オウンドメディアの「脱・モノまねコンテンツ」 心理学と市場の変動

オウンドメディアの「脱・モノまねコンテンツ」 心理学と市場の変動


今回は、オウンドメディア運営の「脱・モノまねコンテンツ」をテーマにお送りしていきます。

ウェブの世界では「コンテンツの時代が来た」とよく言われています。同時に「コンテンツマーケティング」についてもよく話題になっています。

Webマーケティングには「コンテンツ」が欠かせないことは確かです。

Web制作会社(ホームページ制作会社)である私たちの会社でも、ホームページ内にオウンドメディアを設置していただくことを推進させていただいております。

ただ、昔から違和感のあることについて、一度はっきりと記事として配信させていただいたほうが良いと考え、今回、少し危なげな「脱・モノまねコンテンツ」 についてお伝えさせていただこうと思います。

コンテンツ作りをはじめとしたオウンドメディア運営やSEO、Webマーケティングに関する膨大な情報の中で、少し疲れた方へ私たちからのメッセージです。

でも、タイトルが少し変です。

オウンドメディアの「脱・モノまねコンテンツ」の次が「心理学」、そしてオマケに「市場の変動」とまでついています。

ウェブやライティングの内容かと思えば、次にはなんだか関連していそうな「心理学」そして次にはいきなり飛んで金融のようなフレーズです。

いきなり飛躍しそうな内容ですが、どれも関連しています。

そして一つの皮肉を含んでいます。

それはさておき、「脱・モノまねコンテンツ」について、スタートです。

オウンドメディアの「脱・モノまねコンテンツ」

オウンドメディアの「脱・モノまねコンテンツ」

以前「ウェブ上でのマーケットインに偏りがちなWebマーケティングやSEOからもう一歩先へ」でお伝えしましたが、市場の調査をしてニーズに合わせたコンテンツを作っていくことは、「マーケットイン」として捉えることができます。

それもひとつの良い方法ですが、その考え方のみでオウンドメディアを始めると、たくさんの危険性が潜んでいます。

まず必ず大切にしなければならないことは、数字にとらわれないことです。

ユーザーは人間です。

人間を数字として捉えた時、そこには「サイトのアクセス向上」はあるかもしれませんが、Webマーケティングの最終目標であるコンバージョンには至らないでしょう。

今回は、オウンドメディアの「脱・モノまねコンテンツ」として以下のポイントについて、私たちなりの考えをお伝えしていきます。

モノまねコンテンツの危険性

  1. ホームページ活用の本質を忘れてしまう
  2. データ分析によって盲点ができる
  3. 下手な心理学の応用で逆に信用を失う
  4. ホームページ・SEOの奴隷になる

モノまねコンテンツの危険性①
ホームページ活用の本質を忘れてしまう

コンテンツマーケティングの重要性を耳にしてオウンドメディアを運営すると、コンテンツ制作にプレッシャーがかかります。

もしコンテンツを配信するのであれば、きちんとWebマーケティング効果のあるものを途切れずに配信しようとしてしまうからです。

しかしながら、良質なコンテンツを連続して配信することは、相当の熟練度が要求されます。

検索エンジン側のコピーコンテンツ・重複コンテンツの判断の精度も向上している中で、何とかオリジナルのコンテンツを制作する必要性に迫られます。

そこで、何かある指針があれば、コンテンツ制作が比較的楽になると考えます。

ひどい場合では、日本語圏以外の人件費の安い海外のライターに依頼して、ひとまず「テキスト」を稼ごうとされる場合もあると、聞いています。

しかしコンテンツマーケティングも、あくまで一つの手段です。

その本質は、ウェブを通じて企業のマーケティングに貢献することです。

そして、例えばコーポレートサイトは、企業の公式サイトです。

その中のオウンドメディアは、アフィリエイトブログやメディアサイトのようなコンテンツである必要はどこにもありません。そしてそのようなPVが必要であるわけでもありません。

ホームページ活用の本質を忘れてしまうケース

ホームページ活用の本質を忘れてしまうケースとしては、アクセス数や検索順位などの数字を追いかけてしまうことです。

特にたくさんのPVを集めようと「バズること」を意識しはじめた場合は、方向性が少し怪しくなってきます。

そのようなコンテンツを意識して、かつ、コンテンツの量産が視野に入りだすと、どこかでみたような形式、どこかで見たような内容、どこかでみたようなタイトルの、「モノまねコンテンツ」の誘惑がやってきます。

そのために、広告収入主体のメディアサイトとコーポートサイトの中間のような、なんとも言えないサイトができてしまいます。

そうなると、「自分たちのサイトを見て欲しいユーザー」とはかけ離れたユーザーを対象としたホームページ(ウェブサイト)になってしまうかもしれません。

そして、量産されたモノまねコンテンツは、対象ユーザーの「ぶれ」以上に、ホームページ活用の本質から遠ざかってしまうことがあります。それは後述の「モノまねコンテンツの危険性③」に続きます。

モノまねコンテンツの危険性②
データ分析によって盲点ができる

趣旨が少し変わりまして、モノまねコンテンツの危険性②「データ分析によって盲点ができる」に入ります。

データの分析や情報の収集には表裏一体、2つの側面があります。

今回は、テーマ通りコンテンツ制作に則して考えてみます。

コンテンツ制作の全段階としてのデータの分析や情報の収集は、通常考えられているように、「求められているコンテンツ」の発見であったり、よりニーズのあるテーマを洗い出すという意味で、コンテンツ制作プラスに働きます。

しかし一方で、「そのデータや情報に縛られてしまう」という性質があります。

例えば、「こういった人がモテる」という、ある情報があった場合、反対解釈で「そうでなければモテない」という恐怖心が同時に起こります。

同じように、良質とされているコンテンツの方法論や、マーケットイン的なコンテンツ企画を行った場合、「このようなコンテンツしか出してはいけない」という、縛りが生まれることがあります。

自分が作り上げた「汎用性の高い型」

さらに、あるサンプルを元に形式的な方法論でコンテンツを作っていくと、ある枠組みの中で盲点ができてきます。

そして自分が作り上げた「汎用性の高い型」に縛られて、コンテンツの自由度が下がっていきます。

「あるコンテンツの形式を参考にすること」は良いことですが、本当に参考程度に留められているのか、というところが、このポイントの重要なところです。

それがオウンドメディアコンテンツの幅を制限しているのならば、もしかするとそれは、企業の個性を制限するものになってしまうのかもしれません。

モノまねコンテンツの危険性③
下手な心理学の応用で逆に信用を失う

もしかすると、このポイントが一番お伝えしたかった点なのかもしれません。

例えばですが、あからさまに心理学に則ったコンテンツを目にした時、どのような印象がしますか?

「このコンテンツの制作者は、私を騙そうとしている」

もしかしたらこんな感想を抱くかもしれません。私ならばそう思います。

ブログなどでは、たまにコンテンツとして心理学を紹介している場合がありますが、何だか嫌な感じがしませんか?

心理学のパラドクス

例えば「返報性の原理」というものがあります。

「先に相手に親切をすると、相手は親切を受け取りっぱなしにせずにお返ししたくなる」という心理、というようなことですが、このようなことをサイト内にコンテンツとして掲載すると、

「じゃあ、あなたの親切は、私にお返しをさせるための偽りの行動ではないのか?」

という推測が立ちませんか?

私ならばそう思います。

結局は、心理学をどう応用するかですが、「心理学を意識しています」と言われた場合、逆に信用を失うのではないでしょうか?

心理学の応用にも2つの方向性があると考えています。

一つは、先のような「相手をコントロールしよう」という心理学の応用。

もう一つは、相手に自分の思いをうまく伝えようとする、コミュニケーションのための心理学の応用です。

あなたは、自分を「コントロールしよう」と考えている人を好きになれますか?

私は好きにはなれません。

モノまねのコンテンツの型でバレてしまう

サイトコンテンツとして、心理学を取り扱っていた場合はわかりやすいですが、あからさまに心理学についてのコンテンツを設置していなくても、なんとなくニオイでわかってしまう場合があります。

それは、「心理学を応用しよう」として流れているコンテンツマーケティングについての方法論の中の、コンテンツの「型」です。

例えば、「こうすればクリック率が上がる」として掲載されている方法論の中で、「ページのディスクリプションの改良」は問題ありません。

これは検索結果に出てきた時に、タイトルの下に表示される概要文を改良するという方法論です。

例えば、「こんにちは、今日も晴れですね」といった序盤の挨拶文が表示されているものを、コンテンツのテーマに沿った本当の「概要文」に変更することなどであり、それはページの中身をうまく伝える上で必ずプラスに働きます。

それが結果的にクリック率向上に繋がります。

こういったケースは良いのですが、例えば心理学の応用のような

「クリック率を4.7倍にする7つの方法」

とか

「まだ知らないの?ウェブ業界トップが教えるコンテンツマーケティングに欠かせない○○のポイント3選」

というあからさまなタイトルの場合、私はあえてスルーします。

もしかしたら私だけかもしれませんが、私はスルーします。

私は個人的にこのタイプのものを「Bコン」と呼んでいます。

以前は、このタイプが多かったのですが、一時期多用され、クリックした結果「ニーズを満たさないコンテンツ」だった経験が蓄積され、自分の中では精度の低いコンテンツだと自動判断するようになりました。

実際に最近ではこのタイプのタイトルも減少しているのではないでしょうか?

このポイントは、後述の「市場の変動」に続きます。

心理学についてコンテンツを配信していなくても、このようなコンテンツの形式を真似ると、このセクションの主題である「下手な心理学の応用で逆に信用を失う」ということが起こりうる可能性があるのではないでしょうか。

あくまで個人的な推測です。

モノまねコンテンツの危険性④
ホームページ・SEOの奴隷になる

「モノまねコンテンツの危険性」の最終セクションは、「ホームページ・SEOの奴隷になる」です。

数年前「SNS疲れ」が話題になったことがありました。

SNSでの投稿と、オウンドメディアのコンテンツ配信は本質的にはほとんど同じです。

「SNS疲れ」が話題になった時に、「いいね」などの数が気になってしまうというポイントがありました。

オウンドメディアをソーシャル連携していれば、それと同じようなことも考えられます。そして、サイト自体のアクセス数も気になってしまうでしょう。

「ホームページ活用の本質を忘れてしまう」でお伝えしたとおり、ホームページ(ウェブサイト)も、オウンドメディアも、コンテンツも、本質的にはただのツールです。

コンテンツマーケティングやSEOに意識が向くと、本質を忘れそうになることがあるかもしれません。

あくまで企業のマーケティング全般の中の一つの方法論にしか過ぎないはずですが、あまりに意識が向きすぎると、制作者とコンテンツ自体が主従関係が逆転ケースがあります。

「モノまねコンテンツであろうが何であろうが、とにかくコンテンツを量産しなければ」

ということになるとSNS疲れと同じ現象が起こります。

SNSでの投稿は、写真などの単体でも十分ですが、オウンドメディアコンテンツは、基本的には「記事」になります。

写真であれば、ひとまず目の前のものを撮影して投稿する、ということも可能ですが、「記事」となるとそれほど簡単にはいきません。

そこで、コピーコンテンツに近いような、「ある型を意識したコンテンツ」を量産する癖がもしつくと、SNS疲れの時に起こったような、焦燥感や緊迫感がやってくる恐れがあります。

広告収入主体のメディアであれば、それが本業ですが、コーポートサイトのオウンドメディア運営で、そこまでのプレッシャーは必要ないのではないでしょうか?

「とりあえずモノまねでもいいからコンテンツの量産を」ということに意識が向いた場合、手段が目的になってしまうおそれがあります。

市場の変動

最後に結びになりますが、タイトルの一部にもなっている「市場の変動」に入ります。

コンテンツマーケティングと一見関係なさそうですが、ウェブ空間も、たくさんの存在が集まって、それぞれの価値が変動している場所の一つとして考えた場合、市場のような動きをしています。

コンテンツも情報ならば、お金も情報です。ただ、市場の中でも、金融市場などでは、トレードが盛んに行われていますが、ウェブ上ではトレード的な要素はあまりありません。

ここで、市場のようなウェブ空間においても、「不確定性原理」のようなおもしろい流れをいつも感じています。

不確定性原理については、ここでは詳しくお伝えはしませんが、このページでは、おおまかに「『観測』することが観測結果に影響を及ぼしてしまうこと」といったようにイメージしていただければと思います。

観測行為自体が観測結果に影響を及ぼしてしまうことと、検索市場という一種の市場は、少し似ています。

検索市場にかぎらず、「市場」の面白いところは、あるアナリストが「経済動向の予測のコメント」を発表した瞬間に、予測した時点とは、環境が変化するということです。そして結果的に、その予測が外れることがあります。

例えば、ある人が「あるコメント」をしたとします。

そのコメントが発表された場合、そのコメントを聞いた人たちに影響を与え、市場心理が変動するため、市場自体も変動するというケースです。

この場合、コメントが発表された場合と発表されなかった場合とで、おそらく一定期間経過後の変動値は異なるものになるでしょう。

しかし、公開と非公開を同時に行うことはできません。

モノまねコンテンツの危険性③との類似性

だからこそ、比較自体はできないということになりますが、このケースと、「モノまねコンテンツの危険性③下手な心理学の応用で逆に信用を失う」には、類似するポイントがあります。

それは情報が広まる前と後では、効果自体に変動があるというポイントです。

音楽でもファッションでも、ある流行があって、それに合わせたアーティストや服が市場の大半を占めるようになると、市場は次のトレンドへと移行するというような要素もあります。

ある方法論が広まる前であれば、その形式が有効であったとしても、その情報による形式が市場の大半を占めるようになると、次は効果が逆方向に向くことがよくあります。

コンテンツマーケティングにおいて、特にマーケティングや心理学の分野の方法論が「相手をコントロールしよう」という動機で応用された場合、ブームが去る以上に、マイナスの効果を働かせてしまうこともあるでしょう。

コンテンツマーケティングにおいて、モノまねコンテンツの量産より、ポイントだけ押さえた「モノまねしないコンテンツ」の制作のほうが楽で確実だと考えています。

「企業がその企業らしいコンテンツを配信すること」、それが理想的なオウンドメディア運営、コンテンツマーケティングではないでしょうか。


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