ウェブPRとオウンドメディア

ウェブPRとしてのオウンドメディア・自社サイトのメディア化


ウェブプロモーション、つまりインターネット上での表出の機会を増やすこともWebマーケティングには重要ですが、「ウェブプロモーション」だけでなく、より高いウェブの利用には「ウェブPR」にシフトしていく必要があります。ホームページ制作においてオウンドメディアを設置し、自社サイトをメディア化していくことで、ウェブPRを激的に進めていくことができます

ウェブプロモーションの目的は自サイトへの誘導、接触の機会を作ることですが、それだけではサイトのアクセスは伸びるものの、ホームページ(ウェブサイト)を活用したお問い合わせの獲得や商品購入など、最終的な目標・結果であるWebマーケティングのコンバージョンには直結することは少ないでしょう。

そしてそのウェブプロモーションの方法論が、リスティング広告の利用などランニングコストのかかるものであれば、継続して予算が必要になります。

「Webマーケティングのコンバージョン」をもたらすために必要な要素の一つは「PR」だと考えることができます。オウンドメディアでコンテンツマーケティングを行い、ウェブPRを行っていくことで、Web広告にかかるランニングコストを低減させていきながら、Webマーケティングのコンバージョン数を高め、コンテンツSEOを含めて長期的なWebマーケティングの仕組みを作っていくことができます。

「PR」パブリック・リレーションズ

「PR」パブリック・リレーションズ

「PR」は、パブリック・リレーションズの略ですが、このPRは、一方的な広告・宣伝や表出とは少し意味合いが異なります。

PRの本質は、ユーザーに企業・製品・サービスを知ってもらうだけでなく、良好なイメージを伝え、ユーザーや汎く社会全体と良好な関係を築くという終着点があります。

そこでPR、とりわけウェブPRの一つの要素となるのが、オウンドメディアやソーシャルネットワークでのコミュニケーションです。

PRは、既にニーズが顕在化している見込客に直接的な広告宣伝を行い、ダイレクトな販売や営業活動を行うというものではなく、全体的な「良好な関係」を作っていくというイメージです。

また一方で、PR活動は、マスメディア、ウェブメディアへのメディアリレーションにもなり、直接ウェブユーザーへと行うPR活動をきっかけに、メディア取材のきっかけになることもあります。

ウェブPR再考 根本的なPRの視点から

ウェブでのPR

ウェブでのPR 自社サイトのオウンドメディア化

上記PRをWeb上で行うことをウェブPRと呼びますが、基本的このウェブPRは広告的要素の強いプロモーションとは区別して考えます

商品の購入や問い合わせといたユーザーアクションを直接的に狙うWebマーケティングではなく、あくまでホームページにアクセスしているユーザーやソーシャルでのフォロワーなどとの良好な関係づくりに特化したものがウェブPRです。

イメージ作りのためのキャンペーンサイトの活用なども広い意味ではウェブPRになります。

こうしたウェブPRを自社サイト内で行う場合は、オウンドメディアやソーシャルネットワークでの投稿配信を行うことが基本になります。

しかしながらあくまで良好な関係づくりがメインで、ストレートなWebマーケティングとは一線を画するところがあります。

オウンドメディアやソーシャルネットワーク

オウンドメディアやソーシャルネットワーク

「オウンドメディア」は事業主や企業などが「自身で所有する」メディアであり、広義に捉えた場合は、店内ポップや会社案内、自社による定期刊行誌やDMでのお知らせなども含まれます。

ウェブ上でのオウンドメディアは、ホームページ(ウェブサイト)をはじめ、サイト内の新着情報、スタッフブログ、自社アカウントのソーシャルネットワークの投稿、メールマガジンなどになります。

ソーシャルネットワークでの投稿もひとつのオウンドメディアですが、自サイトを利用したウェブPR・ウェブ販促・ウェブプロモーションには自サイトに合わせてカスタマイズしたCMSの導入が必須となります。

WordPressなどのブログCMSを使ってオウンドメディアを構築してウェブPR・ウェブ販促を行う手法は近年Webマーケティングでは主流となっています。

これらの方法を、コンテンツを活かしたマーケティングとして「コンテンツマーケティング」、オウンドメディアによるマーケティングとして「オウンドメディアマーケティング」と呼ぶことがあります。

基本的には何某かのコンテンツを配信し自社メディアを持つというところがポイントとなります。

自サイト内にウェブPRのコアとしての
オリジナルのメディアを構築

ホームページにオリジナルのメディアを構築

ウェブPRを効率的に実施していくためには、ホームページ制作において、自社ホームページ内にオウンドメディアを設置し、ページの配信を行っていくことのできる仕組みを導入することが必要になります。そのためには、WordPressなどのCMSをベースとしてホームページ制作を行うことが理想的です。

こうして自サイト内にCMSでオウンドメディアを構築することには様々なメリットがあります。

オウンドメディアを含んだコーポレートサイト(企業サイト)・メディアサイトの構築にはワードプレスなどブログCMSが適しています。WordPressなどのCMSで構築されたオウンドメディア機能は、メインとなるホームページと同じドメイン下(URL)で運用することができます。

その最大の利点は、オウンドメディアの「コア」としての機能を持つことです

弊社では「コアがない状態」で、情報を様々なウェブサービスに分散させて投稿した場合の労力とウェブPR・ウェブプロモーション効果は、ロスが高いと考えています。

投稿の分散例

投稿の分散例

投稿の分散例としては、①「固定的な自社ホームページ」で基本情報の公開、②「代表ブログ」でブログ投稿、③「Facebookページ」でお知らせ、④「X(Twitter)」でお知らせとポスト(つぶやき)、⑤「Instagram」で写真の投稿といった場合です。

  1. 自社ホームページで基本情報の公開
  2. 無料ブログでブログ投稿
  3. Facebookページでお知らせ
  4. X(Twitter)でお知らせとポスト(つぶやき)
  5. Instagramで写真の投稿

それぞれの場所で、それぞれの活動をすること自体は良いのですが、そうした効果を集約する「コア」が無いと、せっかくのウェブPR活動の効果が分散してしまいます。

コンテンツSEO効果

コンテンツSEO効果 自社サイトのオウンドメディア化

SEOにもかなりプラスに働く

そして、同時にもしそれを自社サイト内のオウンドメディアで行っていた場合は、コンテンツSEO効果が表れ、トップページの検索順位向上などにもプラスになるものが、全て台無しになってしまうというマイナス面があります。

自サイトにコアとしての機能を持ったメディアを構築することは、自サイトそのもののコンテンツ充実によるSEO効果やロングテールSEOにも貢献し、自サイトへのアクセスが期待できます。そして、オウンドメディアコンテンツは、自社サイト内でのコンテンツのため、公式情報としての信頼性も高まります。

公式ホームページの検索順位上位化を被リンクに依存するよりも、圧倒的に理想的なSEOであることは言うまでもありません。

外部サイトからの誘導と自サイト内でのページ移動

外部サイトからの誘導と自サイト内でのページ移動

また、弊社の調査では、レンタルブログなどの外部リンクをたどって自サイトに誘導できる確率と、検索経由などのアクセス時のランディングページ(訪問開始ページ)から、2ページ目などに移動する確率では、数倍から十数倍の開きがあるというデータを持っています。

つまり、自サイトでコンテンツを充実させたときと、外部サイトで運用しているオウンドメディアから自サイトへの誘導のパターンでは、ほとんど同量の労力にもかかわらず、結果は大きく異なったものになっています。

外部での運用でのオウンドメディアでは、トータルでの接触回数、接触時間のロスが多く、プロモーション力、PR力が減少するという結果を、Web制作会社として創立から調査したデータで結論を出しました。

レンタルブログやソーシャルネットワークでのオウンドメディア

レンタルブログやソーシャルネットワークでのオウンドメディア

ウェブPRとしてのオウンドメディアは、WordPress導入など自サイト内でのブログCMSでの運用だけでなく、外部のレンタルブログやFacebookやX(Twitter)、Google+、Instagramといったソーシャルネットワークでも実現することができます。

この手法は、スタートアップが無料で行えるため、費用は最小限に抑えることができますが、先にお伝えしたとおり、各コンテンツへのアクセスが分散してしまい、結果的にロスが多いやり方になります。

また、もう一つの危険性として、アメブロやライブドアブログ、エキサイトブログなどの外部レンタルブログやソーシャルネットワークは、誰でもアカウントを取ることができるため、中小零細企業や個人事業のアカウントは、なりすましの可能性が消えることはありません。

そういった場合にも自サイトでコアメディアを作ることが一つの信頼性に繋がります。

単純にオウンドメディアでコンテンツマーケティングを行ってWebマーケティング効果を狙えるだけでなく、企業の信頼性向上につながるメリットがあります。

ソーシャルの活用 幅広く接触してコアに集中

ソーシャルの活用 幅広く接触してコアに集中

しかしながら、ソーシャルネットワークなどは、それ単体での運用は上述のようなロスと危険性があるものの、自然検索など以外でのソーシャル上でのユーザーとの接触の機会は増やすことができます(Facebookでの活動であればFacebookユーザー、X(Twitter)上のポスト(ツイート)であればTwitterユーザーといったように、検索ユーザー以外のWebユーザー層)。

新規でのWeb集客よりも顧客とのコミュニケーションをはかる場合には、自社サイトオウンドメディアよりも、ユーザー間のつながりの強いソーシャルネットワークのほうが有利なケースがたくさんあります。

特に地域性の高いローカルビジネスなどであれば、自サイトでのコミュニケーションよりも直接的に良好な関係を築くのに適しているでしょう。

自サイトをコアメディアに そしてソーシャルで通知

しかしながら新規の集客やさらに高い顧客とのコミュニケーションには、自サイトをコアメディア・コアポイントとして軸にしながら、メディアの更新をソーシャルなどを活用しながら通知して、幅広くWebユーザー接触機会を増やす、という方法が理想的です。

自サイトのオウンドメディア単体やソーシャルなどでの投稿、いずれかの手法だけでなく、その2つを組み合わせることによって、ユーザーとの接触の機会を増やすという方法がより高いウェブPRを実現するでしょう。

また、CMSを利用したオウンドメディアにも様々なパターンがあります。

ウェブ上のオウンドメディアパターンなどについては、また次回!

オウンドメディアパターン 基本的な類型

(初回投稿日 2016年1月11日)

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