CGMとは、Consumer Generated Media(コンシューマー ジェネレイト メディア)の頭文字をとったもので、「消費者」が「生成」する「メディア」です。同義語としてUGM(User Generated Media)という言葉もあります。こちらはユーザー生成メディアです。
ウェブ上ではブログやSNSのユーザーによる発信、そしてマス媒体とまではいかない規模の「ミドルメディア」などの情報媒体です。口コミサイトでの投稿、書評などのレビューもCGMにあたります。
オウンドメディアの最大の弱点は、客観性がないこと、つまり必ず主観的な記事になることです。自社サイトのコンテンツはすべて主観的な情報です。
ホームページ(ウェブサイト)を通じで公式情報としての情報発信をすることはできますが、そのウェブサイト自体が信頼の置けるものか否かという点については、自社発信であるウェブサイトの情報よりも、「たくさんの第三者、または信頼性のある第三者」による客観的な情報提供のほうが情報に信頼性があります。
ホームページ情報の拡散
CGMが登場してから、ホームページ情報が拡散されるようになりました。
何かで話題になればトップページがソーシャルやブログで拡散されていきますし、コンテンツマーケティングにおいては、配信したコンテンツページが興味深いものであれば、Webユーザーは自発的にページをシェアやリンク付きツイートなどで拡散していってくれます。
比較的昔からあるCGMの代表例、「ブログ」などで紹介されながら被リンクを送ってもらうということも起こりえます。
拡散方法と効果
ホームページの情報がSNSを含めたCGMで拡散されていくためには、まずそのページ自体が拡散元となるWebユーザーの目に触れる必要があります。
そのきっかけは自然検索かもしれませんし自社発信のSNSでの活動、自社ブログの読者という関係、ソーシャルブックマークなど様々なスタートが考えられます。
自発的にホームページコンテンツを拡散していくためには、こうしたスタートに関する方法を最初は自社経由で行っていく必要があります。
運良く拡散されていった暁には、ホームページへのアクセスの向上だけでなく、第三者による情報提供という客観的な信頼性向上という副次的なメリットもついてきます。
ただ、逆に拡散が炎上のきっかけになるというリスクも内在しているところには留意しておいたほうが良いでしょう。
第三者による情報提供
例えば、株式会社など、企業の実在は登記などによって証明されますが(今ではマイナンバー検索で実在する会社かどうかの確認ができます)、ウェブ上にポツンと公式ホームページ(ウェブサイト)が存在するだけでは、少し実在の信頼性に欠けてしまいます。
その際に、所属する業界の組合機関などのリストに名称と所在地が記載されていれば、信頼性向上のひとつとして寄与するでしょう。企業の公式ホームページのURLが掲載されていればさらに客観的信頼性は高まります。
ホームページ集客の際のユーザーの不安感
特にウェブ上からの集客・お問い合わせ獲得の場合には、所在地が遠方の場合、どうしても不安感は拭いきれません。
どうしてもホームページ集客の際のユーザーの不安感は必然的に発生するため、ホームページ制作においてコンテンツ品質を高めるなどユーザーからの信頼獲得が必要になります。
こうしたように公式サイト上での情報公開が第一ステップですが、やはりなるべく公的な機関からの紹介や一般消費者からのレビューなどを獲得して、第三者からの情報提供・情報掲載によるホームページ(ウェブサイト)の客観的信頼性向上を図る必要が生じてきます。
「信頼性」というWebマーケティングの要素
Webマーケティングの要素としては、ユーザーとの接点確保・Web集客という面と、ホームページをはじめとしたWeb上の情報によるニーズマッチと訴求力、そして、信頼性という面など複数の要素が重なり合ってコンバージョンに至ることができます。
この信頼性に関しては、ホームページ制作において、ユーザーからの信頼を勝ち取るためのコンテンツの作り込みや情報開示といった面を工夫することができますが、やはり、こうした情報提供は全て自社発信のため客観性がありません。
「お客さまの声」の掲載
「お客さまの声」の掲載は第三者からのメッセージとして客観的信頼性向上に寄与しますが、実名と写真を掲載していても、それが本物であるという保証は確実ではありません(実際にスタッフの写真や顧客の顔写真かと思えば、フリー素材でよく見るモデルの顔だったということはよくあります)。
「信頼性」というWebマーケティングの要素を高めるために、自社ホームページでの入念なコンテンツ制作も重要ではありますが、外部サイトに社名などが掲載されているだけでも、客観的信頼性は向上します。特に公的機関や業界団体などであれば、その効果は優れたものになるでしょう。
CGMも信頼性向上に寄与
公的機関や業界団体、大規模メディアなどのドメイン下における企業の紹介という点が最も良いケースですが、ウェブユーザー・一般消費者によるメディアであっても、第三者であることには変わりありませんので、一般的なウェブ広告などより、第三者からの評価、信頼性向上という意味では貢献してくれるでしょう。
紙媒体への掲載や地域に看板が設置されているなど、ウェブ以外で既に認知度がある場合は、例に漏れますが、まだ認知度が低い状態の場合は、ウェブ特有の「顔が見えない不安感」がどこかに内在してしまします。
ウェブでの広告は、公式ウェブサイトと同様に、ウェブ上での主観的な発信には変わりなく、認知度向上には寄与するものの、不安感を払拭する点にはあまり貢献してくれません。
ウェブサイト運営にあたり、「主観的であっても、なるべく情報を公開すること」の次のキーポイントとなるのは、第三者からの情報提供です。
CGM(Consumer Generated Media)による情報提供
CGM(Consumer Generated Media、消費者生成メディア)は、消費者自身がウェブ上のサービスを利用してコンテンツを生成していく、というパターンの情報媒体です。
大規模メディアとは異なり、ソーシャルユーザーやブロガーの記事は、客観性と信頼性の面においてやや劣るものになるのは必然です。
しかしながらウェブユーザーが昔に比べて爆発的に増えた現代においては、無視できない存在であることは確実でしょう。
自社サイトを始めとしたオウンドメディアやウェブ広告が「客観的信頼性」において、自社発信であるため、あまり貢献してくれないことに比べて、一般的なレンタルブログであっても、様々なユーザーが企業や製品・サービスについて言及しているという状態は、その分散と数によって、どんどん客観的信頼性向上に貢献してくれます。
CGMによる拡散
そして、最もユニークなのが、CGMには拡散性があることです。
コアとなる記事を元に、意見を加えた類似記事が発生したり、ソーシャルでのシェアによって「異なるユーザー」からの情報発信数が爆発的に伸びる可能性を内在しています。
Facebook、X(Twitter)をはじめとするソーシャル以外でも、ブログなどで同様の現象が起こります。
これは費用に比例して、リーチ数が上昇するウェブ広告とは大きく異なります。
情報の波及
コアとなる記事がミドルメディアにプレスされ、その記事からレンタルブログに派生して、その記事へのソーシャルシェアされ、再シェアされた場合の拡散力は、ひとつの記事の発信に比べて凄まじいほどの効果と波及力の差があります。
もちろん加えられる意見は千差万別になる可能性がありますが、「客観性」としては大きく貢献します。
CGMによる風評の拡大
こうしたようにCGMには拡散性があり、客観的信頼性を高めてくれるというプラスの要素もありますが、そうした「拡散性」や「客観性」は逆に誹謗中傷などの風評被害を拡大させてしまう要因にもなります。
一般的な口コミや噂であれば、一定期間経過後に忘れさられる可能性がありますが、Web上のコンテンツは長期間残り、コピーや追加意見も増えていきやすいため、被害が拡大する可能性を持っています。
たとえ無責任な意見であっても、ユーザーによってはそれを真実だと誤認したり、同調して拡散していく可能性も高いためCGMによるコンテンツ配信で風評被害があった場合は早期対応するほうが良いかもしれません。
特に、Webコンテンツは通常の複数人で行う会話の中の言葉よりも、一人の空間で文章などと対峙してしまうため、対象者の心理的ダメージも大きく、同時に意見を見た他のユーザーの同調、コンテンツ拡散の可能性も高い傾向にあります。
CGMにはこうした諸刃の刃としての特性があります。事件性のあるようなものは早期にCGM運営側や警察に通報して対応したほうが良いでしょう。
(初回投稿日 2016年2月6日)