今回は、「ホームページ制作やコンテンツマーケティングでいちばん大切なこと」について考えてみたいと思います。
ホームページもコンテンツ配信もあくまで、Webを活用した集客でありWebマーケティングの一部です。Webマーケティング目線で俯瞰してみることで、共通して大切な部分が見えてきます。コンテンツマーケティングひとつとってもそれほど特別なことではなく、通常のホームページと共通して押さえるべきポイントがあります。
12月に入り、京都でも寒い日は格段に寒くなってきました。
先日、近所の北野天満宮と上七軒歌舞練場で、「KYOTO NIPPON FESTIVAL−Autumn Leaves 2016−」というフェスがあったそうです(初回投稿時点)。北野天満宮でそんなことが行われているとは知りませんでしたが、亀田誠治さんのSNS投稿で知りました。
さて、今回は、「ホームページ制作やコンテンツマーケティングでいちばん大切なこと」というタイトルで、「コンテンツの品質」や「メッセージ性」、「コンテンツのリスク」について考えてみたいと思います。
旧来からのホームページ制作はもちろん、コンテンツマーケティングが注目されていている現代でも、コンテンツ自体の品質やその内容が持つメッセージ性の重要性は変わりません。ホームページのアクセスアップを狙って「やりすぎたコンテンツの工夫」を行うと逆にそのコンテンツが企業ブランド低下などのリスクになることもあります。
ホームページ制作で大切なこと
「ホームページ制作で大切なこと」ということになれば、エラーが出ないとか、デザインが美しいとか、見せ方がうまいとか、そういった点がもちろん考えられます。
その一方、「ツール」としての機能を考え、「どうやってホームページにアクセスしてもらうか?」という点で考えれば、SEOとかリスティング広告とか、そういうWebマーケティング的なこともポイントとなってきます。
しかし、それより何より大切なのは、ホームページ制作において込められるメッセージではないでしょうか?
一時的なサーバーエラーやコンテンツの誤字脱字など、多少のうっかりミスで、一気にユーザーからの信用をなくすということはあまりないと思いますが、コンテンツの隙間から漂うメッセージの質で、信用は一気に無くなることがあります。
ホームページに込められるメッセージ
通常の営業活動などでも会話が大切で、広告物でもメッセージが大切です。
ホームページを媒介していたとしても、結局は人と人のコミュニケーション、意志の伝達という面では変わりないと思いますので、何をどう伝えるのかというところは非常に大切なのではないでしょうか。
ホームページ制作においては、Webデザイン性などが注目されますが、Webデザインも一種のメッセージであり、その企業の特色を非言語的に伝える要素になります。
思いが言葉になれば、メッセージに、そしてデザイン表現になればグラフィック表現になるという違いはあるものの、結局は何某かのメッセージをホームページに込めて、ユーザーに伝えていくというところがホームページ制作においては肝心要になるのではないでしょうか。
無味乾燥な事実的コンテンツ
一般的な企業ホームページなどでは、会社概要や、取り扱い製品・サービスの情報など、事実情報(いわゆるデータ)だけを掲載している場合がほとんどだと思います。
ホームページ制作のスタイルにもよりますが、依頼主側が提示する情報はほとんどが会社案内に書いてあるような「普通」のデータです。それを元にホームページ化していくというのが、一般的でしょう。
もちろんその場合は、信用を失うというリスクはほとんどありません。
無味乾燥といえば、無味乾燥ですが、「賢者は多くを語らない」ということもあります。そのほうがホームページを通じたトラブルは少なくなると思います。
しかしながら、あまりに事実情報だけになると、印象にも残りません。
極端に言えば、カードなどの申込書に書いてある「約款」をほとんどの方が読まないというようなイメージです。
逆に、非常に興味がある人は、それでもくまなくチェックするかもしれません。
といっても、ニーズにピタッとハマれば別ですが、いわゆる「一般的な情報」の掲示だけでは、ユーザーはあまり問い合わせなどのアクションを起こさないと考えることができます。
ホームページ制作でいちばん大切なことは、「きちんとメッセージを伝えること」ということですが、事実情報だけでなく、企業ならではの特色を語りかけるように伝えてみるというのもいいのではないでしょうか?
まるでモノクロの写真に一ヶ所だけカラーを混ぜるように。
語りかけるコンテンツ
一方、「語りかけるコンテンツ」は、ユーザーの気持ちにダイレクトに訴えかけるので、行動喚起につながります。ホームページをWebマーケティングに活用する場合は、こうした点にも工夫が必要であるのかもしれません。
ホームページ制作においてメッセージを込めていくことで、企業の風土や特色を伝えていくことにもなります。
こうしてある種の「癖」がどんどんホームページ上に表れてくると、もしかするとその癖を嫌う人も出てくるかもしれませんが、逆に好きになってくれる人も出てくるかもしれません。
どこも同じようなホームページが並び、Webデザインで差がついている程度の中、しっかりと「自分たちが顧客にもたらす事のできるサービス部分は何か?」という面や「自分たちの特色」を提示していくことができたのなら、また別のところで差が出てきます。
感情に訴えかけるテクニックとホームページアクセス
一方、本音を隠しながら、「感情に訴えかけるテクニック」でアクセスを稼いで、Webマーケティングの母数となるホームページアクセスを稼ごうとされる場合もまれにあります。
歴代の有名な哲学者や心理学者などは、「人は理性的に見えてほとんど感情で行動を決定している」といったことを述べていたりします。
でもだからといって、「あなたの感情を揺さぶってみますよ、私の力で」なんてことをされたら、逆にその人を信用することはできません。
「これでしょう?あなたが欲しかったのは?」みたいな態度を取られると、感情的な反発で、いわば「反感」を買ってしまうことがあります。
「え?これで41歳?しかもすっぴん?」
などと言われても、広告なのですから…
それはそれでいいですが、「まだひとりぼっち?」とか「え、まだ知らないの?」とかそういった煽りでクリック率は上がるかもしれませんが、個人的には好きになれません。
そろそろ「消費者」をバカにするのはやめましょう。
昔まで使えたコンテンツ制作の方法論
「○○な方法13選」とか、そういった数字を入れるとよいと吹聴していた人もいますが、ユーザー側もそういった小手先のテクニックを利用した記事にがっかりし、もちろん学習していきます。
周りがそんな記事ばかりになった時、昔まで使えた方法論など一気に使えなくなることはよくあります。
株価が上昇するようなニュースがあったとしても、ニュースが出たあとの市場は変化します。だから、ニュースが出る前とかせめて「かなりの人が知る前」にアクションを起こす必要があります。
なぜなら、ニュースの情報を知った市場に参加する人たちの行動が、「ニュースを知る前」とは異なるからです。
これは株式市場などでのお話ですが、コンテンツ制作でも同じことです。
小手先のテクニックが通用しなくなるときはいつかやってきますし、むしろ通用しなくなった市場でそれをやると「反感」しか残らないといったリスクもあるのではないでしょうか?
時代が進み、ユーザー側の情報取捨選択能力が高まってきた時は、いわば「本当に本音でメッセージを込めている人たち」だけが評価されていくでしょう。
コンテンツマーケティングでも要注意
Webマーケティングのコンバージョンを意識する、ということになると、ホームページに記載する文章にどこかしら感情的な面や社風が見える面を反映するなどの工夫が良いかもしれません。
コンテンツマーケティングでも同じように、Web上の月並みな情報を再編集するような形ではなく、しっかりと自社独自の個性とメッセージを込めていくべきだと考えいます。
就職活動などでも、ほとんど事実情報しか記載されていない履歴書・エントリーシートだけで、採用が決まることはほとんどないと思いますし、結局は実際に対面してみて、お話してみる、そしてその中でお互いの理解を深めるところから採用の合否が決まるような形だと思います。
「コンテンツマーケティングの時代だ!」と、何かと話題になる、このコンテンツマーケティングですが、「会社概要」などのホームページの基本的な情報が面接で言うところの「履歴書」だとしたら、オウンドメディア配信は、面接での直接的な会話に近いのではないでしょうか?
少し感情を織り交ぜたような面接での会話の中にも、マナーはあります。
それは、面接官からの質問にも、リクルーターの回答の中にもあると思います。
内容がきちんとしているのであれば、ある程度荒々しい話題でも良いのかもしれません。
しかし、「気を惹こう」と思って、等身大以上のことをする必要は無いのではないでしょうか?
記事やコメントの内容を再確認
多くの企業や個人が気軽にホームページやブログを使える時代になり、ホームページをただ公開しているだけで、Webマーケティングの効果を期待することはできなくなりました。
だからこそ「コンテンツマーケティング」という言葉も出てきたのでしょう。
そこで、次に多くの人が「コンテンツの配信」をやりだした場合、またその中で抜きん出る必要も出てきます。
そうなってきた場合に、コンテンツの配信で多くの人に強いインパクトを与えることを目的とした場合、思わずマナーも度外視した強烈なことを書いてしまうことだって可能性として考えられます。
制限が厳しすぎるとコンテンツが無味乾燥になり、面白みがないものになってしまうことも考えられます。
しかし逆に自制心を全く持たない状態になると、それはそれでかなりのリスクになります。
実際に、Twitter(現 X)やブログでの失言などで、職を失った人もいるくらいです。
時に、感情に訴えかけるコンテンツは、誰かを傷つけることもあります。
犯罪に関する報道の場合は、報道された人や家族は傷つくかもしれませんが、それよりも被害者や公益の方が優先されます。報道された人も「仕方ない」と思えると思います。
しかしながら謂われのない人を傷つけて良いことはありません。
一気に信用をなくすリスクを内在しています。
こうしたリスクを無くすために
ホームページのマーケティング活用を意図して、コンテンツマーケティングを行うことは基本的にはプラスに働きます。しかし、同時に、事実情報のみのシンプルなホームページよりもマーケティング効果は期待できるものの、リスクも内在しています。
意図せず誰かを傷つけることになったり、また、事実としての根拠に乏しい情報を配信して、信用をなくしてサイト閉鎖ということにもなりかねません(先月末、そんなことがありましたね)。
こうしたリスクを無くすためには、匿名非公開の個人的なブログで練習することもいいかもしれません。
二重チェック体制や「下書き」を数日寝かせる
また、コンテンツ配信時に二重チェック体制をとったり、すぐに投稿せずに、下書きとして数日寝かせるということも良いかもしれません。
「あるものが欲しくなっても数日待てみよう。そして数日経ってまだ欲しかったらそれを買いなさい」といったようなことを言った人がいます。
その場の感情に任せると、思わず勢いでリスクのある記事を書いてしまうことがあります。かと言って、あまりに制限をしすぎると、オウンドメディア運営自体が滞ってしまうことも考えられます。
WebデザインやSEOよりもホームページに込めるメッセージが重要
ホームページ制作やコンテンツマーケティングでいちばん大切なこと、それは、WebデザインやSEOよりもホームページに込めるメッセージであると考えていますが、メッセージは諸刃の剣となることがあります。
感情のないコンテンツでは感情に訴えかけることはできませんが、感情に任せたコンテンツで、人を傷つけることは、負の感情しか生みません。
ホームページにどんなメッセージを込めるか、そこに一番こだわるべきなのかも知れません。
(初回投稿日 2016年12月7日)