を投稿します。
この「Facebookの投稿リーチ数 すべての友達には投稿メッセージが届かない」という投稿は、2016年6月1日に投稿しましたが、この投稿を実験対象として、その結果を2016年6月2日に追記しています(Facebookページ投稿のリーチ数(表示数)向上のために)。
なお、本ページの挿入画像が小さくて読みづらいですが、クリックで拡大していただくことができます。
本件は、Facebookニュースフィードの「ハイライト」だけでなく、「最新記事」でもその傾向が見られたため、掲載しています(Facebookページの取り扱いでは、その傾向が顕著です)。
Facebook内の個人の投稿すら、すべての友達に表示されていない可能性も
2015年頃から、Facebookの個人での投稿につく「いいね」の数がやたらと減少していることを感覚的に感じていました。Facebook内の個人の投稿すら、すべての友達に表示されていない可能性もあります。
Facebookの実質ユーザーが減ったのか、それとも私がみんなに嫌われだしたのか、様々な要因は考えられますが、根本的なリーチ数が減少しているのではないかという仮説も考えられました。
投稿リーチ数とは?
リーチ数とは、「表示回数」のことです。
「Facebookの投稿リーチ数」は、Facebookに投稿した場合、その投稿が何人のFacebookユーザーに表示されたかを示す数値です。
個人アカウントでの投稿では、リーチ数は表示されませんが、企業やブランドなどの「Facebookページ」での投稿は、「何人のユーザーに表示されたか」が表示されます。
基本的にはそのFacebookページに「いいね」を押してくれたユーザーやページをフォローしている「フォロワー」には表示されるはずです。
Facebookページの投稿
しかしながら、全てのフォロワーに表示されるべきFacebookページの投稿が、投稿によって制限がかかるのか、表示されません。
SNSスパムのように、同じ投稿の「連続投稿」であれば、代表的なひとつの投稿の表示に制限するのもわかるのですが、そうでない場合でも全てのフォロワーには投稿が表示されないケースがあります。
この原因は、投稿ごとの「いいね」の数や、いいねをしてくれたユーザーの友達の数などが関係していると推測されます。
せめて最新の投稿くらいはフォロワーに表示しても良いはずです。
仮にリーチ数がいいね数やシェア数で変動するのであれば、それはソーシャルネットワークとして少し変な仕組みです。
Facebookは、「表示すらしない」
Google+やX(Twitter)などであれば、フィード・タイムラインが時系列的には流れても、「表示しない」ということはありません。
しかしながらFacebookは、ユーザーの投稿、配信を「表示すらしない」という可能性があります。
元々、パーソナライズされているはずで、すべての投稿を表示させることは基本機能として備え、そして、不快・不適切コンテンツは「投稿の非表示」「ユーザーのブロック」といったユーザー個々のアクションに委ねるということが良いのではないでしょうか。
「いいね」がリーチ数の指針になるのなら
以前、知人の方が、Facebookの個人投稿で「お遊び」をされていたことがあります。
「わー」
と投稿して、Facebook内の友達が一斉に「いいね」を押すというお遊びです。
いいね数は300や500といった数字になっていました。
その際、確かにその方の投稿は、たくさん表示されていました。
「すべての投稿は表示させない」という、情報の取捨選択を行う場合、いいねの数に比重を置くとたった一言の「わー」でも、「優れた投稿」ということになります。
一つの指針として採用することは良いですが、これはまだブラックハットSEOが横行していた頃のリンクプログラムと同じ構造です。
少なくとも「個人」に深く根ざしたソーシャルで、「友達の投稿」の表示には、こういった仕組みは特に必要ではないと考えられます。
同時に、いいねを押してフォローしている「Facebookページ」でも、そういった情報の取捨は行わずに、ユーザー個々人に委ねるべきでしょう。
Facebookページの場合はリーチ数の変動が顕著
個人の投稿は「リーチ数」が表示されないため、実際はどうなっているのかは、確認が取れませんが、企業やブランドなどのアカウントである、「Facebookページ」の場合は、投稿のリーチ数が表示されます。
Facebookページの場合は、投稿リーチ数の変動が顕著です。
言葉だけでは説得力もありませんので、キャプチャ画像を掲載します。
これは、弊社が共同で管理させていただいているお客さまのFacebookページのリーチ数です。
Facebookページへの「いいね数」・「フォロワー数」が200ほどのFacebookページです。
外部サイトへの「リンク」を含む投稿のリーチ数
そのページで外部サイトへの「リンク」を含む投稿をした時の数値です。
このFacebook投稿では、投稿のリーチ数が268人になっています。
同じページの人気記事?です。
投稿タイプとしても同じで、テキスト文章と「外部サイトへリンク」を含んだ投稿です。
こちらのFacebook投稿は1808人になっています。
先の投稿とは約6.7倍の開きがあります。
この2つは数行の文章と、外部サイト(と言っても公式サイト)へのリンクをシェアした投稿です。
画像と文章のみのFacebook投稿
Facebook投稿において外部サイトへリンクが設置されている場合、Facebook外へのユーザー離脱を防ぐために、このタイプの投稿のリーチ数を制限している可能性がありましたので、別の投稿タイプでリーチ数を計測しました。
Facebookページの投稿のリーチ数を伸ばすためには、外部リンクを含まず、画像と文章のみの投稿の方がより良く表示されるのか、という点が気になるところです。
ところが画像2枚を投稿した際はリーチ数は216人と、少ない数になっています。
投稿への「いいね」の数でリーチ数は変動するのか?
投稿タイプによるリーチ数の変動については、上記のとおりでしたが、一方でFacebook投稿への「いいね」の数でリーチ数は変動するのか?という点も気になるところです。
それではそれぞれのFacebook投稿の「いいね」の数を見ていきましょう。
まずはリーチ数268人の投稿です。
次にリーチ数1808人の投稿です。
リーチ数268人とリーチ数1808人の投稿では、いいね数が2つしか変わりません。
たった2つで、Facebookページの投稿のリーチ数が6.7倍になります。
この2つの投稿は、投稿タイプ(リンクシェア)は同じで、掲載テキスト数もほとんど差がありません。
そこで考えられるのが…
ある相関関係を推測しています。
が、掲載は控えさせていただこうと思います(ごめんなさい)。
そこで興味深いのが、Facebookページへのいいね数が100程度のFacebookページです。
いいねが100件ついているため、このFacebookページは、フォロワーが100名ほどいらっしゃるはずなのですが、
普通に投稿しただけではリーチ数は2人…
2人にリーチして、いいねがつかないと、その後の表示もされない、ということでしょうか。
また、次のような例もあります。
Facebookのリーチ数が5人、いいねが4、すごいアンバランスですね。
Facebookページへのいいね数が半分程度だったときの投稿リーチ数
実際には、Facebookページへのいいね数が半分程度(50件程度)だった時の方がリーチ数が多かったという計測結果になっています。
Facebookページへのいいね数が半分程度だったときの投稿のリーチ数です。
ここで面白いのが、そもそものリーチ数が減ると、「いいね」獲得数も減り、リーチ数は伸びず、さらにいいねが集まらないという現象です。
Facebookページにいいねを押していないユーザーにもリーチはする
その投稿がいいねを押されると、Facebookページにいいねを押していないユーザーにもリーチする、というシステムは良いのですが、Facebookページにいいねを押しているユーザーにすら「最初から見せない」というおかしな構造になっています。
せめて入り口だけは平等であるべきです。
これはソーシャルネットワークとして非常に個人に関連したプラットフォームであるにもかかわらず、その内側でヒエラルキーが存在することになります。
Facebookページ投稿のリーチ数(表示数)向上のために
2016年6月2日追記 Facebookページ投稿のリーチ数(表示数)向上のために
この投稿を実験対象として、昨日(2016年6月1日の13時ごろ)に投稿した本ページを、すぐに弊社Facebookページ「株式会社ファンフェアファンファーレ 京都のWeb制作会社(ホームページ制作会社)ウェブ制作&Webマーケティング(Facebook)」に記事リンクをシェアしました。
普段は、数値が乱れ、リーチ数は最悪の場合「9」という数字が出ています。平均するとFacebookページヘのいいね数より少し低い程度ですが、投稿のリーチ数は9から400くらいまでの間で数字が乱れています。リーチ数が多い時と少ない時との投稿ごとの内容の差はそれほどありません。
今回は、代表者の個人アカウントでのシェアを時間を分けて2回行い、それぞれに「友達」からの「いいね」が10程度つきました。
Facebookでの友達数は130人程度。「いいね」が少ないのは、もともとFacebookでの友達数が少ないということが原因でしょう(個人的にはあまりソーシャルが好きではないため控えています)。
その結果です。
いかにFacebookページ単体でのシェアでは物足りないかがわかりました。
Facebookページ単体でのシェアでは、ほとんどのユーザーにメッセージは届きません。
しかしながら、リーチ数が多い時と少ない時との投稿ごとの内容の差はそれほどないものの、ある相関関係は見出すことができました。
違和感のあるお知らせ
そして、面白いことにこの投稿に連動して、リーチ数が極端に少ない(リーチ数14人)、本投稿のその前の投稿に「ご案内」が表示され出しました。
少しメッセージに違和感があります。
このページ(Facebookの投稿リーチ数 すべての友達には投稿メッセージが届かない)へのリンク投稿であれば、リーチ数が457になっているのでわかりますが…
個人アカウントの投稿の表示(リーチ)
さて、同時に、友人の協力を得て、個人アカウントの投稿が表示されるかどうか、ということも実験しました。
この友人も、Facebookページをフォローしてくれているのですが、Facebookページの投稿は表示されず、このFacebookページの個人的なシェアの前に、その前日投稿した「個人的なひとりごと」しか、友人のニュースフィードには表示されなかったようです。
確認したのは、夜10時頃です。
その前日の個人的なテキストベースの投稿のみが表示され、その後2回Facebookページの投稿の「シェア投稿」しているにもかかわらず、新しい投稿は表示もされませんでした。
もちろん個人アカウントにアクセスすると、全ての投稿が表示されましたが、ニュースフィードに表示されるものは、「一部」のようです。
友人のニュースフィードでは前日の投稿のみが表示
ニュースフィードでは各個人の最新の記事を表示するわけでもなく、なぜか当日の昼と夜に投稿したものは無視して、その前日の投稿のみを表示させるという現象が起こりました。
これは実験だったので良かったのですが、せめて時系列に表示しないと、「あの人は最近いいねをくれない」とか、「お知らせしたのに無反応ということは嫌われだしたか…」とか、そういった人間関係の軋轢を生む可能性があります。
投稿の「いいね」数やコメント数に比例
そして、個人アカウントでの投稿の「いいね」数やコメント数に比例して、シェア先であるFacebookページのリーチ数も上がったことから、そういったことをアルゴリズムとして採用しいることは明白ですが、最初の「いいね」を獲得するチャンスすら、「個人投稿も一部しか表示しない」ということで、制限されているように感じます。
そして、その奥には、個人同士の関係性と個人アカウントのオーソリティ(権威性)のようなものを感じます。
6/3追記 実験のリーチ数は最終508人になりました。
投票行為のパラドクス
コンテンツプラットフォームの典型例として、人気の投稿を優先的に表示させるということがよくあります。
私個人としては、その投票行為そのものが、フラットではなく、それぞれの票に信頼性がないため、全く信用していません。
パラドクス的に考えると、「本当に優秀な意見をもつ人は、投票行為自体をしにくい」という傾向があるからです。
検索エンジンのページランクという考え方は、「他の文献に引用・言及されている文献は、評価が高いと推測される」というものですが、論文などであれば、執筆者はその分野にかけての専門家の方です。
専門家の方の論文の中に引用されているのであれば、その指針は真実味を帯びてきますが、「ただの投票行為」そのものは、その手前の信頼性の面で不確かです。
質問と回答サイト
質問と回答サイトは面白い構造になっています。
質問をしている方はその分野のその対象について「知識を持っていないユーザー」です。
そして、そのユーザーが質問に対する回答に対して、「優れた回答である」という投票行為を行います。
つまり、表現は悪いですが、知識に乏しい方の投票が、答えを確定してしまうため、情報の精度は知識レベルに比例して低いものになります。
技術者の集まるフォーラムなどでは、仮に投票システムが組み込まれていたとすれば、投票者がおそらく技術者ばかりなので、先の「ページランクの元となった考え」が適用できるかもしれません。
リーチ数の少なさにどう対応すべきか
話が少し脱線気味でしたが、本題に戻ります。
Facebookの投稿は、友達の数(これは推測)やページフォロワーの数がいくらあっても、その対象ユーザーにはすべての投稿メッセージが届くことはありません。
むしろ相関関係を見る限り、その数が多いほど、リーチのパーセンテージは減少する傾向にあります。
おそらく個人と対象ページとの関係性が薄まるからでしょう。
個人がたくさんのページを「いいね」すると、各ページとの関連性は薄まります。同時にページがたくさんのいいねをもらうと、いいねを押してくれた各ユーザーとの関連性が薄まります。それ以外にもたくさんの要因が推測されます。
X(Twitter)ではすべてのツイートが表示される
X(Twitter)などでは当然にすべてのツイートが表示されます。フォローしているのだからそれが当然といえば当然だと考えられます。
本来はフォローしているのであれば、すべてのページ投稿をフィードに表示すべきだと考えますが、Facebookでは、どうもそうではないようです。
ソーシャルネットワークの醍醐味は、個人が個人的な嗜好で情報を得たり、発信することにあります。
だからこそ、時系列的に投稿が流れていったとしても、対象者にダイレクトに伝わるという期待があってこその活用だったはずです。
情報のアーカイブ性とオウンドメディア
情報のアーカイブ性で言えば、明らかに自社オウンドメディアの方が分があります。
検索エンジンを経由するなど、ダイレクトなメッセージ到達ではないものの、情報資産として、長いスパンで、かつ様々なルートで、様々なユーザーと出会うチャンスがあるからです。
せっかくのダイレクトなメッセージが「すべては表示されいない」ということであれば、そのプラットフォームでの活動は、ロスが多く、せっかくの投稿が意図しないところで空振りになっているということです。
取るべき方法はおおむね3つ
そうであれば、取るべき方法はおおむね3つしかありません。
一つは、関係者の個人アカウントでスパム並みに「シェア」をすること。
一つは、Facebookでのウェブ販促を一切やめて、情報資産として価値が蓄積される自社オウンドメディアに移行すること。
そして、もう一つは、Facebookなどのソーシャルをサブツールとして、補助的にしか使わないという方法です。オウンドメディアコンテンツへのリンクをシェアするだけで、Facebookにオリジナルのコンテンツを投稿はしないという選択肢です。
- 関係者のFacebook個人アカウントでスパム並みに「シェア」をすること。
- FacebookでのWeb販促を一切やめて、情報資産として価値が蓄積される自社オウンドメディアに移行
- Facebookなどのソーシャルをサブツールとして、補助的にしか使わないという方法
むすび
今回はFacebookの投稿リーチについてお伝えしましたが、様々なウェブサービスは日に日に取り扱いが変更されています。また時代とともにFacebookのリーチ数の取り扱いは変わっていくかもしれません。
一つ確実に言えることは、企業や店舗のWebマーケティングは、SEOにもソーシャルブックマークにも、そしてFacebookなどのソーシャルネットワークにも、どれか一つに依存しないことが重要になるでしょう。
何かに依存すると、その依存度が高ければ高いほど、その対象の変化に右往左往することになります。
ホームページ(ウェブサイト)も、あくまでビジネスの補助ツールです。
今回は、「せっかく投稿したのに、それがほとんどの人に届いていない」という無念が、意図せず起こるケースをご紹介しました。
少なくとも重要なお知らせはFacebookで行わないほうがいいでしょう。
ソーシャルにもかかわらず、全ての人に投稿が表示されるわけではない、「Facebook単体でのプロモーション」だけのWebマーケティングは、少しロスが多いと考えます。
あくまでサブツールとしてのご活用をおすすめさせていただきます。
(初回投稿日 2016年6月1日)