ソーシャルメディアの活用と運用コスト

ソーシャルメディアの活用と運用コスト


今回は、ソーシャルメディアの活用と運用コストについてお伝えします。

Webマーケティングの分野でもソーシャルメディアの活用、つまりFacebookやX(Twitter)、Instagram、Google+(2019年4月に廃止)に代表されるSNSを活用してWeb集客を行うことが有効であるという旨の風潮になってきました。

しかしながら、こうしたソーシャルメディアを活用する場合、初期費用は無料であるものの、その運用にはコストがかかります。Webマーケティングの一環としてソーシャルメディア・SNSを利用するのであれば、その費用対効果も検討しなければなりません。

また、こうしたソーシャルメディア(SNS)を使ったWebマーケティングは、費用対効果の面で「相性の良い業種」と「相性の悪い業種」があります。このため一元化してソーシャルメディア活用、SNS利用がWeb集客に有効的であると考えるのは早急です。

SEOに配慮したページの活用によるSEM(サーチエンジンマーケティング)、そして近年普及してきたソーシャルネットワーク、ソーシャルメディアの活用によるソーシャルメディアマーケティング、ソーシャルメディア販促、これらは、どちらか一方に偏ること無く、相乗効果を生み出すようにうまく活用する必要があります。

  • SEOに配慮したページの活用によるSEM
  • ソーシャルメディアの活用によるソーシャルメディアマーケティング

WordPress(ワードプレス)などのCMSを導入したホームページ制作(ウェブサイト制作)や追加のウェブページ制作などは、われわれWeb制作会社(ホームページ制作会社)にご依頼されるケースが想定されますが、FacebookやX(Twitter)、Instagram、Google+などのソーシャルメディアの活用は、アカウント取得が無償のため、導入しやすく、また「無料感」が強いものになっています。

しかしながら、こうしたソーシャル運営には必ず手間の分だけコストがかかります。そこで今回はこうしたソーシャルネットワークでのメディア配信にかかるコストについて考えていきたいと思います。

ソーシャルメディアの運用コスト

ソーシャルメディアの運用コスト

ソーシャルメディア(SNS)運用に関しては、「全く費用がかからない」というわけではありません

誰でも気軽に無料ではじめられることが特徴的なSNSですが、全てのコストがゼロというわけではなく運用コストをしっかりと見極める必要があります。

初期のアカウント取得やページ作成は無料のものがほとんどですが、初期段階の各種設定やそのソーシャルネットワークでの投稿配信など、ソーシャル運営には時間や労力がかかるため、コストがかかると考えることができます。

事業オーナーなどが運営される場合でも、ソーシャルメディア運用にかかる、その時間と手間暇を考えれば、その分だけ人件費換算することができます。

スタッフの方がソーシャルメディア運営を担当されている場合は、そのスタッフの方の人件費が運用コストになります。

つまり、ソーシャルメディアの活用自体は無償ですが、メディア運営に関しては必ずコストがかかります。

さらに、例えばソーシャルメディア活用の具体策を調べるにあたっての書籍購入の実費や、インターネットで調べている間の人件費も運用コストになります。

ソーシャルへの投稿などだけでなく、投稿に対する他のユーザーからのアクションへの返信などを含めると、その作業・対応にも時間と労力を費やします(しかしながら反応があることは良いことです)。

投稿配信や写真の用意などにコストがかかる

ソーシャルメディア投稿配信や写真の用意などにコスト

固定的なホームページの場合は、一度作ればそのまま効果を待つだけになりますが、ホームページ内のオウンドメディア運営と同様に、ソーシャルメディア運用も常時定期的なメディア投稿配信が必要になります

こうしたメディア配信が停止すると、ソーシャルのフォロワーからは「運営が停止している」という印象を持たれてしまうため、Webマーケティング効果を狙う場合はマイナスに働いてしまう恐れもあります。

こうした投稿配信にはもちろん手間がかかるため、その分だけソーシャルメディアの運営コストとして換算しておく必要あります。

そして、SNSアカウント上で写真の投稿などをする場合には、投稿用の写真の撮影や加工などの手間も必要になります。

ソーシャル運営者として専属のスタッフの方に依頼する場合、こうした作業の時間の分だけコスト換算しておく必要があるでしょう。

ソーシャルメディアの集客効果の変動

ソーシャルメディアの集客効果の変動

基本的に運営自体は無料で行うことのできるソーシャルメディアですが、一時期Facebook集客やTwitter集客が注目されたときと現在ではその効果自体が変動しています。

FacebookやX(Twitter)、Google+、そしてInstagramやLINEなどのソーシャルメディアの実質的なユーザーの利用率の変動や、それぞれのSNS内での投稿への取扱の変化などがWeb集客効果に影響を与えます。

例えば、Facebookの投稿のリーチに関する取扱の変化などが挙げられます。

ソーシャルメディア配信が最新順で全て表示される仕組みのみだったものが、「ハイライト機能」などが実装されした後では、ソーシャル配信自体がそもそもユーザーに届いていないという可能性も出てきます。

Facebookの投稿リーチ数 すべての友達には投稿メッセージが届かない

SNSの成熟とともに徐々に効果が薄れていく可能性がある

SNSの成熟とともに徐々に効果が薄れていく可能性がある

また、例えばX(Twitter)であれば、たくさんのフォローを集めた場合でも、フォロワー自体の実質利用率も変動し、かつ、フォロワーがフォロー対象を増やした場合は、ホスト(ツイート)がタイムライン上で実質的に表示される確率は相対的に下がります。

ソーシャルメディア自体の流行もありますし、ユーザーのリテラシーの成長によって、SNSの成熟とともに徐々に効果が薄れていく可能性もあります。

こうしたようにソーシャル活用の方法はある程度の流れがあるものの効果は非常に流動的であることをある程度把握しておいたほうが賢明と言えるでしょう。

リターンベースでコストを検討する

リターンベースでコストを検討

ソーシャルメディア(SNS)活用を考える上で最も大切なのが運用コストに対するWebマーケティング効果、つまりリターンです。

通常の経営における広告を考えたとき、複数の店舗や事業所があった場合は、一つの施策に対する効果の恩恵が複数になるため一事業所あたりのコストは数に応じて安くなっていきます。

それと同じようにソーシャルメディア運用も、アカウント作成等は無料で投稿の配信にかかるコストしかかからないものの、そのWeb集客効果の恩恵を受け取る対象の数が大きいほど、費用対効果を高めることになります。

ソーシャルメディアの運営者が一人で、その効果を受ける対象が1ヶ所であるよりも、複数である場合は、Webマーケティング効果のリターンベースで考えた場合は効率的です。

一人の運営者の配信を企業内部で活かす

一人の運営者の配信を企業内部で活かす

もちろんソーシャルメディア(SNS)は、一人ひとりのユーザーの結びつきが強く、個人が個人に対して訴求していく効果が高い媒体です。

一人の運営者でソーシャル運営を行うことでコストを下げながらも、企業内部のスタッフの個人アカウントで再シェアを行うことで、配信の二次利用、波及効果によるWebマーケティング効果増大を図ることができます。

こうした仕組みを活かせば、数の原理としてまた違った側面で効果の恩恵を広げることができます。

投稿リーチ減少とソーシャル広告

投稿リーチ減少とソーシャル広告

先の「ソーシャルメディアの集客効果の変動」でお伝えしていますが、FacebookやX(Twitter)などのソーシャルメディア集客が注目を浴び、それからしばらく経った近年、SNS側から意図的な投稿のリーチ数の絞込が行われています。

つまり、以前であればフォロワーに確実に届いた投稿が、SNS母体のアルゴリズムによって締め出され、ほとんどの投稿があまりユーザーに見られていないという現象が起こっています。

こうしたものを補うものとして、Facebook広告やX広告(Twitter広告)など、各SNS内のソーシャル広告を利用するという方法がありますが、そうした広告を利用するのであれば広告費用もコストに計上する必要が出てきます。

以前ほどソーシャルメディアのWebマーケティング効果が出なくなった近年、広告費用を受け入れるのか、別の方法を選択するのかを迫られていると言っても過言ではないでしょう。

ソーシャル活用の効果が現れるまでの時間

ソーシャル活用の効果が現れるまでの時間

ソーシャルメディアの発信の対象は、FacebookやX(Twitter)、Instagram、Google+などの自社アカウントをフォローしているユーザーであり、このユーザーは、顧客であったり、見込み客といった客層になります。

ソーシャル活用の際、製品やサービスの広告ばかりの投稿は、あまりよい印象をもたれません。個人的な結びつきの強いSNSで広告的な配信ばかりを行うと、そのアカウントでの投稿を非表示にしたりといったように、根本的なリーチを遮断されていく可能性が高まります。

SEOとソーシャルメディア ウェブ上での異なるターゲット

ソーシャルメディアのフォロワーは、顧客層であったり、顧客層と関連するユーザーであるため、PR的な要素が強く、効果はジワジワしたものになります。ユーザー間の関連性を強めて行うタイプのマーケティングであるため、広告のような即効性はありません。

またリスティング広告などのように、すでに製品やサービスにニーズを持ったユーザーを対象としたものではないため、マーケティング効果としては、即効性はあまりないかもしれません。どちらかと言うとゆっくりとニーズを喚起していくようなマーケティング方法になります。

ソーシャルメディアはPR的な特性がある

ソーシャルメディアはPR的な特性

どのようなパターンでも同じですが、広告は瞬間的に効果が現れるものの、ブランディングを含めたPR活動に関して言えば、その施策の効果が現れるまでには相当のタイムラグあります。

ソーシャルメディアは、フォロワーへのダイレクトな発信にはなりますが、単発で終わるものではなく、良好な関係性を作ったりそれを維持発展させていく、と言った目的に適しています。

ソーシャルの活用は、こういったPR的な特性があるため、その効果はアクセス向上だけでは判断できない面があり、遅れて効果が現れるため、実際の販促効果を計測しにくい点があります。

この点は、Google、Yahoo!などの検索エンジンを利用したSEMであれソーシャルメディア販促であれ、同様になります。

SEM、ソーシャルメディアマーケティングは、「施策を行って即時に効果」ということはほとんどありません。

数日ということもおそらくありません。

ソーシャルメディアの活用はフォロワー数増加なども加味して、数ヶ月から数年のスパンで長期計画を立てる必要があるでしょう。

タイムラグがあるからこそ運用コストを意識

タイムラグがあるからこそ運用コストを意識

ソーシャルメディアは、導入にコストがかからないものの、その運用には手間暇がかかります。そしてそれは人件費に換算されるものになるためソーシャル運用のコストとして考えることができます。

ソーシャルメディア活用に限らず、PR活動は投資的な性質があり、広告のようには施策に対しての効果が純粋に比例はしません。植物への水やりに近いような性質があります。

「土の中に種を埋めて、毎日水をやる」といった行動を行ったとしても、すべての種が発芽するかはわかりません。

しかし水をやらないと、どれも発芽することはない、というイメージです。

そして、芽が出てきていなくても、地中には出てきていないだけで地中で発芽している可能性もあります。

それだけの期間、「水をやる」ということに対するコストを意識して、継続してソーシャルメディア運営をしないと、芽が出る前に枯れてしまいます。そしてすべてが空振りになる可能性もあります。

ソーシャルメディア活用を含めたオウンドメディア運営、コンテンツマーケティングは、長期運営のコストを意識してから運営していく必要があるでしょう。

(初回投稿日 2016年2月2日)

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